「さて、最後の奴が来るか」
そう言いながら、俺は最後のデッキをチェックしていた。
これまでのシンクロ・エクシーズ・ペンデュラム・リンクなど、これまで見たことのない召喚方法に苦戦していたが、今はなんとか慣れてきた。
「さて、このデッキは最後まで隠しておきたい。
どこで見ているか分からないからな」
そう言いながら、俺は一番最後にとっておくデッキを仕舞い込むと同時に歩き出す。
あの十代先輩そっくりの奴が来た以上、相手はそれ以上の敵が来る可能性がある。
「少しよろしいかな?」
「んっ?」
声をかけられ、振り返るとそこに立っていたのはスーツを着ている人物だった。
どこかで見た事のある人物だが、確か
「DD」
「俺の事を知っているのか」
「まぁ、エドから聞いた事があるからな」
現在でも、未だに無敗の無敵のデュエリスト。
そう聞いた事がある人物だが、ここに来る予定は聞いていない。
「それで、こんな俺に何の用ですか?」
「なに、あのエドに勝った事のある子だと聞いてね。
興味があったのも、そうだけど、君と勝負するのが少し約束でね」
「約束?」
そう言っていると、DDを中心に闇が広がった。
「まさか」
「そう、俺が最後の刺客だ。
あの時は本当に死ぬかと思ったが、まぁエドへの復讐は後だ。
まずはお前を倒し、お前のカードを奪う」
「エドへの復讐ねぇ。
何があったか聞かないが、とりあえず」
そう言い、俺はデュエルディスクを構える。
「お前を倒すのは変わりない」
そう言い、構え
「「デュエル」」
「俺のターン。
まずはモンスターを伏せて、カードを伏せて、ターンエンドだ」
最初のターン、DDは何も動かなかった。
妙だ、エドから聞いた以上、最強のデュエリストである以上は油断できない相手だと思うが
「・・・俺のターン、ドロー」
今の奴に対して、油断はできない。
そう分かった以上は、最初から全力で行く必要がある。
「俺のターン、まずはトレード・インを発動する。
その効果で手札のグレイフィア・ルキフグスを墓地に送って、カードを2枚ドローする。
俺は魔法カード、悪魔の駒を発動し、デッキからシトリーの王 ソーナ・シトリーを特殊召喚する。
さらにシトリーの兵士 匙元士郎を召喚する!」
その言葉と共に俺の場に出てきたのは眼鏡をかけた少女と同じく少し不良に見える少年だ。
グレモリー以外にも関係しているモンスターであり、同時に入れる事で様々なコンボを狙えると思いデッキに入れた。
「ふふっ、罠カード、激流葬を発動する。
その効果で、場のモンスターを全て破壊する」
その言葉と共に、俺の場のモンスターも奴が伏せていた全てのモンスターが突然の青い流れによて、全て吹き飛ばされる。
だが、その波はそのまま奴の場に一つの形へと変わり、そのまま姿を現す。
「そして、現れろ、我が分身、ThesupremacySUN」
その叫びと同時にDDの背後に現れたのは太陽を思わせる
だが、可笑しい、奴の罠で発動したのは全体除去のカードのはずなのに、なぜ上級モンスターを簡単に
「まさか、さっき伏せていたモンスターか」
何が起きたのか分からず、構えたが、そのまま墓地に送られたカードを見る。
「見習い魔笛使い。
のカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。
手札からモンスター1体を特殊召喚する。
よって、手札の我が分身も特殊召喚が可能になる」
「まさか、最初からこれを」
これは厄介だ。
まさか俺のターンで、しかも俺のモンスターを全滅させた上で自身の切札を出すとは。
聞いていた以上に厄介な相手だ。
「えぇ、モンスターを全滅させるつもりでしたが」
そう言いながら、俺の場に残っているソーナを見る。
「ソーナは自分の場に「シトリー」と名のつくモンスターがいた場合このカードは戦闘、効果では破壊されない」
正直、匙を出す前だったら、こっちが終わっている可能性があった。
そういう事を含めたら、DDの先読みがある意味助かった。
「まさか纏めて破壊するつもりが、欲を出しすぎましたか」
「あぁ」
このままではモンスターを一体も残さない状態になる所だった。
それでもDDの場にでているあいつの攻撃力の方が高い。
これじゃあうかつに攻撃ができない以上はここで終わらせるしかない。
「俺はカードを2枚伏せて、ターンエンド」
「ふふっ、まぁ良いでしょう。
私のターン、ドロー。
まずは私はエクトプラズマーを発動し、ThesupremacySUNでソーナ・シトリーに攻撃」
「ぐっ」
その一撃によって、そのまま俺にダメージを与えられる。
予想していた事とはいえ、この身体に受けるダメージは想像以上にきつい。
「悪魔に太陽は危険だったか?
