※この作品はR-18です。

デート・ア・ライブ 令音アビス   作:いかじゅん

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うーん気分が乗らんなぁ。美九ハーレムなら書けそうかも、中身ちょっと相談しよ→返ってくる素晴らしいプレイの数々→中編に化けました。

以上、経緯です。今回は女装士織ちゃんの女人格(?)とか暴走みっきーの素敵ハーレム要素(ふたなりやお下品含める)が含まれております。かなり濃いのでご注意を。ではどうぞ。






68話(美九ハーレムその一)

 

 

「みなさーん! みくみくハーレム♡ のお時間ですよぉー!!」

『…………』

 

 リビングの中心で堂々と立ち上げを宣言した美九。その様はまさにアイドルの笑顔に身振り手振り。だーりんが横に控えて拍手を鳴らして完璧! 皆が一様に視線を向けて――――――

 

「……六喰よ。そこに隠しアイテムがある。我からの神託を受け取るがよいぞ」

「むん。ありがたく頂戴するのじゃ」

「十香。あーん」

「む、むぅ……折紙、少し恥ずかしいぞ。帰ってからにせぬか?」

「ちょっと皆さん! 真面目に聞いてくださいよー!! あと折紙さん十香さん、それは私も混ぜてください!!」

「賞賛。その抜け目のなさは認めます」

 

 なのだが、誰も真面目に聞こうとしなかった。六喰は耶倶矢とテレビゲームに夢中で、折紙は明らかに近すぎる距離で十香の口にデザートを与えている。十香は十香で、困り顔こそしているが拒否はしない。大変に羨ましいと美九は叫びを上げた。

 

「ハーレムですよー! 美九ハーレム! 嬉しくないんですかぁ!?」

「全く」

「これっぽちもありません」

「だそうよ?」

「琴里さんまで当然でしょ、みたいな顔しないでくださいよぉ! 七罪さんもちょっとはこっちを向いてくださいー!」

「ギャァァァァァァッ!! 流れ弾やめなさいよぉぉぉぉぉっ!!」

 

 折紙、マリアに一蹴され、琴里にも裏切られ(?)た美九は我関せずな七罪をハグハグして癒されることにした。とても癒された、七罪は倒れた。

 

「……ふぅ。さて、ここからも本題なんですが」

「ナチュラルに七罪から生気を吸い取るなよ」

「えへへぇ」

「可愛い」

「……え、笑顔だけで美九を許されたらたまったもんじゃないんだけど」

 

 ピクッ、ピクッと駆けつけた四糸乃の介抱を受けながら呻く七罪だが、残念ながら士道は既に美九の魅了を受けているのである。……ちょっと想像以上に効いてはいるが、美九としてはウェルカムトゥーだーりんなのでノープロブレム。

 

「ふむん。美九はむくたちをどうしたいのじゃ?」

 

 と、ゲームを中断した六喰がようやく真面目に話を聞いてくれる第一号になったところで、よくぞ聞いてくれましたと美九は胸を張って声を発した。琴里が美九と胸を比べて虚無の目をしている。可愛い。

 

「うふふふふ……私が愛する精霊の皆さんを、私のハーレムパーティーにご招待してあげちゃいますぅ!」

「嫌な予感しかしないんだけど……」

「それも三日間たっぷりと!」

「ながっ!?」

「士道?」

「……すまん」

 

 マリアに鋭く睨まれた士道だったが、弁明はなく僅かに目を逸らした謝罪のみ。

 何度も言うが、士道は既に美九側である。美九だって、無計画に行動を起こしたわけではないのだ。さり気なく期間延長を彼から引き出すことにも成功している。

 

「もちろん、私の家で最高のおもてなし(・・・・・)をさせてもらいます♡」

「指摘。目が捕食者のそれです」

「絶対ろくなことになんない……っ! 四糸乃、行きましょ!」

「十香。今日は私の家に泊まる?」

 

 各人が危機を察して逃走の準備を計るが、当然そういう組にも対策は講じてある――――こちらも美九の力というわけではないのだけれど。

 

「じゃーあ、私と士織さん(・・・・)だけで楽しんじゃいますねー♡」

『っ!?』

 

 ――――正気か? そんな視線が士道へ向けていっせいに飛び出すが、士道は困り顔で頬をかいているだけ。それならそれで構わないという様子に、さしもの精霊たちも雰囲気が変わる。

 そう。わざわざ士織(・・)と指名することで生じる拘束具。少しずる賢いやり方だが、事実上の人質だ。

 すると、どうなるか。

 

「折紙、私のことは気にせず、美九の頼みを聞いても構わんぞ? シドーを放ってはおけんだろう」

「七罪さん、私も……」

「っ……」

「う……」

 

 彼女たちの相手役が、どちらかと言えばこういう関係を受け入れてくれやすい性格をしていることが幸いした。何せ皆が平等に快楽を享受する関係、コントロールは容易い。

 そして折紙と七罪だって、士道を士織にして美九と二人切りにはさせたくないだろう。美九も二人きりになると、本当に何をするかわからない(・・・・・・・・・・・・・)のだから。

 

「んー、まあ少年云々は置いといても、みっきーのハーレムってのも何か楽しそうじゃない? あたしは別に行っても――――――」

「二亜」

 

 凛とした声音。マリアにしては珍しい咎めるような声だったが、二亜を呼びながら美九へと向けられたもの。そんなふうに思えた。

 美九のハーレムに面白半分で参加しようとしていた二亜が、マリアに呼ばれてキョトンと目を丸くする。

 

「え、何よロボ子」

「仕事の時間です。明日から三日間缶詰の準備をしてください。アシスタントは向かわせるのでご心配なく――――ですよね、士道?」

 

 さすがというべきか、マリアは頭の回転が相当に早い。

 目を細めたマリアに先を促された士道が「ああ」と声を返した。

 

「令音さんともう一人に行ってもらうから頼めるか、二亜」

「へ、いや……頼めるかって、アシスタントしてもらうのはあたしの方じゃないの? え、ていうかそんなに締め切り近くな――――ちょ、ちょっと!? 子機ロボ子!? 何してんの!? はーなーせー!! あたしを仲間外れにするなぁぁぁぁぁっ!!」

 

 バタバタバタ、ドタン。どこからか呼び出された複数のマリアたちが、二亜を大事そうに抱えてリビングから退出していった。

 令音は先に聞いていた(・・・・・・・)ため知っていたが、二亜がいなくなるのは予想外だったと今度は美九が目を丸くしてしまう。すると、マリアはより一層に鋭く――――刺すような(・・・・・)瞳で美九を見た。

 

「というわけです。私が二亜の代理――――それで構いませんね、美九?」

 

 ――――アレ(・・)は、私のものだ。

 硝子細工の如き瞳に背筋がゾクリと粟立ち、美九が興奮(・・)してしまうほどの感情の渦。

 それがマリアから、というのも驚きの一つだった。十香に並々ならぬ執着を持つ折紙も、ここまで強く相手を束縛はしない。十香が誰かに触れることも許容してくれている。

 その中でマリアの二亜に対する感情は異質でありながら――――笑みが零れるほど、悦ばしいものでもあった。

 

「だーりんだーりん。マリアさん、いつからああなったんですかー?」

「そこそこ前に、だな。この前王様ゲームした時もあんなだったぞ」

「あーん、私としたことが興奮しすぎて見逃してましたぁ――――とーっても、美味しそう(・・・・・)♡」

 

 ぺろりと唇を舐めて潤す。たぶん、理由はそれだけではない。

 二亜を独占するマリア。非常に可愛らしい――――そんな子の心をドロドロに溶かすことができたのなら、もっと可愛くなると思ってしまった。

 

「マーリアさーん♡」

「……なんでしょう?」

 

 それを考えたら止まらない。熱が浮き出す。まだ早い。まだここでは耐えなければならない。悟られてはいけない。

 上機嫌な美九を訝しむマリアの耳元に、そっと囁いた。

 

「――――二亜さんを見逃す(・・・)代わりに、ちょっとしたおもちゃ(・・・・)を用意してくれませんかー? それにぃ、今度何かあったとき、力になります(・・・・・・)からぁ」

「っ――――まったく、そういうことなら(・・・・・・・・)構いませんよ。……あなたの状態を先に言ってほしかったものですが」

「ふふ、ごめんなさぁい――――本当に、ごめんなさい」

 

 皆には、仕方なく(・・・・)付き合ってほしい――――それが同情してほしくないのか、無理やり従わせることが楽しいのか、自分でも理解ができそうにない。

 けれど、もう抑えられない。皆が皆、様々な関わりで程よく成長して美味しそうだ(・・・・・・)

 

「ちょ、ちょっと! 何か行く流れになってるけどイヤよ!? ハーレムに入れるとか言って、私なんか雑用がせいぜいでしょ!?」

「やーん、信用がないですねぇ。せめて七罪さんのハグ感は信用してほしいんですけどぉ」

「ハグ感ってなに!? と、とにかくイヤ! 絶対にイヤ!! とてつもなく邪悪なものを感じるわ! 士道をふんじばってでも止めるべきでしょ!」

 

 断固拒否、反対と叫びあげる七罪に、流されかかっていた精霊たちも不安を思い返し始める。

 

「む……まあ、七罪の言うことにも一理はあるか。や、百理くらいあるわね、うん。美九怖いし」

「うう、普段あんなに皆さんに尽くしているのに、信じてもらえないなんて残念ですぅ」

「尽く、して……?」

 

 もちろん尽くしている。ハグという名の愛の限りを。

 とはいえ、来てもらわなければ始まらない。士織の名を出しても足りず――とはいえ事情(・・)の問題で士道が意見を覆すことはないのだが――となれば、美九が取る手段はもう一人の人質(・・・・・・・)だ。

 

「こ・と・り、さーん!♡」

「は――――っ! ま――――」

 

 琴里が美九の意図に気づくが、どう足掻いたところで手遅れ。美九の声が聞こえる範囲であれば、それは美九のフィールド(琴里の檻)なのだ。

 

