「二亜。起きてください、二亜」
「んんー……あと五分……いや十分……二十分」
寝顔だけは可愛らしいと言えなくもないが、それはそれは小学生でもしないような言い分が飛び出す。
ベッドに寝転ぶ二亜の肩を揺すっていたマリアは、ため息を吐いてからそっと彼女の耳元に口を寄せて、言の葉を紡いだ。
「にーあ♡ 起きないと、お仕置きしちゃいますよー♡」
「ひ……っ!?」
飛び起きた。ついでにベッドから転がり落ちた。マリアがわざわざ二人分のスペースを開ける掃除をしてあるというのに、随分と器用な落ち方をするものだと素面で対応する。
「起きましたか。顔を洗って朝食を食べてください」
「はい……」
「目が覚めたでしょう?」
「二重の意味で鳥肌が立ったからね! ……あー、眼鏡ー眼鏡ー」
見えているくせに、見えていないふりをする遊びをするくらいには綺麗に目を覚ましたようだ。
両手をさ迷わせる二亜に、机から回収した眼鏡を頭の上に掛けてやってからマリアは寝室から先に退出した。
その後はいつも通り朝食。くだらない話、二亜の戯言に付き合いながら箸を動かす。
「ちゃんと歯も磨いてください」
「うぇーい。……うーん、めんどくさい。ロボ子がやってー」
「わかりました。ほら、口を開けなさい。あーん」
「ちょ、冗談! ジョークだか――――ふぐぅっ!?」
とまぁこんな風に朝するべきことを終わらせ、続いては仕事だ。
作業場は、マリアが付き添いをするようになってからも変わらない。アシスタントができるとはいえ、その部屋は二亜の領分。
普段おちゃらけている二亜から垣間見える数少ない職人のストイックさ。それが見て取れる部屋だ。
「背景、終わりました」
「ん、ありがと。そっちのマリアは」
「あと少しです」
「ほいほい、了解」
子機を使った複数のアシスタント。掃除、洗濯なども含めてマリアはこうして二亜の生活を支えている。
人権の全てを譲渡、とは言うが、マリアは二亜をこき使いたいというわけではない。まあ、完全に監禁して反応を楽しむというのも吝かではな――――閑話休題。
兎にも角にも、二亜の全てを管理するという言葉に嘘はない。何だかんだと金払いのいい二亜は、マリアにしっかりと給付も振り込んでいる。勝手に押しかけてきて、などと文句を言いながらではあるが、その辺の意識は社会人らしいのだ。
ただ、マリアにとってそんな給料より価値あるものがここにはある。
「――――――」
漫画家が真面目なのは紙の上だけでいい。二亜はそんなことを言っていた。
実際、作業台で自らの物語に向き合う二亜の横顔は、その時にしか見れない輝きがある。
マリアはそんな二亜の顔がす――――少なくとも、嫌いではなかった。
「今日は何が食べたいですか?」
「うーん、特上寿司」
「わかりました。舌根の感覚がなくなる激辛ラーメンですね。残さず完食してください」
「せめてジャンルだけでも合わせてくんない?」
買い物。基本的に士道の家にふらりと立ち寄り、夕食をいただきながら散々暴れ回って帰るのが定番なのだが、同居しているマリアと二亜はたまにこうして買い出しに出かけ、夕食を作ることがある。
と言っても、実際に作るのはマリアなため、二亜は専ら荷物持ち専用だ。本人は「あたしはペンより重いものを持てないんだけどなー」と言っているので、大量に買い込んで指に袋の持ち手が食い込むくらいの重さにしてやった。
「ふむ。寿司の握り方、検索、
「え、マジで作れるの? ――――作れてるし!?」
そうして案外、何気ない日々を過ごしている。仕事をして、お風呂に入り、ゲームで遊んで二亜を程よくボコボコにして気分を良くし、共のベッドで就寝。
子機を扱えることもあり、何か特別なことがない限りは本体とも言えるマリアは二亜に着いている。それに疑問を抱くことはない。マリアだけでなく、二亜も自然だと思っている。
でなければ、
「ま、マリア……その、さ……」
端切れ悪く、茶化さずマリアの名を呼ぶ時が決まってある。眼鏡を外して、甘えるようにマリアを呼ぶのだ。
その場所は基本的に家の中では問わない。風呂場であるかもしれないし、作業場であるかもしれないし、寝室であるかもしれない――――二亜が望むなら、たとえ外でもマリアは構わないと笑うだけだ。
「どうしました、二亜」
「う……」
そう、笑うだけ。良妻賢母で言葉を少なくしようと意図を読み取れるマリアだが、その頼みは必ず二亜の口から引き出させる。
マリアはただ笑みを浮かべ、待つ。顔を真っ赤にした二亜。可愛い二亜。肩を縮こませ手を迷子にさせ、薬の中毒症状の如く熱く吐息を吐く二亜。
たまらない。ああ、たまらない。AIがこのような感情を持つことは間違っている。そんなこと、誰が決めた?
