※この作品はR-18です。

デート・ア・ライブ 令音アビス   作:いかじゅん

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推しは推せる時に推せを初めて実感して精神的虚無を味わう。大ダメージ。たす……けて……。

まあ私の個人的事情は置いといて、久しぶりの狂三スレイヴ。リクエスト回をどうぞー。






6話

「――――っは♡」

 

 身体が熱い。視線が熱い。狂三を取り巻く全てが、燃え盛るような熱を帯びていた。

 白磁の肌を寒空に晒して(・・・・・・)、それでも冷めやらぬ地獄。

 突き刺さる視線が痛い。

 

「おい、見ろよあれ……」

「うひょー。あんなの痴女だろ」

「く……っ♡」

 

 侮辱の言葉が、嫌味なほど鋭い聴覚を通して狂三を責め立てる。常ならば、狂三の力を知らない愚かな男に比喩されようと、かほどの痛みを感じることなどない。

 だが今、狂三はその視線と好奇、興奮の目から逃れた。片手で身体を隠し――――真隣(・・)から注がれる視線に、ハッとなって腕を下ろす。

 

「どうした、狂三? いつもの堂々としたおまえらしくないなぁ?」

「っ!!」

 

 誰がこうさせている。誰のせいだと思っているのか。反射的に睨みを効かせて士道を見やるも、(本能)を付け上がらせるだけだと正面を見て優雅に足を踏み出し、声を返す。

 

「そうですわね。わたくしらしく、ありませんでしたわ。申し訳ございません、士道さん」

「声、震えてるぜ」

「っ♡」

 

 言われずとも、そんなこと狂三が一番わかっている。掻き集めたプライドが羞恥に敵わず、声を震わせていることも。士道の指摘に、丸見えの(・・・・)淫紋が光り輝いて打ち震えていることも。

 あまりの恥辱に、狂三は衝動的に言葉を零す。

 

「これなら、いっそ纏わぬ方が気分が晴れるかもしれませんわね……っ!」

「お、やってやろうか? 俺は、全裸の狂三とデート(・・・・・・・・・)でも、楽しめるがな」

「はっ、謹んでお断りいたしますわ」

 

 吐き捨てて、額に浮かんだ玉のような汗を振り払う。

 裸体の方が、幾分かマシ。その想いは、正直なところ狂三の紛うことなき本心に近い。ならばいっそ、狂三が自信を持てるスタイル一つで誤魔化すことができるからだ。

 

「お……!」

「っ……煩わ、しい♡」

 

 また下賎な声が辺りから聞こえて、狂三は恥辱に奥歯を噛み締める。

 外を士道と練り歩く。夜の街並みは、明かりに照らされてロマンチックなものだ。士道に連れられて、となれば狂三の心には喜びが満ちることだろう。

 狂三が身に着ける衣装が、尽く羞恥を煽る極小のものでなければ、だが。

 

「焼きが回った、ものですわ……」

 

 時崎狂三ともあろう者が。己の美に確かなプライドを持つ少女が身に纏う服は、明らかに少年の隣には似つかわしくなかった。

 上着は一枚だけ(・・・・)。黄色のシャツ。それも、上も下も(・・・・)極端に短い。上は、僅かでもズラせば狂三の豊満な胸を乳首までさらけ出すことになる。動いただけで、下までズレてしまいそうだった。

 下も似たようなものだ。丈を極端に短くしたため、狂三の贅肉のない腹だけでなく、下腹部に刻まれた巨大な淫紋の全貌が衆人環視の中に暴かれている。

 下半身は、さらに酷いかもしれない。普段は膝下まで隠れる清楚なスカートを好む狂三が、初めて身に着けた衣服。

 濃艶、といえば聞こえはいい。しかし、狂三の股座に食い込むほど張り詰めたホットパンツは、もはや隠すという意味を喪失している。狂三が密かに自慢とする生尻を逆に強調し、歩けばプルプルと揺れる半ケツで雄を誘惑して回っているも同然だった。

 そんな様から察せられるが、トドメの下着はTバック(・・・・)。ホットパンツから紐が見えてしまっているそれも、狂三の秘部を隠すという意味はほぼ成してくれてはいなかった。

