このシリーズとは別ので(二次創作)もっとしっかりしたエロを出すので
ご勘弁してつかあさい
後twitter始めました~
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「……っ、はあっ、はあっ……」
絶頂の後、男はアルマを貫いていたものを引き抜く。
「……良かったよ、アルマ……」
男のものに取り付けられた避妊具から重く垂れ下がる
男はアルマの身体を抱きしめ、髪を撫で、額に軽くキスをする。
「……うん、私も」
アルマは小さく、しかし愛おしげに、そう返事をした。アルマと男は見つめ合って、互いに汗ばむ裸体のまま、長いキスを繰り返した。
アルマは「もちろん」男を愛していた。男は……きっと、それよりもアルマのことを、愛していた。
二人が見つめ合ったとき、アルマは濡れた目で男への愛を示していた。男も、アルマへの熱愛と……それに、ほんの少しだけの、不安の色を含めた視線で、アルマのことを見ていた。
先日プロポーズを快諾してもらった彼に、いったい何を悩むことがあるというのか。……例えば同じ職場の中で彼女が、自分よりも何段階も上の重要なポジションを務めるようになったから……だろうか。
アルマは自分を抱きとめる男の腕をゆっくりと解いて、彼を引き離そうとした。
「アルマ、……愛してる」
だが、男はアルマを再び抱き締めようと腕を回す。男の腕の太さは、優男のそれではない。立場上はアルマに劣るとはいえ、彼とてまた、過酷な訓練を経て、いくつもの高度な任務をこなしてきた、タフガイであった。
「大丈夫……私も」
アルマは男と額を合わせ、男の頭を撫でながら……あくまでクールに……いつも通りの彼女で、男への愛を囁く。男の心中に少しの安心感が生まれた隙に、アルマは彼の腕の中を抜けて、服を着はじめる。
今夜、彼女は一度仕事場へ戻り、明日からの任務のための、最終準備を行うのだ。
──
「……ルークくーん! ニルくーん! お疲れ様~!」
メノは田んぼの
「……お疲れ」
アルマも少し苦笑交じりの柔らかい笑顔で、小さく彼らに手を振った。
彼女たちの制服は、敢えて国内の婦警のそれとほぼ同様にデザインされており、村の者たちにとっては、彼女たち……即ち、政府の秘密機関から派遣された潜入調査官は、単なる「パトロールのお姉さん」達にしか映らない。国家直属の、それなりの立場よりも更に上に位置する
「……あっ、キイくん、キイくんだ! キイ~く~~ん! お帰り~~! 今日もお疲れ様~~っ!」
まるでお人形さんのような美少年が畦道を通りがかると、メノは更に声を黄色くして、彼に対して大きく手を振る。
キイと呼ばれた少年は、にっこりしながらお辞儀をする。夕日が彼の長い銀髪と銀色の
そうして、夕刻の「監視」は今日も、ことも無げに、平和に過ぎていく。……それだけに、やはり、アルマには、この光景にたった一点だけ存在するその「異様さ」が、気になった。
この村で学校からの帰り道を往く子どもたちは、例外なく、ランドセルやリュックではなく、代わりに巨大な木製の「箱」を背負っているのだ。
大方の子どもが村の住宅地へ去っていくのを見届けた後、アルマとメノは道の端に停めていた「パトロールカー」へと乗り込んだ。
メノは助手席に座るなり、うっとりしたようなため息をついた。
「ふあぁ……本当にこの村の男の子たちは可愛いですねえ、先輩」
「本当に……今のあんたを、この任務に来る前のあんた自身に見せてやりたいよ、メノ」
「いやぁ、ははは……今でも、男の人とか、それに……そういう話題とかは、まだ、ちょっと、苦手なんですけどね」
そんな風に自身の男性恐怖症と潔癖症を示唆するメノは、その発言とは裏腹に、なかなかに「男好み」のする容姿をしていた。長く明るい金髪を左右でまとめた、ぱっちりした目の、丸みがかった顔つきは、一見すれば、彼女がまだ未成年だとすら思えるかもしれない。一方で、制服の前方を「ぴっちり」と主張する胸に代表される、“いわゆる”「ムチムチ」のボディラインは、その婦警の(ものに似た)制服姿について、まるでイメージ・プレイか何かと勘違いされてもおかしくはないくらいの“代物”であった。……あるいは彼女の性に対する“おそれ”は、そういった彼女の可憐さや発育の良さが、いろいろな、良くない思い出を作ってきた結果なのかもしれない。