「お、オナニー……管理して、
「――――はい。
何よりも得難い快感を知り、熱っぽく頼み込む艶やかな二亜。
それを目の前にして、恍惚とした感情を抱くマリア。
何もおかしくはない。それがマリアの学んだ
「今日もよく言えましたね。偉いです♡ 私に全てを管理されるオナニーが、たまらなく大好きなんですよね、二亜♡」
「……す、き♡ 自分でするだけじゃ、もどかしくなるから……管理、してほしい♡」
あの二亜が、マリアに、自慰行為の管理を願い出る。
仕掛けたのはマリアとはいえ、こうも素直になってくれるとは思いもしなかった――――素直になるまで調教を重ねた結果と言うべきか。
法悦。快楽。絶頂。本条二亜の全てがマリアの手の内にある。マリアというAIが生み出された本質。その愛にマリアが至った。その相手が誰でもない彼女というのは、何とも因果な話ではある。
恍惚と笑い、マリアは声を発した。
「ええ。いつでも管理して差し上げます。今日はそうですね……上をはだけさせてください♡」
「ん……」
羞恥はある。二亜は恥ずかしげに顔を真っ赤にしている。けれど、それ以上にマリアの言葉に従ってしまう。
それほどまでに、あの日に与えたものは大きい。そしてマリアもまた、彼女のためというなら文字通り
「あ♡」
上半身の胸部を開いて露出した二亜に対し、マリアは部屋着を
小柄な体躯。なだらかな裸身。そこに異常性を示し聳え立つ
だがこの身体は士道に気持ちよくなってもらうため、二亜を
「ふふ、いいですよ?♡ 存分に見ても……二亜は私のツルペタボディに興奮する変態さん♡ よわーいロリコンマゾ奴隷ですから♡」
「っ♡ っっ♡♡」
もちろん、マリアの言葉に本気はない。あくまで二亜を乗せるための演技に過ぎない。
だが、以前までならムキになって否定していた彼女は、マリアの声にビクッ、ビクッと身体を痙攣させ悩ましげに身を捩っている――――興奮している、という点は間違っていないのだろうとマリアはほくそ笑んだ。
「では始めましょう。まずは胸を揉んでください。私の身体をオカズにしていいです♡ ゆっくり、焦らず……じっくりと♡」
「は……あっ♡ ん、んっ♡」
裸体のマリアを前にして、己の両胸を持ち上げ、揉む。下から上へ、全体を回すように、又は下げるように。
自嘲することが多い二亜だが、膨らみがないというほどではない。彼女と近しいのは折紙だろう。折紙はよく士道が美乳と褒め称えることが多いが、形と大きさが近い二亜にも同じことが言える。
「あ……んんっ!♡」
しかし何よりの違いは、その
胸全体がというわけではない。だが二亜が手のひらで揉む度に当たり、甲高い声と共にムクムクと勃ち上がる
「やーめ♡」
「っ!♡」
すっかり出来上がったところで、すかさず甘い制止をかける。なんと言っても、その瞬間がたまらないのだ。
「はぁ……♡」
気持ちいいことを止められてもどかしそうに、けれどマリアの言葉に導かれることが一番の快楽だと知っているから、身体は躊躇いなく止まってしまう従順さ。悩ましげな吐息が、マリアしか見られない二亜の色気というものを感じさせてくれる。
マリアの感情に呼応して肉棒が硬くなり、仄かに臭いを発する。それもまたオナニーの助けになるのだと、マリアは微笑を浮かべ二亜を導いていく。
「乳首をイジっていいですよ。ただし、先端をちょっと掠めて擦るだけです♡ それ以上は、
「え……?」
「返事♡」