 

 ノーブラで薄い丈のシャツ。マイクロミニで半ケツを晒して、鼠径部とTバックの紐をチラチラと見え隠れすらさせるホットパンツ。オマケに、狂三の髪型を霊装展開時と同じ、左右非対称のツインテールに結い上げさせ、貌を少しであろうと隠させはしてくれない。

 裸の方がマシ、という言葉は決して間違っていない。今の狂三は、傍から見れば変態趣味。男に軽々しく身体を許す女。

 

「まるで――――雌犬(ビッチ)ですわね」

 

 言葉にしてしまえば、単純明快なものだった。淑女たる狂三に似つかわしくない、だが今の狂三の立場を鑑みれば仕方のない侮蔑の名だった。

 一瞬、周りの視線すら忘れ深い悲しみを感じた。こんなところで、こんな姿で、狂三は何をしているのか。本当なら、露出魔のような衣装で戯れている暇などないというのに。

 それでも、狂三は投げ出さなかった。投げ出せなかった。それをしてしまったら、この強く握った手の温もりを失ってしまうから。きっと彼は、いなくなってしまうから。

 それがこの瞬間の狂三の支えという意味なのか、五河士道という少年がという意味なのかは、熱で浮かされた思考では判断ができなかったのだけれど。

 

「ん……随分強く握ってくれてるな。そんなに、俺が恋しいのかい?」

「き、ひひひっ。ええ、ええ。その通りですわ。デート(・・・)、ですもの。しっかり、わたくしをエスコートしてくださいましね?」

「ああ、もちろん」

 

 手を強く握るという事実を、虚言で誤魔化して微笑む。その微笑みに羞恥の色が差し、歪んでしまっていることを見抜かれていようと、狂三は手を握り続ける。

 そうでなければ、嫌だった。狂三は決して、下劣な視線を送る蛆虫共に身体を許すような女ではないと証明したかったのかもしれない。

 

「おいおい……」

「何かの撮影か?」

「…………っ」

 

 だが、そうしていても現実は変わらない。街を歩く。歩き続ける。雌犬(ビッチ)の装束で、時崎狂三が。

 汗が滴り続けている。視線が、言葉が、裡から生まれる狂三の恥じらいの念が。

 やがてそれは玉のように落ち、シャツに染み込み、胸の先端(・・・・)に触れた。

 

「あっ♡」

 

 身体が跳ね、狂三の乳房がブルンと揺れた。楽しげな様子で、士道が声を発する。

 

「ん、何かあったか?」

「……い、いえ。なんでも、ありません……わ♡」

 

 気づいているはずだ。敢えて、そういう言い方をしている。

 火照り、汗に塗れた狂三の女体。その熱気は士道の鼻腔をくすぐり、狂三が雌になっていることを知らしめている。

 

「は、ぁ♡」

 

 薄手のシャツは、とっくに透けている(・・・・・)。狂三の敏感な肌は、玉の汗が触れただけで乳首を勃起させ、甘い吐息を強制的に引き出させた。

 ほんのり見える、などという軽々しいものではない。狂三の乳首は、シャツを突き抜けんばかりに勃っている。皮肉にも、それがぴっちりとしたシャツが落ちないための防波堤の役割を果たしていた。

 

「あ……は、ぅ♡」

 

 もっとも、その結果として狂三の性感帯は歩く度に刺激され、士道の隣で細やかな嬌声を上げることになるのだけれど。

 緩やかな足並みを、さらに留めてしまう絶え間のない快楽。士道が、そんな狂三の手を取り強引に一歩進めさせた。

 

「足、止まってるぜ」

「士道、さん♡ まっ――――あぎっ♡♡」

 

 甲高い悲鳴と共に士道の身体に狂三はもたれかかった。

 もつれた足。股間部を擦るショート過ぎる(・・・)パンツ。下着は、狂三の肌を守るどころか汗を吸い込み積極的にくい込んでくる。

 紐がくい込む刺激に、ショートパンツのザラザラとした生地が擦れ合う。そこで何が起こるのか。

 