「でも、この村の男の人たちは、何だか……大丈夫な、そんな気がするんです。男の子たちが皆、可愛いのは勿論ですけど、大人の男の人……おじさんとかも、あんまり、その……変な目で見てこないっていうか……。私、先輩に、この任務に連れてきてもらえて、本当に良かったと思ってます」
メノはそう言って、本当に喜んでいる様子で、隣に座るアルマの手を握った。
「別に私があんたを選んで連れてきた訳じゃないよ。お
「……そうでしたね。でも、それでも私、先輩と一緒に仕事ができて、嬉しいんです。私、先輩のこと、ずっと憧れてましたから」
「分かってる、分かってるって。訓練生の頃から、やけに懐いてきたもんね」
「……だって、先輩、私の周りの子よりも……先輩の同期の女の人よりも、とっても強くって、頭も良くて、すっごく頼りになって……なのに、とっても綺麗で。私の他にもファンがいたんですよ。知ってました?」
「別に、そこまでのものでも無いと思うけどね」
そう謙遜するアルマの容姿は、メノのどこか、いわゆる「美少女」然としたものとは対照的だった。すらりと伸びた長い手足の、制服から覗くその素肌は褐色がかっていて、母性的というよりも情熱的な、体温の熱さを想像させる。切れ長の瞳と、ほんの少し癖毛のあるショートカットの黒髪、そして全身のスレンダーなボディラインは、纏っている警察官「風」の衣服と相まって、美しくもあり、そして典型的な「強い」女性の像を形づくっていた。
「……それにしても、今日も特に何も収穫は無かったね」
「まあでも、忍耐力も捜査に大切だって言うじゃないですか、先輩。何か分かるまで、急がずに待つのも良いんじゃないですか?」
「そうは言ってもね。何も行動しなければ、仕事したことにはならないじゃないの」
アルマは苦笑しながら、アクセルを踏んで車を発進させる。とはいえ、今日はもう
国内で発生した、異常現象としか呼びようのない「何か」を調査するための、秘密の
この村……かつては自治体というコミュニティの維持すら怪しいと思われていたほどに過疎と少子化の進んでいたこの限界集落が、ある期間を境に、まるでその大地に再び命が宿ったかのように、賑わいを取り戻したのだ。
外面的には、その「期間」に、村興しか何かの大きな出来事が起きたようなことは、確認されていない。強いて言うなら、事前の調査で分かっていたこととして、その村の学校に通っている子どもたちが、やたらと良い成績を取るようになっている点が挙げられる。学校の評判が上がり、その村への引っ越しや、学校が提供している寮へ我が子を入れさせる親が増加した、といったことは、統計上の事実として確認できた。しかし、その学校の指導要領を見ても、他の学校との際立った違いは見られない。寧ろそれは進学校のそれではなく、小さな村の公立学校が可能な範囲の、大らかな教育方針に基づいたものであった。
結局、事前調査で明らかになった前述の事実は、人口増加の謎を深めるだけであった。
アルマとメノは現地の図書館で村の歴史や時事に関する資料を手当たり次第に調べたが、明確な成果を得ることはできなかった。ただ、現地に来てはっきりと分かったのは、前述の学校の生徒たちの多くが、登下校の際に巨大な四角い「箱」を背負うという、奇妙な「風習」があるということだった。
しかし学校の校長によると、この「風習」は学校の指導によって始まったわけではなく、生徒たちが自然に、同じような「箱」を背負うようになったのだ、というのである。そして生徒たちからは、誰々くん、誰々ちゃんがやっていることだから、のような、有益性の無い情報しか得ることはできなかった。箱を背負わない子どもがいじめられている等の様子があるわけでもなく、この「箱」の存在意義は、現時点の二人にとって、全く意味不明のものであった。
──
週に一度の礼拝の日、教会には
複数のパートに分かれたハーモニーであるにもかかわらず、全員が「ソプラノ」のパートであるかと錯覚させるような、高音域の音色で殆どが構成されている楽曲。それを前列に並ばされた少年たちは、見事に歌いきっている。
