中身は具体的には狂三BADのノリがずっと続く感じですね。……読む時は気をつけてね。本当に容赦なく濃いから。まあ私の精霊賛美歌が割と滲み出て合体してはいますが。
というわけで数話先に待ち構える怪物はさておき、『十香ユニゾン』回となります。イッチャイッチャラッブラブ、です。
「――――つまりシドーは、私で興奮を感じているということか?」
「…………………………十香でというか、十香にというか、はい」
――――ここに来て精神的拷問のバリエーションが増えるとは、この部屋は相当に素晴らしいな。
そんな現実逃避の皮肉は内心だけに、士道は今にも死にそうな顔でほんのりと頬を赤らめた十香と対峙していた。
士道の自慰行為発覚、そして十香の奉仕から一夜を跨いだ朝。士道は
男の性欲。その解消。昨夜、焦って吐き出してしまった十香への劣情も罪状として提出し切った。
まあつまるところ、今の士道は二人きりの空間で十香に淫らな欲望を抱く最低な男です、と告白したようなものである。
「しにたい。もうしなせて……」
「し、シドー?」
気がついたらあまりに女々しい涙を流し、十香を困惑させてしまっていた。本当に、女々しいことはわかっているのに止められない。十香の前で、これほど涙を流したのは初めてだと断言できる。
それくらい士道は、十香に幻滅をされたくなかった。嫌われたくなかった――――それももう今更だ、と涙を拭いて正座になって十香と向き直る。
「……今言った通り、俺は十香に興奮してる。昨日みたいに吐き出さないと、どうにかなっちまいそうなくらいに。ごめん、気持ち悪いよな。出来るだけ見せないように処理するから。十香が俺から離れたいって言うなら、出来るだけ離れる。だから――――――」
だから、どうしたいのだろう。
「だから……っ」
士道は十香に何を望んでいるのか。この涙は何なのか――――ふわりと、包まれる。
「っ……」
「令音に、いざという時はこうするといいと教えられた……どうだ?」
「ど、どうだって、言われても……」
抱き締め、られている。令音が事故を含めてよくしているように、胸元に頭を埋めさせ、後頭部を撫でる。
興奮と、途方もない安心感。言うなれば興奮に優る安堵だろうか。思わず十香の背に手を回し、縋り付く。十香に受け入れられて、士道はようやく心の緊張が溶けていく感覚を覚えていた。
「私はシドーを
「っ!」
「あれがシドーにとって恥ずべきことだとしても、私は受け入れる。私が人として暮らすようになってから、シドーに恥ずかしいところを見られてきた。シドーはそんな私を笑わずに、嫌わずに見守ってくれたではないか。それと何の違いがあるのだ?」
違いしかない。そう思った、そう思っているのに――――十香の中では、同じなのだと気づいた。
十香にとって士道の欲は汚いものではなく、士道に必要で十香にとっての未知。だから、
「私はシドーを拒まない。シドーがどれだけ自分自身を否定したとしても、
吐き出してしまえ。暗にそう告げられているような気がして、肺腑に満ちていた不安感をすっと吐き出していった。
「……怖かった。十香を見る目がおかしくなって、自分が自分じゃなくなるような気がして」
「大丈夫だ。シドーはシドーなのだ」
「嫌だった。十香をおかしな目で見て、何かしちまいそうで。十香を傷つけたくなかった――――十香に、嫌われたくなかった……っ!」
――――ああ、それが全てだった。
十香を傷つけたくない。十香を大事にしたい。その想いは嘘じゃない。偽りじゃない。本当だ。
