「なに見学者だと!」
その日の始まりは遊勝塾で聞こえてきた修造さんの叫び声から始まった。
「何の騒ぎですか?」
「おぉ、勝気君!
ついに来たんだ、我が塾に入りたい希望者が!」
そう言いながら、盛り上がっていた。
「本当ですか?
でも、デュエルの内容はどうするんですか?
さすがに今の遊矢君達には難しいと思いますが」
「そこは俺と君で魅了させるしかない!
しかし、困ったな。
俺も長い間、指導ばかりでデッキの強化はできていないから」
そう言いながら修造さんがデッキを見るが
「・・・あの、修造さん?
もしかして、あれって入っていますか?」
「えっ一応は持っているが、使い方がいまいちでなぁ」
そう言いながら、修造さんのデッキを見る限り、あの召喚方法と確実に相性が良い。
だが、渋っている様子だが
「何事もチャレンジですよ!
何よりも、それこそ俺達の熱血じゃないですか!」
「勝気君!
最初はただの怪しい奴だと思ったが、俺の熱血に乗ってくれるのは君だけだ!」
「俺、そういう乗り、嫌いじゃないですから」
そう言い、俺達は手を組んだ。
「やろう!」
「えぇ!!」
それと同時に、俺達はしばらくデュエルを行う為の準備を行った。
「それで、遊矢。
あれが塾で最近居候している子なの?」
そうして、いよいよ準備が終え、デュエルが始まろうとした時。
今回の案内を引き受けてくれた洋子さんが行っていた。
「さて、観客が集まりましたし、やりますか」
「あぁ勿論だ!」
その言葉と共に、俺達は構える!
「戦いの殿堂に集いしデュエリストたちが!」
「モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い!」
「フィールド内を駆け巡る!」
「見よ、これぞ、デュエルの最強進化形!:
「アクションっデュエル!」
そうしながら、俺達は叫びながら、様々な事を行っていたが
「・・・あれ?」
「反応ない?」
なぜか反応がない事に俺達は首を傾げるが
「もぅお父さんも勝気さんも真面目にやって!」
「いや、これでも真面目にやっているつもりなんだが」
「良いから」
そう言いながら、柚子ちゃんはどこからか取り出したハリセンを構えた。
「わっ分かった、俺のターン!
俺はガッツマスター・ヒートを召喚する。
ガッツマスター・ヒートの効果により、手札からガッツマスター・ファイヤーを召喚する。さらに、ガッツマスター・バーナーを特殊召喚!」
その言葉と共に、修造さんの場には瞬く間に3体のモンスターが並んだ。
「流れるような連続召喚。
なるほど、確かに厄介なテーマだ」
元々、デュエルアカデミアでデュエルを行っていた時にも大量展開すれば、モンスター同士の連携を行え、リリース要因もできる。
そういった様々な所で良い部分があるが、このガッツマスターはたった1枚のカードからこれだけ展開できるのは優秀なテーマだ。
「さらに俺は青春ハイタッチを発動する。
自分の手札からカード1枚を選択し相手の手札に移す。移したカードの種類によって効果が決まる!
俺は暑き血潮を渡す。
それによって、相手のターンエンド時まで、君は魔法を発動できない!」
「なるほど」
後攻1ターンから展開するならば、魔法は必須。
テーマによって、変わるが、それでも魔法を封じられたのは痛い。
手札を見ても、このカードの厄介さが分かる。
「でも、これぐらいじゃないと面白くない!
俺のターンドロー!
行くぜ、俺はFT-ナツ・ドラゴニグルを召喚する!」
その言葉と共に出てきたのは桃色の髪が特徴的な白いマフラーの少年だった。
「FT、聞いた事ないテーマだが、どうする」
「俺はカードを2枚伏せて、ターンエンド」
「仕掛けてこない?」
「さぁ、どうでしょうね。
ターンエンドと共に修造さんの手札に熱き血潮を戻す」
「俺のターン、行かせて貰うぞ!
行かせて貰うぞ、これこそ俺の切札!
自分フィールドにガッツマスターが2体以上いる時、このモンスターを手札から特殊召喚する!
出てこい、俺の魂!ガッツマスター・マグマ!!」
その言葉と共に出てきたのは、他のガッツマスターよりも一回り巨大なアメフトを選手の格好をしたモンスターが現れる。
「ガッツマスター・マグマの効果!