「は、はい♡」
――――興奮のあまり、おかしな声が飛び出しそうになってしまった。ギリギリでマリアは己の矜持をもって堪え抜く。
何度でも思って、慣れない。あの二亜が冗談ではなく、本気でマリアへ謙った言葉を返す。従わせている。支配している。管理している。
マリアの言葉一つで、二亜はどんな恥ずかしいことだってする。マリアの裸を見て、勃起乳首の先端を掻き始めることだって厭わないのだ。
「あっ、あっ♡ ふぁぁっ!♡♡」
乳首の先端を指が掠めたくらいで、大仰に思えるほど二亜はよがる。まだ甘勃起気味だった乳首が、あっという間に硬いしこりの勃起に変わった。
そこまでは二亜も至極の快楽を覚えられる。だが――――――
「は……うぅ……あっ♡ あっ……あぁ……♡♡」
それが数分続けば話は変わるだろう。指と爪が乳首が掠める刺激。乳頭が敏感であればあるほど、本気に至れない本命には程遠い快感。
「ま、マリア♡」
「だめ♡」
まだ早い。
「あっ……あぅ♡ マリアぁ♡」
「だーめ♡」
もう少し。
「マリア♡ マリア♡ まりあぁ……♡」
「そんなに可愛らしく甘えても、だめなものはだめですよ♡ ああ、乳首しこしこできないだけで泣いてしまう二亜♡ 私がいないとオナニーの一つもできない可愛くて憐れな二亜♡ 大丈夫、絶対に気持ちよくしてあげますからね♡」
「うーっ♡ うぅぅぅぅぁぁぁぁぁ……っ♡♡」
自分自身の指で乳首を掠めて虐め抜く。マリアの命令が終わらない限り、指を止めることも許されない。二亜は甘くもどかしく募る寸止めの拷問に悶えるしかない。
歯を食いしばって、情けない顔でマリアを呼んで懇願する二亜。大人の余裕など欠片もない雌の顔でマリアを信じる二亜。
マリアが大丈夫と笑いかければ、二亜はそれを信じる。全部、全部全部全部全部全部――――二亜はマリアのもの。
「二亜♡ その勃起乳首を、ギュッと指で挟んでください♡」
「っ――――ん゛お゛っ!♡♡♡♡」
長く、大きいその勃起。やっとの思いで両乳首を指で摘んで挟んだ瞬間、二亜は腰砕けになりながら絶頂した。
敏感な乳首を焦らされ、自分の意思よりマリアの言葉を優先するばかりに、動く身体に思考が追いつかない。突如として訪れた絶頂に目を剥いた二亜に、続ける。
「はい、ギュッ♡ギュッ♡」
「お゛♡ お゛ぉ゛っ!♡♡」
「ギューッ♡ギューッ♡ 他の子よりおっきくてはしたない乳首、ギューってして♡ 乳二ーで気持ちよくなってください♡」
「んぎっ♡ イ゛クッ!♡ イグゥッ!♡♡♡♡」
声に合わせて離して挟み、また離してを繰り返し、二亜は連続で果て続ける。最高に気持ちいい瞬間が続くのだ。止められるはずがないし止める理由がない。
膝を曲げて座る二亜のスカートに水が染み込み、程よく臭いが広がる。そろそろそちらも収穫時だが、しっかりするべきことはしなければとマリアはニコリと笑って声を発した。
「はい、オナニーお疲れ様でした♡ 終わったら乳首をしこしこ、しこしこ♡ 使い終わったらマッサージしましょう♡」
「はひっ♡ ふーッ♡ ふーッ!♡♡」
絶頂して間もない勃起乳首。敏感な状態で扱かせる。
そのマッサージの意味がケアかそうでないかで意味合いが大きく違うのだが――――マリアがどちらを狙っているかは言うまでもない。
「ふふふ……♡」
「……ね、ぇ♡ 何か、狙ってない?」
「いいえ? 私は、二亜に気持ちよくなってもらいたいだけですよ♡」