けれど、心のどこかで思ってしまった――――ただ十香に、嫌われたくないと。自分勝手、身勝手極まりない自己保身を士道は心の底で思い、恐怖した。
それが十香への侮辱、侮りだと言うことは、強くなる抱擁からしっかりと感じ取れた。
「私がシドーを嫌うものか。嫌いになったりしないと、シドーは私にずっと言ってくれたではないか。私も同じだ――――私は、シドーが『好き』なのだ」
「俺も――――十香が『好き』だ」
気づけば、それを声にしていた。それがどういう想いで、どういう意味が込められているのか。たった二文字の言葉なのに、伝わってくれている気がした。
安心して、嬉しくて――――それだけ。それだけが士道の心を満たす。肺腑に満ちるものを全て書き換えた。不安、保身、恐怖。それら全てが、十香という少女の温かさに包まれている。
その時間が堪らなく愛おしくて――――ただひたすら、十香と抱き合って時間を重ね続けた。
くぅ。そんな可愛らしい腹の音が鳴ったのは、ある意味時計以上に正確な時間を示すものだったのかもしれない。
「あ……」
「……そ、そのだな。これで
十香の中では、空腹の腹音と自慰行為目撃が釣り合ってしまうらしい――――それくらい、十香は士道の全てを受け入れている。
どこまでも甘えてしまいたくなる。どこまでも好きになってしまう。そんな気がして、士道はフッと頬を緩めて笑った。
「凄いな、十香は」
「む……?」
「ううん。わからないなら、俺だけが知ってればいい――――朝ごはんにしようぜ」
本当に――――士道は心から十香が好きなのだと、湧き上がる想いが止められそうになかった。
「色々、情けないところ見せちまったな」
朝食後、士道は無意識のうちにそれを言葉にしていた。
自慰行為を見られた挙句、処理を手伝ってもらい、自己嫌悪と恐怖を十香に受け止めてもらった。……よくよく考えて、よく受け入れてもらえたものだと自分の情けなさに自嘲気味な笑みが浮かび上がった。
「よいことではないか。シドーはいつも頑張りすぎているからな! 私の前で、ああして力を抜いてくれて嬉しいぞ」
「抜きすぎもどうかと思うけどな。男としては」
男というのは得てして、好いた女にはかっこよく見られたいものだ。十香の前では自然体になる士道でさえ、微塵もそうとは思わない、など言えはしない。
けれど、誤魔化すように頬をかいて目を逸らした士道自身、そう思いながら十香に本心を晒したことを後悔はしていない。肩の荷が降りた、という感覚が的を射るようだった。
「……十香には、いつも助けられてばっかりだな。ありがとう。本当に……凄いよ、十香は」
「そんなことはない。だが、もし私がシドーにそう見てもらえているのなら……それはシドー、おまえから貰ったものだ」
「俺から?」
目を丸くして聞き返す士道に、十香はこくりと首肯を返して続けた。
「シドーが私を生かしてくれた。シドーがいたから、今の私がある。荒んだ私を連れ出してくれたのはシドーだ。私に今の世界をくれたのはシドーだ。おまえがいたから、皆と出会えた――――ありがとう、シドー」
「………………」
「シドー? どうした。顔が真っ赤だぞ?」
「……う、うん。そう、だな」
――――真っ赤にならない方がおかしいと思うな。
そう思いながら、キョトンと丸まった水晶の輝きから目を逸らせない。あまりにも真っ直ぐで、『好き』という二文字を事細かに解体したら今のものになる、みたいな言葉の列。
男らしいという言葉が似合いながら、可憐という言葉も似合う。十香という少女が幾ら言葉を並べ立てても足りない、恐ろしいまでの魅力があると感じるのは、士道の贔屓目なのだろうか。
