※この作品はR-18です。

デート・ア・ライブ 令音アビス   作:いかじゅん

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ある要素をメインヒロインで先手を取って話にしたシリーズ。先に待つのがえげつないのなので、ひたすらに幸せで綺麗なものを目指しました。とりあえず、どうぞ。







54話(令音)

 

「――――出来た」

 

 零れた吐息が、緊張を孕んだものであると誰の目から見ても明らかだと士道自身が自覚していた。

 見守るマリアの前で、完成品を箱の中にしまい込み、真の意味で完成を見る。

 

「おめでとうございます。ささやかながら、私から祝福を贈らせていただきます」

「んな大袈裟な……マリアやみんなのおかげだよ」

 

 実際、士道一人ではここまでのモノを作ることは難しかったと思い、感謝と照れくささを混ぜながら笑みを返す。だが、いつもであれば賞賛を受け取り自画自賛すらしてしまうマリアが、首を振って謙遜した様子を見せた。

 

「いいえ。士道の令音への想いがあればこそ、です。言い換えれば、それだけの欲望があればこそですか」

「台無しな方で言い換えないでほしいんだが」

 

 事実は事実だが、士道としては甚だ遺憾と言わざるを得なかった。再三と言うが事実なので、半目で見やる程度のことしかできないのだけれど。

 

「冗談ですよ。……しかし、それを渡す場合は冗談にはなりませんね。大丈夫ですか?」

「……大丈夫って言えないところが、今の俺の悲しいところだよ」

 

 間違いなく、十中八九、九分九厘でやらかしはする。これ(・・)を渡すと考えただけで、士道の中にこれまでにない独占欲や支配欲が渦巻くのだ。気遣わせたマリアに、苦い顔で正直に答えてしまうのも無理はない。

 

「何とか、してみせるさ――――これだけは、しっかり渡したいからな」

 

 けれど、せめて今回ばかりは――――暴走だけではない感情を胸に、士道は決意を顕に()を強く握り締めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「綺麗です、令音さん」

「……ん♡」

 

 囁いて、抱き締める。布の一枚すらなく、士道の前に差し出された裸身。地下部屋に立たせた令音の衣服を脱がせた士道は、その女体の美しさに酔いしれながら喉を震わせた。

 

「髪、いい匂いしますね。令音さんの匂い、大好きです。肌もすべすべで、おっぱいは大きいのに張りがあって……お腹は引き締まってるのに柔らかいし、さり気なく擦り寄せてる太股がエッチですね」

「…………今日は、言葉責めかな?」

 

 どちらかと言えば言葉責めというより言葉褒め、だ。

 そして、絶妙な間のとり方や体温の違い、ほんの僅かに上擦った声色から令音の羞恥と悦びを感じ取り、フッと笑みが深まる。

 

「違いますよ。全部本音です」

「……それは、わかっているが――――んっ♡」

 

 今度は、キス。士道のために塗られたリップを舐め取り、唾液を塗りたくるが如く令音の薄紅と唇を合わせる。

 

「……ちゅ……ふっ、ぁ♡ ちゅる……っ♡♡ ……ん、ぅ……ふぁ♡♡ し、どう……?♡♡」

 

 いつもなら、キスから行為へ移る。しかし今日は、一向に冷めやらないキスの味に令音が薄目を開いて疑問を投げかけてきた。

 構わず、キスを続けた。唇を舐め取り、歯を舐め、舌を絡め、唾液を奪い、与える。令音の咥内のあらゆる場所を蹂躙し、徹底的に支配する。

 

「……んっ♡ ん、ん……ふぁっ♡♡」

 

 次第に、冷静だった令音の反応も移り変わっていく。憂いの意味が変わり、海色の瞳が蕩けていく。令音の全身から力が抜けて、士道の服と擦れた乳首が勃起し、控えめに擦り寄ってきていた足が大胆に絡み、溢れ出した愛液を拭うように股座を擦り付けてくる。

 

「……し、ど♡ しどう♡♡ ちゅ……♡ ん、ぁ……んんっ!♡♡」

「令音さん……すき……すきです……ん……大好き、です……」

 