礼拝堂の座席で、メノはすっかりその歌声に聞き惚れていた。キイ君ってば、あんなに綺麗なのに、声まで本当に女の子みたい、なんていうことを考えながら。一方、その隣に座っているアルマは、彼らの姿を冷ややかに見つめていた……歌っている間じゅうも「箱」を背負い続ける、少年たちの姿を。
斉唱が終わり、少年たちが引き上げて間もない頃。
「ちょ、ちょっと先輩っ……!」
「お邪魔しまーす」
アルマはメノの静止を振り切って……男子更衣室のドアを開けた。
「……う、うわあっ!!」
少年たちは、まるで女子が男子に着替えを覗かれたかのような声を上げた。メノは、きゃっ、と小さな声を上げて、思わず顔を手で覆った……その指の間はずいぶんと開いていたが。
「どうもどうも、急にごめんねえ」
「ぱ、『パトロール』のお姉さんたち……どうしたんですか、本当に、急に」
「いやあ、ちょっと、どうしても気になることがあってねえ」
アルマは
「……君のその『箱』について、もっと詳しく、教えて欲しくてね」
「ま、前にも説明したじゃないですか、これはランドセルみたいなもので」
「ううん、でもさ、だとしたら、今日の聖歌のとき、あの時は別に背負っていなくても良いんじゃないの?」
「……そ、それは……」
問われた少年は口ごもった。その赤毛の少年は、キイと比べると大分男の子らしい、やんちゃ坊主のような見た目をしており、クラス内ではリーダー格を務めるような、力強い芯のある性格……と、周囲からは評価されていた。
そんな、普段は強気の少年が、「箱」について聞かれると、ずいぶんと、しおらしい態度になってしまうのだった。
「ねえ。……ひょっとして、その『箱』の中には、お姉さんたちに見られたらまずいものでも、入っているんじゃないのかな?」
「そ、そんな事は」
「……本当にぃ~?」
アルマは
「……っ」
少年は頬をほんのり赤らめる。
「もし君が良かったら、さ。今、その『箱』に入っているものを、お姉さんたちに、見せてもらえないかな?」
「……せ、先輩っ。そういうやり方は……!」
性に対して嫌悪感を持つメノは、アルマに対してむっとした顔をして、引き留めようとした。
その時……
「……何をしているの!」
「やあ、ご苦労様です。シスター・アイリス。いや、アイリス巡査部長殿」
室内の喧騒を聞いて駆け付けた若いシスターに、アルマは丁寧な挨拶をした。彼女はまた、この(今もまだ、一応は)「小さな」村の交番で主任を務める、いわゆる「駐在さん」でもあった。アルマとメノは、「表向きは」急な人口拡大に対応すべく派遣された交番の追加人員……つまり、彼女の部下ということになっていた。
「こんな横暴を、貴女たちに許した覚えは無くてよ!」
「……すみません、巡査部長殿。ですが、ばれてしまったものは仕方ありません。我々は実は、警察本部からある特別な任務を預かっておりまして。主に、この『箱』に関する、ね」
(……えっ、先輩……それ、言っちゃって良いんですか……?)
「本部が、この『箱』を……!?」
ただの新入りの巡査だと思っていた人物が特別な任務を背負っていたと聞かされれば、驚くのは無理もない……が、アルマは、アイリスの驚きの表情の中に、ほんの
「我々が、この村の急激な人口の拡大について調べていたのは、巡査部長殿もご存知でしたでしょう?」
「……ええ……それは、この村にとって喜ばしいことだったけれど……でも、村民の私たちにだって、その原因が分かっていないということも、説明したはずよ」
そう話すシスター・アイリスは、アルマほどではないが整ったプロポーションを持ち、シスターの服の上からでも手足のしなやかな筋肉が分かるかのような、凛とした雰囲気の女性であった。
「そうでしたね。しかし、こちらとしても、分かりませんでした、で済ますわけにはいかないのでしてね」
アルマは、アイリスの目をじっと見て話した。
「なので私は、色々な可能性を推理したわけです……例えば、ある時、この村で、とても表には出せない儀式が行われて、その結果として……本当に奇跡が起きて、人口の増加が起こった。その儀式と『箱』に、何らかの関わりがあるのではないか……とか、ね。そして、この村で儀式を行うような宗教的施設といえば、まずはこの教会でさあ」