「そうだシドー。昨日のように、苦しくはないか?」
「っ……す、すぐにはならない、と思う。……正直、あんなになったのは十香が初めてだから、保証はできないけど」
突然切り出された話に対し、さっきまでの動揺や悲観はなく切り返すことが出来た。これも十香が全てを受け入れてくれたおかげだった。
断定はできない。そう言う士道に、十香はほんのりと頬を染めて言葉を返した。
「私が、初めてだったのか?」
「あ……う、うん。けど、正直に言えば興奮が十香だけとは言えない」
「折紙たちにもか?」
「……ああ」
士道の不誠実な言葉に十香は冷静なまま返し、士道もまた誤解がないように頷く。
好意を抱く相手は、十香だけとは言えない。その中で『好き』という気持ちがどの種類か、どれだけ判別できるか自分自身にさえわからないほど、士道は精霊たちのことを好ましく感じている。誰か一人欠けることさえ耐えられない。
ああ、だからここにきて十香と同じような喪失感を覚えている。みんなに会いたい。みんなが無事でいることを望む――――そして唯一共にいる十香に対しての想いを、それによって
「だけど……昨日みたいなのは、本当に初めてだった。あんなに強く欲求が溜まったのは、十香に対してだけ……だと、思い、ます」
最後の部分は、羞恥と冷静さが取り戻されてどもってしまったが、本心をしっかりと言い切る。
何があっても嫌わない。ノーガードで向かってくれた十香への誠意として、士道もまた恥を捨てて全てをさらけ出す。……とはいえ、表情の通り恥ずかしいものは恥ずかしいのではあるが。
「そうか……私だけ、なのだな」
「嫌じゃないのか……?」
「嫌なものか。何となくだが、シドーが私を綺麗だと、可愛いと思ってくれているのはわかる。あの時、私を呼ぶシドーを見て、聴いて……私の心も、何だか温かくなったのだ」
柔らかな微笑みを蓄え、胸元に手を当てる十香。
その理屈は、おかしいとは思わない。十香という少女のことを綺麗、可愛い、魅力がある……そういう月並みな言葉では語りきれない、多くの想いを士道は抱え込んで欲望が抑えられなくなった。
だが、同時におかしいと感じることがある。十香への感情に偽りはない――――しかし、あれほどの性欲を、ただ生まれたものと思っていいのだろうか?
抑えきれない劣情。自分が自分でなくなり、十香のことしか考えられなくなったあの瞬間。そして、常識を外れた射精の量。疑問に思うことは多い。が、それを確かめる術がないのが実情だった。
「ならば、昨日のように苦しくなったら――――私がシドーを助ける」
そして確かめる術がない以上、キッと視線を鋭くした十香を
「十香、それは――――」
「シドーが苦しい思いをすることが、嫌なのだ。シドーは……私にされては、苦しいままなのか?」
ここにきて、十香の瞳に不安が滲む。十香に世話を焼かれるのは迷惑かと、問いかけてくる。
十香はこういうことに駆け引きを持ち込めるタイプではない。純粋に士道を案じ、自分がしては迷惑になるのではないかと思っている。
喉に引っ掛かりを覚えたように、言葉が詰まる。本来なら、ここで嘘を言ってでも自分で処理をすることが正しい。十香の好意は嬉しいが、一人でこなせるのならそれに越したことはない。
「……苦しいわけ、ない。むしろ、自分でするより何倍も……良かった」
「そ、そうか……」
だが思考とは裏腹に正直な気持ちを吐露してしまい、ある意味で褒め称えられた十香が恥ずかしげに指を組んで微笑を零す。喜んでいる、と見ていいのだろう。