 まだ終わらない。粘膜同士を融解して一つにしてしまえと言うかのように、キス、キス、キス。それだけを続け、与えて、与えられる。ただ絶対的な愛情の快楽のみを与え合い、身を昂らせる。

 令音が秘部を我慢ならずに押し当てるように、士道もズボンの下の陰部を我慢できずに押し付ける。煩わしくなり、外へ放り出して令音の生肌に触れさせる。

 熱い女体にそれ以上に熱く硬い肉棒が当たり、燃え上がる情欲がせり上がって――――――

 

『――――んんっ!♡♡♡♡』

 

 イッた。

 ビクンと身体が跳ねて、吐き出された液体と液体が混ざり合う。眼窩にある互いの貌は蕩けきって、士道が令音の、令音が士道の身体を支えるという歪な権利の譲渡。

 立っていられない。できるだけ優しく、部屋の地面に令音を横たわせて士道も彼女に身体を重ねる。

 

「……ちゅ、ぷ♡ ちゅっ、ん……あ……ちゅぱっ♡♡」

 

 ようやく、唇が離れるという動作を取る。新鮮な外気に触れ、熱く煮えたぎった唇が冷やされ初めてなお火照りは止まらない。

 何層にも重なった唾液の糸がたっぷりと唇に滴り、息を求めて互いの胸板が激しく上下していた。

 

「……令音、さん……すき、です……」

「……私も、士道がすき。大好きだ。……いつも以上に、情熱的だね」

 

 これが情熱的(・・・)という程度の表現で済まされるのだから、令音の懐はあまりにも深いと一瞬の苦笑が零れた。

 キスと軽い接触だけでイキ合う。ある意味、令音とだけは士道の身体も調教され尽くされていると言っていい。互いに与え合うもので、簡単に深い絶頂へと上り詰める。互いの身体で、知らない部分などない。キス、結合、絶頂、排泄行為でさえも、全てさらけ出した二人は深すぎるモノを互いに刻んでいる。

 支配したい。支配されたい。一緒にいたい。一緒にいてほしい。予想だにしない出来事から始まった関係は、二度と離れることを許さない狂気的な愛へと変わった――――飽きることのない、移り変わる永遠の愛。静止や停滞と無縁の背徳にして深淵の愛。

 

「今はなんか、そういう気分なんです――――令音さんを、食べたいくらいに」

 

 言って、欲求に従った士道は鍵の天使を扱い令音に与える今日の道具を手にした。

 

「……それは……」

 

 士道が手にしたモノを目撃し、令音にしては珍しい困惑の表情を浮かべるのが見て取れる。まあ、普段は絶対に使わないようなモノであり、もしかしたら鼻フックやそれに類するものより令音にとっては驚くべき道具かもしれないと士道は微笑を返し声を発した。

 

「ええ。女体盛り(・・・・)っていうのは、初めての経験じゃないですか?」

 

 手にしたのは、ふんだんに生クリームが入れられた絞り袋。冷やされた白濁液は、熱を帯びた令音の身体にさぞかし似合うことだろう。無論、見栄えという意味合いでも、だ。

 さっそく、士道はクリームを垂らしていく。先ずは、ピンと勃ち上がった魅惑の蕾と果実の二つへ。

 

「……んっ♡ あ……っ♡♡」

 

 冷たい生クリームが令音の一部分を冷やし、対照的に熱っぽい吐息が口から零れ落ちる。

 菓子作りもそれなりに嗜んでいるため、飾り付けた完璧に行える。まるでケーキの上部に飾り付けるように形を整えたクリームを型取り、寝転がった令音に盛り付ける。

 

「……珍しいな。君が、飲食物で遊ぶ(・・)のは」

「あはは、そうかもしれませんね」

 

 飾り付けの途中、令音がぼんやりとした目でそう指摘したので、士道は士道で否定せず首肯を返した。

 その通りだ。士道は本能に支配されても、こういった遊びは好まなかった。単純な忌諱感や、支配欲求からは外れているという要素が大きい。せいぜい、物を口に含み与えるとかその程度に留まっていたのだ。

 

「でも、今日は特別です。それに――――令音さんに飾られたものなら、どうなったって残さず完食しますから」

 

