※この作品はR-18です。

二人の白馬村   作:Asarijp

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二人のその後 前編

「雪乃。あなた、まさか妊娠したのではないでしょうね?」

 

 雪ノ下家に結婚の挨拶に行ったとき、雪ノ下母に開口一番言われたのがこれだった。

 ほんと背筋が凍ったわ……。挨拶がわりのジャブがハートブレイクショット並みの威力だったよ母ノ下さん。おかげでどういう話するのか完全に頭からすっ飛んで本当に焦った。

 この後、母ノ下さんには予想どおり学生結婚について激詰めされたが、雪ノ下と事前に用意した想定問答集でなんとか切り抜けることに成功。ついでに雪ノ下が断固として主張した「学生の間に子供を産む」という要求も通すことができた。

 

「八幡。あんた、こちらのお嬢さんを妊娠させたんじゃないでしょうね?」

 

 雪ノ下家での挨拶に続いて俺の親に結婚の挨拶に行ったとき、母ちゃんに開口一番言われたのがこれだった。

 息子のことをなんだと思ってるんですかねうちの母親は。おまけに裏に連れていかれて今度は「絵とか壺とか買わされてないか」ときたもんだ。まぁね、親父がいっぺん騙されてるからね……。

 結局、小町のとりなしで母ちゃんはようやく雪ノ下を息子のちゃんとした交際相手と認識した。学生の間に子供を作るつもりだと雪ノ下の口から聞くと驚いた様子だったが、学生の間の生活資金は雪ノ下家から出ると聞くと「じゃあいいんじゃない」とあっさり承知した。やはり金か。

 

 ただ、「それなら早いうちに先方にご挨拶を」と母ちゃんが言い出して急いで両家顔合わせのセッティングをさせられ、千葉市内のお高めのレストランで俺の両親と雪ノ下の両親の食事会をやった。

 そこでさらに「結婚式はどうする」という話になり、結婚生活や子供のことを考えると式にお金を使うよりは……と(雪ノ下が)辞退した。俺たちの二人の家は雪ノ下が高校の頃から使っていたマンションをそのまま使うことに決まり、婚姻届は新年度に合わせて提出して俺が雪ノ下姓に改めることとなった。

 

 

 

 

 

 知り合いへの結婚報告や俺の引っ越しといった諸々の結婚生活の準備を済ませるだけで、俺と雪ノ下の年末年始休みは終わった。明日からもう大学で授業が始まってしまう。大学行きたくねぇなぁ……。

 

 そんなことを考えながら、ダブルベッドに横たわる。

 雪ノ下のマンションは3LDKだが、俺が引っ越してくるにあたって雪ノ下が私室として使っていた部屋を寝室にし、ここにダブルベッドを入れた。おかげで部屋はベッドで床面積の大部分が占領され、ビジネスホテルのような少し窮屈な印象になっている。だが、ダブルベッドは雪ノ下たっての希望だった。

 

 ベッドでうつらうつらし始めた頃、控えめにドアがノックされた。

 自分の寝室でもあるのにノックするのこの子? そんなに気遣わなくていいよ?

 

「あの、比企谷くん。まだ起きているかしら」

「もう寝るぞ。疲れた」

 

 ドアを少し開けて、風呂上がりの雪ノ下が頭だけ突っ込んで部屋をのぞき込む。

 

「そう。高校の制服が出てきたから着てみたのだけれど、そういうことならまた今度「待て見たいすげぇ見たい」……」

 

 雪ノ下がジト目で俺をにらみつけ、しょうがない男だと言うようにため息をついて部屋に入ってきた。

 

「……その、どうかしら?」

 

 雪ノ下は卒業式に最後に見た制服姿そのままだった。チャコールグレーのブレザーにチェック柄のスカート、白いブラウスに赤いリボン、そして黒のニーソックス。長い髪の内側には、高校のときにいつもつけていた赤い髪紐も見える。

 

「……いい」

 

 ドーラ一家のシータに惚れてる息子もこんな心持ちだっただろう。いい。ほんといい。卒業してから見る高校の制服って本当にいいものですね……。ときめきがある。

 でも総武高校の制服ってちょっとスカート短すぎじゃない? 立った状態でスカートの裾が股下数cmくらいまでしかないし、なんかあったら簡単にパンツ見えそう。大丈夫? ちゃんと校則どおりに着てる雪ノ下でこれだよ?