「士道さんっ♡ 待って♡ 待って、くださいまし♡」

「んー? 何で感じてるか(・・・・・)、言ってくれないとわからないなぁ」

「ぐ……あぁ♡ ひぎっ♡♡」

 

 ズルズルと引きずられ、無理やり足を動かされてパンツが擦れる快感に狂三は思わず顔を跳ね上げた。

 この鬼畜人格、なんて言葉が脳裏を過ぎるが、それよりも先に狂三は懇願を口にせざるを得ない。そうしなければ、路上で絶頂してしまうかもしれなかった。

 

「い、陰核が、擦れて……♡」

「…………」

「な……っ!?♡♡」

 

 士道は止まらない。むしろ、より激しく狂三の下半身を動かさせて快感を鋭くさせる。

 どうして、という思考は一瞬。ああ、そうだった――――狂三(奴隷)に、高尚な言い方など必要ない。

 

「――――クリ、トリス♡ わたくしのクリトリスが♡ 服に擦れて感じてしまいますの♡ だから、少し止まって……っ♡♡」

 

 必死の懇願。涙を流し、生足に粘性の液を滴らせ、奴隷の身分に相応しい立ち振る舞いを。

 陰核。少女の女性器は、当然ながら士道の霊力による影響を著しく受けていた。敏感な肌と連動して剥けた陰核は屹立し、愛液を吸い細糸のようにくい込むTバックと荒く硬い生地のショートパンツに擦られ、歩くだけで狂三を腰砕けにさせる。

 全裸がマシ、という理由に付け加えるもう一つの事柄。それは、今の衣服が狂三を感じさせる玩具(・・)であるからに他ならない。

 

「ふーん、そうか。狂三は、俺の隣で歩いてるだけで乳首を勃起させて、クリトリスをパンツに擦れさせて感じる変態かー」

「〜〜〜〜っ♡︎︎ ――――そ、そうですわっ!♡ わたくしは、歩くだけで感じてしまう士道さんの愛玩奴隷ですわ♡ 奴隷の身分で厚かましい願いを口にして、申し訳ありませんっ♡♡」

 

 できるだけ、士道を悦ばせる恭順の言葉を並べ立てる。

 捨てられない恥じらいは、狂三が受け止める。士道の身体にしなだれかかり、ギュッと目を閉じて堪えた。

 心臓が痛いほど鳴る。時崎狂三という少女のプライドが、狂三を追い立てる罵詈雑言を発している。

 士道との契約の証――――奴隷の淫紋がよくやったと熱く燃え上がっていた。

 そうしてようやく、士道が満足気に足を止めて言葉をかけた。

 

「ああ、いいよ。狂三は俺のモノだからこそ、好きに発言していい。これは、俺とおまえのデートなんだからさ」

「っ……感謝、いたしますわ……」

 

 足を止めてもらい、最低のデートに感謝を述べる。尊厳を踏み躙られ、狂三が許しを乞う様を楽しまれる。

 プライドが削られていく。そんなもの、捨ててしまえばいいと。それでも、休息を勝ち取った狂三はほぅ、と安堵の息を吐いて――――直後、悲鳴を上げた。

 

「ひぁぁぁぁぁぁぁっ!?♡♡」

 

 不意を突かれ、鳴り響く雌の嬌声。狂三があまりに情けない喜悦の声を上げたことで、また士道の欲望が満たされたのかもしれない。

 乳首を抓り上げられた。されたことは、それだけだ。全力で勃起した狂三の敏感な乳首を、シャツ越しで士道の指が摘み上げた。本当に、それだけだった。

 

「いやっ♡ やめてっ!♡ ちくびっ♡ どうして、ですのぉ♡♡」

「だって、狂三が休んでる間、俺が暇になるからなぁ――――けど、それだけ元気なら、休息なんていらないんじゃないか?」

「ひぃっ♡」

 

 強く抓られ、薄布の繊維一つ一つが狂三の乳頭を包み込む、否、文字通り刺衝する。

 狂三の金切り声は、その快感だけではない。士道の言葉、士道の歪んだ瞳。それらが告げているからだ。

狂三(奴隷)に、選択権など存在しないと。

 

