どこまでも醜い私は、ある日黒髪の少年を手に入れた 作:布施鉱平
それから、どれくらいの時間交わり続けたのか。
行為を終えたアレックスは、半ば放心状態でベッドの上に大の字で寝転がっていた。
開かれた両足の付け根からは、少年に注ぎ込まれた大量の精液がトロトロと溢れ出している。
何度も
「……んっ」
アレックスは手を持ち上げると、特に熱く感じる部分を撫でさすった。
硬く割れた腹筋を隔てて下にあるのは、赤ん坊を育てる為の大切な場所。
────子宮だ。
その子宮が、少年の精液に満たされて火照っている。
なんだか無性に嬉しくなって、アレックスはごろりと横に転がると、隣で荒い息を吐く少年の体に頭を寄せた。
そのまま、少年の柔らかなお腹にぐりぐりと頭を擦りつける。
「くるるるるっ……」
自然と、甘えた声が出た。
緊張も不安も、既にない。
あるのは、体の内側から飛び出してきてしまいそうなくらいの愛情だけだ。
「……好きだ」
少年に甘え続けながら、アレックスはその想いを口にした。
「好きだ。大好きなんだ」
さりさりと、少しざらつく舌で少年を舐めながら、アレックスは愛を囁き続ける。
本当は少しだけ噛みたい欲求があるが、それはしない。
どれだけ本能が求めようと、今のアレックスに少年を傷つけるかも知れない行為など出来るはずがなかった。
「あたし、きっと妊娠した。こんなにいっぱい出してもらったんだから、絶対だ」
確信に満ちた声で、アレックスは言った。
アレックス自身は知らない事だが、生命力に溢れる獣人は繁殖力も高く、その受精率は実に九割を超える。
超人的な感覚を有するアレックスだからこそ、自分の胎内に新たな命の種が芽生えた事を感じ取ったのだろう。
「いっぱい産む。産ませてくれ。おまえのことも、おまえとの赤ちゃんも、絶対にあたしが守るから。だから…………あっ♡」
精一杯の思いを伝えるアレックスの頭を、少年の手が優しく撫でた。
見上げると、少年はどこまでも温かな笑顔でアレックスのことを見つめていた。
「…………くるるるるっ」
アレックスは少年が自分の気持ちに応えてくれたような気がして、また喉を鳴らした。
そして頭の位置を下げていくと、柔らかくなった少年のチンポにちろちろと舌を這わせる。
「◇×%$……っ」
アレックスの頭に手を置いたまま、少年が切なげな声を上げた。
「…………だから、いっぱい孕ませてくれっ♡ 何度でも産むから、その度に孕ませてくれっ♡」
アレックスは、自分の舌によって硬さを取り戻したチンポに頬ずりをすると、少年の上に覆い被さっていった。
そして、もはや完全に少年の形に作り替えられてしまった膣の中に、反り返ったチンポを飲み込んでいく。
「あぁっ!♡ 好きっ!♡ 好きだっ!♡ 好きぃっ!♡」
「×%○$#っ!」
尻尾をピンと上に立てたまま、アレックスは前後に腰を動かした。
二人の子作りは、まだ終わりそうになかった。
◇
「…………」
「…………」
「…………」
そして案の定、部屋の外ではアレックスと少年の情事を三人の仲間たちが覗きこんでいた。
「……また始めたな」
「自分で言ってたけど……アレックス、間違いなく妊娠したわね。獣人って、ただでさえ受精率が高いもの」
「……バカ虎に先を越された」
「出産までの時間も人やエルフより短いんだったか?」
「えーと……確か百二十日くらいだったかしら。しかも多産なの」
「……バカ虎の子供で溢れる…………」
三人は、家が獣人の子供で溢れかえる光景を頭に思い浮かべた。
その表情がやや緩んでいるのは、思い浮かべた光景の中に自分と少年の子供も混じっているからだろう。
「……ルナの言っていた通り、早めに広い家…………いや広い土地を探したほうが良さそうだな」
「森と湖が近い場所がいいのよね………となると、やっぱり南の方かしら」
「……あまり南の樹海に近いと危険。……『
「じゃあ東だな。あっちも自然が豊かな土地だ」
言葉を交わすたびに夢が現実に近づくような気がして、三人の心は弾んだ。
他に人のいない静かな土地で、少年や仲間たち、そしてこれから生まれてくる子供達と暮らすことができれば、どんなに幸せだろうと思う。
そしてそれは、決して実現不可能なことではないのだ。
彼女たちの実力と資金力ならば、理想的な土地さえ見つければすぐにでもそこで暮らし始めることが出来るだろう。
「あっ!♡ あぁぁああああああっ!!♡♡」
アレックスの嬌声が響き、三人の視線はまた部屋の中に戻された。
少年の上で背を仰け反らせたアレックスが、尻をキュッと引き締めて腰を揺すっている。
少しでも多くの精液を搾り取ろうとしているのだろう。
「…………そういえばアレックス、さっき自分のことを『あたし』って言ってなかった?」
会話が途切れたタイミングで、ミゼルが先ほど感じた疑問を口にした。
「そういえばそうだな。普段は『おれ』と言っていたが……」
「……バカ虎は昔、わたしの真似をしようとして、自分のこと『あたし』って言ってた」
ルナの言葉に、リディアとミゼルは納得した顔をする。
もともと、
そしてリディアやミゼルと合流する以前には、ルナとアレックスが二人で旅をしていたことは聞いていた。
なんでも、森の中で野生化していた幼い頃のアレックスをルナが見つけ、言葉すら定かではなかったアレックスに最低限の教育を施してあげたのだとか。
「彼の下着が入った枕も用意してやってたし、やはりなんだかんだ言ってもルナはアレックスのことが好きなんだな」
「……バカ虎は、わたしの妹分。……姉として導いてやらないといけないだけ」
明らかに末っ子気質であるルナに『妹分』と呼ばれるアレックスには同情を禁じえないが、その言葉は心地いいものとしてリディアの心に響いた。
「……妹、か。そうだな、私たちはもうただの冒険者パーティーじゃない。全員が彼の妻、つまりは義理の姉妹になる訳だ」
「じゃあリディアが長女で私が次女、ルナが三女、アレックスが四女ね。それで…………」
と、ミゼルが言葉を切る。
「…………五女になる予定のマリアからは、まだ連絡ないの?」
「ああ……まだだ」
リディアは小さく首を振った。
ここにいない最後の一人からは、未だ何の連絡も届いていない。
「彼女の性格からして、私が送った
リディアは思案するように顎に手を置いた。
その頭に浮かぶのは、
────マリアベル。
若くして回復術を極めた、
彼女の存在なしに、夢の続きを語ることはできない。
「……迎えに行くか、私たちの臆病な妹を」
リディアは顔を上げると、優しげな笑みを浮かべながらそう呟いた。