 

 そして雪ノ下のニーソックス。

 雪ノ下は俺より5、6cm身長が低いが、股下は俺と同じかそれ以上あるくらい脚が長い。そしていい感じに細い。細いのだが、運動自体はできるからつくべき筋肉がしっかりついて引き締まっているし、かと言って筋肉だけでなく適度に脂肪もついている。俺の婚約者マジ美脚。肌も綺麗だからストッキングとか靴下の足タレできるレベル。いや顔も整ってるしスタイルもいいからその気になれば普通にタレントとか女優とかできそうだけど。なんでそんな美女が俺の婚約者やってんの? 俺死ぬの?

 とにかく雪ノ下の黒いニーソックスに包まれた脚の破壊力がすごい。ニーソックスの締め付けがなくなって元の太さに戻る部分のわずかな曲線が、雪ノ下の太ももの柔らかさを表している。素晴らしい。触りたい。高校のときの俺、よくガン見せずに過ごせてたな。万乳引力の法則並みの吸引力がある。研究したい。

 

「そんなに見られると恥ずかしいのだけれど……」

「すまん。今ちょっと目が離せないから気にしないでくれ……いや、気にしてくれ。その恥じらってる感じすげぇいい手でパンツ見えないようにスカート押さえてくれるとほんといい雪ノ下写真撮っていい?」

「駄目に決まっているでしょう。……見たかったらまた着てあげるから我慢しなさい」

 

 照れながらそんなことを言う雪ノ下、ほんとなんなの?ってくらいかわいい。この子、本当に俺の婚約者なの? 俺死ぬの?

 しかしせっかく雪ノ下が俺のリクエストに応えて高校の制服を着てくれたのだ。死ぬ前にちゃんと感想を言ってやる義務があるのではないだろうか。

 そう考えて、俺は雪ノ下の肩に手を置き、彼女の少し赤い顔を見つめる。

 

「雪ノ下、その……すごく似合ってる。着てくれてありがとな」

「え、ええ……あなたがそう言ってくれるなら、着た甲斐があったわ」

「これからもぜひ着てくれ。たまにでいいから。な? 頼む」

「そんなに必死にならなくても着てあげるわよ。……そんなに気に入ったの?」

「気に入った。めっちゃ気に入った。制服着た雪ノ下マジ最高。フェティシズムの塊」

 

 雪ノ下がしらーっとした視線を俺に向ける。

 その目もまたいいんだよなぁ。知り合ってすぐの頃はいつもそんな目で俺のこと見てましたよねあなた。やべぇちょっとどころじゃなく興奮してきた。

 

「……あなた、高校の頃もそんなふうにいやらしい目で私のことを見ていたの?」

「え? いやこれは今こういう関係になったからであってだな……。高校の頃はせいぜい『こいつ窓際で本読んでると絵になるな』とか、そんくらいだよ?」

 

 正直に言うと、付き合い始めてからは正直だいぶいやらしい目で見てました。高3の頃はセックスしないことにしてたから、キスした日は帰ってからサルみたいにオナニーしてました。

 

「そ、そう……」

「そういや俺も制服持ってきたんだった。着替えてくるわ」

「ええ。あなたが寝間着では雰囲気がないものね」

 

 寝室からリビングダイニングに走り、部屋の隅に積まれた俺の荷物から高校の制服を引っ張り出す。卒業式の後に小町か母ちゃんがクリーニングに出していてくれたらしく、クリーニング屋のビニールカバーとタグがついていた。まぁこれからいろんな体液で汚すんだけど……。

 

「比企谷くん、ネクタイはないの?」

 

 ワイシャツを着てスラックスをはいていると、寝室から出てきた雪ノ下がそう声をかけてきた。

 

「あん? ああ、いつもしてなかったろ」

 

 総武高校の男子の制服には本来なら緑のネクタイもあるのだが、してなくても怒られないし面倒なので俺はいつもノーネクタイだった。

 しかし雪ノ下は残念そうに眉根を寄せる。

 

「ネクタイ、結んであげたかったのだけれど……」

 

 なん……だと……。

 

「ちょ、ちょっと待て。確か……」

 

 引っ越しの荷物に大学の入学式で着たスーツ一式も入れてきたはずだから、ネクタイも入っているはずだ。

 雪ノ下にネクタイ結んでもらうなんて、またとない機会かもしれない。この機会を逃してなるものか!