自分フィールドにいるガッツマスターを手札に戻す事でそのモンスターの攻撃力分上げる!
俺はガッツマスター・ヒートを手札に戻して、その攻撃力1600分上がる!」
その言葉と共に、その攻撃力は3700へと変わり
「行け!ガッツマスター・マグマ!」
「いいや、まだまだ!
俺は速攻魔法滅竜魔法の吸収!
相手モンスターと自分のフィールド上の魔法使い族がバトルする時に発動する。
そのモンスターの属性が自分の魔法使い族モンスターと同じ属性の場合、そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする!」
その言葉と共にガッツマスター・マグマから放たれた炎に対して、ナツは大きく口を開くと、迫る炎を吸収する。
「なっ、俺の熱血の炎が吸い込まれた!」
「行くぜ!
火竜の鉄拳!」
その雄叫びと共にガッツマスター・マグマの懐に飛び込み、ナツが殴り飛ばした。
「なぁ!ガッツマスター・マグマ!
だがっガッツマスター・バーナーは直接攻撃ができる!」
「なっぐっ!?」
だが、それに合わせるようにガッツマスター・マグマの背中を乗り越え、現れたガッツマスター・バーナーの一撃が俺に襲い掛かった。
「そして、メインフェイズ2。
このターン、まだ俺は通常召喚はしていない。
よって、ガッツマスター・ヒートを召喚し、カードを一枚伏せてターンエンド!」
「俺のターンドロー!
俺はFT-星霊魔導士ルーシィを召喚し、魔法カード、黄道十二門の鍵を発動する」
「黄道十二門の鍵?」
「あぁ、自分の手札・フィールドから、『星霊』融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する」
「それって」
「融合!」
その宣言に見学に来ていた人や子供達も驚きを隠せない様子だった。
「さらに自分フィールドの星霊魔導士モンスターを融合素材とする場合、属性を一つ宣言する。自分フィールドに星霊門の鍵トークン1体を特殊召喚し、融合素材とする事ができる。
俺は水属性を宣言し、融合!」
その言葉と共に、フィールドに現れたルーシィはすぐにその場で取り出した黄金の鍵を取り出すと
「開け!宝瓶宮の扉!宝瓶宮の星霊アクエリアスを召喚する」
その言葉と共に現れたのは、その手に壺を持った人魚が現れる。
「わぁ!
人魚だ!」
そのアクエリアスの登場に見学していた子供は目を見開いて、驚いた様子だった。
「だが、攻撃力は100のモンスター?
何をするんだ」
「アクエリアスの効果。
このモンスターをリリースする事で、場の全てのカードを破壊」
「・・・えっ?」
その言葉と共にアクエリアスがそのまま手に持った壺を思いっきり振り上げた。
『あああぁぁぁ』
アクエリアスから放たれた津波に巻き込まれ、その場にいた全てのモンスターが破壊された。
『はぁはぁはぁ、酷い目にあった』
そんな津波の中からルーシィが現れる。
「融合で素材されたはずのモンスターが」
「ルーシィはこのカードが墓地に存在する場合、『星霊』融合モンスターが墓地に送られた時に発動できる。このカードを特殊召喚する」
「だが、この時速攻魔法暑き血潮を発動する!
自分フィールドの炎属性・戦士族モンスターが破壊され、自分フィールドにモンスターがいない時に発動できる。墓地から炎属性・戦士族モンスターを3体特殊召喚し、攻撃力を500ポイント上げる!」
「まぁ、そう上手くはいかないか。
俺はカードを一枚伏せて、ターンエンド」
「俺のターン!
行くぞ、このターンで決める!
俺は場のガッツマスター3体でオーバーレイネットワークを構築!」
「えっ、それってもしかして」
「エクシーズ!」
その言葉と共にガッツマスターは黒い渦の中へと吸い込まれる。
「紅蓮に燃え上がれ!ガッツマスター・紅蓮!!」
同時に現れたのはまるで武蔵坊弁慶を思わせるスポーツに使われる物を仕舞い、その姿を現す。
「ガッツマスター・紅蓮の効果!
1ターンに一度、このカードのオーバレイユニットを1つ取り除くことで発動できる。
自分のエンドフェイズまで手札を公開し続けることで相手の効果を受け付けない。
さぁ、行くぜ!!」
その言葉と共にガッツマスター・紅蓮がこちらに攻撃を仕掛けてくる。
このままでは負けてしまうが、それを塞ぐ手段は
「普通ならばない!