 無駄にしなければ問題はない。たとえどこに注入(・・)されようと、令音のモノなら士道は何だって口にして、喉を通して、自分の中に取り入れられる。そして、今日はこの要素を欲望に変えることで、満たされる、否、満たさなければならない。

 

「令音さん、足を広げてくれますか?」

「……ああ、こうかな♡」

 

 乳房を飾り付け、ドロドロの秘部にクリームの装飾を施したところで、士道は令音に足を広げさせる。令音は膝裏を持ち、柔らかい身体を活用した開脚ともマングリ返しとも言える姿で応じる。

 クリームで飾り付けられた秘部に、ひくひくと期待(・・)を見せる穴。ニヤリと笑い、その穴に絞り袋の先端を挿入れて(・・・・)、腸内に勢いよくクリームを挿入した。

 

「……んぁっ!♡♡ んんん……んっ、あ♡」

 

 浣腸とは異なる冷たさのクリームが入口で膨れ、令音が初めて感じるであろう感触に戸惑い身震いを起こす。

 深すぎない程度の位置にクリームを溜め、ゆっくりと先端を引き抜きながら穴そのものも彩り、完成。当然士道が特別に作ったクリームだけはあり、尻穴を可愛らしくデコレーションすることが出来た。

 最後のひと手間として、へその上にも一摘みのクリームを作ってから、大粒のいちごを添えれば――――令音のケーキ(・・・)。女体盛りの完成である。

 

「あぁ……」

 

 女体に盛り付けられたモノが、どんな食べ物より美味そうに輝いている。恍惚とした息と、饑餓すら感じる圧倒的な食欲。

 令音は待っている。士道が盛り付けた女体を脚を開いて見せびらかし、恥ずかしげな顔で己を差し出していた。

 生唾を飲んで、声を発する。

 

「いただきます」

「……召し上がれ♡」

 

 ――――どこまで可愛らしく誘うのか。

 我慢などできようものか。先ずは丁寧に飾り付けた秘部に向かって喰らいついた。

 

「……あんっ♡ く、ふ……んぅ♡♡」

 

 甘い。喰らいついた瞬間にふわりと崩れ、口に広がった甘いクリームと、愛液。混ざり合い、蕩けた甘味が士道の脳まで蕩けさせる。

 無我夢中でがっつき、舐める。崩れ落ちたクリームが陰裂にくい込んでいる。それをしっかりと味わうために、いつになく丁寧な舌遣いでチロチロと令音の身体を舐めに舐めていった。

 

「……んひっ!?♡♡」

 

 当然ながら、こそばゆいばかりではない。士道にクンニされながら食べられる令音は、時折色のある痙攣をして快楽を得ていた。

 理知的で冷静な美女が見せる淫靡な反応と嬌声。いつ味わっても脳髄が焼かれ、この雌を雄として味わえるのは士道だけなのだと圧倒的な優越感に浸る。

 クリーム付きのマンコを隅まで舐め尽くしたあとは、直下の尻穴。中まで飾り付けられたアナルに狙いを定め、喰らいつく。

 

「……んおっ♡ おほぉ……♡♡」

 

 ああ、その可憐でありながら下品な声音が堪らない。入口の飾り付けを呑み込み、尻穴を広げて舌を突き入れる。

 ここも、甘い。甘いながら、舌がピリピリと疼いた。腸肉の熱さに特製クリームが溶け、令音の液と溶け合って味が変わる。クリームとアナルの味という、この世で一つしか存在しない美食を貪り食う。

 

「……おっ♡ おほっ♡♡ んぃ……おぉっ♡」

 

 舌で舐め、口に含む。舌を突き出し、舐め取る。その繰り返しで腸内に溜まるアナルクリームを味わい、引き抜かれる度にリズミカルに喘ぐ令音の喜悦の声に鼓膜が興奮を隠さず伝えてくる。

 甘く濃い、素晴らしい令音の味。尻穴をいただき尽くした次は、乳房の先端を大口を開けて喰らった。

 

「……くひっ♡♡ あ、あぁぁぁぁ……っ♡♡」

 

 さしもの特製クリームも令音の体温には勝てず、しっとりとした水汗を含めて崩れ始めた中で、士道の口がそれらを纏めていただく。口に含んだクリームを溶かして流す母乳(・・)が、クリームすら超える甘味で喉を潤してくれた。