「……何とまあ、突拍子の無いことを……!」
アイリスは呆れたようにそう言ったが、その眼が、目の前の相手の視線から逸れようと一瞬だけ泳ぎかけたのを、やはり、見逃すアルマではなかった。
「おや、教会に何のやましいことも無いというのでしたら、今ここで、箱の中身を公開してもらっても良いのでは無いですかね? 巡査部長殿」
「あ、貴女という人は……!」
押せている。アルマがそう確信した時、シスターの陣営に、助け船が加わった。
「皆様、どうか、お止めになって。……『箱』は、この教会の神父様から仰せつかったことですわ」
「シスター・マリア! ……良いのですか?」
新たに登場したこの女性は、教会のシスター(修道女)のリーダーを務めている。先の合唱で、シスターと少年たちを指揮していたのも、この人物だ。
「へえ、ここの神父様が! それは興味深い」
アルマは、マリアと呼ばれた女性の方を見た。
「数年前から行方不明になっている、この教会の神父様が、ねえ。確かに、神父様がいなくなったとされる時期と、この村の人口爆発……というか、村の活性化が始まった時期は、かなりの一致を見せている。そこまで、調べはついているんですよ。私だって、何の目星も無しにこの部屋に飛び込んできたわけではないんでね」
今のアルマの視線の先にいる尼僧、修道女長シスター・マリアは、経歴上はアルマ、メノ、アイリスらよりも一回り以上も年上であるはずだが、その肌の張りや
マリアはまた、この場にいる全ての女性の中で、最も「グラマラス」な体形であるように見られた。その一方で、シスターの服装から浮き出ている豊満なそのボディラインからは、そこまでの下品さは、何故だか感じられない。メノはマリアの姿に母性のようなものを感じ、この緊迫した空気の中で彼女が登場したことにより、少しほっとしたような気分になった。
「……アルマさん、貴方の仰る通り、この村の発展と『箱』の取り決めは、同じ時期に始まったのかもしれません。そして、そこには何かの因果関係が、あるのかもしれません。ですが、信じてください。私たちは……何も、知らされていないのです。神父様は、私たちに何の理由も告げずに、ただ、『箱』の言いつけだけを残して、そして……居なくなってしまわれました」
「ふむ。では再び申し上げますが、貴女がた教会側が何も知らされていないのであれば、我々が『箱』の中身を調べても、何の都合も悪いことは無いんじゃあないですかね? 『箱』の中身を余所者には見せてはならない……神父様はそうとも仰ったのですか? だとすれば、言っていただければ良いものを。何故そこの男の子やシスター・アイリスは、そう言わなかったんですかね? 何故……理由もなく、箱の中身を見せたがらないのです?」
「そうですね。……確かに、神父様は……『箱』の中身を調べさせるな、とは、仰ってはいませんでした」
「シスター・マリア……!」
少し悲壮の色を浮かべて名前を呼ぶシスター・アイリスに対し、マリアは、良いのです、ときっぱりと答えた。
「……ルーク。『箱』を下ろして、その中身を彼女たちに見せて上げてくれるかしら」
マリアは、先ほどまでアルマに問い詰められていた赤毛の少年の名前を、優しく呼んだ。アルマはその対応について、ううむ、と唸った。
「あのですね、もし良かったら、ここにいる男の子たち全員、背負っている箱を下ろして、中を開いたりはしてくれませんかねえ。それも、禁止されていないんですよね?」
勿論、キイ君もね、と、アルマは付け加えた。
「……っ!」
マリアは言葉を詰まらせた。
証拠は無くとも、アルマは……全てを、見透かしているのではないか。そんな考えが、頭を
「……いい加減になさい! アルマ巡査、それにメノ巡査!」
マリアの沈黙を、シスター・アイリスの怒号が破った。
「ひいっ!」
メノは
「貴女がたが、そこまで教会の、村のプライバシーに踏み込む権利があるのかどうか、今の私は把握していません。そこまでの捜査をするというのであれば、よほどの権限を持っているのでしょう。……まずは、首都の警察本部に、貴女たちのことを照会させてください。貴女たちがこの捜査を行うのに正当性があることが分かれば、この子たち全員の『箱』についての調査を、巡査部長として許可します」