 

「これ、結んでくれるか」

「ええ。じゃあそこに座ってくれる?」

 

 臙脂色のネクタイを手渡し、ワイシャツの第一ボタンを留めて襟を立てながらソファに座る。雪ノ下は俺の前に回って立ち膝になり、ネクタイを俺の首にかけた。

 近い。めっちゃいい匂いする。近くで見ると、雪ノ下はやはり綺麗だ。初めて彼女を見た高2のあの日から何度も繰り返し認識していることなのに、俺は飽きもせずそのたびに彼女に見惚(みと)れる。

 結び始める前に雪ノ下は自分の長い髪を後ろに払ったが、こういう仕草も制服を着ている状態だと変にどぎまぎしてしまう。

 

「……前からだとやりにくいわね」

「自分でするのとは勝手が違うだろうからな」

「後ろからやってもいいかしら?」

「お、おう……」

 

 俺の後ろに回った雪ノ下に首に手を回され、一瞬で雪ノ下の香りに包まれた。右耳に雪ノ下の息遣いを感じている間に、首の前でネクタイが結ばれていく。

 雪ノ下は手慣れた様子でプレーンノットを作り、襟を折って結び目を調節し、満足したように息をついた。

 

 これはダメだ。我慢できん。

 

「できた。んむっ!?」

 

 横を向いて雪ノ下の唇を奪う。雪ノ下もすぐにその気になったらしく、ネクタイを結んでいた手を俺の首に回してきた。

 

「ん……んんっ……はぁ……我慢できなくなっちゃった?」

「ああ。お前が魅力的すぎてな」

 

 雪ノ下は俺の口との間の唾液の糸が切れるのを見届けると、俺のテントを張ったスラックスを見つめながらささやいた。

 

「比企谷くん、今日はその……く、口でしてあげたいのだけれど、いいかしら?」

「口で? ……え、ほんとに?」

 

 ほんとに? いやその情報だけで今フル勃起したわ。え、聞き間違いじゃなく?

 

「え、ええ」

「よろしくお願いします」

「いやに素直ね」

 

 艶然と微笑みながら雪ノ下が俺の前に回り、俺の股の間に身体を入れて床に膝をついた。

 

「大みそかにセックスしたとき、本番前に手でしてもらっただろ」

「ええ」

「あのとき、本当はお前に口でしてもらうのとどっちにしようか迷ってた」

「言ってくれればどっちもしてあげたのに」

「そんなことされたら本番のときにちゃんと勃つか不安になっちゃうでしょ? ただでさえその直前まで勃たなくなってたわけだし」

「でもあなた、2回目の射精を私の中でした後も元気だったわね」

「そりゃあ……その、なんだ。パートナーと初めてちゃんとセックスできてうれしかったんだよ」

「そういうものかしら」

「そういうもんだ」

 

 そんな会話をしている間に、雪ノ下は俺のスラックスのファスナーを下ろし、パンツをずり下げて目的のものを引っ張り出していた。

 雪ノ下に触られているとそれだけでかなり気持ちいいが、制服姿の雪ノ下が俺の竿を握ってこれから舐めてくれるのかと思うと、それだけでゾクゾクと興奮が湧き上がる。

 

「い、行くわよ」

「お、おう」

 

 雪ノ下は髪が前に垂れないように押さえながら先端に口づけた。思わずペニスを跳ねさせてしまうが、根元を雪ノ下の左手がしっかりとつかんでいて動かない。

 ちゅっ、ちゅっ、と音を立てながら亀頭に念入りに唇を落とし、裏筋を経て幹の根元へ向かう。髪を押さえながら俺のペニスにキスする雪ノ下、本当にたまらん。

 

「これが陰嚢……と睾丸なのね。確かにうずらの卵くらいの……」

 

 雪ノ下が大みそかのセックスで見せたような理科の観察をするような目線を玉袋に向け、左手でふにふにと金玉を優しくもてあそぶ。雪ノ下が変なことをしないというのはわかってはいるが、少しだけ恐怖心が湧いてきた。

 

「そこはほんとにデリケートなとこだからな。力を入れないように頼む」

「ええ。……なんだかかわいいわね」

「玉袋がか?」

「急所を私に握られて少し怯えているあなたが」

 

 雪ノ下が一瞬だけ見せた嗜虐的な視線に、俺はまたペニスを跳ねさせた。今の雪ノ下、めっちゃエロかったな……。ゾクッと来た。どちらかというと俺が雪ノ下をめちゃくちゃにしたいほうだが、雪ノ下にめちゃくちゃにされるのも悪くないかもしれない。SMみたいなガチなやつじゃなくて、甘々なやつでお願いしたい。

 