ふふっ」
「これぐらい、問題ない」
「そうですか、では私はターンエンド。
同時にエクトプラズマーの効果で、ThesupremacySUNをリリースして、その攻撃力の半分を与える」
「っ」
その言葉と共に弾丸となった奴が俺に襲い掛かる。
「ぐっ」
その攻撃を受け止め、身体が燃えるように熱い。
「俺のターンっ」
俺はそのままカードをドローするが
「私はカードを一枚手札に捨てる事で墓地にいるThesupremacySUNを特殊召喚する」
「っ」
その効果を聞くと同時に奴の恐ろしさに気づく。
「ふふっ、考えている通りだ。
このままでは、3ターンも保たず、俺が勝つ」
それは確かにやばい。
それに、手札から墓地に送られたカードも防御関連のカードの可能性もある。
「だったら、攻略の鍵はThesupremacySUNを倒す方法か」
そう言いながら、俺はカードを見る。
「ここは揃えるしかないな。
俺は罠カード、デーモンの呼び声を発動し、手札のカードを一枚捨てて、墓地からグレイフィア・ルキフグスを召喚する。
その効果でThesupremacySUNを除外する!」
その言葉と共に現れたのは銀髪のメイドだった。
最初のターンで墓地に送り、手札増強を行ったが、こうやって逆転出来る可能性カードになってくれるとはな。
「ふふっ、墓地のブレイクスルー・スキルを発動する。
その効果で、グレイフィア・ルキフグスの効果を無効にする」
だが、向こうも弱点は把握しており、対策する為のカードも既に入れていた。
「やっぱり、そういうカードか」
「ふふっ」
奴は自身の墓地を利用して、攻撃を行うデッキ。
だからこそ、除外は一番の天敵であり、それを含めた戦略か。
「けど、これでお前の墓地に送られたカードは無くなった」
「だが、そのモンスターではThesupremacySUNは倒せないぞ」
「あぁ、だけどまだ終わっていないぜ。
俺は妖怪の姫 九重を召喚する」
その言葉と共に巫女服を身に纏った小柄な少女が現れる。
「なぜ、わざわざレベル2のモンスター?
まさか」
それはこれまでの俺のデュエルを伝えられたならば、この召喚方法も知っているはず。
「俺はレベル8のグレイフィア・ルキフグスにレベル2のチューナーモンスター、妖怪の姫 九重をチューニング。
シンクロ召喚!現れろ!銀髪の殲滅女王 グレイフィア!!」
その言葉と共に現れたのは先程のメイド服を身に纏っていた女性であるグレイフィアだった。
だが、その服装は先程までのメイド服とは違い、青いドレスを身に纏っていた。
「シンクロ召喚っここで来たか」
「あぁ、グレイフィアの効果により、ThesupremacySUNを除外させる!」
その言葉と共にグレイフィアの手から放たれた攻撃によって、ThesupremacySUNはその場から消え去った。
「ほぅ、除外されてしまったか」
「あぁ、グレイフィアで攻撃!」
その言葉と共にグレイフィアの一撃が奴を貫く。
ここでなんとかダメージを与える事が出来たのは良かった。
だが、そんな俺の思いとは別にDDの表情は余裕の笑みだった。
「ふふっ、確かに除外は厄介だよ。
だが、少し寿命が延びただけの話」
そう、このままの状況だったら、きっとこれまで何度も修羅場をくぐり抜けたDDならば簡単に逆転はできる。
「それはお前に次のターンが来ればの話だ」
「何?」
「メインフェイズ2。
グレイフィアの効果により、このモンスターをリリースする事でこのモンスターよりもレベルが低いモンスターを一体、特殊召喚する。
俺はデッキからリアス・グレモリーを特殊召喚する」
「ここで上級モンスターだと?」
そこで現れたリアスの姿を見て、一瞬戸惑いを見せたが
「だが、既にメインフェイズ2に入った以上、お前はこのターン攻撃はできない。
それでどうやって、俺に勝つつもりだ」
「あぁ、そして、このターン。
リアス・グレモリーは攻撃していない。
よって、俺は消滅の魔星を発動する」
「っ」
その言葉を聞くと共にリアスはその手から放たれた黒い魔力がそのまま奴を貫く。
「なっ」
それによって、奴のライフは瞬く間に0へと変わる。
「消滅の魔星はこのターン、リアス・グレモリーが攻撃できない代わりに相手にこのモンスターの攻撃力分のダメージを与える魔法カード。
だけど、倒すのには丁度良いダメージだろ」
「そんなっ俺は!!」
その言葉と共にDDの身体は炎に包み込まれ、その場から消え去った。
「さっきのは本物のDDかどうか、分からない。
けど、これで「終わりだと思うか」っ!」
そう安心した時、後ろから聞こえてきた声。
振り返ると、そこには一人の男が立っていた。
そこにいたのは、全身が泥によって覆われた人間だった。
だが、やがてその姿は変わり、そこには巨漢の男がおり、その胸元には教科書で見たことのある伝説のデュエリストである武藤遊戯が首からぶら下げていたピラミッドによく似た透明な物があった。
「お前は」
「我が名はアヌビス。
貴様が切札勝気か」
「だったら、なんだよ」
「貴様にデュエルを申し込む」
その言葉と共に奴の後ろから現れたのは巨大な骨を思わせるドラゴンが立っていた。
「もしかして、それがトラゴエディアか?」
「ふっ察したか」
「つまり、あんたがボスという訳か」
「あぁ。
厄介な滅びの光は遊戯十代によって、倒される。
ならば、疲労した奴を倒せば、既に俺を邪魔する奴はいなくなる」
「まったく、デュエリストの誇りはないのかよ。
でもな」
そう言いながら、俺はデュエルディスクを展開し、とっておきのデッキを入れる。
「十代先輩が滅びの光をなんとかしてくれるんだったら、安心してお前を倒せるぜ」
「できるならばな」
そう言い俺はデュエルディスクを構える。
同時に奴も腕から生えた気味の悪いデュエルディスクを構える。
「「デュエル」」