※この作品はR-18です。

遊戯王 異なるモンスター使い   作:ボルメテウスさん

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悩み続ける教育

「今日の授業は佐藤先生か」

 

寮から出ながら、俺は教室に入ると共に、周りを見る。

 

周りにはほとんど生徒はおらず、禁止カードについて学ぶ為に佐藤先生の授業を受けに来た。

 

「今日も君だけですが」

 

「あははは」

 

俺はそう苦笑いをしており、佐藤先生は少しため息を吐きながら

 

「そうですね、本日の授業は少し変更しましょうか」

 

「変更?」

 

その言葉に疑問に思っていると

 

「えぇ、これから実習による授業を始めます。

つまり、デュエルです」

 

「えっデュエルですか!」

 

そう言い、俺は立ち上がる。

 

「えぇ、君の噂も聞いていたからね。

それに」

 

「んっ?」

 

「いえ、ではさっそく始めましょう」

 

「「デュエル」」

 

その言葉と共に俺達はデュエルが始まる。

 

「俺のターン。

まずは幻影旅団No.3 マチ=コマチネを召喚して、カードを一枚伏せてターンエンド」

 

そう言い、俺はターンを終えると共に佐藤先生の様子を見る。

 

「私のターン、ドロー。

私はスカブ・スカーナイトを召喚して、カードを一枚伏せて、ターンエンド」

 

その言葉と共に出てきたのは攻撃力が0のモンスターだった。

 

「俺のターンドロー」

 

スカブ・スカーナイト、見ている限りでは不気味なモンスターだし、どんなモンスターか分からない。

 

「俺は幻影旅団No.1 ノブナガを召喚する。

ノブナガで攻撃、その時の効果により、このカードが戦闘を行う場合、相手はダメージステップ終了時までカードの効果を発動できない」

 

「っ!」

 

その瞬間、驚きで隠せなかったが、スカブ・スカーナイトに向けて、そのままノブナガは一閃で切り裂く。

 

同時に佐藤先生に直接ダメージを与える。

 

「ぐっ、罠カード、リビングデッドの呼び声!

その効果により、墓地からスカブ・スカーナイトを特殊召喚する」

 

「さすがにこのまま攻撃するのはまずいか」

 

「無駄です。

スカブ・スカーナイトの効果によって、相手は可能ならばこのモンスターに攻撃しなければならない」

 

その言葉と共に、マチの糸がスカブ・スカーナイトを縫い付ける。

 

だが、ダメージは確かに佐藤先生に通っているはずだが、スカブ・スカーナイトは破壊されない。

 

「攻撃力0に、強制攻撃っ!

という事は」

 

「その予想は当たっています。

スカブ・スカーナイトの効果、バトルフェイズ終了時にこのカードと戦闘を行った相手モンスター1体のコントロールを得る事ができる」

 

「っ!」

 

その言葉通り、マチの身体にはスカブ・スカーナイトの石版が張り付かれ、そのまま向こうの方へと連れて行かれる。

 

「なるほど」

 

その効果を見て、確かに厄介だ。

 

だが、どうやら効果に重視したモンスターという事を見たら、ノブナガとの相性は良さそうだ。

 

「俺はカードを一枚伏せて、ターンエンド」

 

「私のターン。

そのモンスターは少し厄介そうですね。

ですが、問題ありません。

私はカードを二枚伏せて、ターンエンド」

 

「俺のターン」

 

この戦い方、まるで俺が最初にマシュと出会ったばかりの頃の戦い方に似ている。

 

という事は佐藤先生のデュエルはあのスカブ・スカーナイトを徹底的にサポートするデッキ、そう考えたら良いだろう。

 

「ターン開始時に罠カード、ブレイクスルー・スキル。

その効果により、ノブナガの効果を無効にする」

 

「やっぱり」

 

さっきのスカブ・スカーナイトの効果を封じるノブナガを警戒するならば、妥当な判断だ。

 

ならば、ここは

 

「俺は幻影旅団No.6 シャルナーク=リュウセイを召喚する。

その効果で相手フィールド上のモンスター一体のコントロールを得る。

俺はマチを選択する」

 