 雪ノ下に責められる妄想をしているうちに、雪ノ下は再び幹の根元を左手で握って亀頭に舌を這わせてきた。少しざらざらとした舌の感触と体温、そしてなにより制服姿の雪ノ下が俺のペニスを舐めているというこのビジュアルに、否が応でも興奮させられる。

 大みそか以来射精していなかったこともあってそれだけでもう出てしまいそうなくらいだったが、雪ノ下はそれを知ってか知らずか、舐めながらも唇で亀頭を挟むようにしつつ上目遣いで俺を見つめた。俺のものを舐めるだけで興奮しているのか、雪ノ下の目は早くも熱く潤んでいる。

 

「雪ノ下。もう、ヤバい……」

「どうしたい? どこに出したい?」

 

 このどこに射精したいか聞いてくるの、なんかもうほんとどうにかなりそうだ。

 やはり口の中か、それとも雪ノ下の綺麗な顔にぶっかけて征服感を楽しむか……。

 

「裏側の筋が気持ちいいのよね?」

「あ、ああ……」

 

 考えているうちに、雪ノ下は俺にとどめを刺そうと裏筋に重点的に舐め始めた。ついでに左手はゆっくりと俺のペニスをしごき上げている。

 

「早く決めなさい。決める前に出てしまうのではないの?」

「……お前の口の中に出したい。それで……」

「それで?」

「飲んでくれ。全部」

「ええ」

「ところでさっきから水音が聞こえるんだが」

 

 足元のほうから聞こえていたくちゅくちゅといういやらしい水音が止まる。

 気がつくと、髪を押さえていた雪ノ下の右手はいつの間にか制服のスカートの中に行っていた。

 

「雪ノ下。お前、俺のを舐めながらオナニーしてたな?」

「なんのことかしら」

 

 目をそらす雪ノ下。なにこの子かわいい。

 

「お前いつの間にそんなにエロくなっちまったんだ……おぁ!」

 

 雪ノ下が亀頭を口にくわえ込んで強く吸い上げた。足元からの水音が再開する。

 雪ノ下はそのまま俺を射精させるつもりらしく、口の中に溜めた唾液を舌で亀頭にまぶすように動かしたり、裏筋をねっとりと舐め上げたり、唇でしごくように頭を動かしたりした。もちろん、その間にも上目遣いで俺を見つめるのを忘れない。俺のをしゃぶりながらオナニーしているからか、顔は耳まで紅潮し、俺に向ける瞳はますます潤んで泣いているようにすら見える。

 

 ちょっとフェラチオ上手すぎませんかこの子。ついこの間まで処女だったのに。

 

「お、おま、どこで覚えてきたんだこんなの」

 

 返事をしないまま、雪ノ下はじゅるじゅると俺のペニスを舐めしゃぶる。

 雪ノ下は完全に射精させるつもりらしく、ラストスパートとばかりにじゅぷじゅぷと裏筋を舐め上げ、唾液とともに先走りを啜っていく。時折発せられる鼻にかかるような声が恐ろしく艶めかしい。

 

「で、出るぞっ!」

「……んんっ!?」

 

 トロンと蕩けた雪ノ下の目に促され、俺は彼女の口内に射精した。一週間溜め続けた濃い精液が尿道を駆け抜け、びゅるびゅると雪ノ下の口の中に注がれていく。雪ノ下も同時に達したらしく、身体を震わせながらそれを飲み下し、そのたびに彼女の綺麗な喉仏が上下する。

 射精している最中にも雪ノ下は舌で裏筋を刺激し続けてさらなる射精を促し、射精の勢いが衰えてくると今度は尿道に残った精液もすべて搾り取ろうと吸いついた。

 完全に精液を吸い尽くした後も、雪ノ下は少し柔らかくなった俺のペニスをしゃぶり続けた。髪を汗で頬に張り付けて恍惚とした表情を浮かべながらペニスをしゃぶるその姿は、匂い立つような色気を発している。その光景を見て、俺のものはまたすぐに臨戦態勢に戻ってしまった。

 

 数分も俺をもてあそんで満足したのか、雪ノ下はようやく俺のペニスから口を離した。再びいきり立ったものと雪ノ下の赤い唇の間に糸が引いた。

 

「……気持ちよすぎて腰が抜けるかと思った」

「それならよかった。歯は当てなかったつもりだけれど、痛くなかったかしら?」

「ああ、最高だった。お前もちゃんとイけたみたいだな」

 

 俺がそう言うと、雪ノ下は蕩けた顔を急に引き締め、なにやら深刻な表情になった。

 