「……そ、そうですわね♡ お手を煩わせて、申し訳ありません、わっ♡」

 

 ピンッと指で胸の先端を弾かれ、声が上擦る。それでも、狂三の意地にかけて言い切り無理やり身体を起こした。

 起こしたと言っても、士道に頼らねば歩けはしない。精神と肉体、両方の選択権を士道に預け、狂三は歯を食いしばって立ち上がる。

 たとえ貌が快楽で歪み、唇から垂涎は零れ落ちようとも。進むしか道がないというのなら、そうするまでだと。

 

「いいって。それじゃ、行こうか」

「え、ぇ♡……問題、ありませんわ♡」

 

 そう、何も問題などない。狂三が士道の身体にしなだれかかり、士道が狂三の肩を抱くようにしながら勃起した胸の先端を絶え間なく弄んでいたとしても。

 狂三が士道の女だと、艶姿で証明していようと、それが今の狂三の役割なのだから。

 

「ひ、ぐっ♡ はひっ♡」

 

 しきりに乳首を責め立てられながら、街を歩く。幸か不幸か、もう狂三に周りの視線や声を察知する余裕などない。

 士道の身体に抱かれ、士道の指に犯され、膣を濡らす。乳首が上下左右に弄られる一秒間に身体を跳ね上げ、足を痙攣させる。士道の遊び道具、愛玩奴隷そのもの。

 

「はぅっ♡ ふ……ぁ?♡」

 

 しかし、不意に指の快感が消える。終わり――――などではないと、下半身に現れた士道の手が告げていた。

 ショートパンツの裏側。大半を露出しているだけでなく、寧ろサイズに合わない分で締め付けられより大きく見える狂三の桃尻。その巨尻を士道が手で掴み上げた。

 

「ひゃぁっ!?♡♡」

「お、可愛い悲鳴だな」

「っ、誰の、せいだと……あっ♡」

 

 キッと士道を見上げるが、生尻を揉みしだかれてすぐに眉根が下がりトロンと彼に熱の目を見せてしまう。

 紅の瞳も、精霊の証である金色の時計も、今は士道という主に媚を売る道具でしかなかった。

 

「はぁっ♡ あぁぁぁぁぁ……っ♡♡」

「人がこんな往来する場所で、こんなエロいケツ丸出しにして恥ずかしくないのか? 狂三のデカケツ、汗でしっとりしてて触り心地が最高だ」

「お、大きくなど、ありませんわ♡ これが、普通ですわっ!♡♡」

 

 形も張りも整っていると自負がある。狂三は自身のプロポーションに自信がある故に、士道の比喩を聞き逃せなかった。

 尻を揉みほぐされ、感じながら言うことではない。だが、その程度の反論しか狂三には許されていない。正確には、してまえばそれ以上のこと(・・・・・・・)が待っていると知っていた。

 

「はは、ごめんごめん。――――実際に、大きくしても俺は構わないんだけどな」

 

 生尻を揉みしだく手のひらにグッと力を込め、未来を示した士道に狂三は頬を引きつらせながら、思わず足を止めて彼を見上げ叫びを上げる。

 

「ひっ♡ い、いやですわっ!♡ これ以上、わたくしの身体に何を……っ!♡♡」

 

 以前のふたなり化は、狂三に大きな精神的苦痛をもたらしている。いくら士道のためとはいえ、好き好んで狂三の女体を弄ばれるのは恐ろしい。

 全身が想像だけで震える。もし狂三の胸が、尻が、士道の手で変えられてしまったら……どんな戦場でも超然と立ち振る舞っていたはずの狂三の身体が、それだけで身震いを起こしてしまっていた。

 

「あはは! 冗談だよ、冗談。今は(・・)、な。けど……」

 

 不穏な言葉を滲ませながら、士道の手つきが変わる。ショートパンツがほぼ唯一と言っていい、本来の役割を果たして隠す縦の隙間。

 見え隠れしていた紐が汗でくい込んでいるそこに、士道は無理やり指を捩じ込み侵入させる。

 

