※この作品はR-18です。

どこまでも醜い私は、ある日黒髪の少年を手に入れた   作:布施鉱平

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処女(おとめ)の重圧

「────あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!♡♡ 」

「・ ・ ・ ・ ・」

 

 シャーラは、目の前で繰り広げられている光景に言葉を失っていた。

 

 いや、言葉だけではなく、思考する力すらも失っていた。

 

 本当の娘のように思っていたマァルと、生まれて初めて好意を抱(いだ)いた男のセックスを見てしまったから……という理由だけではない。

 

 もちろんそれが最大の要因ではあるのだが、少年とマァルが行(おこな)っているセックス、それ自体に強い衝撃を覚え、頭がまともに働かなくなってしまったのだ。

 

 貧民街で育ったシャーラにとって、女が男を犯す光景などは日常茶飯事のことであったから、セックスがどういうものなのかはよく知っている。

 

 

 

 

 

 ────しかし、違うのだ。

 

 

 

 

 

 少年とマァルのセックスは、シャーラが知っているそれと、明らかに違う。

 

 なにせ体勢がおかしいのだ。

 

 マァルが少年に襲いかかったのだとするならば、少年は横たわり、マァルがその上で腰を振る『騎乗位』の体勢でなければならない。

 

 だが、現実にはマァルが四つん這いになり、その後ろから少年が腰を振っているという『後背位』の体勢なのだ。

 

 どう見ても、少年がマァルを襲っているようにしか見えないのである。

 

 もしテントを覗いた瞬間に見たのが、少年の上で腰を振るマァルの姿だったなら、シャーラの感情は怒りに大きく傾いただろう。

 

 誰よりも大切な家族だと思っているマァルだからこそ、その行為を許すことができず、場合によっては止めるために武器の使用すら辞さなかったはずだ。

 

 しかし、『少年が後ろからマァルを犯している』などという現実とは思えない光景を見せられては、いくら人生経験が豊富なシャーラといえど、混乱を通り越して思考停止するしかない。

 

「……は……ひ……っ♡」

 

 シャーラが半(なか)ば呆然と見守る中、マァルが情けない声を上げながら崩れ落ちた。

 涙と涎(よだれ)にまみれているが、口元にだけは笑みを浮かべた、幸せそうな顔だ。

 

 そして、体をのけぞらせていたマァルが地に伏せたことにより、シャーラの視線は自然とその後ろにいる少年へと移った。

 

 少年は随分と興奮しているようで、顔は耳まで赤く染まり、目は座っており、息はシャーラにまで届くほど荒く──── 

 

 

 

 

 

「…………っ!?」

 

 

 

 

 

 ────そしてその股間には、マァルと少年の体液で濡れ光る、あまりにも逞(たくま)しい男の象徴がそそり勃っていた。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────ちょ、ちょっと待ちなよっ! 待ちなってばっ!」

 

 

 衝撃的な光景を見てしまった、その直後。

 

 シャーラは、少年によってテントの隅に追い詰められていた。

 

 少年の体を隠すためにタオルでもかけてやろうと、理性を総動員しながらテントの中に足を踏み入れたシャーラに対し、少年がフラフラと近寄って来たのだ。

 

 それだけでも、シャーラには十分な驚きだった。

 なにせフードで顔を隠しているとはいえ、脚や腕は露出しているのである。

 

 例え顔が見えなくても、その肌の色でシャーラが『ダークエルフ』だということは、ひと目でわかるはずなのだ。

 

 それなのに、少年はシャーラの悍(おぞ)ましい外見に恐れを抱くどころか、その褐色の脚に自らしがみつき、あろうことかガチガチに勃起したチンポまで擦りつけてきたのである。

 

 余りにも予想から大きく外れた少年の行動に、シャーラは思わず「きゃあっ!」と少女のような声を上げてしまったくらいだ。

 

 そして、太ももに残る熱さの余韻に心と体を疼(うず)かせながらも、迫り来る少年から逃げ惑い、結局逃げ切れず今に至るというわけである。

 

「ど、どうなってんだい、いったい……っ」

 

 もはやこの状況を整理し、頭で理解するのは不可能だった。

 

 少年がマァルを襲っていたこと、自分の姿を見ても恐れなかったこと、それどころか興奮して硬くなったチンポを押し付けてきたこと、さらには現在進行形で自分に襲いかかろうとしていること……

 

 何もかもが『ありえない』としか言いようがない。

 

 今なら、死んだ母親がいきなり地面から飛び出してきて「ちょいと、いい男が出来たんならアタシにも紹介くらいしなよ。水臭いじゃないか」などと言い出しても、不思議とは思わないだろう。

 

 それくらい……それこそ夢としか思えないくらいに、ありえない状況なのだ。

 

「……×&$○#」

「ひぃ……っ」

 

 だが、これが現実だろうと夢だろうと、シャーラが追い詰められていることに変わりはない。

 

 少年はまるでチンポを凶器のように振りかざしながら肉薄(にくはく)してくるというのに、シャーラは少年が近づけば近づくほど体の力が抜けていき、情けない声を上げることしかできないのだ。

 

 もちろん、シャーラが上げている悲鳴は、少年に対する嫌悪の現れなどではない。

 

 少年が自分の姿を恐れずに歩み寄ってきてくれるのは、むしろ心が震えるほどに嬉しいくらいだ。

 

 だが、だからといって150年近くも処女だった女が、いきなり天使と見紛うような美貌の少年にセックスを迫られても、どうしていいのか分からない。

 

 

 それに…………はっきり言って、怖いのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あまりにも立派な、少年のチンポが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてその立派なチンポを自分の体では満足させられず、少年から失望した目で見られるのが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 経験のない女であれば誰でも感じるであろう恐怖(プレッシャー)を、シャーラは歳を重ねた分、その何倍もの重さで味わっていた。

 

 だからシャーラは────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わ、分かった……っ! アタシが…………アタシがしてやるから……っ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 少年に自分の抱き心地(ごこち)を批評される前に、他の部分(・・・・)で少年を満足させてしまうことを選んだのだった。

  

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