 六喰が病みつきになり、皆に隠れて味わう令音の母乳。当たり前だが元はと言えば士道に権利があり、天性の美味でクリームを飲み物のように和えて飲み下す。

 

「……あっ♡ ん……あぁ♡♡」

「ん……令音さんの母乳、クリームと最高に合います……」

 

 場所ごとに変わる令音の嬌声、その音色。しっかり感想も忘れず味わい尽くして、腹いっぱいに喉を潤した。

 残りはデザート。汚れ一つないへそ穴のクリームといちごを口に咥えて、それを令音の口まで運ぶ。

 

「れひねひゃん」

「……ん、いただこう♡」

 

 デザートは二人で。いちごに令音が歯を立て、口に含む。それを押し込みながら、再びキスをした。

 口に甘味を含む口づけ。士道の口の中で混ざり合った令音の味。様々な性感帯を味わった咥内から風味を流し込み、共有する。

 

「……ちゅ、ん……んくっ♡」

 

 甘く、倒錯的。喉を鳴らす令音に合わせて咀嚼を行う。一部さえも無駄にはしない。全てを味わう。

 

 そして士道が味わったのなら、令音にも差し出さなければ不平等だというものだ。

 

「……っ……令音、さん……は、ぁ!」

「……ふふ♡ 可愛いよ、士道♡」

 

 その褒め方は相変わらず嬉しくないが、積極的な令音には興奮を禁じ得ない。

 肉棒に垂れる冷たい感触。冷たさと熱がかち合い、得も言えぬ快楽に身悶えしてしまう。

 何を隠そう、令音は残った生クリームを士道のペニスにかけてデコレーションしていた。当然ながら死ぬほど恥ずかしいのだが、士道は令音が悦ぶためなら耐えられる。

 用意した食事は残さず丁寧に。普段の二人がしないからこそ、根本にある大切なものは貫き通す。それがどれだけ冒涜的で、快楽の探求であったとしても、だ。

 

「……いただきます♡」

「めし、あがれ……うぁっ!」

 

 ぶちゅるっ。コーティングが施された生クリームが弾け、令音の口の中に溶けて消えていく。

 

「……じゅぼっ♡ ぢゅる……ん、美味しい♡ 士道のおちんぽクリーム、とても美味しいよ♡♡」

「そりゃ、どうもっ! お、思ったより、恥ずかしい……っ!」

 

 低俗な淫語を交える羞恥が振り切れた令音に対し、士道は珍しく顔を真っ赤にして口を抑えて耐え忍んでいた。

 座って足を開いた状態でなければ、とっくに腰砕けになって無様な姿を晒していたであろう。まあ、股間にクリームを塗りたくられてしゃぶられる状況が無様でないかと言われれば、怪しいのだけれど。

 

「……じゅるっ♡♡ ぢゅうううう……ちゅぱっ♡♡ じゅっぽ♡ ん、ちゅっ♡♡」

「ん、あっ! は……ぁっ!」

 

 股座に蹲った令音が、一心不乱に甘いちんぽをしゃぶり尽くす。相変わらず何をやらせても断トツ、出来ないことがない令音のフェラチオは至極の味わいで、いただかれている士道は喉を震わせて快楽に蕩けてしまう。

 

「れい、ねっ、さん! あ、あ……いいっ! もっと、しゃぶって……っ!」

「……ん♡ 君のおちんちん♡ 全部食べさせて♡♡ ――――ぶちゅるるるるるるるっ♡♡♡♡」

「――――――ッ!!」

 

 より一層、とんでもなく淫靡に響く口淫の音色。根元まで滴ったクリームを吸い込み、呑み込む。令音の喉奥という性器に包まれ、目の奥が激しく明滅を起こした。絶頂が、近い。

 

「……しどう♡ じゅっぷ♡♡ ザーメン、ほしい♡ クリームだけじゃ足りない♡ ぢゅる……士道のちんぽミルク、私にご馳走してくれないかい?♡♡」

「っ……いくらでも、どうぞっ! 射精()、るっ!!」

 

