「いやぁ、本当にこのイベントは良いな」
あれから俺は一人でジェネックスを堪能していた。
十代先輩達と一緒に行動しても良かったが、それだったら、せっかくの対戦相手を取り合う可能性がある事もあり、別行動する事にした。
その後もなかなかに面白い対戦相手と出会う事ができ、レオン・ウィルソンなどの強いデュエリストと戦う事ができて、満足である。
「こういうデュエルだったら、本当に大歓迎なのになぁ」
そう言いながら、俺は後ろを振り向く。
「おいおい、そういう態度は嫌だなぁ。
俺としては仲良くしたいのに」
そこにはこれまで見たことのない男が立っていたが、その雰囲気は間違いなく、これまで俺を襲っていたドラゴエディアの刺客と同じだ。
「それで、お前らはあと何人来るんだ?
それとも、お前でやっと半分か?」
「ほぅ、そう思う理由は?」
「さぁな。
ただ、これまでのモンスター達の名前に惑星の星の名前があった。
偶然にしては出来すぎているからな。
まぁ、ただの予想だがな」
「まぁ、ただの予想でしかないけどな」
そう言いながら、俺は構える。
「どちらにしても、お前らが襲い掛かってくるならば、ここで倒す」
「まぁ、そちらの方が楽しそうだけどな」
その言葉と共に構える。
「「デュエル」」
「俺のターン。
俺はカードを2枚伏せて、ターンエンド」
「どういうデッキなんだ」
とにかく、今はデュエルを行うしかない。
「俺はロックマン―エグゼ―を召喚する」
その言葉と共にロックマンが現れ、構える。
「俺は速攻魔法、バトルチップ パラディンソードを発動する。
その効果により、ロックマンの縦列にあるカードを全て破壊する」
その言葉と共にロックマンの腕にパラディンソードを放った。
だが
「ならば、その列にある罠カード、針虫の巣窟を発動する。
その効果でデッキの上からカードを5枚墓地に送る」
「墓地肥やし」
これまでも、俺自身が持っているモンスターでも墓地にあることで効果があるカードもあるので、何か企んでいるのは分かる。
だが
「十分に攻める事はできる。
ロックマンの効果、バトルチップを使った事によって、デッキから別のバトルチップを手札に加える事ができる。
俺はバトルチップ キャノンを手札に加えて、そのままセットし、ロックマンでバトル!」
「罠カード、パワーウォール!
その効果で、そのダメージが0になるように500ダメージにつき、デッキの上からカードを1枚墓地に置く。
ロックマンの攻撃力は1800。
よって、そのカードを4枚墓地に送り、そのダメージを無効にする」
「ダメージを無効にしながら、墓地肥やしを行う」
だが、それだけ。
たったそれだけだからこそ、相手が何を企んでいるのか未だに分からない。
「俺はカードを一枚伏せて、これでターンエンド」
「俺のターンドロー。
さぁ、行くぜ、俺はレクンガを召喚する。
そしてレクンガの効果で墓地の水属性のモンスターを2体除外して、レクンガトークンを特殊召喚する」
「トークン、まさか」
「そうだ、俺はさらにレクンガの効果でカードを2枚除外して、さらにもう一体のレクンガトークンをもう一体。
そして、二重召喚を行い、俺は3体のモンスターでThe tripping MERCURYをアドバンス召喚!」
その言葉と共に現れたのは両手に細い剣を持った青い剣士が現れた。
「3体のモンスターでアドバンス召喚っ」
その条件はギルフォード・ザ・ライトニングを初めとしたアドバンス召喚を条件にして、強力な効果を持つモンスターが多い。
「The tripping MERCURYの効果により、このモンスターが場にいる限り、相手のモンスターはその元々の攻撃力分だけ攻撃力を下げる」
「なっ」
同時にロックマンの攻撃力は0へと変わる。
ある意味、これまでのどのモンスターよりも厄介な効果を持ったモンスターだ。
「バトル。
The tripping MERCURYでロックマンに攻撃!」
「罠カード、バトルチップ インビジブル!
その効果により、ロックマンの破壊を無効にする」
「だが、そのダメージは受けてもらうぞ」
「いやっまだだ!
罠カード、バトルチップ キャノン!
その効果でThe tripping MERCURYの攻撃力を半分にする」
「ちっ」
その効果でなんとかこちらが受けるダメージを1000まで抑える事ができた。
「さらにロックマンの効果により、デッキからバトルチップ オジソウサンを手札に加える」
「モンスターの破壊はできず、攻撃力まで下げられたか。
だが、問題はない。
俺はこれでターンエンド」
「あぁ、確かに」
未だにThe tripping MERCURYの攻撃力は1000だが、それはこちらが攻撃力を1000以上上げるか、効果で破壊しない限り、勝ち目はない。
だが、それは相手も分かっている。
ならば
「引くしかないよな」
そう言いながら、俺はカードを引く。
「よし、まずはカードを一枚伏せて、ロックマンの効果。
このカードがモンスターゾーンに存在する限り、「バトルチップ」罠カードをセットしたターンに発動できる。
俺は伏せられたカード、オジソウサンを発動する。
自分の場にオジソウサントークンを一体特殊召喚する」
「トークンを出したか」
「あぁ、それにより、俺はロックマンとオジソウサントークンをリリースして、現れろ妖精剣士 リーファ」
「アドバンス、だが、そのモンスターの攻撃力もすぐに0になる」
「問題ない。
俺はそのままリーファにエクスキャリバーを装備する。
リーファの攻撃力は場にある表側表示のモンスターの数だけ攻撃力が500上がる」
「だが、たった500しか上がらずにどうやって勝つ?」
「どうやって?
まだ、終わっていないぞ」
その言葉と共にリーファはそのままThe tripping MERCURYに攻撃を仕掛ける。
「リーファの効果。
このモンスターが攻撃する時、その攻撃力を1000上げる」
「なっ」
同時にリーファの攻撃力を1000上げ、そのままThe tripping MERCURYの身体を貫く。
「まずはリーファ自身の効果。
このモンスターが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える」
「ぐっ」
それによって、相手のライフは半分の2000へと変わる。
「だが、まだ終わっていないぞ」
「いいや、終わっている。
リーファが装備しているエクスキャリバーの効果。
それはリーファと同じく、モンスターが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える」
「それはつまり」
その言葉と共に、そのライフは0へと変わった。
「ふぅ」
それと共に、闇は消え去った。
「なんとかなった」
もしも相手が効果を無効にするカードや、攻撃力を上げるカードが出てきたら、危なかった。
「んっ」
そうして、デュエルを終えると共に、戦っていた相手はいなかった。
だが、その先にいたのは
「あれって、確か、ラーの翼神竜!?」
それは、既に存在しないはずの幻のモンスター。
なぜ、この場にいるのか分からず、戸惑っている間に
「ぐっ」
同時にラーの翼神竜の雄叫びを聞くと共に、頭痛がする。
同時に幾つかのカードが落ちる。
そこにはこれまで見た事のない、縁が白、黒、青のカードが出てきた。
「何が起きているんだ?」
それはまるでラーの翼神竜の雄叫びに共鳴するようだった。