けど、これはアクションデュエル!」
その言葉と共に俺は走り出し、先程から見つけていたカードを手に取る。
「むっ!?」
「アクションマジック、奇跡!
このターン、モンスターは破壊されず、ダメージを半分にする」
その言葉と共に紅蓮から放たれる攻撃を受けながら、なんとか攻撃を防ぐ。
「むぅ、ターンエンド!
だが、ここからどうやって、逆転する」
「逆転する手は既にある!
あとは、それを行うだけ!」
そう言い、俺は構える。
「このドローは重いぜ…
でも俺は引く! 例えこの指が、ペッキリ折れようと!!
見せてやる!俺の熱血!デュエ魂!!」
「熱血!!
一体何を」
「ドーロ、ドロドロドロドロドロドロドロドロドロ…ドロォオーーーーーーッ!!
来やがったぜ、俺の切り札、勝ったァーーーーーッ!!」
その言葉と共に、俺が見せたカードは
「あれは死者蘇生、つまり」
「そう、俺は魔法カード死者蘇生、それによって、宝瓶宮の星霊アクエリアスを特殊召喚する」
「だが、破壊されたとしても、ルーシィは墓地にいなければ特殊召喚はできない!
さらに、その効果は融合召喚した場合だ」
「いいや、アクエリアスは使わない。
だが、代わりに見せるのは」
その言葉と共にルーシィとアクエリアスの間に出てきたのは黒い渦だった。
「あれって、もしかして」
「えっエクシーズ!?」
「このカードは、自分フィールドに『FT-星霊魔導士ルーシィ』を融合素材としたレベル5の『星霊』融合モンスターの上に重ねてエクストラデッキからエクシーズ召喚扱いで特殊召喚できる!
エクシーズ召喚!FT-星霊衣アクエリアスフォーム」
その言葉と共に出てきたのは先程のルーシィは髪型はツインテール。
衣装はビキニで、半魚人を思わせる流麗なフレアが着いたスカートやアームカバーをしている。
「融合からエクシーズ!」
「そしてアクエリアスフォームの効果。
オーバレイユニットを一つ取り除く事で、エクストラデッキから星霊融合モンスターを墓地に送って発動できる。相手フィールドの全てのモンスターを破壊する。
俺はバルゴを捨て、紅蓮を破壊!」
その言葉と共に、ルーシィが地面を触れると共に、紅蓮を津波の中へと飲み込ませる。
「俺は手札からダブルアタックを発動する。
その効果でFT-エルザ・スカーレットを捨て、ルーシィを2回攻撃を付加する」
「ぐっ」
「ルーシィでダイレクトアタック!」
その言葉と共に手に持った鞭で攻撃を仕掛けるが
「甘い!
アクションマジック、回避!
この効果で、攻撃を無効にする。
残念だったな!」
そう言いながら、笑うが
「速攻魔法、ダブルアップチャンス!」
「ダブルアップチャンス?」
俺が発動したカードに疑問に思って、首を傾げる。
「モンスターの攻撃が無効になった時、そのモンスター1体を対象として発動できる。
このバトルフェイズ中、そのモンスターはもう1度だけ攻撃できる。
この効果でそのモンスターが攻撃するダメージステップの間、そのモンスターの攻撃力は倍になる」
「それって、つまり」
「ルーシィで再び攻撃だ!」
「そんなぁ!!」
その言葉と共に、今度こそデュエルは決着が着いた。
「よし」
「うぅ、まさか回避を対策されていたとは。
まっまぁ、これで、あれ?」
そこには入塾希望者の子が多くいなくなっていた。
「えっと、これは」
「あんたら二人が盛り上がりすぎて、ほとんどの子達は帰っちゃったわ」
「「えっ」」
そう洋子さんが言った一言に俺達は一瞬、呆けた。
「そんなぁ」
「熱くなりすぎたぁ!!」
そう言い俺達はそのまま叫んでしまう。
だが
「なぁなぁさっきのデュエル痺れる!」
「さっきの魚さん!
もっと見せて」
「あれ?」
そう言っていると、なぜか丸い印象が強い子と、赤髪の子がいた。
「言ったでしょ。
ほとんどは帰った。
この子達は二人のデュエルを気に入ったみたいだよ」
「修造さん」
「おぉ!
ここからが、遊勝塾の始まりだ!」