自分ですることさえ、過去に感じたものが遊びに思えるほどの快感だった。だと言うのに、十香に抱き締められ、触れられた感触はその何倍、何十倍も凄まじいものだった。残した理性が一瞬にして溶け、十香という愛おしい女に呑み込まれる。比喩ではなく、確かにあの瞬間士道はそう感じた。
「なら、またああなった時には、私に言ってくれ。私を見てそうなったのなら、シドーだけが抱え込むのはおかしいだろう?」
「え……あ、あ。わかった」
いや、わかったじゃないが。
何か夢でも見ているのだろうか。部屋に閉じ込められ、十香に欲情して、その欲情を肯定された上で十香に処理をしてもらえる。
抱え込むのがおかしいとは言うが、士道から芽生えたものを十香にしてもらうことがおかしい。けれど、十香は望んでそうしてくれる。士道が利用するような、状況を強要するようなものではなく、自分自身の意思で士道に手を貸してくれる。
圧倒的な好意を抱く少女にそのようなことを言われては――――士道はただ、頷くことしかできなかった。
「んー……十香、ちょっと身体を動かしに行かないか?」
「うむ、よいぞ! 体育ということだな!」
「はは、そうだな。みんなに置いてかれないように頑張ろうぜ」
――――とはいえ、早々言い出せるものではなかった。
あれから数日。暇さえあれば捜索や打開策は考えているものの、脱出の戸口はどこにもない。無為に時間が過ぎる焦りを感じながらも、部屋の利便性を理解して士道は十香と共同生活をこなしていた。
適応力とは大したもので、出来るだけいつもと変わらない生活を士道と十香は続けることが出来ていた。
時計や日暮れは外と変わらないことを利用し、普段は自由に学業。休みは休みと決めて過ごす。幸い、例の扉から飽きがこないほど多くの場所に行くことが出来るため、皆に会えない寂しさ以外は本当に困らなかった。
「…………」
それが肝心であり焦らされる要因でもあるのだが、焦って追い詰められては意味がない。皆はどうしているだろうか。心配しているに違いない。
しかし、そればかりを考えていられるわけではない。常に間近にいる十香のことをどうしても考えてしまい――――扉へ足を向けた士道の背に、ふくよかなモノが触れた。
「っ!?」
瞬間、堪えていた欲がズクズクと疼いて、頭が痛くなるほどの快楽が脳髄に染み渡った。
十香が、後ろから士道を抱き締めた。
「シドー♡」
「十、香……」
背中に顔と身体を押し付けて、甘い声音を士道へぶつける。あの日に、そうすることで士道が悦ぶと知った十香が会得した艶のある甘声。
下着とズボンに阻まれた逸物が腫れ上がり、
「大丈夫、だ。まだ……平気だから……っ!」
「……あの日と同じ匂いが、シドーからする。無理をするな。私は、そんなにも頼りないか?」
「ちが、う! 俺は……」
十香を利用しているようで、嫌だ。どれだけ念を押されて、十香が許してくれても、こんな状況でなし崩しに性処理をしてもらうなど嫌だと感じていた。
十香に触れられるのは嬉しい。十香に想ってもらえるのは嬉しい。だがそれを理由にして、十香に性処理をしてもらうのはそれ以上に苦しい。
「
「あ……」
同じ言葉を返されながら、士道は十香に手を取られてそっと壁に押された。抵抗ができない。あの日と同じで、思考を身体が押さえつけてくる。
背中と壁が接着し、それを逃さないよう十香が優しく士道の身体を抑えた。己の身体で、だ。
柔らかく、頭がくらくらするほど香る十香の匂い。腕に当たる十香の胸。覗く谷間。甘く蕩ける水晶の瞳。艶色鮮やかな薄紅の唇。そして指が巧みに士道のズボンのベルトを外し、膨れ上がったモノを解放した。
「あっ!」
「ふぁ……♡」