(……せ、先輩……まずいですって……)
メノはシスター・アイリスの言葉を受けて、そんなことをアルマに耳打つ。シスター・マリアが説明をして時間稼ぎをしてくれたおかげで、巡査部長アイリスは、彼女たちの弱点……素性を明かされるということに、辿り着くことができたようだった。
「……成る程。シスター……いえ、アイリス巡査部長。貴女の仰る通りです。すみません、功を焦ってしまったかもしれません。どうぞ、本部へご連絡ください」
結果が出るまで、私たちは一旦、退出するとしましょう……そう言って、アルマは素直に引き下がり、メノと共に更衣室をあっさりと出ていった。
「先輩……大丈夫なんですか!? 上の人たちは、警察本部とはそこまで疎通を……」
心配するメノに対して、アルマは平常心を保っている様子だった。
「何、心配は要らないさ。……今夜、また進展があるよ」
何やら自信ありげに、アルマはそう言った。
──
「パトロール」とのひと悶着をなんとか終え、静寂を取り戻した教会。
それから日が沈み、夜が訪れ始めるころ、その門の前に
「……聖歌隊の子どもたちですね。それに、一緒に歌っていたシスターたち」
物陰で張り込んでいたメノは、共に居るアルマへひそひそと報告をする。
「でも、どうして分かったんですか? この時刻に……この人たちが、集まるって」
アルマは、うーん、と、少ししどろもどろになりながら答えた。
「何というか、敵を欺くには味方から、というか……例えば、メノが実はどこかのスパイだったりするかもしれないわけじゃない」
「なっ……先輩.、ひどいですよっ!」
「まあまあ。今のは冗談だよ。ただ、君がいくら口をつぐんでくれていたとしても、私が君に過剰な情報を提供してしまったとして、それがどこで盗聴されているか、分からないからね」
「盗聴って……私には、この村の人たちが、そんなに悪い人には思えないんですよ……アイリス巡査部長に、それに……シスター・マリア。とっても素敵な方じゃないですか」
調査のための滞在期間中、アルマとメノは様々な村の人物たちと交流を持った。中でもシスター・マリアは余所者であるアルマたちに対して特に親切にしてくれて、メノは彼女の優しさや、一つ一つの所作に上品さが醸し出されるような立ち振る舞いに、アルマの凛々しさへのものとはまた異なる、憧れを抱くようになっていた。
「だが現に、彼ら……彼女たちは、怪しい動きをしているじゃないか」
「そ、そうですけど……」
「何はともあれ、気づかれずに後をつけて行こう。もう少し謎の核心に迫れたら、君にも種明かしをするよ、メノ」
少年と、成人……あるいは少なくとも少年たちよりも一回り年上に見える女性たちが、まるで一対一のペアになって進んだ先は、教会の地下への入り口だった。
その入り口は冒険ものの小説や映画に登場するような隠し扉……というわけでは無かったが、その扉は礼拝に訪れる一般人からは死角となる位置に設けられており、それに、アルマたちが提供された教会の見取り図には、その扉は書かれていなかった……そもそも、地下の存在、それ自体も。
少年と女性の集団の全員が、下り階段を十分に進んだことを聞き取ると、アルマはメノを引き連れてゆっくりと扉を開き、音を立てないようにそろそろと階段を降りていった。
下り階段の先には、細い石造りの廊下が真っ直ぐに伸びていた。廊下の両脇には、一定間隔で扉が備え付けられている。……明かりの少なさと相まって、その空間はまるで、牢獄のようにも思われた。そして、アルマとメノは階段を降りきる直前、廊下のかなり奥側の扉に、少年と年上女性の、恐らくは最後あたりのペアが入っていったのを、確かに見た。
アルマとメノは訓練された足取りで颯爽と、しかし静かにその扉へと向かい、二人で耳をそばだてた。……しかし、一切、物音のする気配が無い。
アルマは軽く
するとアルマは
アルマが起動した端末を操作すると、まず、音声データが再生され始めた。
……
(ふふっ、ルーク、『箱』のことを聞かれて、怖かった?)