「ひぃっ!?♡ しどう、さんっ!♡♡ だめっ♡ だめですわっ♡♡」

「何がダメなんだ? ――――ここ(・・)が、か?」

 

 拒絶など意味をなさない。汗で蒸れたお尻の隙間。指が押し通り、突き立てられる。

 つぷっ、と異物が入り込む感覚に、遂に狂三は脇目も振らず士道に訴えかけた。

 

「やめてくださいましっ!♡ わたくしの……っ――――アナル(・・・)、に♡ 指、挿れないで……♡♡」

 

 狂三の菊門をこじ開けようとする指。まだそこは、狂三にとっても未知のモノ。このような人の目がある往来で、間違っても広げてはいけない穴。

 恥を押して士道が悦ぶ名称を口にしてまで、狂三は留めなければいけなかった。その事実が惨めで、目尻に大粒の涙が浮かんだ。

 それでも、士道は責めの手を緩めない。入るか入らないか、瀬戸際で指を立てながら声を発する。

 

「んー、そうだなぁ……この穴、狂三はどうしたい? 俺はいつでもぽっかり開いて、何か挿れてないとダメなケツマンコに調教してもいいんだけどさ」

「ひっ!?♡ いやですわ♡ や、やめて――――やだぁ!♡♡」

 

 懇願、嘆願の類ではなく、拒絶。少女の矜恃とプライドが最後の防衛としてもたらした言葉。

 群衆の下衆な視線と声。自らの下品な装い。少女として少年に見せたくないモノ。何より、そんなことを士道にさせてしまっている悲しさ。

 常ならば、士道は存分にそれを楽しむことだろう。だが――――狂三が無意識に流してしまった涙が、士道の手を奇跡的に止めた。

 

「……それは、ちょっとズルいだろ」

「へ……? ――――んんっ!?♡♡」

 

 腰を抱かれ、強引に唇が割られた。目を見開く狂三と、先までの鬼畜的な笑みではない、情熱的な笑みと目を見せた士道。

 キスされている。思考が追いついた時には、そのキスはベロを絡めた淫靡なものへと変質していた。

 

「ちゅ、ちゅるっ♡ ふぁ♡……ひ、ぁ♡ ちゅっ♡♡ ん、んむっ!♡♡」

 

 激しい。ひたすらに、苛烈。士道の感情の昂りを示すかのように、逃れようとすれば逆に絡み付くようなディープな口付け。

 乳首を弄られるより、お尻を揉みしだかれるより、狂三には一番効果があった。あっという間に取り繕っていた貌は蕩けて、足腰が砕け士道に腰を抱いてもらわなければ立っていられない。

 そこまで責められ、狂三はようやく士道の唇から解放された。長く太い唾液の糸が、二人を固く結びつける。

 

「ん……狂三は、それを自分の意志で武器にできないから(・・・・・・)厄介なんだよなぁ」

「は、ぇ?♡ なんの、ことですのぉ……♡」

「なんでもない。ま、だから狂三を抱くのは止められない、って話さ。――――こっちだ」

「あぅ♡」

 

 足腰が使い物にならない中、士道が道を逸らして狂三を連れ込む。

 裏路地。人気という人気が消えた、二人きりの空間。

 以前までの狂三であれば、人を『喰らう』絶好の場所。しかし今の狂三には、逆に士道に『喰われる』ためにある場所としか考えられない。

 

「ほら、狂三」

「は、ひ……?♡」

 

 その証拠に、士道はそれを見せびらかしてきた――――硬く反り返り、狂三の肌にその性臭を絡み付かせる陰部(ペニス)を。

 

「あっ♡」

 

 恥じらいではなく、路地裏とはいえ外でそれを見せつける士道への侮蔑でもなく、狂三は淫らな声で応えた。

 狂三の艶姿を見て勃起した肉棒。狂三のよがり声を聞き汁を滴らせる亀頭。膣で呑み込めば、狂三のGスポットを抉り中イキを促す立派なくびれを見せるカリ首。

 どれも素晴らしい(・・・・・)。狂三の瞳に妖しい気配を纏わせ、淫紋の一部を映したような卑猥な光がぼんやりと視界に映り込む。

 狂三がそうして魅了されている間に、士道は腰を近づけていき……大胆に露出した狂三の淫紋の中心に、その肉棒を押し付けた。

 