 ディープスロートの最中に喉を震わせ、その振動で刺激された肉棒が遂に限界を越えようとしていた。

 欲しいというのなら、いくらでもくれてやる。グッと腰を突き出し、脈動する巨根の先端からマグマのように噴き出すモノを令音へご馳走してやった。

 

「……んっ♡♡ ん……ぷぴゅっ♡♡♡♡」

 

 口いっぱいに広がる、半固体の濃厚なクリーム。先のクリームを飲み干した令音にとっては、それは待ちに待った本物のご馳走。

 頬が膨らみ、一気に注がれたザーメンが鼻から噴き出して令音の貌を彩った。が、今日ばかりはかつてのように隠しはしない――――たぶん、今日は士道が正直に恥ずかしい声や顔をひけらかしていたのもあるのだろう。

 そういう意味でも、今日は特別(・・)だった。

 

「……ごくっ♡ んくっ♡ んくっ♡♡ ん……ん、んっ♡♡」

 

 トロ顔の鼻ザーメンという士道が恥じらいを見せるならと、令音が答えるように見せたまたとない恥顔の中で喉を鳴らす。ごくり、ごくりと吐き出される精液を飲み下し、至福の時間とばかりにちんぽを咥える令音。

 下品で、艶やかで、美しい。矛盾など知ったことかと、村雨令音が見せる全ての仕草を見逃すことなく士道は彼女の色に堕ちる。

 

「……ぢゅっ♡ ぢゅる……ちゅぱっ♡♡ ちゅーっ♡♡」

 

 やがて精液が令音の胃に収まり、そのまま怒涛の口淫が始まった。お掃除フェラをしながら鼻を啜り、与えられたご馳走を溢れた分まで身体に吸収する。

 ちゅる、ちゅる、ちゅぽっ。根元から先端まで、クリームから令音の唾液にデコレーションを変えた肉棒が解放され、長い食事(フェラチオ)を終えた令音が微笑を浮かべて亀頭を手で撫で、声を発した。

 

「……おちんぽミルク、美味しかったよ♡ ご馳走さま♡♡」

 

 暴力的な美しさ。この世のものとは思えない美貌で微笑み、慈しみ、士道の全てを愛する。

 穢し尽くした人外の美。どれほど冒涜的であろうと、背徳的であろうと――――士道のモノであるならば、誰がそれを咎められよう。

 

「お粗末さまでした――――今度は、俺の番ですね」

「……あっ♡」

 

 押し倒す。士道が喰えばその次は令音。またその次は士道。繰り返し、お互いを喰い合う。一つになる。

 令音は士道のモノ。士道は令音のモノ。互いの権利を互いに与え、契りを結ぶ。

 

「……うん♡ 私を食べて、士道♡♡ 私の全てを、君に食べてほしい♡」

「ええ。全部、食べちゃいます。令音さんを――――いただきます」

 

 膨れ上がる愛が堪らない。止まらない。夜になり、朝になり、また夜になる。

 さらけ出したと思っていて、まだ残していたものをぶつけ合う。恥ずかしがりながら、笑い合いながら、イカせ合いながら――――士道と令音は欲望の限りを尽くし、吐き出し切った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「……何かあったのかい?」

「え、二週間近く拉致監禁された後に聞きます、それ?」

「……合意の上だから、軟禁ではないかな?」

 

 そういう問題じゃないと思いますけど、と苦笑する士道に令音はぽりぽりと頬をかく。

 付き合った、乗せられた、そもそも令音は嫌ではなく受け入れていた……どれでも構わないが、結局ヤリたい放題で交合いの限りを尽くし、二週間――そんなところまで澪と似なくても、とは思うが――を平気で潰してしまった。それでもまだ短いと思えるのは、この欲望の恐ろしいところであり、抗えない魅力でもある。

 各所方面、二週間ともなれば不都合があるはずなのだが、こうなることを予測して手を尽くしていたのだろう。

 

「……まあ、君が望むなら一ヶ月だろうと一年だろうと、構わないけれど」

「誤魔化しきれるならやっちゃいそうなのが怖いですよねぇ」

 

 冗談を言いながら、令音は新しい衣服に手をかける。

 およそ二週間ぶりの衣服。身体を洗い流す時間さえ休むことなく情事を行っていたのだから、今回は貴重な体験をしたと腰を上げ、

 