「……比企谷くん。この際だから告白するのだけれど」

「なんだ急に」

「私、自分で思っていたよりもずっと、その……淫らな人間なのかもしれないわ」

「……はぁ?」

「だって、高3の頃はあなたとキスしたらその後何度も自慰をしなければ眠れなかったし、大みそかにあなたとセックスして以来ずっとあなたとセックスしたくて仕方がなかったし、今もあなたの精液を飲むだけで……」

 

 そう言って不安げに目をそらす雪ノ下。なんなのこの子。かわいい。さっきから「かわいい」しか考えてねぇな俺。

 

「雪ノ下、知ってるか。お前みたいなやつのことを『むっつりスケベ』って言うんだ」

「む、むっつりって……そんなこと」

「ついでに言っとくとだな、実は俺もむっつりスケベだ。俺も高3の頃にお前とキスして帰った後めっちゃオナニーしてたし、大みそかにお前とセックスした後ずっとお前にムラムラしてた」

「……では、私たちは似た者同士のカップルということね」

「そうなるな。……で、あんなフェラチオどこで覚えてきたんだ?」

「あなたが心配するようなことはないわよ。事前に本を読んで予習していたというだけ」

 

 本読んだだけであんな気持ちいいフェラチオできんのかよ。エロスのポテンシャル高すぎない?

 

「とにかく最高だったわ。めちゃくちゃ気持ちよかった」

「してほしかったらいつでも言って。あなたが気持ちよくなってくれたら私もうれしいから」

「……毎日でも?」

「いいわよ。毎日でも」

 

 そう言って雪ノ下はまた艶やかに微笑んだ。

 そんな雪ノ下がどうしようもなく愛おしくなり、口づけしようと顔を引き寄せる。

 

「待ちなさい。今あなたの精液を飲んだばかりなのよ?」

「ああ。お前が飲んでくれてすげぇうれしい」

「あなた、嫌じゃないの?」

「お前には飲ませるのに俺は嫌ってのは不公平だろ。そんなことどうでもいいからキスさせてくれ」

 

 雪ノ下と唇を重ね、舌を絡ませる。ほんのり苦みというかしょっぱさというか、そんなようなものを感じる。これが自分の精液かと思うと確かにちょっとアレだが、それよりも雪ノ下とのキスのほうがはるかに刺激的だった。

 さっきのフェラチオでの成功体験を生かしているのか、雪ノ下は俺の舌を吸ってフェラチオするように唇でしごいたり、唾液を俺の舌にまぶして舐ってみたり、ずいぶんエロい舌の動きをしてきた。おかげでついついさっきのフェラチオの快感が思い出されてしまう。

 

 そっと唇を離して雪ノ下を見つめる。雪ノ下の潤み切った目からは涙が流れ、俺の舌に奉仕していた口からは唾液が細い顎に向かって垂れていた。

 

「雪ノ下。お前を抱きたい」

「私も、あなたとひとつになりたい」

「……ベッド行くか」

 

 雪ノ下はコクリとうなずいた。

 

 寝室に入ると俺が寝室の電灯を消し、先にベッドに横になった雪ノ下が枕元のサイドランプをつける。

 俺も後を追ってベッドに寝そべり、雪ノ下にのしかかるようにして彼女の唇を奪った。舌を絡ませ、雪ノ下の口から唾液をすすり、かわりに俺の唾液を流し込む。雪ノ下は口の中のつばを飲み込むと、反撃するように今度は俺にのしかかって同じことをやった。

 雪ノ下の唾液を飲まされながら、俺は雪ノ下のニーソックスに包まれた太ももを撫で回し、彼女の小ぶりな尻たぶを揉みしだく。雪ノ下は俺の口を舌で犯しながら、鼻にかかるような声を上げた。

 

 そうしてベッドの上でしばらく絡み合った後、雪ノ下は鼻先が触れ合う程度に少しだけ顔を離して俺を見つめた。彼女の瞳は完全に欲望に濡れ、既に涙を流していた。

 

「比企谷くん。フランス語では性的絶頂のことを『小さな死』というらしいの」

「おう。なんか聞いたことあるな」

「それで、これは私からのお願いなのだけれど」

 

 雪ノ下は艶やかというよりもむしろ淫蕩な笑みを浮かべて俺に頬を寄せ、耳元でこうささやいた。

 

「私を殺して、八(・)幡(・)」

 

 その一言で、俺の理性の糸は切れた。

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