少し品のない笑みが零れてしまい、怪しまれてしまった。ただ、何かおかしいと思っても二亜は大人しく従ってしまう。それがマリアの言葉ならば、と。仮に今すぐ〝イケ〟と命令すれば、二亜は全力で絶頂するだろう。
もっとも、今日はそう激しいものは求めない。むしろその逆を試してみようと思っている。
「二亜、こちらへ」
「んっ♡」
手を取って、二亜を寝室へ引き入れた。お互いの股座からはそれぞれ強烈な性臭を発している。そんな状態で移動するのも慣れたものだ。
「おまんこの状態はどうですか、二亜♡」
最後に名前を呼ぶことは〝答えろ〟の合言葉。ベッドに座った二亜が、ぐしょぐしょに濡れた答えそのもののスカートを抑えながら、顔を俯かせて声を発した。
「乳首のオナニーで……たくさん濡れてる♡」
「では、私のおちんぽは?♡」
「……あ、あたしのはしたないオナニーに興奮して、硬くなってるっ♡」
誰で興奮しているかまで正確に。このふたなりとて、初めから二亜のために誂えたと言っても過言ではないもの。
刺激なしで立ち上がった巨根。だがマリアからすればもう一押しだと、今日は責めてみることにした。
「正解です。しかし、もう少し刺激がほしいですね……舐めてください♡」
「え? で、でも十分大きくなって……」
「
「っ……う、うん♡」
命令すれば、恐る恐るといった様子で身を屈ませてマリアの肉棒に顔を近づけていく。ただその恐れはマリアの言葉によるものではなく、ビクビクと脈動する肉の塊に対してのもの。
意外なことに、二亜はフェラチオの経験というものがない。士道は二亜を責め立てる反応を楽しみ、可愛がる性質のため二亜の奉仕には手をつけていない。
僥倖とはまさにこのこと。他の精霊であればこうはいかなかったはずだ。マリアだからこそ、少し遠慮気味に舌を伸ばす可愛らしい二亜が見られる。味わえるのだから、士道には感謝しなければならない。
「……ん、ぁ♡」
「く……っ♡」
ペロリ。控えめな舌がひと舐め、マリアの肉棒を這う。一瞬、舌根が持つ独特の感触と唾液の熱が竿の一部に走り、えも言えぬ感覚に思わず口元に手を当てて悶えてしまう。
「だ、大丈夫? あたし、こういうの慣れてなくて……」
「問題ありません。しかし、知らないことでも大口を叩く二亜らしくない殊勝な態度……悪いものでも食べましたか?」
「う、うるさいなぁ! 大体あたしが食べるものなんてマリアか少年が作ったものだけでしょ!」
いつもの冗談もそこそこに――愛用していたインスタントなどとっくに食べなくなっている――二亜はマリアの肉棒にペロリ、ペロリと舌の根を滑らせる。
「ん、れろ……♡ あ、ふ……♡ あ、つ♡」
二亜の舌の根が熱を感じる。しかし、マリアとてそれは同じ。必死に舌を伸ばして竿を舐める彼女の姿は、マリア自身が驚くほど異常な興奮を誘った。
「味はどうですか?」
「どう、って……熱くて、汁がネバネバしてて……苦いような、甘いような。何か、不思議な味。……きらいじゃない、と思う♡」
そんなことを頬を染めて言われた日には――――マリアの理性と共に、肉棒の硬さも振り切れるというものだ。
「あっ♡」
「フェラチオの練習は、また今度にしましょう♡」
完全勃起状態を間近で目撃した二亜が声を零し、すかさずマリアは彼女を押し倒す。
スカートを捲り上げて濡れて重い下着を下ろしてやり、マリアが毎日欠かさず手入れしている陰毛が愛液という光を帯びて張り付いた秘部、そこに肉棒を添えた。
