どこまでも醜い私は、ある日黒髪の少年を手に入れた 作:布施鉱平
大いなる英知を持つ者。
多くを知り、さらに学ぼうとする者。
それを賢者というのならば、ミゼルという女は間違いなく
彼女の探究心は、一度火がつけばその深淵を覗くまで収まることはなく、またその頭脳は、身につけた知識を決して忘れない。
「…………」
時刻は、もうすぐ日付が変わろうという真夜中。
自らの魔術で作り出した明かりの下、ミゼルは
その
ひとつのことに没頭するという
例えばだが、もし今、突如としてアレックスが奇声を上げながら扉をぶち破って乱入してきたとしても、そこにミゼル自身を害する意志や行動がないのなら、彼女の集中力を途切れさせることはできないはずだ。
書を読むだけで威厳すら感じさせるその姿はまさに、
────例え読んでいるものが、一般的には『エロ本』と呼ばれる
◇
朝が来た。
結局、ミゼルは深夜四時頃までエロ本を読み続けていた。
徹夜をすることも珍しくないので体調に問題はなかったが、ミゼルの体の奥にはムラムラとした情欲が溜まっている。
なぜしていないのかというと、その理由は二つある。
ひとつは、昨日のエロ本があくまでも研究対象であり、知識を深めるための道具に過ぎなかったということ。
そしてもう一つは、彼女の
ミゼルにとって、すでにエロ本は性欲解消が目的のものではなく、
「うふっ、うふふっ♡」
昨夜
今日は、ミゼルの番だ。
待ちに待った、少年とセックスが出来る日なのだ。
ここ最近、ミゼルは自分が少年の世話係ではない日にはエロ本を読みあさり、セックスの研究に余念がなかった。
そして自分の番が来るたびに、その知識を駆使して少年とセックスするのを、なによりの楽しみにしていたのである。
もちろん、ミゼルとて少年の体だけが目的なわけではない。
一緒にご飯を食べたり、笑顔を向けられたりするだけでも十分すぎるほどに幸せだ。
だが、元来むっつりであるミゼルにとっては、エロ方面に喜びの比重が大きく傾いてしまうのも、誤魔化しようのない事実だった。
「っと、いけないいけない」
ミゼルは自分の顔を両手でパシパシと叩くと、緩んでいた頬を締め直す。
もうそろそろ、少年が昨日の世話係であるマリアベルとともに風呂から上がってくる時間だ。
朝っぱらから発情した顔で少年を迎えるわけにはいかない。
やや垂れ目気味の眼にキュッと力を入れ、ミゼルは知的な
しかし────
「おはようございます、ミゼルさん。ただいま上がりました」
「△%&$○」
「あ、おはようマリア、と…………うふふっ♡」
────その表情も、湯上りの少年を見た瞬間には崩れ去っていた。
◇
「そう……そうよ♡ すっごく上手♡」
時刻は、まだ日も高い
天窓から暖かい日差しが降り注ぐ中、昼下がりには
「あんっ♡ すごいわ♡ まだ覚えたばっかりなのに、こんな……♡」
声の
「……無駄にエロい」
「エロいな」
「ドキドキしてしまいます……」
その光景を見ていたルナ、アレックス、マリアベルが、口々に感想を述べる。
三人の視線の先には、リビングのソファーの上でミゼルと少年が
並んで、お勉強をしている姿があった。
「…………なぜ、そんな
もっともな疑問を放ったのは、向かいのソファーで少年を眺めながらお茶を飲んでいたリディアだ。
ミゼルはただ、少年の隣に座って文字を教えているだけである。
しかしその唇から発せられる声は、どう考えても
「だって、しょうがないじゃない。この子、すっごく一生懸命で、とっても可愛いんだもの♡」
それに対しミゼルは、『何を当然のことを言っているのか』とでも言わんばかりの表情で答えを返してきた。
「……まあ、確かに彼の真剣な顔にはグッと来るものがあるが……」
「……わかる」
「わかる」
「胸が締め付けられるようです」