「お゛っ♡♡」

 

 濁りのある声音と、ビクッと大きく跳ねる身体。しかし、退くことはしない。寧ろ、押し付けられたそれを受け入れた。

 

「お、おっ♡ おほっ♡ きひっ♡♡」

 

 ぐちゅ、ぐちゃ、と淫紋にカウパーを塗りたくり、淡い光を放つ印の所有権をさらに主張する。

 視界が染まる。淫らに染まる。士道だけを視るための快楽器官に変えられてしまう。

 押し込まれ、押し込む。淫紋の中心、その裡にある膣の突出した部位を外側から刺激される。だが、今の狂三には一番の快楽だったのかもしれない。

 

「お――――おほぉぉぉぉぉぉぉっ!♡♡」

 

 ――――ぶしゃっ! ぶしゃああああっ!

 

 下品な嬌声。士道のためのよがり声。路地裏に響かせて、狂三は亀頭でポルチオを押し込まれ絶頂した。

 びちゃびちゃっ、と地面に愛液がぶちまけられ、受け止めたショートパンツが上気した空気を発するするほどべちゃべちゃに濡れる。耐え忍んだ分、本気の絶頂は凄まじい快楽をもたらし――――狂三の理性は呑み込まれ、士道しか見えない瞳へと変える。

 

「あっ♡ はひっ♡ あぁんっ♡ 士道さん♡ 士道さんっ♡♡」

「ん、狂三、おまえのその目――――おお、普段の目が色違いで綺麗な分、その上にハート(・・・)ができるとマジでエロいな」

「ふぇ……?♡♡」

 

 狂三の双眸をじっと見つめながら、士道が興奮し切った様子で呟いていた。狂三は不思議に思い首を傾げたが、士道が悦んでいるのなら構わないと彼の身体に飛びつく。

 胸を押し付けながらシャツの上から勃つ乳首を擦れさせ、愛液で濡れたショートパンツを彼の足に入れ込み、陰核を擦れさせ快感を求める。反り返った肉棒は贅肉のないお腹で上下させ奉仕する。

 士道のための雌犬(ビッチ)衣装を存分に活かし、彼のため、自身の艶姿で奉仕しながら狂三は言葉を並べ立てた。

 

「士道さんっ!♡ 士道さんのおちんちん♡ 早くお恵みくださいまし♡ あなたの奴隷は、もう待ちきれませんわぁ♡ わたくしの子宮に、士道さんのザーメンぶち込んでくださいましぃ♡♡」

「ああ。ここまで頑張った俺の奴隷に、たっぷりくれてやるよ。もう余計な目(・・・・)も必要ないし――――二人きりで、楽しもう」

「っっっっ!♡♡」

 

 その言葉だけで、淫紋が激しく光の強弱を繰り返し、狂三を絶頂させる。

 もう何も恐れることはない。ただ士道(ご主人様)からご褒美をもらうため、彼の腕に寄り添い、恐れ多くも狂三の腕を組ませてもらいながら――――二人は、夜の街に消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「………………ん、ん」

 

 数時間ぶりに喉が言葉らしい言葉を吐き出し、琴里は背もたれに身体を預け視線を天井へと上げる。

 何もない。素っ気ない光景。だからこそ、心が落ち着いてきた。指で目を揉んでいると、どこからともなく声が響いた。

 

『お疲れなら、休息を取っても構いませんよ』

「あなた一人に任せるわけにはいかないでしょ、マリア」

 

 気遣いはありがたいが、これも今は琴里の仕事。

 二人が場所を夜の(・・)ホテルに移したといっても、そこから変化があれば琴里が動く必要があるかもしれないのだから。

 監視用の個室に半ば軟禁のような琴里に、マリアは平坦な声音で言葉を返してくる。

 

