同じ様な逢瀬が四、五回位続いた時、俺は一向に進展しない事態に焦りを感じたが同時にこれは俺のターンなのだと言う事に気付いた、そしてある計画を胸に彼女の元に向かった。
何時もの様に二人で炬燵に並んで入り横たわる彼女にディープ・キスを加えるかたわら、俺は一つのお願いをした。
「君の鼓動を感じてみたい。」その願いを大して深くも考えず彼女は了承したので俺は彼女のセーターの左胸の上に掌を置きゆっくりと少しずつ彼女の乳房を揉んだ。
しばらくそのソフト・ペッティングを続けると彼女は俺から顔を背けながら一言ポツリと言った。
「仕方ないわね…。」俺はその言葉を聞くと全力で行動を開始した。
彼女のセーターの下にあるシャツをジーンズから引っ張り出すと冷たく冷えた手を入れ彼女のブラジャーの下まで手を伸ばし彼女の両の乳房を掌に収めた。
「なっ」彼女は驚いて小声を上げたが、俺がそれまでとは打って変わった激しい愛撫を乳房に加えると「あ”、あ”、・・・」と言う聞いた事の無い鼻濁音?を発して彼女は身を捩った。
ここで俺は自分に一つのルールを科していた。
それは”青春のバイブル”の教えは必ず守る事だった、この段階まで来たらパンティの内に手を伸ばすのは一跨ぎで出来る、しかし「教え」は急ぐべからずとなっていた。
この直後俺はそれを身をもって体験する事になるのだが今はソフト・ペッティングから大胆なハード・ペッティングへの切り替えに成功した話をしよう。
女性は快楽に身を任せると顔がクシャクシャになるのも新しい発見だった。
(後年、明石家さんまがこれを「肛門顔」と表現していたが言い得て妙だと思った。)
列車の時間が迫り帰り支度を始めた俺は乱れた姿のまま横たわっている彼女に傍にあった毛布を掛けてやった。
そうすると彼女は身を起こし乱れた服装を直しながらポツリと言った。 「あ~ぁ、とんでもない事言っちゃった。」俺はそれを俺の行為の否定と取った。
彼女の方を向かないまま「悪かった、俺も少しやり過ぎた、もう来ないからそれで許してくれ。」と言って振り向くと彼女は微笑みながら俺の首に抱きついた。
「許したのはこの私、あなたは悪くないわ。 多少の拡大解釈はあったようだけど、また明日あいましょう。」と言ってくれた。
帰りの列車の中で俺は一人両掌を見詰め彼女の乳房の感触を思い出し初めてのヘビイ・ペッティングの成功に酔った。
数日間二人はヘビィなペッティングを楽しんだが、ある日彼女は珍しくの白いタートル・ネックのセーターを着て来た、フーン珍しい事もあるもんだとさほど気にも留めなかったがちょうど実験室がたまたま空になり俺達だけになった時彼女は小走りに俺の傍に来るといきなりセーターのハイネック部分を下げ頸回りの肌を曝した。
「あっ」おれは思わず小声で叫んだ。 そこには小さい赤い斑点が幾つも着いていたのである、俗に言う「キス・マーク」である。
俺としては跡が着く位に強く接吻したつもりは無かったのだが事実付いているのだから間違いなく俺のせいだった。
「ごめん、もうしないよ。」と詫びるのが精一杯だったが、彼女はサバサバした口調で「そうは言っても続けたいんでしょ、この関係。」と言ってのけた。
「それはそうだが夢中になったらまた(キス・マークを)着けてしまいかねない。」「だから(二人の関係を)終わりにする? こんなに楽しいのに?」彼女は真に「小悪魔」だった。
だがそうそう良い事ばかりは続かない、俺はそれを”けだもの事件”と呼んでいるが、ある晩、いつもの様に二人はヘビィ・ペッティングを楽しんでいた。
俺は彼女のブラジャーも剥がし上半身をほぼ裸の状態にして両の乳房を揉み、乳首を軽く弄って刺激を加えて彼女にあの鼻濁音を発しさせていた。
乳暈に舌を這わせ乳首を甘噛みして彼女の官能を燃え立たせた。
ここで俺は一つの間違いを犯した。
彼女のジーンズの上から彼女の性器を愛撫しようとしたのである。
俺の指が彼女の股間に滑り込んだ時、彼女は身を翻して俺の下から抜け出て脱ぎ散らかした衣服を胸の前に固めて持ち眉をしかめながら言った。
「けだもの・・・。」と引き攣った小声で叫んだ。
俺も今まで色々の罵声や非難の言葉を浴びせられてきたがさすがに「けだもの」呼ばわりされた事は無かった。
しかも上半身のヘビィ・ペッティングはあれほど身を任せてくれたのに、下半身は衣服の上からでも認めないなんて・・・俺の矜持が頭をもたげた。
それから数日は二人の関係はぎくしゃくした物になっていた。
研究室でも日常会話、事務的な会話しかせず、当然夜の密会はお預けになっていた。
一週間位過ぎた頃、俺は研究室の隣にある小教室に彼女の呼び出しを受けた。
<最後通告かな…。>俺も覚悟を決めて会見に臨んだ。
誰も居ない小教室の片隅で二人は向かい合って立っていた。
俺が言葉を紡ごうとするより先に彼女は俺の首に両腕でしがみついて来た。
俺は驚いて「俺を許すのかい?」と言った。
「許すも何も今の私にはあなたの居ない生活なんて考えられない。」そう言って彼女は涙を流した。
<この女、肉体的欲望が強い!のかな…。>と思ったが俺はそれを表に出さず素直に純情な反応をした。
「じゃあ、今まで通りのつきあいに戻れるんだね。」俺は欲をかいて全てを失う事を恐れ今以上に彼女の肉体を求める事はしない事にした。(そんな訳無い、チャンスを伺うだけだ。)
ある晩、何時もの様に二人は「危険な遊び」にふけっていたが、俺の方は重大な決意を胸に秘めながらいつもより情熱的に、彼女の判断力が鈍る事を祈って愛撫を重ねた。
十二時近くに終電がホームに入って来る音が聞こえた。 そう俺は彼女の部屋に泊まり込む陰謀を企んだのだ。
「どうするの! もう列車ないのよ!」彼女は取り乱していた。
「何、タクシーでも拾うさ、もう帰るから安心して。」俺は事も無げに言った。
「ダメ! この辺りでタクシーを拾うなんて絶対無理!」彼女は乱れた姿のまま部屋の入口に立って俺を止めた。
「でもフトンは一つだろ、俺と一緒に寝るつもり?」俺はまた一手勝負を掛けた。
「何もしないって約束するなら・・・一緒でも。」彼女は守られない条件をつけた。
もしも俺の行動を警戒しているのならこんな約束は求めない、一緒の布団に入ってしまえば力の強い男のなすがままなのは明らかである、しかもその男は情熱的なペッティングを駆使し「けだもの事件」を起こしている性欲の塊なのだ。
逆を言えば彼女の方もこうなるのを待っていたのではないかと俺は思った。
何故かと言えば寝具を用意する彼女はやけにウキウキしている様に見えたからだ。
やっと本番の始まりかな? 長かった…。