【令音さん】

「……っ」

 

 ――――脳が、揺れる。

 染め上げられる。思考が、身体が略奪、支配される感覚。意識が遠退いて、忘我に沈む。

 

「……し、どう?」

 

 油断し切っていたところに、鮮やかな〝声〟。しかもこれは、快楽に類するものではない。ただ支配を込めた一撃に、令音は僅かに残った支配権で士道を見やる。そうしようとして、身体がぐらりと落ちて――――優しく、抱き留められた。

 

【ごめんなさい。強引だけど、これくらいしないと隠しきれそうにないから――――俺のこと、信じてください】

「……うん」

 

 迷うことなく、返す。たとえ思考と身体を奪われようと、士道ならいい。士道なら信じられる。他の誰でもない、士道だからこそそう思えた。

 そして、意識が落ちて――――次の瞬間には、立っていた。

 

 

「……え?」

 

 久方ぶりに喉を通った動揺の音色。微睡みから覚めた困惑から、白の(・・)タキシードを着た士道を見た驚愕に変わる。

 礼拝堂。思考が即座に場所を判別する。祭壇とステンドグラス。最低限の情報から断定する。

 己が身に纏った純白のドレス――――ウェディングドレス。

 

「……士、道?」

「はい。――――左手、出してくれますか?」

 

 無意識に、差し出した。そこには手の甲までの白い手袋が誂られ、指先には特別なネイルまでも施されていた。

 そこに、嵌められる。指を通るモノ。

 

「――――――――」

 

 思考が固まって、動かなくなる。左手、薬指、指輪。

 綺麗な指輪。令音の霊装を思わせる極光が如き宝石が組み込まれた指輪が、令音の指を通る。二度と離れないよう。二度と離さないよう。

 支配と、愛。象徴。士道から脈絡なしに与えられるというのが、本当に今の彼らしいやり方だった。

 

 つまり、これは、

 

 

「まだ俺は子供です。だけど、言わせてください――――俺と、結婚してくれませんか?」

 

 

 婚約、指輪。

 

 ――――あまりにも、めちゃくちゃだった。

 最初に感じたのもは、いつもと同じ。これではプロポーズと結婚式がごちゃ混ぜになっているし、ウェディングドレスを着た令音を見たいという士道の欲望が見え隠れし過ぎている。

 あの二人で食べたケーキは、順序を逆転させてでも先に欲望を吐き出したかった。あのいつも以上に繋がりを求めた支配欲は、そういうこと(・・・・・・)だったのだと合致する。

 何か言いたい。何か言わなければ。自分の言いたいことを、彼に言ってあげたい――――そう思うのに、不思議と涙が零れ落ちた。

 

「あ……これ、は……違うんだ……っ! 嬉しい、のに……どうして……? ああ――――嬉しいから、流れるのか」

 

 そんなこと、知っていたはずなのに。澪として生きていた時に。令音として意識を持った時に。

 それでも、この流れる涙は初めてだった。心臓が引き絞られるような感覚。けれど、不快じゃない。着けてもらった指輪を見ていると、どうしても涙が止まらなかった。

 そして何より、士道を見ていると涙が溢れて止まらない。せっかく整えてもらったのに、言葉をくれたのに――――そんなことを気にしないで、士道は微笑んでくれた。

 

「俺と――――ずっと一緒にいてくれますか?」

「……うんっ!」

 

 それで良かった。短くても、村雨令音が求めるものはここにある。

 言いたいことは沢山ある。驚かされすぎて、心臓が止まるかと思った、なんて人間らしい表現が内から溢れていた。

 それら全ての想いを込めて――――――二人は、誓いのキスを交わしたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 というのが、つい一日前の話である。

 

「………………………………」

 

 言葉を発するわけでもなく、かと言って資料整理に手がつくわけでもない。令音は、椅子に座ってひたすら左手を眺めていた。

 もちろん、そこには指輪がある。士道から貰った婚約指輪。煌びやかで、心が踊って、触れて見て、現実なのだと微笑さえ浮かぶ。

 

「……ふふ」

 