その言葉と共にシャルナークが懐から取り出したアンテナでそのままマチに取り付け、こちらの場へと戻す。

 

「なるほど、コントロールを奪い返すとは。

それはそれで面白いモンスターですね。

ですが、速攻魔法月の書。

その効果により、ノブナガを裏守備表示にする」

 

「だったら、シャルナークの効果。

1ターンに1度、このモンスターの攻撃力を倍にする」

 

「一気にとどめを行う事ですか」

 

そう言うとシャルナークはそのまま自身にアンテナを付け、全身を光らせると共にスカブ・スカーナイトへと接近する。

 

「確かに下手に私にモンスターを与えるよりも一気に勝負を仕掛ける。

それは良い判断です。

ですが、罠カード和睦の使者。

これにより、このターン、私のモンスターは破壊されず、ダメージは無効にします」

 

「なっ」

 

それにより、破壊される事のなかったシャルナークはそのままスカブ・スカーナイトの欠片を身に纏い、そのまま向こうのフィールドに向かう。

 

「・・・俺はカードを一枚伏せて、ターンエンド。

同時にシャルナークの効果は消え、マチは再び先生の元へ」

 

「私のターン、ドロー。

勝気君、君は実に良いセンスをしている。

だからこそ、私は心が痛い」

 

「先生?」

 

何か顔を俯いている先生を見て、俺は疑問に思い、先生の方を見つめる。

 

「君に一つ、質問があります」

 

「なんですか?」

 

そうデュエルしていると、佐藤先生はこちらを見る。

 

「なぜ、君は遊城十代と一緒に行動しているんですか?」

 

「んっ?」

 

その言葉に俺は首を傾げる。

 

「彼は確かに三幻魔を倒した英雄だ。

今もこのデュエルアデミアを導くカリスマでしょう。

ですが、君はその事をまるで知らないのになぜ?」

 

そう言われ、俺は腕を組むと

 

「面白いから?」

 

「面白い?」

 

そう言いながら、俺はこの言葉が一番しっくりと来たので話し続ける。

 

「俺は今まで知る事ができなかった何かを、あの人と一緒にいて、それを知る事ができて面白い。

だから、俺は損得とか、そういうの関係なく一緒にいるんだ」

 

「面白いか、それは君の将来に役に立つのか?」

 

「役に立つかどうかなんて、まだ分からない。

けど、先生も、スカブ・スカーナイトを使っている時、損得とかだけ考えて使っているんですか?」

 

「スカブ・スカーナイトを」

 

その言葉と共に佐藤先生は自身のスカブ・スカーナイトを見つめる。

 

「・・・えぇ、その通りです。

だけど、今、デュエルを行う時で、手加減は行いません」

 

「えぇ、勿論です」

 

「まずは効果で守備表示になっているシャルナークを攻撃表示にします」

 

その一言と共にシャルナークは裏守備表示にされているノブナガを破壊する。

 

「っ俺は罠カードを二枚発動する。

一つは凡人の施し。

その効果により、カードを二枚ドローして、手札に通常モンスターを除外しない場合、全てを墓地に送る。

手札には通常モンスターがいなかったから、そのまま墓地に」

 

「どうやら、外れ、いえ、そんな凡ミスをする訳がない」

 

その言葉と共に警戒する先生だが

 

「さらに、競売品の強奪を発動する。

その効果により、場に幻影旅団がある時、相手の手札から魔法・罠カードを一枚手札に加える」

 

「なっ」

 

それと共に俺は先生の手札から一枚のカードを手にする。

 

それはまさに今の状況にはぴったりなカード

 

「死者蘇生、頂きました」

 

「・・・良いでしょう。

だけど、私の攻撃は無効にはできませんよ。

シャルナークで裏守備表示にしてあるノブナガに攻撃」

 

その言葉と共にそのままノブナガは破壊されてしまう。

 

「続けて、マチで攻撃」

 

その言葉と共に俺の身体は糸で縛られ、身動きが取れなくなる。

 

「私はカードを一枚伏せて、ターンエンドです」

 

「俺のターン、さて、どうやら運はこちらに向いてきたぜ、先生!

俺は先程先生からいただいた、死者蘇生を発動する!