『そうですか。……私は、琴里が二人の情事を餌に自慰行為に及んだとしても、何も見ていないとお答えしますが』

「誰がするかっ! するわけないでしょ!」

 

 肘掛けをへし折る勢いで拳を叩き付け、失礼極まるAIに叫び返す。

 どこの世界に兄の情事をオカズにオナニーする妹がいるというのか。琴里はそこまで性癖がねじ曲がっている少女ではないし、そのつもりも――――今は(・・)、感じられない。

 

『ええ、安心しました。どうやら、琴里の思考は正常(・・)のようですね』

「っ……」

 

 優しげな声音。もはや人と変わらぬそれに、琴里は眉根を下げて息を呑んだ。

 琴里が二人を見て、何を考えてしまったか。それが見通されているような気がして、琴里は話題を逸らすような言葉を紡ぐ。

 

「……それより、本当に大丈夫なのよね?」

『はい。こちらを』

 

 言葉を短く、マリアがサブモニタにデータを表記させる。

 俯瞰的な映像。地図のように広げられたその中、ある一定の範囲内のみに特殊な反応を示す音波(・・)が探知されたものだ。

 それは一度、似たものを体験し洗浄(・・)された琴里であれば理解が及ぶもの。だが、感情としては不可解極まりないものであると眉をひそめた。

 

「〈破軍歌姫(ガブリエル)〉の〝声〟。一定の範囲内に暗示(・・)をもたらすものね。それを超音波のように随時発信して、人の記憶と思考を書き換えてる」

『ご明察です。士道と狂三の活動範囲に拡散した超音波は、領域外、或いは音波の途切れを鍵に、どちらであろうと二人を見たという脳の記憶を抹消(・・)する。そのためだけに、士道は周辺に細工を施していました』

「ASTに察知される可能性は?」

『まず、ないでしょう。今の士道が発する霊力波は、我々でさえ直に分析したデータがなければ探知が難しい。極小の音波ともなれば、ASTの観測機器では不可能の領域です』

 

 結果、あの場に士道と狂三がいたという証拠は何一つ残らず、〈ラタトスク〉が手を下すこともなく事態は収束する。

 そう、と言葉を返し吐息を零す。琴里は、変わってしまった兄の思考に渋面を作った。

 

「なんで、そんなことを……人目で狂三を辱めるなら、わざわざこんなことをする必要があるの?」

『あるのでしょう。少なくとも、今の士道には。時崎狂三を己が手に収め、彼女の尊厳を辱めた姿を見たい。同時に――――それを見る男は、自分だけでいい』

 

 独善、自己中心的な支配欲求。狂三を人目で追い詰めながら、その目から狂三を見たという現実を奪い去る。

 矛盾を紐解いていけば、士道の思考は単純明快。時崎狂三という超然と輝く令嬢を、自分だけの奴隷にしたい。毅然としプライドが高い狂三の、様々な恥辱を見てみたい――――辱めて、堕とす。

 それだけのこと。雄としての本能。気づけば、皮膚を貫きそうなほど拳を固めていた琴里は、どうにもならない現実を嘆くように声を発していた。

 

「そんなのって……士道が、何をしたって言うのよ……」

 

 あの日、怪物になった琴里を救い、精霊たちを救い、絶望に立ち向かった士道。

 優しい。誰よりも優しい兄に、こんなことをさせてしまっている絶望。希望を灯してきた少年が辿り着くものとして、あまりに残酷すぎる現実だった。

 

『――――士道だから、こうなってしまったのでしょう』

 

 そして、マリアの冷静な、だが悲しげな声音が心に沈む。

 

『五河士道は勇敢です。誰よりも強く、優しい勇気を持っています。理不尽に屈することなく、理不尽に囚われた精霊たちを救う。故に士道は、精霊に対して並々ならぬ情を抱いていることがわかります。――――それら全てが暴走によって、一つの方向へと結び付くとすれば』

「――――支配欲」

 

 彼の善性の全て。士道を構成する欲望を借り受け、その性的欲求は完成してしまった。

 首肯の代わりに、マリアの吐息が聞こえた。琴里と同じ、涙を流している(・・・・・・・)啜るような吐息だった、気がした。

 

