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「なんだ、俺がいない間に何が起きたんだ?」
そう言いながら、俺は遊勝塾に戻ってくると、何やら塾の雰囲気が暗い様子だった。
「やぁ、帰ってきたんだ」
「えっ、切札さん!」
「この数日間どこに行っていたの!?」
それと共に俺は思わず首を傾げる。
「まぁ、色々と厄介な事になったんだよ」
ユーリはそう言いながら、これまでの経緯を話した。
遊矢がペンデュラム召喚をきっかけに新しく塾に入った紫雲院の事。
だが、それがきっかけでなぜか沢渡が遊矢が襲撃したと行って、疑われた。
それを機会にLDSは遊勝塾を乗っ取りペンデュラム召喚を我が物にしようとデュエルを申し込んだ。
そのデュエルを行っている間、ユーリとセレナは選手として登録していてなかった為、参加する事ができなかった。
だからこそ、他の塾の権現坂君、柚子ちゃん、そして遊矢が立ち向かった。
その中でLDSのそれぞれのコースのエースとデュエルして、一勝一敗引き分け。
そして、その最後の一勝を賭けて、遊矢と赤馬零児がデュエルした。
だが、その途中で他の襲撃犯が出てきた事で、デュエルを中止。
そして、そのままデュエルは中止になった。
「なるほどな」
それと共に俺はゆっくりと見つめる。
「今、必要なのはやりすぎぐらいが丁度良いかもな、これは」
そう言い、遊矢の手を取る。
「切札さんっ」
「遊矢、とりあえずデュエルするぞ」
「デュエルって、なんでこんな時に「このままじゃ赤馬には絶対に勝てないぞ」っ」
その言葉に遊矢は一瞬、言葉を詰まらせる。
「どうする?」
「やってやる!!」
その言葉に応えるように遊矢はそのままデュエルフィールドへと向かった。
「何をするつもりだ?」
その様子を見ていたセレナは
「別に、ただデュエルするだけだ」
それと共に、俺もそのままデュエルフィールドで、互いに向き合う。
「それじゃ、行くぜ」
「「デュエル」」
「さて、それじゃあ、まずはこれを見せるか」
「まさか、いきなりガオガイガーを」
「悪いが、今日はガオガイガーじゃない」
その言葉と共に、俺は2枚のカードを見せた。
「それって」
そのカードの特徴を見た瞬間、遊矢は驚きを隠せない様子だった。
「俺はスケール1のSW サーニャ・V・リトヴャクとスケール8の SW エイラ・イルマタル・ユーティライネンをセッティング」
その言葉と共に俺の後ろにはペンデュラムゾーンだった。
それを見た遊矢を初め、遊勝塾のメンバーは驚きを隠せない様子だった。
「ペンデュラム召喚!
暗殺者英霊 呪腕のハサン、暗殺者英霊 百貌のハサン、暗殺者英霊 静謐のハサン」
その言葉と共に出てきたのは各々が髑髏の仮面を身に纏った男女が現れた。
「まぁ、ペンデュラムを使うとは思っていたけどね」
「えっ、ユーリも知っているのか」
「まぁね。
それにあれだけで終わるとは思わないけどね」
そう言いながら、ユーリはこれから起きるだろう出来事に対して、笑みを浮かべながら言う。
「俺はこれでターンエンド。
同時にSW サーニャ・V・リトヴャクの効果。
このカードを破壊し、デッキからSWを手札に加える。
俺はSW 宮藤芳佳を手札に加える。
そして、サーニャが破壊された事によって、SW エイラ・イルマタル・ユーティライネンはその効果でペンデュラムゾーンから特殊召喚する」
「最初の1ターンでここまで展開するなんて」
「まだだ。
さらに百貌のハサンの効果でハサントークンを一体特殊召喚する」
「もぅ切札の兄ちゃんの場には5体のモンスターが並んでいる!」
「あれが、切札の実力」
そう言いながら紫雲院は驚きを隠せない様子だった。
「俺のターン」
そう言いながら、遊矢はそのまま自身の手札を見る。
だが、その表情は迷いが見えていた。
「ペンデュラム召喚がお前だけではない事にショックか」
「っそれは」
「だったら、出してみたら良い」
「っあぁ、分かっている!