「ん――――あんっ♡」
いつもなら激しく突き上げる。だから二亜も覚悟を決めてグッと歯を食いしばっていたわけだが、挿入に応じて飛び出したのは想像とは異なる甘く色っぽい喘ぎ声。
ズプ、ズプッと膣内と肉棒が汁を絡ませる生の音がゆっくりと部屋に響く。マリアのモノを挿入れ慣らされた二亜の膣は、その緩慢さに戸惑いながらも陰茎を受け入れ、時間をかけて子宮口に到達した。
「ん、ぉ……♡ ね、ねぇ♡」
「はい?」
「今日は……激しくしない、の?♡」
――――まるでしてほしいような物言い。
「……これが誘い受けですか。なかなかやりますね」
「は? な、何が?」
二亜本人としては『いつもはあんな激しくする癖に』という思いがあるのだろうが、物は言いようである。咄嗟に奥歯を噛み締めてピストンを堪えなければ、いつものように最低一日コースを選んでしまうところだった。
「ご期待に沿うことができず申し訳ありませんが、今日はあなたが泣いて可愛く許しを乞うような責め方はしません」
「は、はぁ!? んにゃ……♡ ま、マリアが言う? あたしをこんなにしたのマリアじゃん!」
「ええ。話している途中も、私のモノを膣内に挿入れている感覚で、無自覚に媚びてしまう二亜を作ったのはこの私♡ よく覚えていますね♡」
「〜〜〜〜〜っ!♡♡」
いくら言葉を重ねたところで、口先で二亜がマリアに勝てる見込みなどほとんどない。ましてやそれが二亜の調教に関することであれば、マリアは絶対に負けないと断言できる。
半ば睨むようにマリアを見上げる二亜だが、押し倒されていては小動物のような愛らしさしかない。そしてその生意気な目も、すぐに蕩けることになる――――鈴口から子宮に電流を走らせた。
「ひっ……い?♡」
いくら気持ちいいとはいえ、電流が流れる感覚に条件反射で身構えた二亜だが、彼女が予想しているような激しい電気信号は発せられない。
あるのは弱い電撃。子宮を中心として脳髄に伝わる不可思議な感覚に、二亜は目を白黒させて困惑した。
「な、なに?♡ なに、して……んっ♡」
微弱な電流を流し続ける。ピタリと付けた子宮に伝えられる穏やかな信号。突き上げるわけでもなく、電撃で二亜を痙攣させるのでもなく、ただそれだけの責めに彼女はただただ困惑する他ない。
しかし、すぐにその変化に気づいた。己の身体が熱を帯びて、目が蕩け――――――
「い、くっ♡♡♡♡ ――――ふぇ?♡」
散々教え込んだ絶頂宣言。軽く吹き上がる水飛沫。本人は無意識にそれを叫び、そしてわけもわからず当惑する。
「ひゃ、に……?♡ これ、おかし……いっ♡♡♡♡ からだ、あったひゃい♡ あ、ぁぁぁぁぁ……♡♡♡♡」
蕩ける。うっとりと、優しいだけの快楽が二亜の顔を溶かし尽くす。
「ひゃ……い、っへる♡ ずっと、いくっ♡♡♡♡ なんで、とまらにゃいの♡」
「ふふ、激しいのはいや♡ なんでしょう?♡ ――――我が儘な二亜のためを、甘イキの快楽へ招待して差し上げます♡」
何もマリアは、特別なことはしていない。二亜自身、マリアのふたなりに備えられた機能は知っているはずだ。
二亜専用に調整された電流。快楽中枢を刺激し、自在に二亜の快楽を操ることが出来るマリアの電気信号。
「ひっ♡ とま、らなっ♡♡♡♡ らめ、らめっ♡♡♡♡ なにこれっ、とけ、るぅ……♡♡♡♡」