「人質になってください♡」

「――――はい♡」

 

 瞬間、琴里の瞳に可愛らしいハートマークが浮かびあがり、椅子に座って距離を取っていた彼女が一目散に美九の身体にダイブした。

 

「は、はぁ!?」

「妹御……っ!?」

 

 七罪、六喰は琴里の鞍替えに目を剥き、他の子たちも似たようなものだが、美九にとってこの程度は容易いことなのだ。

普段は加減している(・・・・・・・・・)力を強めれば、琴里は一瞬で支配下に置くことができる。特に今は(・・・・)、その普段以上に力の行使が自然に行える。

 

「うふふー、人質さんその二ですぅ♡」

「もう人質って言ってるし! 隠してないし!」

「あ、あの……私たちが行かなかったら、お二人は……」

「四糸乃さん、いい質問ですねー。――――三日後が楽しみですね、琴里さん?♡」

「はぁい♡ 美九様と一緒にいられて嬉しいですぅ♡」

「懇願。もうやめてください。これ以上しては琴里の尊厳が失われてしまいます」

()の長の恥辱。外道のやり口ですね」

「そう言いながら、うちの妹の痴態を写真にするのやめてくれないかな……?」

 

 トロトロの表情で美九に媚びへつらう琴里を見て戦慄(?)する精霊たち――――少しばかり強引だが、それこそ普段の美九(・・・・・)が違和感を隠してくれる。

 

「さて皆さん――――私のハーレムになってください♡」

 

 敢えてもう一度聞く――――当然、交渉権など存在しないけれど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 数日後、美九邸宅玄関前。

 

「……もう帰りたい」

「同情。気持ちはわかります」

「呵々、ここまできたら一蓮托生。皆、また生きて見えようぞ!」

「どうして死亡フラグ成立させちゃうわけ!? もうやだぁ……絶対やだぁ……」

「七罪さん、美九さんを信じましょう……?」

「ほら、四糸乃でもちょっとおかしいと思ってるのよ!?」

 

 ……と、私服姿の可愛らしい精霊たちが、庭の柱にしがみついて動かない七罪を説得しにかかっていた。

 折紙、四糸乃、琴里、六喰、耶倶矢、夕弦、十香、マリア――――そして最後の一人が、七罪の肩を優しく叩いて声を発した。

 

「七罪――――大丈夫だ。何をされても俺よりマシだからさ」

「なんでその格好(・・・・)で悟れるわけ!?」

 

 四つ葉のクローバーを模した髪飾りに、腰まで流れる髪。私服の代わりに制服を着て、スカートを揺らす中性的な面の少女。一人称とは裏腹に、その声は見た目同様可愛らしい女の子。

 七罪が涙目で叫ぶも、彼は悟りの境地に達しているようで――――五河士道改め、五河士織(・・・・)はフッと笑みを浮かべた。

 

「美九にしたこと考えたら、女装くらいは安いかなって」

「あんた美九に何したの!?」

 

 そりゃあもう、乙女として士道以外のお嫁さんにはなれないことをされた。

 

「士道、似合っている。特にその地毛(・・)

「あ、うん、複雑。……というか、やたら指定が中途半端だったんだよなぁ」

 

 言って、士織は喉と髪を両手で触り女の子の顔で不思議そうな表情をした。それを見たマリアが、あごに手を当て声を発する。

 

「ふむ。変えているのは髪と声……それ以外は女装ベースですか。では」

「では、じゃない。スカートを捲ろうとしないでくれ。マリアだけじゃなくて折紙もな!? カメラはやめて!?」

 

 髪と声だけは〝変身〟で他は彼が持ち合わせる技術の結晶――――恐らく霊力暴走による見えない変化もあるのではないか、というのが令音の見解だ。

 マリアと折紙の襲撃に顔を真っ赤にしてスカートを押さえる士織。そこに琴里が手を叩いて号令を出した。

 

「はいはい。早く中に入るわよ」

「うぅ……無有恐怖、遠離一切顚倒夢想究竟涅槃……っ!!」

「七罪、何を唱えておるのじゃ?」

「大丈夫だ、七罪。美九を信じるのだ。美味しいものを食べさせてくれると言っていたからな!」

「手懐けられてる!?」

 

 そうして精霊たちが大きな家の扉を開く――――今日この時ほど、一人で住むには大きすぎる家で良かったと心から思えたことはない。

 

【うふふ、おはようございます――――私のハーレムさん(・・・・・・・・)♡】

 

 〝声〟。そして、スピーカーから〝歌〟が流れる。

 

「これは……っ!?」

「っ! 十香、みんな! 耳をふさい――――で……」

「鈍、痛。この、歌、は……」

「む……美九、うぬは、何を……」

 

 扉を開いた瞬間、美九の出迎えに目を見開いた精霊たちだが、如何に身体が反応したところでどうにもならない。むしろ、その耳の良さを悪くしろなどできるはずもない。

 十香を庇おうとした折紙さえ、音には抵抗できない。一人、また一人と身構えた手をだらんと垂らし、虚ろな目で〝歌〟に聴き入っていく。

 

「……美、九!」

 

 その中で、ただ一人だけ〝歌〟に抗える者がいた。言うまでもなく士織だ。

 耳を押え、洗脳(・・)に抵抗しながら美九を見やる。そんな彼女(・・)に、美九は微笑を浮かべて近づいた。

 

「おまえ、何を……っ!」

【ふふ、ごめんなさい♡ でも、だーりんがだーりんだと、色々と危ないみたいで――――こうするのが、令音さんとの約束なんです♡】

「な……っ!?」

 

 予定と違う行動。令音の名を出され、士織に動揺が走る。そして会話ができているという時点で、美九の影響を塞ぎ切れていない。

 そう。〝士道〟と〝士織〟は違う。変身ではないとはいえ、霊力の影響が大きい士道が士道のまま(・・・・・)士織の姿でいるのは避けたい(・・・・)

 それが令音の見解で、美九も了承した。美九は士道を壊したくはない。全てを受け入れるという彼の気持ちは嬉しいが、仕上げ(・・・)は美九が行うというのが今回の約束なのだ。

 

【おやすみなさい、だーりん。おはようございます――――士織さん♡】

「――――あ♡」

 

 脳髄に侵入し、支配する。士道の頭の芯を侵食する。

 過去の美九ではできないことが、今の美九ならばできる。口ではどう言おうと、皆が美九を愛してくれている――――それを知りながら止められない美九の欲望は、最低なのだろうと自嘲の笑みを零した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――ようこそ皆さん、いらっしゃいませー!」

「……むん?」

「おお、美九ではないか……」

「曖昧。夕弦たちは……」

 

 玄関に並んで虚ろな目をして立っていた精霊たちが、美九の一声で目の光を取り戻して覚醒を始めた。当然、美九は普段通りの対応を変えることなく笑顔で声を返す。

 

「皆さん、私のお家に泊まりにきてくれたんですよぉー。えへへー、歓迎しちゃいますぅ!」

「朝からテンションたっか……はぁ、まあ仕方ないか」

「うむ! 今日から世話になるぞ、美九!」

 

 表面上はいつもと変わらないが、七罪からは諦めは残るものの警戒心は消え、十香も折紙の手を取りながら家の中に笑顔で足を踏み入れる。

 先ほど美九の〝声〟で仕掛けられたことなど覚えていない、という様子だ。

 

「じゃあ今日からよろしくね、美九」

「はい、士織さん♡」

 

 それは、物腰と口調がどこか柔らかくなった士織(・・)も同じこと。

 何もおかしくはない。彼女たちは彼女たちのままだ――――なので少し、確認をしよう。

 

「さぁ、皆さんこっちですよー――――廊下を渡るときは、このロープに跨ってお股をすりすりしながら移動してくださいねー♡」

『っ!?』

 

 長い廊下のど真ん中に張られた荒縄。一直線に結ばれ、間隔をあけて〝結び目〟が付いた渡り道。

 美九が手を合わせてとんでもないことを言い出し、精霊たちが驚愕の光景に目を見開く。先ほどまでの彼女たちなら、呆れるなり怒るなりで帰ってしまうはずだが。

 

「おお、楽しそうだぞ、折紙!」

「この程度、障害にもならない」

「いや、そういう問題かしら……?」

「は、恥ずかしいですけど、美九さんが言うなら」

「ふむん。マナーというやつじゃな」

 

 ほんのり頬を朱色に染めながら、誰一人拒まない(・・・・・・・)

 縄に股スリという行為そのものに羞恥を感じている。だが、美九の言葉に疑問や疑念は抱かない。不満らしい不満もない。

 美九が言うことなら――――彼女たちは今、誘宵美九の言霊に逆らおうという考えすら浮かばない状態にあった。仮に躊躇うというのなら、常識の範疇を超えた羞恥心。

 

 そしてその羞恥心さえ、絶大な快楽の前には無力なのだ。

 

「んっ♡ ふっ、ふっ♡ ん……♡」

「く、うぅ……う、上手く渡れぬのだ……♡」

「とう、か♡ 私の肩を掴んで、ついてきて♡ ふぁっ♡♡」

 

 意気揚々と股縄の餌食になったのは折紙、十香だ。先行した折紙がスカートの中にある下着に縄を擦り付け、前に進みながら縄を湿らせる(・・・・・・)

 十香はその折紙の後に着いていくが、股に食い込む縄の感触に足を止めてしまう。折紙がすかさずフォローするも、肩に掴まる十香の腕の力でさらに縄が股にくい込んで目をチカチカとさせていた。あの様子では、割れ目にしっかりとめり込んでいるに違いない。

 

「はぁっ、はぁっ♡ こ、擦りながらだと、全然進まないし♡」

「指摘♡ 結び目で止まっているからですよ♡ はやく、夕弦にも……っ♡」

「っ……わ、私たちの身長にも、合わせてほし……んんっ!♡♡」

 