俺はスケール2の賤竜の魔術師とスケール8の竜穴の魔術師でペンデュラムスケールにセッティング!!」
その言葉に促されるまま、遊矢は手札のカードをそのままペンデュラムゾーンをセッティングする。
「ペンデュラム召喚!EMキングベアー、EMオオヤヤドカリ、EMインコーラス!」
その言葉と共に出てきたのは王冠を被った巨大な熊にヤドカリ、さらに3匹のインコのEM達が現れた。
「EMキングベアーの効果!
このカードの攻撃力は自分バトルフェイズの間、自分フィールドの「EM」カードの数×100アップする。
さらにEMオオヤヤドカリの効果!
1ターンに1度、自分フィールドのPモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで、自分フィールドの「EM」モンスターの数だけ300アップする。
俺はキングベアーを選択し、その攻撃力を1200アップする!」
その言葉と共にキングベアーの攻撃力は3400になる。
「バトル!キングベアーでハサントークンに攻撃!」
その言葉と共にキングベアーはそのままハサントークンに向けて攻撃を振り下ろす。
その攻撃を受け、俺はそのままライフは1100まで減らされる。
「俺は、これでターンエンド」
それと共にゆっくりと遊矢を見つめる。
「その程度か」
「なにを」
「そのままでは何も変わらないぞ。
俺のターン、俺は暗殺者英霊 ザイードを召喚」
「また暗殺者」
「あぁ、行くぞ。
俺はレベル6の百貌のハサンに、レベル4チューナー、暗殺者英霊 ザイードをチューニング!!」
「チューニングって、もしかして」
その言葉と共に百貌のハサンの周りにザイードの身体は黒い炎の輪が4つ現れ、そのまま囲む。
「シンクロ召喚!!全ての暗殺者を束ねる王!レベル10 冠位暗殺者英霊 キングハサン!!」
その言葉と共に現れたのは牛のような立派な双角を備えた髑髏面の奥に青白い眼光を滾らせた存在だった。
「キングハサンっ」
「ザイードの効果。
このカードが墓地に送られた時、デッキから暗殺者英霊を特殊召喚する。
暗殺者英霊 刑部姫」
「刑部姫だとっ!!」
その言葉と共に何かに気づいたのか、権現坂は驚きの声を出す。
「知っているの?」
「あぁ、姫路の地主神として祀られた妖怪の一種だ。
まさか、あの時、赤羽が言っていた切札殿と同じというのは」
「あぁ、なるほど。
そういう事」
それと共に紫雲院が納得するように声を出す。
「DDDも、あの切札という人が使っている英霊だったかな?
その両方共、歴史上の人物がモデルのようだね。
しかも、あの様子だとエクシーズにも融合もできるんじゃない」
「へぇ、勘が良いね」
その言葉と共にユーリは笑みを浮かべる。
「赤羽と同じ」
その言葉と共に遊矢の動揺は凄まじかった。
「行くぞ。
キングハサンの効果。
このカードは召喚に成功した時、相手のカード1枚を破壊する。破壊した種類によって効果が決まる。
破壊するのはキングベアーだ」
その言葉と共にキングベアーの目の前に立ったキングハサンはそのまま剣を突き刺す。
それと共にキングハサンはそのまま遊矢を見つめる。
「キングハサンの効果。
効果でモンスターを破壊した場合、そのモンスターの攻撃力だけ相手にダメージを与える」
「っがああぁぁ!!」
それと共に遊矢はそのまま吹き飛ばされ、ライフが減る。
「そして、キングハサンはこのカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃することができる」
「それじゃ、このまま遊矢兄ちゃんは」
「負ける」
その言葉と共に遊矢は
「俺は」
そう言い、俯く遊矢。
だが
「そのまま負けるのか」
「負ける」
その言葉と共に遊矢に対して
「そのまま諦めて止まるのか?