「溶けるというのは良い表現です。人の脳はここまで連続的な絶頂に耐えられるよう設計されていませんから――――」
つまるところ、
「まあ、精霊は別ですが♡」
「はへ――――ひぃっ!?♡♡♡♡」
ビクンッ!! 過剰なまでに身体を跳ねさせ、舌を突き出す二亜。
「うふふ……どうしました?♡ 私は、ちょっと膣奥を小突いただけですよ?♡」
トントンと突いて、子宮にピタリと付けて、また優しく突く。
マリアがしていることはそれだけだ。いつものような荒々しさ、永遠に続けられる子宮を押し潰すような突き上げはない。単に
「や、め……♡ あ゛っ♡♡♡♡」
まあ、甘イキを続けられる二亜にとっては単なるでは済まされないだろうけれど。
「はい、一、二♡ いち、にー♡」
「んひっ♡♡♡♡ ひぃっ!?♡♡♡♡ イグっ♡♡♡♡」
電流と一つ小突いた衝撃。脳髄を蕩けさせる快感と開発された性感帯への刺激。
激しさは欠片もない。マリアは笑顔で腰をほんの少し動かしているだけ。けれど、二亜の顔はドロドロに蕩ける。それは一日抱き続けた終わりに匹敵、否、上回るほど――――支配された雌の貌をしていた。
「とんとん♡ とーんとん♡ ご所望通り、激しくしていませんよ?♡ どーですか、にーあ♡」
「ちがっ♡♡♡♡ これ、らめぇ!!♡♡♡♡ いつもより、かんじりゅ♡♡♡♡」
「ええ、感じてください♡ イキ続けてください♡ ――――私無しでは、一秒だって生きられない身体になってしまいなさい♡」
「――――あ゛っ♡♡♡♡」
――――本当に、そうなってしまえばいいのに。
マリアが与え、二亜が感じる。二亜の身体が体液という体液を吐き出し、行き場を失った手がマリアにしがみつき、モノの味を残した唇を重ねる――――苦くて、甘い。自分自身が二亜の中にある悦びと苦さを感じながら、マリアは二亜を溶かし尽くしていった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
マリアと本条二亜の間に何か運命のようなものがあったかと言えば――――そんなものはない。そうマリアは剪裁しよう。
士道や精霊たちのように劇的なものがあったわけではない。何か特別な言葉を囁いたつもりもない。ただ偶然そうなった。マリアと二亜の縁は深くもなく浅くもない。
だから、そう。有り体に、最低な言い方をしてしまえば――――身体の相性が良かった、か。
「…………」
しかし、それとて士道からモノを与えられ、マリアが調整を繰り返した結果だ。穏やかに眠る二亜の髪を手で梳いたところで、その考えは覆せない。
マリアの感情は運命などではない。二亜を知って、二亜を感じて、二亜を想ってしまった不本意な結論。
二亜は人肌を求めるよう欲求を増幅させられて、たまたまマリアの都合がよかったというだけに過ぎない。
マリアは支配的な欲求が増大し、たまたま二亜の環境がよかったというだけに過ぎない。
運命ではない。いっそ生々しさすらある関係だ。お互いに、その感情の正体を明かすことはない――――まあこれは、くだらない意地の張り合いなのかもしれないけれど。
「二亜。お調子者で、出しゃばりで、いつも醜態を晒して、寂しがり屋で、ずるいくらい――――可愛い、二亜」
年齢より幼く見えるあどけない寝顔。その頬にそっと手のひらを当て、独白する。今自分がどんな表情をしているかなど観測はしない、したくもない。とんな貴重なデータであろうと即時破棄、二度と復元できない電子の海に放流する。