 露骨に大きい結び目に跨り、派手目なミニスカートから健康的な太股を覗かせ、激しい股擦りにパンチラまで披露する耶倶矢。彼女が前列のため夕弦の進行も止まり、悩ましげに擦る股から地面に少量の液体が零れ落ちている。

 マリアは身長故にくい込みが激しく、いつもの余裕は見られない。四糸乃、琴里、六喰、七罪も同じようなものだが、中でも進行速度が鈍いのは――――――

 

「ふへへぇ、眼福すぎますねぇ♡ ――――士織さん、ちょっと遅れてますよー?♡」

「ご、ごめん♡ で、でも、これは……っ♡」

 

 士織だ。皆が必死に股擦りで縄を渡る中、平然と横から眺めながら美九はちゃちゃ入れする。とりあえずは涎を拭いて、股縄に苦労している様子の士織の真横に着く。

 

「はぁ、はぁ……くっ、うっ!♡」

「ぐふふふ……はっ、いけません♡」

 

 士織の実に色っぽい表情と顔色に、思わずおかしな声と鼻血を出してしまいそうになるが、今は堪える。これで倒れてしまっては、貴重な三日間が台無しなのだ。

 しかし、士織の進みが遅いのも無理はない。何せ、士織は何も女性に変身したわけではない。士織という人格を美九が引き出したに過ぎない。つまりは、

 

「むふふぅ……士織さーん?♡ このテントはなんですかぁ?♡」

「あ、だめ――――ぇっ!♡♡」

『ひぃっ!?♡♡』

 

 チョンっと美九がスカートのテント(・・・)を突いてやると、刺激に耐えかねたのか士織が縄を掴んで身悶えする。その縄の振動は前方にも伝わり、股に縄を食い込ませていた精霊たちが一斉に嬌声をあげた。

 

「あらぁ♡ 今のいいですねぇー♡ それそれー♡」

『ひっ、いひっ!♡ ひううううっ!?♡♡』

 

 美九が縄を手で掴んで小刻みに揺らす。それだけで縄に乗った彼女たちは心地よい悲鳴をあげ、それぞれの股下に愛液をぽたぽたと搾らせ落とした。

 だが、それだけ(・・・・)。決してイクことはできない(・・・・・・・・・)。それぞれの調教が感度が増し、かつ〈破軍歌姫(ガブリエル)〉の洗脳で身体が少々過激(・・・・)になった彼女たちは、美九の許可なく絶頂を禁じられている。

 理屈や理論ではない。美九の〝声〟が彼女たちの脳に働きかける。天使とは形のある奇跡。美九にとってはそれが〝音〟という形の力なのだ。

 

「ふふ、辛そうですねぇ、士織さん♡」

「み、美九ぅ……♡」

「おちんちんシコシコしたいですかぁ?♡ でも、だめですぅ♡ 私の許可なくオナニーはき・ん・し♡」

「ふぅぅ……っ!♡」

 

 禁則事項はもう一つ。勝手な自慰行為を禁ずる。美九が彼女たちを従えた声に常識として組み込まれれば、従う者はそれを常識と思う。

 今のように股縄をしろ、と言えば合法的に精霊たちは股擦りで快楽を直に得られるが、あくまで士道の肉体をベースにしている士織は異なる。

 他の一部の子のように、ふたなりというわけでもない士織。必死に股に縄を食い込ませるも、それは勃ち上がった陰茎には届かない。

 

「どうしましたぁー?♡ そんなにヘコヘコ♡ してもおちんちんには届きませんよー?♡ もっと押し付けないとぉ♡ あ、でもそれだとお股すりすりからはちょっと外れちゃいますねぇー♡」

「ふーッ!♡ ふーッ!!♡♡」

 

 士織の身体にも感度増強と調教(・・)が施されている。美九の〝声〟に反応して快楽を得られてしまうために、もうとっくに射精しておかしくないはずだが、許可がなくては生殺しの状態が続いてしまう。

 士織の思考に陰茎の刺激。それぞれの相手と愛し合っているふたなり持ちの子たちならまだしも、士織はその刺激に慣れていない。耐えようとしているのか無理やり射精しようとしているのか、歯を食いしばって少しおかしな表情になってしまっているが――――それすら愛おしくて、つい魔が差してしまった。

 

「ああ、可哀想な士織さん♡ 仕方ないから――――特別に、イッていいですよ♡」

 

 惨めで可愛らしい士織。美九を調教する士道も、このような気持ちだったのだろうか。だとしたら、止められるわけがないじゃないか。

 

「ん、ひ――――イクっ♡ おちんちんイッちゃうぅぅぅぅぅっ!!♡♡♡♡」

 

 ドプッ! ドブリュルルルルルッ!!

 甲高い女の子の声に合わない絶頂宣言と鈍く重い射精の音色。士織のイキ顔、脈動するスカートのテント。もうそれだけで美九は心の臓が破裂しそうな高鳴りを得た。

 普段通りたっぷりと、分単位の異常射精。それほど美九と美九が用意したものに興奮してくれた悦びに息を荒くしながら、士織のスカートをペラリと捲りあげる。

 その下は、はち切れんばかりに盛り上がったショートパンツが変色し、足の隙間からドロっとした白濁液を垂れ零していた。開くだけで感じる濃厚な臭いで、美九の股座を濡らしてしまうほどの光景がある。

 

「すぅー、はぁー……っっ!♡ だめじゃ、ないですかぁ♡ こんなにお洋服汚してぇ……♡」

「ごめん、なさい♡ ん、あぁっ♡♡」

 

 ドピュッ。出し損ねた精液がショートパンツの先端で膨らみ、じわりと縫い目から強引に顔を出す――――トリップしそうになる思考を引き戻し、ニコリと美九は笑みを浮かべた。

 

「ふふ、大丈夫です♡ お着替えも用意してありますから――――まずはお風呂にいきましょー♡」

 

 もちろん――――この股縄を擦りながら、だ。

 

 たっぷり三十分は荒縄渡りを楽しんだあとは、広々とした脱衣場に皆を招き入れた。

 脱衣場と言えば後に続く最高のパラダイスが主役ではあるが、脱衣場とて名前の通り楽園である。

 

「美九、むくは一人で着替えられるのじゃ」

「だめですよぉ。皆さんは私のお客様なんですからー。はーい、ぬぎぬぎしちゃいましょー♡」

「む、むん……♡」

 

 脱衣場の役割の脱衣は、全て美九の手で行う。情事ならまだしも、お風呂での着替えで人の手を借りるなどしない。

 まして、彼女たちはたった今荒縄渡りで股を刺激してきた。下着は全員揃って愛液でずぶ濡れだ。

 

「すぅぅぅぅっ!♡ ぷはぁ……折紙さんのおパンツ、良いお味と匂いですねー!♡♡」

「……っ♡」

「十香さんはぁ……あ、お毛々みつけちゃいましたー♡」

「や、やめるのだ♡ そんなものを見られては、こそばゆいぞ……♡」

「はぁはぁ♡ 七罪さんのぐしょ濡れおパンツぅ♡♡」

「へ、変態! 変態がいる!!」

 

 羞恥に強い折紙も頬を染めたり、下着の内側から十香の陰毛を見つけたり七罪だけが若干違う気もしたが、皆の下着を預かっていく。洗うという名目で預かっているが、当然しばらく〝保存〟するに決まっている。

 

「さー、士織さんもー、えいっ!♡」

「ひゃっ!♡」

 

 ブルン! ショートパンツと下着から解放されてしなる立派な巨槍。射精を内側でし過ぎたからか、竿や睾丸に陰毛のあちこちにザーメンが絡まっている。これはしっかり洗う(・・)必要がありそうだ。

 

「それにしてもぉ……」

 

 男の陰茎に身体。顔と髪と声は女の子。しかし元来の才能なのか、不思議と身体付きまで変わってしまったように思える。

 

「……あー、令音さんが心配しちゃうのも無理ないですねぇ」

「?」

 

 たとえ本人は平気だと考えていても、その本人は他人のために身を顧みない人だ。今の美九自身を含めて、綱渡り(・・・)をしているのだと気付かされる――――理解しながらこうして止まれない。それが困ったものだと苦笑した。

 

「それじゃあ早速お風呂に――――あ、その前に写真撮影がありましたぁ♡」

『?』

 

 少しわざとらしい演技だが、美九への猜疑心が減っているからか皆小首を傾げる程度の反応で済んでいた。

 猜疑心が減っているとはいえ、元々美九への好意がなければ成せないこと――――信頼を土足で踏みにじっている感覚に〝何か〟が痛みながら、その痛みさえ踏みにじった。

 

「これでーす♡ 皆さん、このカメラにお尻の穴(・・・・)を押し付けてくださぁい♡」

「なっ!?♡」

「そ、そんな恥ずかしいことするわけ!?♡」

 

 脱衣場に設置された高級な固定カメラ。美九の言葉に疑問は持たずとも羞恥心は必要以上に(・・・・・)感じる彼女たちが、顔を真っ赤にして声を震わせた。

 

「はい、お願いしますぅ。あとでちゃーんと使いますから♡」

「む、ん。恥ずかしいが、仕方がないのう」

「そうね。美九が言うなら……みんな、始めましょう」

 

 そう。誘宵美九が言うのなら、彼女たちは疑問を抱くことがない。恥ずかしくても、やるしかない。

 率先した琴里がキュッと締まって小ぶりなお尻を軽く手で掴み、カメラのレンズに向かってむぎゅっと押し付けた。

 

「ん……♡」

 

 パシャリ。典型的なシャッター音が鳴り、ぺたりと張り付いたお尻に存在するであろう尻穴が写真として収められる。

 表情は平気そうにしているのが、顔は羞恥で真っ赤だ。それは琴里同様、否、琴里以上に表情を読ませないはずの折紙でさえ変わりなく、カメラにお尻を押し付けた顔が見たこともないほど羞恥色に染っていた。

 

「あれぇ……折紙さん、もしかして恥ずかしがってるんですかー♡」

「そん、なことはない♡」

 