「でしょう?」とミゼルは四人の反応に満足したように頷くと、
「それにね、今この子が書いてるのは、私の名前なのよ? このふっくらとして短い指が、一生懸命に私の名前を書いていると思うと、それだけでもう…………あぁ……っ♡」
と、頬を赤らめながら、熱い吐息を漏らした。
もはや絶頂寸前か、というくらいに
「む……それは羨ましいな」
「……ずるい。……わたしも書いて欲しい」
「おれもおれも!」
「あの、私も書いていただきたいです」
「はいはい、順番よ。まずは私の名前を書いてもらって、次がリディア。その次は……」
「……その次はわたし。……次がベル。……バカ虎は最後」
ミゼルの言葉を遮って、ルナがすっと口を挟む。
「なんでおれが最後なんだよ!」
当然、勝手に順番を最後に回されたアレックスが抗議の声をあげた。
「……リディアは家長だから、教えてるミゼルの次。……わたしは名前が二文字で簡単だから、その次。
……ベルとバカ虎は同じ文字数。……だけど、ベルは『リ』と『ル』がもう習った文字。
……バカ虎は、ベルと『ア』が被ってるだけだから、最後」
「ぐぎぎ……っ!」
珍しく長文を喋ったルナの主張だが、意外にもそれは理にかなっていた。
その為、アレックスは納得できないものの反論することもできず、歯を食いしばって低い唸りを漏らす。
二人の間に、不穏な空気が流れた。
「□%$○#!」
だが、その空気を切り裂くように、少年が声を上げる。
少年の小さな手には、いま書き上げたばかりであろう文字が書かれた紙が掲げられていた。
「まあ、書けたの?」
「どれどれ」
「……見る」
「おっ、書けたのか?」
「拝見させていただきます」
全員の視線が、少年が文字を書き上げた紙に集中する。
そこには、たどたどしいながらも大きな文字で、はっきりとこう書かれていた。
────『ミゲル』と。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
なんと言うべきか、全員が言葉を失っていた。
間違っている以上少年を褒めるのはどうかと思うし、少年の目の前でミゼルを慰めるのも、それはそれでどうかと思ったからだ。
そして同時に、少年に初めて名前を書かれた『ミゲル』という架空の人物に対するやり場のない嫉妬も、その口を
「あの、名前を書いていただくのは、私が最後で構いませんから……」
何とも言えない空気を少しでも変えようと思ったのか、アレックスに向けた控えめなマリアベルの声が、リビングに小さく響くのだった。
◇
────夜。
少年は、そわそわと落ち着かない素振りで、ミゼルの部屋のベッドに腰掛けていた。
普段であれば、一緒に風呂に入ったあとそのまま二人で部屋に入り、すぐにベッドの上で愛し合うのがいつもの流れだ。
しかし今回は、どういう訳か少年をひとり残し、ミゼルが部屋から出て行ってしまったのである。
リディアに連れられてこの家に来て以来、少年はひとりで部屋に居たことがない。
不安とまではいかないが落ち着かない様子で、少年は足をブラブラさせながらミゼルの帰りを待っていた。
そこに、カチャッ、と音を立てて、扉が開く。
少年が目を向けると、そこにはいつも通りのローブを着込んでいるミゼルの姿があった。
風呂上がりにはバスタオル一枚を体に巻きつけただけだったというのに、わざわざ普段着に着替えてくるということは、今日はエッチなことをしないのだろうか。
そんな疑問を顔に浮かべる少年の前まで歩いてきたミゼルは、ゆっくりとした動作でローブを
「○&%×△……」
少年が息を飲み、驚いたような、感動したような声で何かを呟いた。
ミゼルがローブの下に身につけていたのは、少年が初めて見る妖艶な黒の下着だった。
透けるくらい薄手の素材で出来ている上に、胸の先端と股間の中央部分に大きな
少年の反応を確認したミゼルは、