この関係に、名前はない。精霊たちの中に結ばれつつある愛おしさを囁き合う関係など、マリアと二亜にはないのだから。
いつか二亜は、多くの人と関係を持つ。今はマリアが独占しているアシスタントも、二亜が過去を乗り越えつつあるというのなら、未来は目に見えている。
「――ですよ、二亜」
だからその言葉を観測する者は、誰もいなくていい。
この関係に――――名前など、必要ないのだから。
それはそれとして。
「にーあ♡」
「ん……あっ♡」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「ん……んん……」
瞼を開けて、朝日を感じて閉じる。すっかり規則正しい生活に矯正された二亜だが、自分一人で起きられたことに少し驚きながら身体を起こそうとして――――――
「――――はへ?♡」
倒れた。
「ふぇ、ひゃに……これぇ♡」
起き上がれない。身体中が
快感――――全身を掌握する正体に気づいたところで、何ができるわけでもなかった。
「二亜♡」
「ま、ひや……これ、なにぃ……♡ あひゃしに、にゃにしひゃのぉ……♡」
舌まで上手く動かない上に、声をかけられたであろう方向を向くことすら困難だった。ただ、蕩けていく思考を掻き集めて、舌足らずにそれだけを問いかけて――――マリアが悦に浸る声を発したのは覚えている。
「何も? ただ……あなたが寝入っている間、常に昨日と同じことをしていただけですよ。ふふ、甘イキし続けるのに眠り続けるなんて、あなたは器用ですね♡」
「ば、ばかぁ♡ あ、あっ♡♡あっ♡♡♡♡」
――――溶ける。
「罵倒にキレがありませんよ♡ さて、そのままにしておくわけにもいきませんし――――
「く、くるにゃぁ♡ ひゃめ――――あああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?♡♡♡♡」
甘く蕩ける快楽から引き戻すにはどうするのか――――謎掛けにもなっていないことだ。
ただ少なくとも二亜に言えることは――――一日で済ませる気ないでしょ、バカマリア、だ。
私はヤンデレという要素は書いたことないんですが、ある意味それが一番近いヒロインはマリアな気がします。狂三はヤンデレじゃないです(過激派)
お互いに求め合って、マリアは二亜が求めるから管理している……でも、本当に求めてしまっているのはどちらなのでしょうね?
きっと二人の関係は運命じゃないし、この先もそうなることはない。でもそういうのも関係の一つなんじゃないかなぁ。そして読者しか見ていない状況でも絶対にその二文字を表にはしない徹底的なマリアである。
まあ好き勝手書いてこうなった二人を私はかなり気に入っているので、今後もそこそこの頻度で出てくるんじゃないかなぁ。他には絶対にない関係性ですしね。
感想、評価、リクエストなどなどありがとうございます!次回からはいよいよ中編、美九ハーレム始動。そしてその中間には美九編バッドエンドも……?
前回のド下劣下品バッドエンドと似たお下品さがありますが、美九の愛で中和されてはいるので読めるんじゃないかなぁと。まあ音楽ってことや美九がアナル担当というもあって、その……はい。
ではではまた次回〜
分割しても量が多いし話数が多い。そんな美九ハーレム編。イチャラブ百合百合雌堕ちお下品ハーレムをお見逃しなく!……要素多くない?