 これも珍しい反応。尻穴の写真を撮られてさっさと風呂場に向かってしまった折紙だが、美九は希少な光景に満足を得て恍惚とした笑みを浮かべる。

 折紙がそうなるもの仕方がない。無論――――羞恥心は倍以上(・・・)に感じるよう〝声〟に込めているのだから。

 

 

 

「ふふん♡ どうだ美九、我ら八舞の肉体は♡」

「洗浄♡ 経験値は伊達ではありません♡」

「はぁぁ……♡ て、天国にイッちゃいそうですぅ♡」

 

 泡を全身に纏った耶倶矢が前から、同じく夕弦が後ろから美九の裸体に張り付いて洗う。

 ボディソープの感触に、スレンダー&グラマラスな極上姉妹の洗浄。ぬちゅ、ぬちゅと生肌が絡み合い溶け合う。以前、ローションプレイをしたと聞いていたが、その時の経験もあって本気でイッてしまいそうな女体の快感があった。

 

「はうぁ……摘み食いしちゃいますー!♡ ちゅーっ♡」

「あ、こらぁ……ん、ちゅる……まだ、洗ってるのにぃ……♡」

「嫉妬。夕弦も混ぜてください♡」

 

 我慢できずに耶倶矢の唇と唇を重ねれば、どちらにも(・・・・・)嫉妬した夕弦が横から舌を出してキスを二重にする――――これだけでも天国だというのに、周りには最高の光景が広がっていた。

 

「み、みんな♡ 私は一人で洗えるから……んぁっ♡」

「だめですよ士織♡ 仲良く隅々までと美九に言われたでしょう♡」

「洗いっこしましょう♡ 七罪さんも、一緒に♡」

「わ、私はいいって……んひゃっ♡」

「遠慮するんじゃなーい♡ 七罪も参加けってーい!♡」

 

 まさに楽園。色とりどりの美少女たちが身体で身体を洗い合う。琴里もここぞとばかりに白モードを活用し七罪を巻き込み、もう遠慮などとは無縁を極めた風呂場の聖地。いつもの美九であれば、やはりここで満足してしまうものではあるが――――――

 

「はーい、皆さん並んでください♡ おまんこにクリームは塗りましたねー?♡ 私が身体の隅々まで綺麗にしてあげますよぉ♡」

 

 股間にクリームを溜めた十香たちを並ばせ、美九手ずからの剃毛(・・)。特別性の剃刀を使い、アンダーヘアまで綺麗にする。普段は士道の意向で自由に手入れされているが、この三日間のみは美九の自由だ。

 

「危ないですから、じっとしててくださいねー♡」

「美九、これは必要なことなのか……? お、お股がすーすーするぞ……♡」

「ふふ、十香さんは少し濃いめですからねぇ♡ でもぉ、すぐ癖になっちゃいますから大丈夫ですよー♡」

 

 M字開脚で座らせて、色とりどりの陰毛を剃毛してパイパン(・・・・)にする。なかなか可愛らしい表現をする十香に、少々手元が狂ってしまいそうになる。

 十香、夕弦は少し濃いめ。折紙、耶倶矢は薄めなど個性もあり、琴里たち中学生組はまだ生え揃っておらず慣れない剃毛を人にしてもらって顔を真っ赤にしていた。

 

「あれ、マリアさんは初めから生えてないんですねぇ……」

「残念そうにしないでください。これは私のリアルボディの仕様です」

「あ、わかりました! そっちの方が二亜さんの好みだから――――――」

「…………」

「こ、怖い顔しないでくださいよぉ……」

 

 ……そんなツルペタ最高ボディなマリアとの一幕を挟み、最後は士織。もちろん、士織の股間にあるのは男性器なわけで、

 

「よいしょ♡ あ、だめですよ士織さん!♡ 危ないからおちんちんピクピクさせないでくださーい♡」

「そ、そんなこと言っても、はずかし……っ!♡♡」

 

 クリームと共に除去される陰毛に、巨頭がピクピクと愛らしく反応を示してしまう。まあ、咎める美九もそれをわかってやっているのだけれど。

 

「うふふ、皆さん綺麗になりましたねー♡」

『っ♡』

 

 ツルツルのおまんこを並べれば壮観極まりない。十香や夕弦のようなどんなモデルも顔負けな身長やスタイルの下に、パイパンの秘部というギャップが実に唆る。

 

「……す、すーすーする♡」

「主様のおちんちん、ツルツルなのじゃ♡」

「大っきいのに、ちょっと可愛いじゃん……や、私たちのも同じ感じになってるとは思うけど」

 

 しかも、士織はパイパンちんぽ(・・・)。猛々しい巨根であるにも関わらず、その根元から睾丸まで綺麗さっぱり脱毛完了。人格の士織に引かれているのか、黒光りしている普段と違い、何故か色白で女々しい印象を与えている。

 普段とは違う光景に興味津々な精霊たちに覗き込まれて、士織が顔を真っ赤にしながら内股になる。それを見て美九は内心で大喜びだ。

 そしてこういうとき、霊力が循環する美九たちの身体は便利だとほくそ笑む。少なくとも、美九の手元にある限り彼女たちの股間に陰毛が生えることない。

 

 身を隅々まで清め切り、濡れた髪や身体を拭いて乾かしてから、皆を全裸のまま広々とした部屋に案内した。美九一人では広すぎて使わないトレーニングルームだが、だからこそ広さは十二分にある。

 

「はぁぁぁ……皆さん、並んだら本当に……た、食べちゃいたいくらいですぅ♡」

「ほ、本気で食べられそうなんだけど……」

「美九の冗談は冗談になりませんね」

 

 冗談にならないのも当然で、美九は本気で食べてしまいたい(・・・・・・・・)と思っているのだ。

 横一列に相応の幅を取って整列した精霊たち。選り取りみどりの体躯と胸。下は毛の一つすらない美しい秘部。顔を見れば全員が美九好みの美少女たち。

 しかし我慢。今すぐに全員に命じ、夢のパラダイスといきたいが我慢。入念な下ごしらえで全てを味わう。この欲望の基本だ(・・・・・・・・)

 

「では皆さん、採寸をさせていただきますっ!♡ ――――ちゅーっ!♡♡」

「ひゃあぁっ!?♡」

 

 真っ先に愛らしい悲鳴をあげたのは四糸乃。立った状態の彼女に飛びつき、乳首を吸えばそういう反応を示しもするだろう。

 

「はあはあっ!♡ 四糸乃さんのおっぱいは甘い気がしますぅ!♡ これもっと吸えばお乳出てきませんかね!?」

「んっ♡ ご、ごめんなさい……たぶん、出ないと、思います……?」

「よ、四糸乃に何して――――」

「七罪さん!♡」

「きゃあぁぁぁぁぁっ!?♡」

 

 いつもより色気が増した七罪の悲鳴。そういう身体(・・・・・・)になっている中、乳首を吸われれば以下省略。

 

「うふふふふ、七罪さんのお胸、緊張で汗をかいてしょっぱいですね♡ 少し恥ずかしがりな乳首さんもこんにちわしましょー♡」

「や、やめぇ♡ ひゃめなさいよぉ……ひぃっ!♡」

 

 ちゅぱ、ちゅぱっ、ぺろぺろ。ぴちゃぴちゃぴちゃぴちゃ。

 やりたい放題舐め放題。今は美九が全てのルール。何をしても許されるのだ。

 

「六喰さんのでっぱい!♡ ましゅまろみたいにやわやわでしゅ!♡ これでお休みすれば良い夢確定快眠間違いなしですぅ!♡」

「わ、わけのわからぬことを♡ ん、んんっ!♡♡」

「琴里さん♡ カリカリ乳首が良い歯ごたえですー!♡ 噛めば噛む程琴里さんの味がしみ出してきます!♡」

「馬鹿なこと、言わないで♡ 採寸するならさっさと……んぁっ!♡♡」

 

 六喰の豊満な胸から揉み慣れた琴里の胸、その乳首を吸い比べ。こうなった美九はもう止まらない。

 

「はむっ!♡ すぅぅぅぅっ!♡♡ む、ムチムチのお尻、最高れひゅぅ……♡」

「ひゃ……み、美九!♡ お尻に顔を入れて何の意味があるのだ!?♡」

「焦燥。く、くすぐったいです♡ お尻に顔を入れて、喋らないで……くひっ♡」

 

 十香、夕弦の乳房と同じく形よし大きさよしの桃尻に顔を突っ込み、匂いと感触を全面で受け止める。ずっとそのままでいたいくらいの美尻天国に、美九は蕩け顔()やめることができない。

 

「腋下採寸でーす♡ ぺろぺろぺろー♡♡」

「ん、ふっ♡ く、ひひっ♡♡」

 

 折紙に腕を上げさせて、その腋を舌でチロチロと言わずがっつくほど舐め尽くす。折紙は唇を結びながら、敏感な腋を舐められ痙攣し、時折目を閉じて耐えるという行為にまで及ぶ。

 あの折紙がそうしなければ耐えられない――――もっと見てみたくなる。

 

「折紙さん、耶倶矢さん、七罪さん、マリアさん。それと士織さんは前に出てください」

『?』

 

 美九の号令自体への疑問や抵抗はないが、やはり意図が読み取れず首を傾げる五人。

 一見共通項がないように見える人選だが、すぐにわかると美九は唇に弧を描いて命令を下した。

 

「皆さん、いつも使っている(・・・・・・・・)ふたなりおちんちんを出してくださぁい♡」

『っ!!』

 

 目を丸く、あるいは見開く。しかし、身体と思考は半ば刷り込みの反応で美九の命令を受諾し、士織を除く四人の股間部に霊力の淡い光を収束させた。

 一瞬のち、折紙たちの秘部の上部には萎えた肉棒――――睾丸のないメスちんぽが出現した。

 士道から情報を得ていた美九は、彼女たちがふたなりを自在に出し入れできることを知っていた。折紙、耶倶矢、マリアは士道から、七罪はそもそも〈贋造魔女(ハニエル)〉の使い手だ。