『……無論、支配欲だけとは限りません。ですが、精霊を救いたいと士道が強く願っていたからこそ、精霊に対して凄まじい支配欲を持つに至る。唯一、救うことができなかった(・・・・・・・・・・・)狂三に対しては……』

「いつか必ずと願っていたから――――欲望は、あの子を選んでしまった」

 

 どうしようもなく、誰のせいでもなく、そうなる運命だったというのだろうか。

 士道が精霊を救いたい、そう願うことが間違いだったのか。そんなはずはない。彼がいなければ、数々の精霊たちは今もなお理不尽な目にあっていた。

 だが、そのために士道が、そして狂三がこのような目に遭うことは正しいのか。

 

「――――っ!!」

 

 そんなはずがあるものか。それは決して、当価値であってはならないはずなのだ。

 歯軋りの音が部屋に響く。条理に反した不条理に、琴里の中の焔が怒り狂う。

 見ていることしか出来ない。精神をすり減らし、押し付けられた欲望を満たすことでしか生きられない二人を。

 なんのための〈ラタトスク〉なのか。琴里はなんのために、この司令官という地位にいるのか。責任と使命感があるのならば、せめて――――――

 

『いけませんよ、琴里』

 

咎める(・・・)声音。琴里を留めるマリアの声。

 

『あの欲望は精霊を狂わせる。士道の抗いか、或いは狂三の何かを成し遂げる(・・・・・・・・)と誓った凄まじい精神力かもしれません。ですが、それらがどう配分されているか未知数な以上、それ(・・)は推奨しかねます』

「だったら……っ! だったら――――――ッ!」

 

 椅子を蹴り倒して、手を叩き付ける。そんなことをしても、何にもならないと知りながら。

 あまりにも無力な姿で、琴里は目に映るものを――――――士道と狂三が欲に呑まれていく様を、見届けるしかなかった。

 

「どうしろっていうのよ……おにーちゃん……狂三……っ」

 

 大粒の涙が手の甲に落ちた。なんの意味もない――――誰を止められない涙ほど、虚しいものなどない。

 

 

 







狂三を辱める趣味はあるけど人に見せて喜ぶ趣味はない。なら見たやつの記憶消せばいいよね!狂ってやがる……。
そして不穏なフラグが立ちました。狂三スレイヴ専用バットルートフラグその一。嘘か本当はご自由に想像ください。きひひ。

ハート目の演出は初めてしたのですが、どうでしたでしょうか。試験的でしたが目に関することだし狂三だけのお気に入りにしたくなるうーんこの。素敵じゃないですか、ハート目。
普段、きっちりとした着こなしで肌を隠した淑女スタイルだからこそ、こういう衣装はとびっきりのエロスがある。いやまあリクエスト回なので私は偉そうにできませんけれど。感謝感激という感じです。

その想いが強ければ強いからこそ、反転する。今一度スレイヴ時空の士道くんの非情さを固めておきました。精霊のため、自身の願いのためにどこまでも突き進んでいけるからこそ……反転というより、元の想いをそのままにした同一変換ですかね。令音に対してのものが彼女に対する色欲からの、従順な令音への支配欲。狂三の場合は合意がなかった陵辱、彼女を変え続ける罪悪感を背負いながら、精霊に対する欲求の暴走。ええ、ノリで考えてます、マジですいません。
情が強すぎるあまり、暴走した霊力がありえないほどに微かな欲望を肥大化させてしまう。幸せでいて欲しい。だから、自分のモノにしてしまいたい。歪に想いを捻じ曲げられた少年の苦悩。秘めたる想いが届くことはなく、すり減っていく少女の心と体。さて、見守る司令官は耐えられるのでしょうか。

感想、評価、リクエストなどなどお待ちしておりますー。今メンタルメンヘラ期なので感想と高評価は良く効きます。まあ効かない時ないですけど。気軽に置いていってください。

ではではまた次回〜

オーバードーズに戻り、オリリン回となります。前編後編で、オリリンのとある一日をお届けです。平和をエンジョイする折紙さんをご覧あれ。

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