下着の生地と反発し、下ろされながら跳ね返った肉棒が汁を散らしながら眼窩にて揺れる。相変わらず常識破りの大きさに勃起し、強烈な臭いが服という戒めから解き放たれた。
士道はその解放感に呻き、十香は鼻をスンスンと鳴らして肉棒の臭いを嗅ぎ取り、微笑を浮かべた――――いつもと変わらないはずのものが淫靡に思えて、血の巡りがさらに激しくなる。
「十香、ごめん……っ!」
「謝るな。私がシドーにしてやりたいから、こうしているのだ♡ 触るぞ……♡」
無自覚にしているのか、密着した身体をさらに擦り寄るように擦る仕草が堪らない。そうして、十香の華奢な指先が肉棒に絡まっていく。
「く、ぁぁ……あっ!」
「んっ♡ まだ大きくなるのか♡ シドーのモノはすごいな♡」
褒める言葉に連動し、十香の手のひらが亀頭を撫でる。恐らく手を濡らしてモノを痛めないようにするためなのだろうが、言葉と合わさって士道に得も言えぬ感情を抱かせた。
甘えたい。このまま、十香の手で果ててしまいたい。十香という絶美の少女に、全てを委ねて愛してもらいたい。人として、男としておかしいと思うのに、その欲求がどうしても消えてくれなかった。
「……本当はな」
「え……?」
そんなとき、肉棒を扱く十香がぽつりと言葉を零した。
「嬉しいのだ。シドーが私だけに、この姿を見せてくれることが。いけないことなのは、何となくわかる。シドーと二人きりの幸せに満足せず、このような状況を利用するズルいことだということも――――私はすごく、卑怯者なのだ」
「そん、な……こと……」
卑怯だと言うのなら、こうすることを結果的に迫った士道なのに。十香はただ、士道への好意を以てどこまでも真っ直ぐに手を貸してくれているだけなのに。
「だからシドー、ここにいる間だけで構わない。今だけは――――私の我が儘を、
「十香……あっ、あぁぁぁぁぁっ!」
手淫が激しさを増して、十香に支えてもらわなければ立っていられない。士道を想い、敢えて我が儘だと言って強制を貫くその優しさに、士道の理性が静止する。
「あっ、あぁ……っ」
「シドー♡ シドー……♡」
「っ……うあっ!」
逸物から脳に届く信号が絶え間なく理性を焼く。鼓膜から脳に届く十香の声が士道の全てを染め上げる。
十香という純新無垢な少女が見せる、あまりにも愛らしい独占欲。皆と一緒がいいという十香の中にある、士道だけに見せる唯一のモノ。
ここでならば許される。ここにいる間だけ、この行為の間だけは、士道と十香は自分たちの知らなかった一面を知ることができるのだ。
「シドー、他にしてほしいことはないか?♡ 苦しくないように、私に出来ることを教えてほしいのだ♡」
愛らしさしかない面で士道を見上げ、微笑む十香。無論、その微笑みの爛漫さとうってかわり、下半身には十香の淫靡な手淫が加速を増していた。
絶頂が近い。十香の指に導かれ、奥底から途方もない快感がせり上がってくる。その中で、士道が目を奪われたモノは、
「……キ、ス」
幾度となく重ねられ、その度に心臓が痛いほど高鳴った、夜刀神十香の唇だった。
「んっ……ちゅ……っ♡」
「――――ッ!!」
逡巡や躊躇いは、なかった。暴力的な美しさが距離を詰め、雰囲気からか異なる妖しさを秘めた桜色の唇が、士道の唇に重ねられた。
脳が焼き切れる。脳髄が犯される。唇から陰茎から、何もかもが十香に包まれてイク。
そう、十香の美しく艶やかな貌が視界に広がる中、士道は己がどんな表情をしているのかわからぬまま絶頂した。
「……っ! ん、んぅ……っ!!」
――――どびゅっ! どぷっ! ビュルルルルルッ!