 萎えていても大きいメスちんぽ。普段は堂々と愛する者と繋がるそれも、急に美九の前へ差し出して全員顔が真っ赤だ。その輝かしい羞恥がまた美九の悦を誘ってくれた。

 

「ふふ、お利口さんですねぇ♡ では、皆さんのおちんちんの採寸もしちゃいますよー!♡」

 

 もちろん、単に出させたわけではない。今日を含めて三日間。彼女たちのふたなりもまた美九の管理下にあり、徹底的に支配(・・)したい。

 まずは折紙の真後ろに回り込み、そっと彼女の引き締まった臀部に人差し指を立てる(・・・)

 

「何を……?」

「おちんちんはちゃんと勃起サイズを計測しないとですよー♡ 前立腺(・・・)を押されて我慢できなかったら、ちゃーんと『おほぉっ』て言って私に教えてくださいね?♡」

「そんなこと、言うはず――――おほぉっ!?♡♡♡♡」

 

一瞬(・・)。誰もが肩を跳ねさせ、目を見開いて驚くような一瞬だった。

 そして美九にはよく見える。美九の指を受け入れた尻穴の主に寄り添い、顔を真横から覗く――――叫びの通り、舌を出して絶頂禁止のイキ顔を晒す折紙の姿。ポーカーフェイスが崩れ、クールな彼女からふたなりちんぽへの前立腺刺激を受けて無様な貌をした鳶一折紙がいた。

 

「そ、そこが前立腺、おほぉっ!?♡♡ おほぉっ!?♡♡♡♡ れ、連続で押さなおっほぉっ!?♡♡♡♡」

 

 ビクンッ! ビクッ、ビクンッ! 全身の痙攣と萎え切っていたメスちんぽの全力勃起。許可さえあれば、バキバキにイキリ勃ち、悩ましげに透明汁を流すメスちんぽは一回一回美九が前立腺を押すごとにたちまち射精してしまうことだろう。

 ぎゅうぎゅうに指を締め付ける折紙の尻内で、コリコリと前立腺を弄ぶ。決してイケず、深く愛し合う子の前で晒す無様はどんな気分であろうか。

 

「ひゃめ、おほっ♡ おほぉっ!?♡♡♡♡」

「だーいじょぶですよぉ♡ 十香さんは、どんな折紙さんも愛してくれますから――――もちろん、私も♡」

「っっっ!♡」

 

 そもそも、アナルで感じているのは折紙のせいではない。幾重もの効果を発揮する美九の〝声〟。その一つに、当然ながら感度を数倍(・・)上昇させる暗示が加えられている。

 羞恥を突きながら折紙を辱めたところで、一旦指を引き抜く。そうして美九が背後に回ったのは、サーッと顔色を青くしたマリアだ。

 

「マリアさん、ちんちんサイズ計測の時間ですよぉ♡」

「やめ、おほぉっ!?♡♡♡♡」

 

 見た目幼き可憐な少女であろうと容赦はない。むしろ、そんな顔をされると虐めたくなってしまう。

 

「おっほぉっ!♡ 勃起スイッチON!♡ ふたなり勃起開始、100%勃起完了!♡♡ おほぉっ!?♡♡♡♡」

「くすくす♡ マリアさんらしい表現で、とっても可愛いでちゅねー♡ ぐりぐりー♡」

「んおっほぉ!?♡♡♡♡」

 

 可憐で幼き笑みを持つマリアの〝おほ〟顔は、美九でなければさせられないこと。一生物の希少映像だ。

 折紙、マリアが陥落し、七罪、耶倶矢、士織が顔を引き攣らせて可愛いおちんちんをピクピクさせながら順番を待っている。

 なので美九はさも悩ましいです、と言わんばかりに困った演技をしながら声を発した。

 

「うーん、前立腺を押したままだと片手で採寸しづらいですねー♡ そーだぁ♡ 十香さんたち(・・・・・・)に手伝ってもらいましょー♡ その間にはかりまーす♡」

『やめ――――おほぉっ!?♡♡♡♡』

 

 折紙、マリア、耶倶矢、七罪、士織。全員揃って例外はない。

 欲望によって強化された〈破軍歌姫(ガブリエル)〉の力は快楽に特化している。すなわち、それが相手の快楽に繋がるのであれば――――相手の尻穴に指を挿入れる命令を疑問なくこなせてしまうのだ。

 

「おほっ♡ とうかっ♡ やめおほぉっ!♡♡♡♡」

「わかるぞ、折紙♡ ここを押すと、おちんちんが心地よいのだろう?♡ おまえが気持ちいいと、私も嬉しいのだ♡」

「すまぬの、マリア♡ これも美九の頼みなれば、うぬを気持ちよくせねばならぬのじゃ♡」

「おほっ♡ 六喰、やめ――――おほぉっ!♡ お、おちんぽ勃起120%突破!?♡ もう無理おほぉっ!?♡♡♡♡」

「ゆずおほぉっ!?♡ やめおほっ♡♡ おちんちんむおっほぉっ!!♡♡♡♡」

「快感♡ こんな耶倶矢は初めてです♡ 夕弦の知らない耶倶矢、もっと見せてください♡ おちんちんピクピクさせてください♡」

「琴里、だめっ♡ そんなところはいらなおっほぉっ!♡♡♡♡」

「今の士織なら咥えられるわ♡ 尻穴で妹の指を締め付けて、ちゃんとパイパンちんちん勃起させなさい♡」

「ここ、ですか?♡ それとも……♡」

「ん、ぁ……も、もうちょっと、奥――――おほっ♡ そ、そこぉ♡♡ 四糸乃の指が私のおちんちんの気持ちいいところ押してるぅ♡♡♡♡」

 

 十香、六喰、夕弦、琴里、四糸乃。皆、ふたなり組と生ちんぽの士織の背後に回り、こぞって尻穴に指を立てて刺激を加えていく。

 強制命令で絶対にその声を出しその顔をしてしまう。尻穴をほじられて喘がされた挙句、ちんちんが最大以上に勃起して悦んでいる場面まで見せられる。

 最高の天国。美九が支配できない子がいることは残念だが、これだけの美少女たちを集め、皆が美九を愛して、皆が皆を愛している。残念など思う感情を補って余りある素晴らしさに打ち震えた。

 

「皆さん、ご協力ありがとうございますぅ♡ さー、勃起おちんちん採寸の時間ですよぉ――――ふふ、大きくて立派なおちんちんさんですねぇ♡」

 

 であるならば、美九は欲望の限りを尽くして楽しむ他ない――――心の衝動が望むまま、美九(本能)は邁進を続けた。

 

 

 

 

「はー、絶景ですぅ……♡」

 

 ノギスで陰茎だけでなく乳首やクリサイズも確認したところで、用意していたものを皆に渡した。呆気に取られたり半ば睨みつけていたりもしたが、快楽に抗えない(・・・・・・・)のだから気持ちよくなれて嬉しいだろうと美九は開き直る。

 そして彼女たちの着替えの間、美九が何の風景を見て魅惑されているかと言うと。

 

「皆さんのおパンツ、我が家の家宝に決定ですねー♡」

 

 ――――堂々と廊下の壁に飾られた、額縁入りの下着たち。

 折紙、四糸乃、琴里、六喰、七罪、耶倶矢、夕弦、十香、マリアは愛液、士織は精液をたっぷり吸って変色した色鮮やかなパンツたち。

 それらが特別性の保存用額縁に入れられ、芸術品の如く飾ってある。否、如くではなく美九にとってはどれだけのお金を積んでも手に入れられない特級芸術。国宝。美九指定の世界遺産だ。

使える(・・・)芸術品を保存したところで、美九は元の部屋にステップを踏みながら向かった。いつまでも見ていられる美しさだが、やはり持ち主の素晴らしさも楽しまなければならない。

 ついでに全員分の〝証明書〟も作成、回収してから部屋の扉を開けた。

 

「みなさーん――――きゃあぁぁぁぁぁぁっ!♡♡ さ、さささささ最高ですぅぅぅぅぅっ!♡」

「落ち着いて」

「無理じゃない……? てか、私たちが落ち着かない……っ♡」

 

 美九のためにあり、美九だけの美少女たち。その完成間近(・・)の姿に落ち着けなど無体なことはできない。

 

「はぁ、はぁ♡ 素晴らしい、素晴らしいですよー♡ 皆さん、とってもハレンチですぅ♡」

「……褒められてる?」

「予想。美九の性格を考えれば、恐らく……?」

 

 褒めている。これ以上なく褒めている。誘宵美九の興奮をもっと信頼してほしい。

 メイド服、と表現するのが一番手っ取り早い――――股下0センチ以下の極ミニスカートに、胸とへそ丸出しの衣服がメイドと言うのであれば、だが。

 ツルツルのお股には割れ目を広げるラビアクリップ、大小様々な胸をさらけ出し、お揃いの白カチューシャとニーソで完成。

 開かれたパイパンマンコに比べてパイパンちんちんはというと――――皆素直に着けていることに美九は最高の機嫌を維持して目に歓喜の涙さえ浮かべた。

 

「あぁ、おちんちん組の皆さんも大変可愛らしいですねぇ♡」

『っ!♡』

 

 ピクッ! 最大勃起を強要された五人のちんちんが跳ね、飾り(・・)が揺れた。

 これまた立派なカリ首の階段下、つまりは竿との境目の部分に設えられたペニスリング(・・・・・・)。刺激も強く締め付けが激しいリングに、小さな名刺(・・)がぶら下げられている。

 

『変態士織ちんぽ♡』

『変態折紙ちんぽ♡』

『変態七罪ちんぽ♡』

『変態耶倶矢ちんぽ♡』

『変態マリアちんぽ♡』

 

おちんちん用(・・・・・・)の自己紹介カード。責められて勃起してしまうはしたないおちんぽたちに、これ以上なく正確な記述に美九は大満足。

 もっとも、本人たちは表情を問わず顔が爆発するのではないかと思えるほど灼熱状態になっている。羞恥心の増強はこういうところでも役に立つ。

 