ミゼルが身につけているのは、男の性欲を昂ぶらせるためだけに作られた、いわゆる『エロ下着』と呼ばれるものだ。
日々エロ本によってエロ方面の知識を追い求める中で、ミゼルは女がエロ下着を身につけて男を誘惑する
「どう? 私、綺麗かしら。……興奮、する?」
ミゼルは胸を強調するように体を折り曲げながら、熱を帯びた声で少年に訪ねた。
答えは、聞くまでもない。
少年の股間は、既に腰に巻いたバスタオルを突き破らんばかりの勢いで押し上げていた。
「…………うふふ♡」
もう一度、淫靡に笑うと、ミゼルは少年の股間に顔を近づけ、あえて手ではなく口でバスタオルを咥え、その下にあるチンポを露出させた。
これもまた、エロ本から得た知識である。
エロ本ではズボンを止めている
外気にさらされた少年のチンポがビクリと震え、ミゼルの頬を軽く叩いた。
「あんっ……今日も、すごく元気ね♡ 嬉しい♡」
ミゼルは、そのまま愛おしそうにチンポに頬ずりをすると、唇を舐めて湿り気を与えてから、ゆっくりと口の中に飲み込んでいった。
少年の味と匂いが、ミゼルの口に広がり、鼻に抜ける。
それだけで一瞬イキそうになるが、ミゼルはなんとか耐えると、舌を絡ませながらゆっくりと抽挿を開始した。
「×&○□$……」
ミゼルのディープスロートに、少年が快感の声を漏らす。
ミゼルは少年が感じてくれていることに喜びを覚えながら、その可愛らしい顔を
これもまた、エロ本で(以下略)
「&#△%!」
ミゼルの『上目遣いフェラ』に数秒と耐えることができず、少年は大量の精液を射精した。
ミゼルは一滴もこぼすことなくそれを受け止めると、口の中で一度味わうように転がしてから飲み干し、大きく口を開けて少年に中を見せた。
これもまた、(以下略)
そして少年の精液を存分に味わったミゼルは、背を向けて少年の体をまたぐように足を開くと、エロ下着を身につけたままの姿で、アナルを見せつけるように腰を落としていった。
「あぁ……っ!♡」
ミゼルの柔らかい肉襞が、少年のチンポに隙間なくねっとりと絡みつく。
「あっ、あぁ~~~~っ!♡」
「×○&$□!」
だが、少年もただやられてばかりではない。
目の前で上下に揺れるミゼルの尻を
しかも、親指をミゼルのアナルにねじ込みながらである。
そこから先は、技術も駆け引きも何もない、貪り合うようなセックスだった。
腰を振り、粘膜をこすり合わせ、互いを絶頂に導いていく。
そして────
「あっ!♡ イクっ!♡ イクぅっ!!♡♡」
ミゼルが背を反らし、少年がひときわ強く腰を突き上げた。
熱い大量の精液がミゼルの最奥に注がれ、子宮を満たしていく。
「んっ、ふぅっ♡」
絶頂の余韻で太ももを震わせながらも、ミゼルは腰を上げてチンポを引き抜くと、少年の股間に顔をうずめた。
そして少年のチンポを咥え込むと、竿の中に残った精液を吸い出しながら、舌でチンポにまとわりついた二人の体液を舐めとっていく。
お掃除フェラだ。
これ(以下略)
「……ごめんね。スケベな女で」
お掃除フェラを終えたミゼルは、謝りながらも妖艶な笑顔を浮かべた。
そして今度はベッドにうつ伏せになると、精液がトロトロと流れ出ている膣口ではなく、その上の小さな
少年との子供はもちろん欲しいが、今はまだ、様々なセックスを愉しみたい。
そう思うミゼルの心を知ってか知らずか、少年は未だ硬く
「あぁぁぁっ!♡ すごいっ!♡ お尻も気持ちいいっ!♡ 気持ちいいのぉ!♡」
長い黒髪を振り乱しながら、ミゼルが嬌声をあげる。
次は、エロ本から得たどの知識を試そうかと考えていたミゼルの思考は、快楽に飲み込まれてかき消されてしまった。
アナルセックスを終えたあとは、またお掃除フェラから仕切り直すことになるだろう。
しかし、何も問題はない。
夜は、始まったばかりなのだから。