 否、微笑で済んでいればいい方か。昨日から無くしていないか、落としていないかなど無用な心配ばかりして、気がつけば手の薬指を眺めてばかりいた。その癖、危なっかしいとよく言われる歩行はいつになく軽やかで危なげがない。

 聞いた話では、あのウェディングドレスと指輪サプライズは皆が計画してのことだったらしい。皆の後押しを受け、マリアの協力で指輪が。そして飾り付けや化粧、着付けなども皆で。どうやら、本番(・・)では驚かせることができないということで、此度のサプライズに至ったらしかった。何度も言うが、心臓が止まるかと思ったと令音は微笑んでしまう。

 指輪。考えたことがないわけではなかった。しかし、澪はその手前、シンと再会することに集中し、令音は令音で士道と繋がれた自体ことが喜ばしく、奇跡なのだとあまりこういうことには意識が回っていなかった。

 だからこそ、嬉しい。彼だけの特別。他の子も将来的には、必ず。だけど今、令音にだけ与えられる幸せ。皆の優しさがもたらしてくれた、村雨令音だけの幸福。いつの日か、一人一人に士道から贈られる時には、張り切って手を尽くそうと幸せの余り先々のことまで考えてしまう。

 

「あ、あのー、村雨先生……?」

「……ん? ……ああ、すいません、岡峰先生」

 

 とまぁ、思考がふわふわとして自分のモノではないようになっていると、周りが全く見えなくなるのだと新しい発見を得た。

 岡峰珠恵教諭に肩を叩かれ、令音はようやく注目を集めていることに気がついた。というより、職員室でこんなことをしていればそうなるのも当然だろう。

 場を弁えず気分が高揚し過ぎていたと、声をかけてくれた珠恵に頭を下げる。すると、彼女は慌てて首を振って声を発した。

 

「い、いえ私の方こそごめんなさい。けど、もしかしてそれって、例の年下彼氏さんとの……?」

 

 さすがにコソッとした様子の珠恵に、令音は特に躊躇いもなく首肯を返した。

 ちなみに、成り行きで着いていくことになった婚活パーティで暗に士道のことはそれとなく伝わっている。……まあ、そんなものに付き合ってしまった結果士道が何をして、令音がどうなったのかは記すまでもない。敢えて言うのなら、さすがは始原の精霊の肉体だ、であろうか?

 

「……はい。先に婚約指輪を、と」

「きゃー! おめでとうございますー!」

 

 学生なのにこの指輪はどこから? とかツッコミところがあるはずなのだが、珠恵は身を捩らせて自分のことのように喜びを顕にしていた。彼女も婚活パーティ(が終わったあと)にて運命的な出会いを果たしているため、令音の婚約を純粋に喜んでくれているようだ。……なぜだか、職員室の男性陣が騒がしいが、恐らく気のせいだろう。令音はそこまで目立つ職員ではないし、それより今は珠恵から放たれるマシンガントークに専念したい気分だった。

 

「どういう流れでした!? どのようなご気分で!?」

「…………」

 

 さて、何から話すべきなのか。ああ、だけど思考する時間も楽しい――――ガールズトークというものが、これほど楽しいとは思いもよらなかったと、令音はまた新たな発見をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はー……」

 

 良かった。それしか浮かんでこない。

 純白のドレス。令音のスタイルをこれでもかと活かしきって包み、腰から伸びて広がるスカートは霊装とは異なる美しさ。化粧が施された貌に真っ白なベール。

 長い時間をかけて準備をしたかいがあった。まあ、一番厄介だと言えたのが無尽蔵の欲望なのはご愛嬌。全力で令音を求めることで、ウェディングドレス姿の令音に襲いかかることは辛うじて防げたわけだ。

 

「……エロドレスバージョン、作るか」

 

 ……単純に、棚上げをしただけな気がしなくもないが、今はとにかく幸せの余韻に浸ろう。今日はみんなへの感謝とお祝いを交えてご馳走の予定だ。

 ルンルン気分で廊下を歩いていると、対面から噂の彼女が歩いてきていた。令音が、いつも以上にボーッとしながら左手を眺めてこちらへ向かってきている。

 もちろんその指には、士道が贈った婚約指輪が嵌められていた。

 

「おいおい、危な……くもないのか?」

 