「そのチョーカーも似合ってます♡ みーんな私のハーレムさんですぅ♡」

 

 言って、十人のメイドたちの首に巻かれたチョーカーを確認。

 

『美九ハーレム・No1♡ 美九お姉さまLOVE♡』

 

 これは琴里のものだが、各人数字を割り振られ美九のハーレムである証の着用を義務付けられている。もちろん恥ずかしがり、そのチョーカーの存在に疑問を抱くが、それを成す美九に疑問は持てない(・・・・)

 

「では皆さん、こちらの証明書(・・・)を受け取ってください♡」

「? なにこれ――――ひっ!?」

「七罪さん? ……ひゃあっ!」

 

 手渡されたクリップピアス(・・・・・・・)が着いた証明書を見た七罪と四糸乃が、その中身を目にして取り落としてしまう。

 

「あー、だめですよぉ。これは大事な証明書なんですからぁ♡」

「しょ、証明書って……っ!?」

「わ、私たちの……お、お尻の……そ、その……」

「はーい♡ その証明書はぁ、皆さんのケツ穴(・・・)のお写真入りになりまーす♡」

『〜〜〜〜〜〜っ♡♡』

 

 士道の調教、そして自分の羞恥より愛しい人を辱める楽しさが優先される美九は、平気で恥ずかしい表現を使い彼女たちの羞恥を引き出した。

 証明書には本人たちの顔写真、名前――――その隣に、超高画質のアナルどアップ写真(・・・・・・・・・)が貼り付けられている。当然、脱衣場でお尻を押し付けて撮影させてもらった新品で鮮度がいい尻穴写真だ。

 

「ではでは、お一人ずつ評論会といきましょー♡ まずは琴里さんのアナルになりまーすっ!♡」

「は、あなた何を――――ッ!?♡」

 

 部屋を暗くし、用意していたプロジェクターを起動。

 壁のスクリーンに表示される証明書と同じ写真(・・・・・・・・)。琴里の生真面目な顔の真隣に、尻穴(・・)。僅かに中を覗かせる門と、幾本の横皺。正真正銘、五河琴里の高画質アナル画像を大画面に表示し、美九はスクリーンの横に立って解説(・・)を開始した。

 

「琴里さんはカッチカチの堅物アナル♡ 臭いもぉ、実は一番キツイかったです♡」

「っ!!♡ あ、あなた、この前は良い匂いって……っ!♡」

「はい、なので嘘です♡ とーってもいい匂いがしまーす♡」

「っっっ!♡♡」

 

 茶化す美九を奥歯を噛み締めて睨みつける琴里。尻穴を公表された挙句、自ら美九との情事の経験を晒す。涙目になっていて、少し虐めすぎたと要反省して、琴里に視線で謝りながら映像を切り替えた。

 

「十香さんは少しでっぱてます♡ ……実はさっきぃ、何本かおケツの毛が生えてましたよー♡ 手入れ不足ですねぇ♡」

「な……っ!♡ わ、私を謀るつもりだろう!?♡」

「はーい、これも冗談……お、折紙さん、そんなに睨まないでください。怖いですよー。ちょっとした美九ジョークですっ」

 

 というより、実物が大々的に映っているので冗句とわかるはずなのだが。

 二亜に手を出して鬼になるマリアほどではないが、折紙も不用意に十香を辱めると冷たい殺気が飛んで身が震えてしまう。折紙が本気になったら殺気すら感じられず美九は倒れた、となりそうなので、実は加減をしてくれているのかもしれないと汗を滲ませた額を拭った

 気を取り直し、その後は代わる代わる顔とアナル写真を切り替えて評価を下していく。

 

「折紙さんは引き締まってます! ぴっちり几帳面に口を閉じてますねー♡」

「六喰さんは肉厚で盛り上がってますね! でも柔らかふよふよですぅ♡」

「四糸乃さん小さい! ちっちゃなお尻の穴が震えてます! とーってもキュートですっ♡」

「血色の良い七罪さんのアナル! 恥ずかしがり屋で少しくぼんでますねぇ♡ うぇへへ♡」

「耶俱矢さんの肛門皺がいっぱいです! 夕弦さんは逆に皺が少なくて固めですね! 双子姉妹でこんなにアナルが違うんですねー♡」

 

 矢継ぎ早の言葉に返されるものは言葉ではなく無言の羞恥。折紙のように真っ直ぐに見ながら顔を上気させる子。四糸乃や七罪のように顔を上げられない子。

 

「マリアさんは凄い几帳面です! 皺の角度も本数も左右対称で機能美に溢れてますぅ♡」

「と、当然です♡」

「そして士織さんはぁ……くすくす♡ 少し半開きで、物欲しそうにパクパクしちゃってますねー♡」

「せ、静止画なんだから、そんなことしてないっ♡」

 

 マリアは得意げに胸を張りながらも声に動揺が走り、士織は一番恥ずかしがって反論。

 精神的には〝士織〟という独立の人格。だが身体は男のもの――――これからどちらに寄せて調教(・・)するかなど、決まっている。想像した味で舌舐めというはしたないことをしそうになる精神を自制し、美九は続ける。

 

「ふふふー、では早速証明書を着けちゃいましょー♡ 皆さんのエッチな乳首さんを、こりこりして勃起させてください♡」

『んっ、あっあっあっ♡♡』

 

 命令を聞いた少女たちが、恥ずかしげもなく――実際には死ぬほど恥ずかしいのだろうが――両乳首を指で挟み、こねくり回して勃起を促す。

 

「……ん、んん……あれ……?」

「うふふー、どうしましたぁ、士織さん?♡」

 

 時に重なり、時に外れる少女たちの喘ぎ声。その中で、アンバランスな精神と肉体を持つ士織だけが上手く乳首を刺激できず戸惑っていた。

 無論、予測済みの美九は士織の背につく。士織という精神は独立しているが、肉体を忘れたわけではない。今はあくまで男の気持ちよさを覚えている。アナル責めも、今はまだ陰茎への刺激があればこそ。

 だから――――美九が女の子の悦びを教えてやらねばならない。

 

「いいですかぁー? 乳首はぁ、こうやってこりこりさせるんですよー♡ そーれ、コリコリ、コリコリー♡」

「ひっ♡ あ……、あっ♡ 乳首、こりこりされてぇ……♡」

 

 女の子を気持ちよくさせる技術で、美九の右に出るものはそういない。士織も美九に乳首をこねくり回され、垂涎を滴らせ悶えてしまう。

 しっかりと覚えさせる。雄乳首の勃起を、この三日間で確実に雌乳首(・・・)の大きさに変える。士織をメスに堕とす(・・・・・・)ことは、今回のハーレム計画において最重要のミッションだった。

 

「証明書、装着♡」

『んぎぃっ!?♡♡♡♡』

 

 グリッ、ガチャ! フル勃起した全員の左乳首にクリップが噛み付き(・・・・)、施錠する音が鳴って身悶えする少女たちの顔と対比し、真面目な顔と真面目なアナル写真の証明書が装着を完了した。

 

「ひ、ぎぃ♡ つ、抓られ、てるぅ!?♡♡」

「悲鳴♡ 乳首が、千切れてしまいそうです……っ♡」

「ふふーん、それだけじゃありませんよ♡ ほら、こんな風に♡」

「むほぉぉぉぉぉぉぉっ!?♡♡♡♡」

 

 叫びをあげたのは六喰。美九が証明書を手に取り、力を入れて引いたのだ。すると彼女の左乳首、いいやその巨乳ごと横長に伸びていく。しかし、決してクリップは外れることなく六喰の乳首に喰らい付いていた。

 

「私の許可がないと、こんなことをしてもぜーったい外れないのでぇ、取り扱いには気をつけてくださいねー♡」

 

 ギュッ、ギューッと幾ら引っ張っても外れる気配は見られない。もしどこかに引っ掛けでもすれば、たちまち……など妄想に耽る美九の鼓膜を文字通りの悲鳴(・・)が震えさせた。

 

「いだいっ! いたいのじゃ! みくっ、たすけ……っ!」

「あ! ご、ごめんなさい!」

 

 感度が倍以上になっているとはいえ、まだ(・・)痛みの変換までには至っていない。悶え苦しんで助けを求める六喰にハッとなり、優しく形を戻して胸と乳首をさすって癒す。

 

「うぅ、大丈夫ですか、六喰さん?」

「む、むん……も、問題ないのじゃ。すこし、驚いただけなのじゃ」

「ならよかったです――――だーりんにみたいには、いかないですねぇ」

 

 健気な態度で心配をかけまいとする六喰にときめきを感じながら、美九は誰にも聞こえないように呟いた。

 痛めつけたいわけじゃない。気持ちよくなってほしい。愛したい。大好きな子を愛でたい――――誓って、それだけは嘘じゃない。

 

「最後にこれをプレゼントです♡」

「……バイブ?」

「アナル用です。……不本意ですが、こちらも私が設計しました」

 

 不本意ながら、と繰り返しブスっとした顔で受け取ったアナルバイブを見やるマリア。

外観は(・・・)細いバイブ。だが所々の形状が特殊で、マリアが作ったとなれば市販ではありえない機能(・・)これでもかと(・・・・・・)兼ね備えられている。

 今すぐにでも挿入を始めたいが、ここで焦っては先程の二の舞。

 

「まずは挿入準備。皆さんの自由なフェラチオを見せてください♡」

 

 挿入するなら尻穴だけでなくモノも濡らす必要がある。長時間(・・・)挿入れるなら、何より初めが肝心。誰より尻穴をじっくりと開発された自覚のある美九は、そのことをよく知っていた。

 

「……れろっ♡ ちゅ、ぱっ♡」

「じゅぷっ♡ じゅる……♡」

 

 そして自由なフェラともなれば、美九が興奮しきるだけの材料はふんだんに目撃できるというもの。

 四糸乃は舌をバイブにぺろぺろとさせ、七罪は亀頭に当る付近だけを重点的にしゃぶっている。

 八舞姉妹はバイブ全体を螺旋状に、六喰は胸のように口を膨らませて喉奥まで、折紙とマリアは規則正しい機械を思わせる精密さのオーソドックスなフェラチオ。

 