重く、鈍い。なのに飛び出す勢いが激しく、長い。
腰砕けになりながら、十香の手で果たされる射精。巨根が打ち震え、部屋に飛び散る濃厚なザーメン。何一つ現実感がないのに、十香だけが現実に思えた。
十香の手と身体の中で絶頂し続ける士道は、身体のあちこちから力が抜け落ち、顔まで蕩けていることを自覚した。十香の水晶が映す士道の顔は、あまりに無様に蕩けていたのだ。
「ん……ぁ……とう、か……みるな……っ! 見ないで、くれ……んんっ!?」
嫌だ。こんな自分を見せたくない。けれど、十香は逃げ延びようとする士道の顔を引き寄せ、深い口づけを施した。
「ちゅ……っ♡ ん、ちゅぱ……っ♡♡ ……シドー♡ いいのだ♡ 他の皆に見せたくないものを、私だけに見せるのだ♡♡」
「……十、香」
溶ける。溶ける。溶ける。夜刀神十香に、溶かされる。
我慢やプライドなど無意味だと。十香の前では素直でいろと、彼女という絶美の全てを扱われて果ててしまう。十香は士道から向けられる好意を理解し、悦び、奉仕する。それを受けて、士道は十香への感情を深める。
解消どころか、欲望が重ねられているようだった。
それからは、なし崩し。一度溶けた理性が、十香の前で脆く崩れ去る様を士道は実感した。
「十香っ! 十香ぁ!」
「うむ♡
どれだけ隠し通そうと試みたところで、十香は士道の変化の臭いを嗅ぎ分け、どんな日常の中であろうと瞬時に奉仕へと移行して見せた。
ズボンと下着を下ろし、濃厚な雄の香りに十香の瞳が酔う。天真爛漫な十香にその一面を持たせてしまった背徳感が、士道のモノに力を与え続けた。
その肉棒を手で扱き上げ、士道に素直になるよう訴えかける。そうなれば理性は剥ぎ取られ、狂おしいほど恋しい十香を呼び続けるしかなくなった。
「シドー♡ シドーのモノの名は、なんと言う?♡♡」
「い、いろいろ、呼び方はある……けど……っ!」
「ならば、シドーは私になんと呼んでほしいのだ?♡」
「……っ!」
純心で問いかけて、士道を揺さぶる。士道が十香の言葉で悦ぶと理解して、もっと先を求めてくる。
十香は天真爛漫、好奇心旺盛、恐れを知らない少女――――だからこそ、何色にも染まる才覚を持っている。
「……おちんちん、とか」
「おお♡ では、シドーのおちんちん♡ 私が扱いてやろう♡♡」
「っっ!!」
こんな風に、低俗な言葉を教え込めば容易く信じきってしまう。それが士道の教えたことならば、士道が悦んでくれるのなら。
溶けているのは士道か、それとも十香か。それとも――――どちらもだということを、士道はすぐ思い知ることになった。
「……う、……ん……?」
何かが、動いている。深夜、その感覚を覚えた士道の瞼が開いていく。
何日も共に過ごし、寝床を共にすることが普通、否、しなければ落ち着かないほどになった十香との就寝。既に向き合うことは当たり前で、下手をすれば士道から抱き寄せることさえあった。
「十、香……?」
「っ……」
が、士道は目覚めて違和感を抱いた。二人でかけた布団に妙な空白がある。いつもはどちらからともなく身体を付け、お互いしか存在しない人肌を恋しく擦るように眠っているはずなのに、だ。
二人で寝て余るサイズのベッドにある空白。そして、士道の声に不自然に揺れる布団。中に潜り込んだ十香が、顔も見せずに身体を丸めているらしい。
「どうかしたのか?」
「な……んでも、ないぞ。シドーは、は……早く寝るのだ……っ♡」
「――――――」
声色がおかしい。士道は眉根をひそめて急いで起き上がる。
十香の声色を聞き分けただけではない。共に過ごすうちに、十香の匂いがあることが当たり前になっていた士道。そのいつも感じる匂いが
まるで、十香が士道の匂いを嗅ぎ分けるものと
「あ……っ♡」
「っ!!」
現れた十香に息を呑み、ドクンと心臓が跳ね上がった。
荒く剥いだことで空気が乱れ、鼻腔に届く十香の