その効果により、墓地にある幻影旅団団長 クロロ=ルシルフルを特殊召喚する」

 

その言葉と共に黒コートの男で、片手には本を持った男、クロロが現れる。

 

「それが、君の切札。

そして、先程の凡人の施しはそのカードを墓地に送る為に。

ですが、蘇生カードがあるとは限らない状況で、なぜそのような事を?」

 

「先生がスカブ・スカーナイトに対して、強い拘りを持っていたので。

そんな先生ならば、蘇生カードを持っていると思ったので」

 

「なるほど、私のデュエルを見て、そこから考えた訳ですか」

 

「まぁ賭けでしたがね。

このまま負けるよりも良いかと」

 

「えぇ、間違っていません。

ですが、分かっているはずです。

蘇生と同時に私は戦闘ダメージを無効にするのも」

 

「いいえ、これで終わります。

クロロでスカブ・スカーナイトに攻撃」

 

そう言い、クロロはそのまま手に持ったナイフを片手にスカブ・スカーナイトに向かって、歩く。

 

「無駄です。

私は罠カード、聖なるバリア -ミラーフォース-を発動する!

その効果により、あなたのクロロを破壊する」

 

「それは知っていますよ。

クロロの効果、手札のカードを一枚捨てて、その効果を無効にする」

 

「そこも計算通りですか」

 

そう言いながら、クロロに迫り来るミラーフォース。

 

それに対して、クロロは手を翳すと、ミラーフォースの光はそのままクロロの手の中に集まる。

 

同時に軽く投げると、スカブ・スカーナイトの目の前で爆散し、佐藤先生のライフを0にする。

 

「ふぅ、負けてしまいましたか」

 

「それにしても、やっぱり先生は強かったですよ」

 

「そうでしょうか?」

 

そう言いながら、少し疲れたような表情をしている先生。

 

「先生って、もしかして十代先輩の事、嫌いですか?」

 

「なんでそう思ったんですか?」

 

「いえ、なんとなく」

 

「そうですね、正直に言うと、嫌いですね。

彼は英雄視され、それが他の生徒にまで伝染している。

私はそれが嫌で仕方ない」

 

そう言った先生の表情は苦痛に満ちていた。

 

確かに十代先輩は授業をサボったりする所がある。

 

そこが他の生徒にも広がっているのは問題の一つだ。

 

「けど、それは十代先輩だけじゃないと思います」

 

「それはどういう事ですか?」

 

その事に先生はこちらを睨んでいた。

 

「俺は教育者でもなんでもありません。

だから、それが正しいかどうかなんて分かりませんが、先生のはなんというか、教科書を見ているのと変わりないような感じなんです」

 

「そんな事は」

 

そう言いながら先生の声にはどこか戸惑いを隠せない様子だった。

 

「さっきのデュエル、やってみて分かりましたけど、先生は本当にどこで何をすれば良いのか的確で、分かりやすかった。

俺も人よりも魔法や罠カードを使える方だと自負しているつもりですが、先生はそれよりも正確だった。

だけど、淡々と効果とルールだけ言われても、誰も聞きたがらないと思います」

 

「では、どうすれば」

 

「先生のやりたいようにすれば良いと思います」

 

「私の?」

 

「はい、先生だったら、どんな事に使うのか、どんな応用をするのか。

教科書のテキストじゃなく、先生の言葉で。

それをやれば良いんじゃないですか?

まぁ、俺が言うのも変ですけど」

 

そう俺は思わず苦笑するが

 

「・・・そうですね。

思えば私は自信の不甲斐なさを彼のせいだと思い込んでいた。

その不甲斐なさを変える事なく、全てを十代君のせいにして」

 

「先生?」

 

「ありがとう、君のおかげで少し道が見えた気がするよ」

 

「そうですか?」

 

俺はそう言い、首を傾げながら言う。

 

「では、時間も少しありますし、先程のデュエルの場面でもまだ応用ができるカードを紹介していきます」

 

「はい」

 

そう言い先生は再び教卓に戻っていく。

 

その後ろには先程まで戦っていたスカブ・スカーナイトが寄り添うように見える。

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