それがお前のエンタメなのか」
「違うっ、俺は父さんのようになる為に」
「その父さんはペンデュラムを使っていたのか」
「いや、それは」
その言葉に遊矢は
「お前が憧れているエンタメとお前が作り上げたペンデュラム。
確かにどれも凄いが、お前はそれだけか」
そう言い、俺は睨む。
「未だにそこまでしか見えないならば、それで満足していろ」
その言葉と共にキングハサンはそのままオオヤドカリ、インコーラスを切り裂く。
「っEMインコーラスの効果。
デッキからPモンスター以外の「EM」モンスター1体を特殊召喚する」
その言葉と共に遊矢は動揺を見せながら、デッキを見る。
そこには
「っこれは」
そのカードを見て、遊矢は何かを思い出しているようだった。
「・・・切札さん」
「なんだ」
その表情は先程までの表情は変わっていた。
「俺、赤羽とのデュエルで自分のデュエルが分からなくなっていた。
けど、俺は俺しかできないデュエルをやってみせる!
だけど、今は」
その言葉と共にデッキから取り出した一枚のカードだった。
「俺はEMスカイ・マジシャンを特殊召喚する!」
その言葉と共に現れたのはそれは幾つもの輪を持ったモンスターであり、俺も見た事がある。
「あれって」
「あぁ、遊勝さんのエースカードだ」
それと共に遊矢は笑みを浮かべる。
「ならば、この状況を打開できるか?
静謐のハサンでスカイ・マジシャンに攻撃!」
その言葉と共に静謐はそのまま真っ直ぐ、スカイ・マジシャンに向けてクナイを投げる。
だが、遊矢はスカイ・マジシャンの持つ輪の一つを手に取り、そのまま宙に舞う。
「アクションマジック、回避!
この効果でその攻撃を無効にする」
「攻撃力はこっちの方が上なのに?」
「切札さんは、そういう無駄な攻撃はしないから。
そして、スカイ・マジシャンの効果!
1ターンに1度、自分が魔法カードを発動した場合に発動する。
このカードの攻撃力は300アップする!」
その一言と共にスカイ・マジシャンの攻撃力は上がる。
「これで、俺のモンスターでは攻撃できるモンスターはいなくなった。
俺はこれでターンエンド」
そう言い、遊矢に対して見つめる。
「さぁ、どうやって、乗り越える!」
「えぇ!乗り越えてみせる!
俺のターン、ドロー!」
その言葉と共に遊矢はそのまま真っ直ぐ向かった先は一枚のアクションカードだった。
それと共に、遊矢はドローしたカードと合わせて見ながら、真っ直ぐとアクションカードを手に取る。
道中で見せたのは、これまでの遊矢が確かに培った経験、そして憧れていた遊勝の動きも合わさって、取って見せた。
「俺はEMオッドアイズ・シンクロンを召喚!
そしてアクションマジック レベルジャスト!
自分の場のモンスターのレベルを1から8好きな数を選ぶ!
俺はEMオットアイズ・シンクロンのレベルを1にする!
そして俺はレベル7のスカイ・マジシャンに、レベル1チューナー、EMオットアイズ・シンクロンをチューニング!!」
その言葉と共にスカイ・マジシャンの身体は光の輪に包まれる。
「輝け、光のステージ!その純白の魔術師よ、その姿を現せ!
シンクロ召喚!レベル8 EM 憧憬の魔術師!!」
その言葉と共に現れたのは先程のスカイ・マジシャンとは少し変わったモンスターだった。
その特徴は先程まで持っていた輪がボールへと変わり、まるで遊矢を思わせるモンスターへとその姿を変えた。
「シンクロ召喚したこのカードが存在する場合、お互いのバトルフェイズに発動できる。
相手フィールドのレベル5以上のモンスターを全て破壊する!」
それと共にEM 憧憬の魔術師が手に持ったボールをそのまま俺の場にいた全てのモンスターに向けて投げた。
それと共にボールは大きく膨れ上がり、そのまま全てのモンスターが破壊される。
「EM 憧憬の魔術師で直接攻撃!」
「ふっ」
それと共に俺のライフは瞬く間に0へと変わった。
「どうやら、少しは見えたようだな」
「はいっ、俺、少し見えた気がします」
「まぁそれだったら良いけど」
そのまま俺は笑みを浮かべる。
「それで、切札さん」
「なんだ?」
「あのデッキ、まだまだ本気じゃなかったですよね」
その言葉を聞くと共に
「もしもそれだったら」
「俺がもっと強くなったら、本気のデュエルをお願いします!!」
その言葉に対して、俺が思い浮かんだのは十代先輩とのやり取りだった。
「あぁ、待っているよ」
だからこそ、俺は頷いた。