「十香!」
「や……だっ♡ いやだ♡ 見るなっ♡ 見るなシドー!♡♡」
身体を抱き締めて拒絶を見せる十香だが、それで止まる数日前の士道はいない。その手を取って、あくまで優しく、十香へ語りかける。
「大丈夫だ。十香、何があったかわかるか?」
「……わか、らぬ♡ だが、身体が熱い……
やはり、そうだ。士道は自分ばかりが
もし、思い上がりでないのなら。十香が士道と同じモノ、同じ好意を抱えているのだとしたら。その決定的な違いは、十香はその衝動を知らないことだ。
知らないのだ。十香はそれを収める方法どころか、その快楽があることさえ知らない。士道は男の欲求を説明したのみであり、それが少女の場合はどうなるのかを避けた。
覚えがないということは――――士道と同じだけの羞恥と情動、欲求にわけも分からず苦しむことしかできないのだ。
「十香……それは、俺と同じだ」
「シドー……?♡」
だから、士道が教える。士道が
十香が苦しんで、それを解き放つ手段を士道が持っている。その
「男と女の違いはあるけど、十香も俺と同じようにしないと苦しいままだ。……十香が、俺にしてくれたことを、女の子のやり方でしなきゃいけない」
「っ……で、ではっ♡ そのやり方を教えてくれ♡」
「いや――――
言って、十香のズボンの裾に手をかける。半ば強姦紛いかもしれないが、今の十香には必要だという確信――――いや、士道が
自分でするより何倍も、何十倍も気持ちがいい。それを、十香と
「な……シドー、待つのだ♡ わ、私は……♡」
「俺も、十香と同じだ。俺は絶対、十香のことを嫌ったりしない。十香が俺に
「し、どー……♡ ――――あっ♡♡」
ベッドの上で十香をなすがままにし、彼女の可愛らしいズボン、そして下着を脱がせる。士道にしてくれたことと、全く同じことをお返しすれば、
「あ――――――」
十香とは異なる吐息が零れる。雄とは異なる雌の生殖器を見て、士道は感銘の吐息を吐き出すことしかできなかった。
美しくもあり、卑猥でもある。肉々しい士道のモノとは違う曲線美。お腹から下る丘。茂みを作る夜闇色の陰毛の下にあるピタリと閉じた桜色の割れ目から、零れ落ちる粘液と雌の臭い。溢れる液体が流れ、ヒクヒクと収縮する極小の穴。
夜刀神十香の絶対領域。幾度か目撃し、その度にいけないことだと忘れようと試みた十香の女性器が、士道を誘うように蠢いていた。
「や……♡ 恥ずかしい……のだ♡ シドー♡ しどぉ……♡」
「そこを見せるのは恥ずかしいかもしれないけど、十香が感じることは何も恥ずかしくなんてない――――触るぞ」
「っ♡」
これも全く同じ。手を股座に近づけて、言葉で許可を得る。返されることはなかったが、拒絶ではなく目を閉じることを選んだ十香。
途方もない高揚感と緊張感。状況を利用する罪悪感と、十香という無垢な少女に快楽を教え込む興奮。その両方を携え、士道は十香の陰部に手を触れさせた。
「あっ♡♡」
――――雌の嬌声。
くちゅ、と官能的な水音と共に、十香の身体が跳ねる。寝間着と下着を付けているはずの乳房がぶるんっと揺れ、十香がどけだけ感じたかをしろしめす。
「あっ♡ あっ♡♡ あぁぁっ!?♡♡♡♡」
二度、三度。手のひらを使って優しく表面を擦る。生肌にはない独特の触り心地が変化し、急速に移り変わる。
十香の嬌声共にビラが開き、手のひらに粘性の液体が吐き出された。まだ士道のモノで言うカウパーであるにも関わらず、十香は耐えかねたようにシドーの手首を掴んで叫び上げた。
「しどー♡♡ なにかくるっ♡ くるのだ♡♡ お腹の下がきゅんきゅんして、身体の中からなにか浮いてくるのだっ♡♡ 頭から、全部消えて♡ あ、あぁっ♡」
「十香、それが気持ちいいってことなんだ。大丈夫、何も間違ってない。怖いなら、俺にしがみつけ」
「――――ッ!♡♡」