「ふへへぇ……皆さん素晴らしいフェラチオですねぇ……♡」

 

 美九にモノ(・・)がないのが少し残念に思えるほど、皆が皆素晴らしいフェラ顔だ。清楚だろうとクールだろうと、フェラチオ顔は等しく淫猥となる。

 そしてここでも、美九が目をつけたのは士織だ。

 

「ん、……んん……?」

「ふふ、苦戦してますねー。ただ咥えるだけじゃだめなんですよ、士織さん♡」

「それは、わかってるんだけど……」

 

 もちろん、士織はされたことはあれどフェラをしたことなどありはしない。それに経験値も士道から完全に引き継がれたわけではなく、初めての口淫に悪戦苦闘しているようだ。

 美九にからかわれしょんぼりと肩を落とす士織を可愛らしく思いながら、美九は視線を巡らせ――――最高のお手本(・・・)を指で示した。

 

「うんうん、士織さんに必要なのはお手本♡ だからぁ、あの二人を見て練習しましょー♡」

『ぢゅるっ♡ ぢゅうううううっ!♡ じゅぞぞぞぞっ♡♡』

 

 十香と琴里。フェラチオの技術に関しては他の追随を許さない少女たちが選んだのは、ひょっとこ(・・・・・)フェラ。

 頬を窄めて馬顔になり、全力のバキュームでの奉仕。どんな美しい少女たちでさえ、その状態では品の無さを思わせる素敵なフェラチオ顔。

 十香のような暴力的な絶美、琴里のような幼く凛々しい小顔。あの二人ですら、ひょっとこフェラ顔では下品が先行する。まさしく、愛する者に全てを捧げる奉仕の姿。

 

「わ、私も……やるの?」

「はい♡ それともぉ、士織さんは大好きな人と同じことをできないんですかぁー?」

「っ……!」

 

 人格は違えど起源は同じ。そう言われて、士織が引き下がるわけがない――――そんな凛々しいした士織の顔が無様に歪む様を、美九はどうしても見たかったのだ。

 

「最初は軽くでいいんです。誰でも初めは練習……先っぽを咥えて、少しずつ吸ってください♡」

「はむ……ちゅ、ちゅっ♡」

 

 真剣にバイブを咥えて、慣れないながら必死に吸い付く士織。もう今すぐ抱き締めて可愛がってあげたいが、スカートの中を濡らすだけに留めて言葉を続ける。

 

「口を窄めて、ちゅーっ、て吸ってください♡」

「ちゅーっ!♡ ちゅうううっ!♡♡」

「吸い付いたまま、少しずつ動かして!♡」

「ちゅーっ、ちゅーっ――――ぢゅーっ!♡♡」

 

 乗ってきた。美九の気と士織の口淫が加速する。美九はより恍惚と、士織はより品のない顔に。

 下半身には変態自己紹介。乳首にはアナル証明書。そしてそこにある顔写真と対比した鼻の下を伸ばした不細工面。だが今の美九には、最高級の興奮を得られる面にしか見えない。

 

「そのまま絶対に離さないで――――吸引♡」

「ぢゅううううううううっ!!♡♡」

 

 五河士織のひょっとこバキュームフェラ顔。身体が勝手に痙攣して、どこかへイッてしまいそうだ。

 

「皆さん全員、ひょっとこフェラ♡」

『っ!?♡ じゅぞぞぞぞぞっ!♡♡』

 

 我慢などできはしない。清廉純白な折紙や愛らしい面の四糸乃。不機嫌に見えながら可愛らしい七罪だって関係ない。美九が命令すれば、各々のフェラを取り止めて全力で口を窄めて鼻下を伸ばしてバイブをバキュームして濡らす。

 美九専用メイドたちが並んでバキュームフェラ顔を披露。超越的な支配感、全能感――――満たされながら、美九は欲望に突き動かされる。

 

「バイブ構え、そーにゅー♡」

『いっせーので! ……おほっ!?♡♡♡♡』

 

 唾液で光る細バイブを尻穴に向けて構えさせ、入口に触れた瞬間――――多機能バイブが真骨頂を発揮した。

 

「んほぉぉっ!?♡ お、奥までぇ!?♡」

「冷寒♡ い、入口に、冷たいものが……♡」

「ぬ、抜けないっ♡ なによこれぇ!♡」

 

 アナルに接触したと判断したバイブがドリルのように回り、一瞬で根元5センチほどを残して中に埋没。直後、電子音が鳴り粘着ジェルが排出、肛門入口にバイブを接着。

 すかさずプロジェクターの映像を切り替え、美九は大仰に手を開き声を発した。

 

「あらぁ、なんということでしょう♡ 皆さんのお尻にバイブが固定されてしまいましたぁ♡ お尻が丸見えで恥ずかしいですねー♡ でも私の許可がないともう外せませーん♡」

 

 スクリーンには少女たちの後ろ姿が映し出され、股下0センチのミニスカから飛び出したアナルバイブの柄が丸見えになって、咄嗟に手でお尻を隠す子や何のつもりだと美九を睨む者と様々だった。

 

「ふ、ふんっ♡ ぬおおぉぉぉぉっ!♡♡」

「ひ、引っ張ってるのに、抜け、ないぃ……っ♡」

 

 十香や耶倶矢のように試しに後ろ手にバイブを引っ張る者もいたが、肛門が隙間なく吸い付いて離さず、まるで火山のように伸びあがるだけ。どれだけ力が強かろうが、美九が与えたものという一点で加減(セーフティ)が生じる。肝心なのは液体ジェルの固定というより、本人たちに対する刷り込みなのだ。

 しかも、挿入れて終わりではないのがこのバイブの素晴らしいところである。

 

「うふふ♡」

「っ、みんな――――――」

 

 スマートフォンを構えた美九に、設計者のマリアだけが反応する。したところでどうにもならないとわかっていても、美九のやろうとしていることに身構える準備だけは……それより早く、美九のテストプレイはスタートした。

 

『ん゛お゛ぉ゛っ!?♡♡♡♡』

 

 美九がスマホの画面をタップ。瞬間、全員がお尻を抑えて前かがみになって悶えた。

 

「お、大きく……な、てぇ♡」

「苦、痛♡ お尻の中が、くるしい……♡」

「実は伸びたりしてー♡」

『うひぃっ!?♡♡』

 

 前かがみの態勢が強制的に逸らされる。今頃、奥まで入ったアナルバイブが膨張の後にさらに奥底まで伸びて(・・・)いる。

 極太化に伸縮。機能は万能バイブの機能はまだまだあると、美九は反応を楽しみながらスマホタップを繰り返した。

 

「震えますよー、ご注意くださーい♡」

「むほっ♡ おっ、おっ、おっ♡♡ 振動して、むほぉっ!?♡♡♡♡」

「ギュインギュインってしちゃったりー♡」

「ひぃっ♡ お尻の中けずれりゅううぅぅぅぅっ!?♡♡♡♡」

 

 振動、回転。タップ一つで切り替わる高速変形と変化。もちろん個別に対応可能な設計であり、設計者であるマリアすら快楽に身悶えする他ないとっておきの淫具となっている。

 

「とう、かっ♡ 十香っ!♡ おちんぽシコシコしてっ♡ 私をイカせてっ!♡♡」

 

 だが、快楽を感じながら絶頂はできない(・・・・・・・)。とっくに気づいていても、羞恥心が倍増していても、快楽に抵抗できない折紙が嘆きの声をあげる。

 それに応えたのは十香ではなく、昔を思い出させる笑みを浮かべた美九だった。

 

「無駄ですよー♡ 十香さんのシコシコやフェラチオがどんなに気持ちよくても、おまんこで最高に愛し合えても、私の許可がないと絶対、ぜぇーったいにイケません♡ 仮に射精できても、その感覚は得られないようになってます♡」

「美九っ♡ ゆ、許してくれっ♡ 折紙を……おほっ♡」

「十香さんもぉ、折紙さんの心配してる余裕ないですねー♡ でも安心してください。あとでたーっぷり、二人でイケる時間を用意してあげますから♡ 十香さんと折紙さんがどんなセックスをするのか、楽しみですぅ♡」

 

 最高に気持ちいいのに、求めているのにイケない。愛し合う相手と快楽を交わして、絶頂に至ることができない絶望。

 全て美九が手にしている。全て支配して、彼女たちからの愛が欲しい。

 

 ――――三日だけでいい。それだけでいいから、美九は愛する者たちと心行くまで愛し合うことを許してほしい。

 

「うふふー♡ いい顔してますねぇ……でも、一度もイケないのは私の主義に反しますから、ちゃーんとイカせてあげますよ――――スカートを摘んで、腰を落として脚を開いてください♡」

『はいっ♡』

 

 尻穴を貪るアナルバイブの刺激。おちんぽやおまんこからは液をダラダラにし、家に入って士織を除き一度も絶頂できていない少女たちは、遂に美九の声にへりくだって(・・・・・・)応えてしまう。いつも通りの彼女たちが好みの美九ではあるが、士道と同じく従順な子も好み。つまりは、これはこれであり(・・・・・・・・)、だ。

 もはやエプロンと見紛う短さのスカートの両端を摘み、脚を開いたガニ股の姿勢でたくし上げにする。

 美しい花を咲かせるラビアクリップ、ペニスリングに吊り下げられた自己紹介カード。前から見えるお尻のアナルバイブ。全てを下品なガニ股で晒させたところで、美九は美声を以て号令を鳴らした。

 

「それでは、これより美九ハーレム結成式を開催しまーす!」

『宣誓!♡ 私たちは今日から三日間、誘宵美九のハーレムの一員になって素敵な毎日を過ごしますっ!♡』

 

 言葉は声に載せて〝刷り込み〟をしてある。

 