 いつもなら倒れそうな雰囲気があるのに、今日は余所見をしながら平然と廊下を歩いている。もっとも、そんなことをしているものだから、生徒たちはこぞって噂話に興じているのだけれど――――この気分の良さは、令音の上機嫌か、それとも悪い虫(・・・)を廃せることへの喜びか、どちらなのだろうなと士道は自分で苦笑してしまった。

 

「令音さん!」

 

 とにかく声をかける。周りの生徒たちがギョッとしているが、構うものか。今は令音と話がしたい。

 ――――そんな高揚感が抜け切っていないのは、外聞には最低限気を遣っている士道らしくないミスだった。

 ああ、だって思うまい。ハッと顔を上げた令音が、蕩けた笑みを浮かべ(・・・・・・・・・)声を発するなどと、どう予測しろというのか。

 

「……士道♡」

「え゛っ」

 

 動揺。広がり、ここは学校の廊下。

 

【が、〈破軍歌姫(ガブリエル)〉!】

「……あっ」

 

 珍しすぎる素っ頓狂な声を上げた令音を除き、目撃者全員に集団催眠をしでかしたのは、これまでとんでもプレイをしでかしてきた士道をして、一番冷や汗をかいた状況だったと後に語ることとなる。

 

 余談だが、熱暴走(?)令音はしばらくの間続き、結果として士道に集中的な抗議が押し寄せたわけではあるが……珍しい令音が見れたから良しとしようと、士道も大概熱に浮かされていたのであった。

 

 

 






最初はウェディングドレスで色々考えたりネタも貰ったのですが、正直着せて上げられるのはこの作品くらいかなぁと考えた時、こういう形になりました。ケーキ入刀は私の中でそこまで遊べねぇなってことで美味しく残さず食い切る感じに。
ちなみに私の中で食べ物をエロで遊ぶのは精霊をモブレイプに合わせるのと同じくらいしんどいです。じゃあなんで入れたのかってなりますが、長編リクエストで書いたからです。あれを初のエロ飲食はちょっと……。

作品一バグった令音さんも可愛いですねえへへ。婚約指輪眺めて高速思考で幸せを謳歌する令音さん本当に可愛く書けたと思います(自画自賛)士道くんではなく令音さんが日常で加減を間違える二度あるかわからない貴重なシーンだったり。
あと婚活パーティに連れられた令音さんが帰ったらどんなお仕置をされたのかは考えてないので誰か考えてください(投げやり)士道くんがめちゃくちゃ拗ねて喧嘩みたいになるのもいいですけど、速攻我慢できなくなって仲直り交尾の図しか浮かばんのよな()

感想、評価、リクエストなどなどお待ちしておりますー。合作リクエストがやべぇことになってますので、やっぱりしばらくお待ちください。1話平均3万字で済めばいいですね。それが6話あります。正気か?私は一応正気だ。予告で派手に書いておきます。狂三BADの強化版です。リクエストと私の手癖が融合してとんでもないことになってます。毎話夢オチということをひたすらに強調するのでちゃんと正気を保ちましょう。

ではではまた次回〜


狂三BADエンド続編、開幕。封印処理しましたけど作品内で理由付けはされてます。作者を舐めないで欲しいね。お馬鹿かな?
先行は琴里と折紙が犠牲者です。ていうかぶっちゃけると令音さん、澪という聖域枠(と後片付け係)を除いたメイン精霊&マリアオールスターのド下品ド下劣エロです。皆さんの想像を間違いなく上回ることは約束しましょう。あと絶対これいか野郎の仕業だろってのもわかるようになってます。手癖、止まんなかったわ(てへぺろ)
ところどころで他の回を挟み中和しますが、過去最大級の爆弾に違いはありません。もう私が無理な要素以外は片っ端からぶち込まれてます。
精霊たちが犠牲になる凌辱調教快楽堕ちの夢オチ想像世界。可能性として考慮するに値しない、誰にも知られることのない存在しない消えゆく夢の物語。ここまで来た読者ですら振るい落とす代物。覚悟が決まった方のみ、狂三バッドエンド続編をお読みください。まあ快楽堕ちしてるからバッドエンドじゃないでしょ(錯乱)
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