言われた通り、ギュッと前からしがみつく十香。密着した下半身に上手く手を差し込み、どうにか発散の手段だけは確保する。
「シドー♡ しどぉ♡♡」
手も足も使って、士道に縋り付く。身体の奥底から湧き上がる絶対的な快楽に翻弄され、苦しんでいる。士道だけを頼り、士道だけを呼ぶ――――全幅の多幸感に、士道は己の唇が歪むことを抑えられなかった。
「十香、十香。俺のことだけを考えるんだ」
「シドー♡ シドーのことしか考えられない♡♡ くるっ♡ 何かがくるのだぁ♡」
「十香――――――」
秘部を擦り上げる手を激しくしながら――――士道は士道なりの我が儘を、告げた。
「俺だけに、見せてくれ。十香の
「あぁっ♡♡ あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?♡♡」
しがみつく力が強くなり、十香の指が士道の衣服を掴みあげる。痙攣する肢体と乱れる常闇の髪。夜闇にさえ輝く髪がより一層弾けた瞬間――――十香が、果てる。
「ああああああああああっ!♡
激しく明滅しているであろう視界と思考の中で、聞き逃すことなく覚えた淫語と、それ以上に士道の名を叫び続けて、十香は人生で初めての絶頂に至った。
秘部から愛液が飛沫を上げ、士道の手や衣服にぶちまけられる。構うことなく、全てを受け止める。潮が吹くだけ十香の臭いが濃くなり、士道もまた十香の絶頂に恐ろしい興奮を覚えた。
「し……どー……♡」
「十香……んっ」
蕩けた貌。力なく緩み、凛々しさを無くしてトロンと溶け、初イキの余韻に浸る十香の唇と、士道は唇を重ねる。
初めての感覚を、士道が与えたことを忘れないよう。刻みつけるように。脳髄を焼く甘美な味に、無意識のうちに舌が動く。余韻に開いた口を通り、十香の舌をチロリと舐め――――どちらからともなく、絡め取る。
「ちゅる……っ♡♡ ちゅ……ん、ぁ……ちゅっ♡ シドー……♡」
「ん……十香、とうか……とう、か……っ」
舌で舌を喰らうキス。唇の快楽とは味の異なる大人の口づけ。知識ではなく、本能で。互いにそうしたいと思い、士道と十香は舌を絡め合った。唇を重ね合った。
二人の唾液を絡ませ、お互いの喉を潤し、長く長く、新しい味を貪り続ける。
その夜は、それだけを――――想いと快楽を重ねた士道と十香は、愛を囁くように互いの名を呼び合い、理性を無くした瞳を閉じてキスをし続けた。
士道くんが受け×
十香ちゃんが受け×
二人とも受け〇
このシリーズそういう感じです。重ね合う気持ちと快楽。原作メインヒロインという絶対設定を活用しお互いを大好きな二人がイチャイチャして好き放題身体を重ねるシリーズ。難しく考えながらも、やっぱりお互いのことが大好きだからで先に進んじゃう。
令音さんが本編通り。くるみんが奮闘中。そんな中メンタルをケアしながら1話で士道くんを落として見せる十香ちゃん強すぎる。まあ設定マイルド化して原作終盤イメージなので、アビスの霊力設定だとまた違うとは思いますけどね。
ていうかまだ手淫とキスだけなんだよなこの子たち。濃くない?名前を呼び合うことが多くなるの淫語制限かけた時の性癖。愛しい名前を呼び合うことこそ至高よ。……割と名前呼び合いとかふとした時に呼んでるとか、気づいてる人は気づいていそうな手癖です。
感想、評価、リクエストなどなどお待ちしておりますー。しばらくは前書きのものに手一杯で対応できませんが、いつでも待ってます。いや本当に予想外に長くなりすぎて……しかも楽しいから止まらないっていう。
ではではまた次回〜
令音さん単独回。というのも前書きの合作である要素を使うと決めたのですが、さすがにそこで初登場はヤバいと無理やり捩じ込んだ形です。かなり色は違いますが、美九単独回も似たようなのがあるのでお楽しみに。激薬に激薬にぶつけて中和してるようなもんですけどね、美九回は(小声)