『ハーレムは姉妹関係を結びます。姉妹仲良くケンカせず、みんな一緒に美九様を愛し、美九様に愛されることを誓います♡』

『美九様の命令は絶対遵守♡ オナニー、おしっこ、排泄、絶頂の権利を譲渡し、全て美九様に管理してもらうことを誓います♡』

 

 一部のズレもなく奏でられる服従の合唱。膨れ上がった欲望が空想した世界が美九の眼前に現れている。

 

『この三日間で私たちは、何回もケツアクメを体験し、すべて終えた時には立派なケツ穴奴隷になって帰ることを誓います♡』

『美九様のことをもっともっと好きになって、恋するぐらい大好きになることを誓います♡』

 

 絶対的なハーレム(奴隷)宣言。ガニ股屈服を行いながら、全員頭の中は絶頂と愛し合う相手と美九のことでいっぱい。はしたない宣誓を声に出す隣の相手にすら欲情を覚え、股間をよりドロドロに濡らしていく。

 与えられた快楽への焦がれが与えられた羞恥心を上回り、叫んだ。

 

『これから三日間、美九ハーレムとして私たちを可愛がってくださいっ!♡ 美九お姉様♡』

 

 清く、気高かった彼女たち。士道の手で淫らに育った彼女たち。士織という極上の贄と変身した愛しい人。

 この刹那。切り取られた世界の一瞬。それだけでいいから――――美九は全ての枷を外して愛し、愛されたい。

 

「その誓いに偽りがないなら――――私のお尻の穴にキスしてください♡」

 

 スカートを下ろし、びしょびしょになったパンツも脱ぎ捨て、ハーレムメイドたちにお尻を向ける。

 そこには士道に調教され、拡張した美九の尻穴がある。正直、自身の開かれた尻穴を美しいとは言えない。士道がいくらそう言ってくれても、信じきれない。

 だが、

 

「ふ、あっ♡ あぁん♡ 折紙さん、情熱的ですぅ♡ ふふ、七罪さんはちょっと恥ずかしがり屋さんですねー♡」

 

 皆が迷うことなく美九の肛門にキス(・・・・・・・・)をしてくれたら、より信じられる気がした――――結局は支配だ。たとえ根源に美九を想う気持ちがあったとしても、いつ見限られるかわからない。こんなことをしてしまって、自分がどんな目で見られるか理解しているのに。以前、美九を受け止めると言ってくれた琴里だって、きっと。

 ああ。信じる人。信じられる人を見つけてなお――――誘宵美九の醜い本質は、変わらないのだろうか。

 

「はぁぁぁ……♡ では私の誓いとして、皆さんにお返しのキスをしてあげます♡」

 

 けれど、美九の想いは本物だ。美九は彼女たちが大好きだから。

 アイドルが霞んでしまうくらいに輝く皆が大好きだから。

 

 もう一度、美九は信じたいのかもしれない――――心から、誰かを愛するということを。愛されるということを。

 

「絶・頂♡ きょかしまーす♡」

『ッ――――イクゥゥゥゥゥゥゥッ!!♡♡♡♡』

 

 ブシャッ! プシャアアアアアッ!! ドビュッ! ドビュルルルルッ!! ブビュウウウウウウッ!!

 秘部から潮吹きし、肉棒から射精。両性具有(ふたなり)の子たちは両方の衝撃に白目を剥きかけたアヘ顔まで披露。

 愛液を、ザーメンを全身に浴びながら――――どんな綺麗事を言っても、美九はこの光景を見たいだけなのだと悟った。

 

「美九ハーレム――――もとい、美九スレイヴ(・・・・・・)、始まりです♡ 大好きですよ、みなさん♡」 

『はひぃ、素敵な調教よろしくお願いします♡ 美九お姉さまぁ♡』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「お邪魔しま――――」

「うわぁぁぁぁぁぁぁんっ! マリアのばかあああああぁぁぁっ!」

「…………」

 

 リビングスペースに侵入一秒。家主の叫びに狂三の髪が後方に浮いた、気がした。

 

「……やあ、狂三」

「わたくしは先の挨拶の続きを〝す〟か〝した〟のどちらにするか迷っていますわ」

「……できれば前者であってほしいがね。いらっしゃい」

 

 なぜか家主ではない令音に歓迎(強制)させられ、彼女の隣に座って二亜を見やる。

 並んだ空き缶におつまみの類。真っ赤になった顔。というか、隠しきれない独特の匂いに狂三は顔を顰めた。

 

「淫蕩ですこと」

「これが飲まずにやってられるかっての! くるみん、おつまみ!!」

「はいはい、これでしょう?」

 

 これまたなぜか行きがけに買い物を頼まれ、そこそこ重い手荷物になっていたビニール袋を中心に置く。中身は二亜の言うおつまみ類が大半であり、見た目は少女の狂三が奇っ怪な目で見られたのは言うまでもなかった。

 

「なんであたしだけ仲間外れなのさぁ! マリアはマリアで子機も置いてかないで! マリアの薄情者! 家事上手! 生意気くらいしか悪口が浮かばない!」

「随分と、変われば変わるものですわね」

 

 狂三の知る範囲で、二亜とマリアの関係はこうなってはいなかったはずだ。少なくとも、マリアに置いていかれて酒に溺れて拗ねるようなことは……しなかった、と思う。狂三の知る二亜は酒浸りの一面が強く、保証はできなかったが。

 困惑を浮かべた狂三に、令音が酒の入ったグラスを傾け、物憂げな視線を向けながら言う。

 

「……関係というものは、いつだって変わるものだよ。――――君や『私』のように、ね」

「き、きひっ! きひひひひ!! そォですわねェ――――本当に、そう思いましてよ」

 

 凄惨な笑みが浮かぶ。憎悪が湧き上がる――――令音の薬指に輝くものを見て、ため息が下がる。

 

「……ご婚約おめでとうございます、と送らせていただきますわ」

「……ああ、すまな――――ううん、ありがとう、狂三」

 

 コツン。グラスとグラスを合わせ、笑みを浮かべる令音に鼻を鳴らしてそっぽを向く。このくらいの馴れ合いが、狂三の許容範囲だ。

 ……それとさり気なく令音の膝に置かれたウサギのパペットが目に入ったが、それは触れないで置いた。恐らく、事情が事情だけにお留守番なのだろう。

 

「それで、わたくしに二亜さんの晩酌の相手をしろと?」

「……ん、すまない。それと、晩酌だけでは済みそうにもないな」

「良い性格になられましたこと。先ほど二亜さんが仰っていましたけれど、マリアさんには複数の個体があるのではなくて?」

「……子機に影響が出る可能性を考慮に入れ、分離して独立した最低限の個体だけが〈フラクシナス〉で稼働中だ。……それも万が一を排したいと、二亜には近づけていないようだね」

「…………」

 

自分自身(フラクシナス)より二亜を優先しているマリアに、何を返せばいいかさしもの狂三と言えど迷いが先行した。

 もっとも、当の本人は不在で二亜はべろべろに酔っ払っている。狂三が気にすることではないのだろうと話題を切り替えた。

 

「しかし、面倒なことですわ。人の感情は刻一刻と揺れ動くもの……とはいえ、急変ですわね」

「……美九が特別というわけではないさ。こういう関係を築いた以上、誰にでもその可能性はある」

「美九さんが美少女好きということは、重要だと思いますけれど」

「…………」

 

 沈黙は肯定とする。まあ、起きてしまったことは仕方がないだろうと割り切りながら、狂三は冷たいお茶に口をつけた。

 

「わたくしをこうして扱き使う対価は、しっかり支払ってもらいますわ」

「……ん――――何なら、君も混ざるというのはどうかね?」

「は?」

 

 素っ頓狂な声を返して令音に顔を向ける。彼女は至極真面目、と言っていいのか飲んでいるにも関わらず酒の朱色が全くない顔で狂三を見返している。

 

「馬鹿にしていますの?」

「……いや。始原の精霊(・・・・・)が堕ちているくらいなのだから、最悪の精霊が混ざってもおかしくないだろう?」

 

 袂を分かったというのに、こういう時だけ精霊として振る舞う令音の感覚に――――本当に、そういうところはあの女と変わらないと皮肉を浮かべた。

 

「はっ――――わたくしを従えたいというのであれば、土下座でもさせてみることですわ」

 

 もちろん、絶対にしてやるつもりなどないのだけれど。

 

 

 






導入だって言ってるでしょおじいちゃん(2万8000文字)

美九が楽しそうで何よりです、な物語。かなりの大事になったのでくるみんまで出撃してます。オーバードーズだと物事をフォローしてくれるジョーカーカード。滅多に出ないですね。つまりそういう事態です。
二亜、令音が欠席なのは単純に年齢上枠なのと、今の二亜を士道以外にマリアが渡さんやろなぁと。アレは私が手塩をかけて調教してる。絶対渡さんという強い意志の管理ムーヴ。

正直書いてて死ぬほど楽しい。行き過ぎたところは美九が愛情や躊躇いムーヴでケアしてくれる。でもお下品羞恥責め……オリリンの恥ずかしがる反応とか滅多に見られないし楽しいんですよ。本当にめちゃくちゃ楽しい。
けど一気に長い話書きまくったので疲れて今は止まってたり。短編の方が反応沢山貰えて承認欲求がお邪魔をしてくる……まあモチベジェットコースターする人間なので大丈夫だとは思いますが、これだけ書いて反応薄かったら心が死んでさらに止まるかもしれません。勝手すぎない????

ということで感想、評価、お気に入りなどなど物凄くお待ちしております。この話を含めて5話完成で、残りは美九編敗北IFを含めて4話ほどを想定しています。ストックあるから大丈夫だと思うけど、あまりに手が進まなかったら更新感覚伸ばしてお休みくらいは考えます。人間そういう時はあるよねと言い聞かせ。

ではではまた次回〜


楽しい楽しい美九ハーレムの一日目。何だかんだでみんなイチャラブしたり美九のこと好きだったり、美九はみんな大好きだったり……あ、それは知ってますよね、はい。
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