(……ん、別に……)
(本当? 格好つけちゃって)
……
「ルーク君、と……アイリス巡査部長!?」
「私たちが盗聴されているかどうかは知らないけれど、私の方は立場柄、任務のためならどんな手段でも取らせてもらうよ。……更衣室で箱に仕掛けたこいつが持っている機能は、発信と盗聴だけじゃない。こいつは箱の表面を虫のように移動して……適切な位置からの映像情報も送ってくれる、高性能ドローンなのさ」
アルマはその「スパイ道具」を自慢げに説明しながら、端末を経由してドローンを操作し、扉の向こう……部屋の全容が分かる位置へと、移動させた。
……まず、扉の前には「箱」がまるでバリケードのように置かれていた。
そして、その向こうにあったものは……ベッドルームだった。
シスター・アイリスは赤毛の少年ルークと談笑しながら、しゅるしゅると、その衣服を脱ぎ始めていた。
既にヴェールは外され、ルーク少年のものにも似た紅い長髪が露わになっている。普段の、村の駐在としての凛々しい顔はそこには無く、ただ、優しい微笑みが、ルークを見下ろしていた。全身を覆っているローブがするりと床に落ち、純白の下着姿が現れる。出るところは出て、締まるところは締まっている、「婦警さん」らしい健康的な体形である。
「……っ……!」
ルークは息を荒げ始め、アイリスの、主張する乳房に触れようと手を伸ばす。
「んもう、だめよ。ほら、君も脱いで……」
アイリスはそう言うと、ルークのシャツのボタンに手をかける。ルークはアイリスの手ほどきが待てないかのように、急いで残りのボタンを外し、シャツ、そしてズボンを脱いでいく。
「お、お姉ちゃん……」
「焦っちゃだめだったら。……ちゃんと、女の子も気持ちよくすることを考えなきゃ、ダメだよ?」
そう言ってアイリスは悪戯っぽく微笑みながら、屈んでルークと唇を合わせた。
「んちゅっ……ぇろ……」
唇同士の接触が繰り返される中で、アイリスは舌を短く突き出して、ルークの上唇をなぞる。ルークはそれに呼応するかのように口を開け、そして、先ほど言われたことを実践するかのように、アイリスの舌の先や裏側、歯茎のあたりを彼の舌で刺激しようとする。
「んんっ……ちゅぷっ……ふふっ、上手く、なったね……」
アイリスは目をとろんとさせながらも、
「お姉ちゃんっ……僕、僕……もう……!」
股間を苦しそうに屹立させながら彼女を押し倒そうとするルークをやんわりと制止しつつ、
「もう少し、待って……。ほら、私のここにも、キスして……」
彼の頭を撫でながら、熱く吐息を漏らす彼の唇を、彼女の股の間……その薄い布の向こう側へと、招待しようとしていた。
「……ああっ! んあぁっ、ふあうっ、……んんぅっ、良いよっ、ルーク、上手……っ!」
秘部への熱い「口づけ」を受けるアイリスによる、高らかで艶やかな喘ぎ声……を、ドローンはアルマとメノの端末へと、確かに送信していた。
「……う、嘘、そんなっ、嫌っ……!」
リズミカルな嬌声が端末から響き続ける中、メノは青い顔をして後ずさった。
彼女の苦手な「性」の営みが、彼女が良く見知った……
「ああん、そう、ルーク、そこ、良い……っ……!」
ルークの責めはクンニリングスから、全身への絡みつくような愛撫へと移行する。
「……ふむ。これは……恐らく……」
アルマの方はというと、動揺らしい動揺を見せる事なく、冷静に映像を分析している。
「んんっ、ふふっ、お待たせ……ルーク。それじゃあ……いただいちゃう……わ、ね……っ……!!」
ルークからの寵愛をたっぷりと受けたアイリスは、ベッドの上で仰向けに寝かせたルークの上に、
その結合部からは……避妊をしている様子は、見られない。
「んああっ……! ああんっ、ああ、んはあっ、んあぅん、はあうっ」
「成る程。若い子の……子種を、女たちが、集めているというわけか」
アルマはその光景から伺える真相の推測を口にした、が、実のところ、調査がある程度進んだ段階から、彼女の中では、その推論がかなりの有力候補となっていた。
「い、嫌……嫌嫌嫌嫌っ」
「生まれた子どもは正直にシスターたちが育てるのか? それとも、村のどこかの家庭に預けているのか……まだまだ調査すべき点は……」
更に艶を強める嬌声の中、頭を抱えて現実を拒絶しようとしているメノを尻目に、アルマはぶつぶつとそんなことを呟いていた。
「んはぁぅっ、ああん、あん、んんっ、あっ、ルーク、好きぃ……っ」
「お、お姉ちゃん、ぼ、僕、もう、も、もうっ、で、出……っ……!!」
「んふあぁぁああ(……プツン)」
メノの精神的限界を懸念したアルマは、アイリスが絶頂を迎えた声を流す端末のアプリケーションを終了させ、
「まあ、ここの部屋は、どこもこうやって、まぐわってばかりいるということなのだろうね。……ほら、メノ、もう行くよ」
そう言って、まだ放心状態が殆ど抜けていないメノを引っ張り上げて、引きずるようにして……廊下の奥、そして其処にあった、更なる地下への階段へと、歩みを進めた。