そんな感じのリクエスト回。何と言うか、エロいのってどうやって書いてましたかね、私。
「掃除の時間だー!」
大変元気がよろしい叫びを上げたのは、絶賛家が(酔いも悪いも含めて)漫画屋敷となっている駄目人間兼プロ漫画家兼本条二亜先生である。
「ねぇねぇ。駄目なのが一番最初に来た気がするんだけど、あたしの気のせい?」
「さあ、なんのことやら」
「本当に何の話してるわけ……?」
「これが噂に名高いテレパシー……くく、やるではないか二人とも」
冷静なツッコミを入れたのが万能マルチタレントと名高い七罪。もう一人、あまり直視をしたくない気取った口調を使うが、どこか惹かれてしまういけない黒い歴史を醸し出す耶倶矢である。
そして狂三を含めた四人が屯するは漫画山の二亜マンション……ではなく、士道の私室である。
「それで、どういう風の吹き回しですの。士道さんの部屋を掃除などと」
「いやー、少年にはいつもお世話になっておりますからしてー。あたしも何かお役に立てればとー」
「本音は?」
「何か面白いもの見つかるかなって」
「隠そうともしてない」
「まあ、二亜らしいがな」
全くもってその通りだと、他二名の呆れた声に狂三は同意の息を吐いた。
「まーまー、実際お世話にはなってるからさ。珍しく暇になったのもあって手伝ってもらったなっつん拉致ってここまで来たってわけよ」
「暇となることが叶ったのは七罪さんがバイトとして入ることができたからであって、普通であれば修羅場でしたのでしょう?」
「くるみん。正論は時として人を傷つけるんだよ」
「あら、あら。正論は人を論して正すためにも使われますのよ」
「ああ言えばこういう……」
「この二人は典型例と言えるやもしれぬな……」
失敬な、二亜と一緒にしないで欲しいと狂三はため息を吐いた。さり気なく狂三の中での二亜のカーストが低く見積もられていることがわかる感情だった。
「というか、耶倶矢さんはどの繋がりからですの?」
「呵呵、何やら祭りの気配を感じ取ってな。我が風で荒らしてくれようと思った迄よ!」
「本音は?」
「……だ、男子の部屋って、ちょっと気になるじゃん?」
指をつんつんとして、何とも可愛らしい答えが返ってきた。夕弦もそうだが、案外耳年増な一面が耶倶矢にもあるのだろう。
そして狂三は、ニコリと笑って声を発した。
「最後に……どうしてわたくしも巻き込まれていますの?」
「やー、家主か家族に許可取るのが礼儀かなーって思ったけど、少年と妹ちゃんとムックちんが揃って一緒に出かけてるもんだからさー。くるみんならいいかなーって」
「その理由が一番荒っぽいですわ」
なぜ家族の琴里、六喰と来て代案が狂三となるのか。まあ、最近では一番士道の部屋に招かれる率が高い――勝手に入るような面子を除き――狂三であるため、理には叶っているように見えるのが厄介なところであった。
「……まあいいでしょう。含みがあるにせよ、二亜さんもやり方は弁えていらっしゃるのでしょう?」
「まあまあ、すっかり家主の振る舞いですわ?」
「もうお嫁さん気分とは、全く誰に似た卑しいお方なのかしら」
「…………」
ダン! ……と足を踏んでやりたい気分ではあったが、士道の部屋であるということと三人の目があることを配慮し、トンっと足の先で影を呼び出し無言で呑み込ませておいた。
『あーれー、ですわー』
「……苦労、してるわね」
「近頃は特に騒がしく、お見苦しいところをお見せいたしましたわ」
絶妙な表情で同情してくれる七罪。何だかちょっと尊敬の眼差しのような視線を向けてくる耶倶矢。
というわけで、一部屋の作業に四人は多いのではないかと思えてならない掃除の始まりである。
「てか、掃除に私の手が加えられるとか逆に汚れるわよ。汚物よ、汚物が付着するわ。業者を呼んで対応してもらってようやくな案件になるわよ!?」
「急に思い出したかのように発狂しないでくださいまし……」
「よし、家探しだ!」
「二亜さん?」
むしろ、それが本命なのではないかと思えるほどの切り替えの速さである。一貫性という意味では、ある意味耶倶矢が一番安定しているようにさえ思えた。
「えー、だって少年ってば几帳面なんだもーん。勝手に物動かしたりするわけにもいかないし、なら秘密にしてるのとか探した方が建設的じゃん? ほら、〈
良識のあるなしと微妙に気を遣う自虐ネタを混ぜ合わせるのはやめてほしいものなのだが。
「はぁ……そういうことでしたら、確かこの戸棚に」
「あんの!?」
「か、呵呵。士道も男ということよ……」
「士道さん秘伝のお料理レシピが」
「ずこー!」
狂三は人生で『ずこー!』と叫びながらコケる人間を初めて観察した。実に興味深く、二秒あれば記憶から消してしまうような光景だったが。
「まあ、あの方も苦労なさっているということですわ。皆様に飽きさせない献立を考えるのも楽ではありませんもの」
「うわ、細か……」
「こういうとこ、士道らしいわね……」
「さすが少年。リアル主夫なだけあるわー」
とまぁ士道の主夫力を再確認したところで料理レシピ本を元の位置に戻し、掃除再開。
「む、これは……禁忌の領域にある本の感触、まさか……っ!」
「でかした!」
……したところで、耶倶矢がベッドの下からとあるものを掘り出した。二亜は鳴っているようでカス鳴りのフィンガースナップを行いノリノリで駆けつけた。狂三はため息を吐き七罪は同情した。
「く、くく。我が従僕とあろうものが、このような
「さてさて、少年の趣味は何かな何かなー?」
青少年のベッドの下。典型的な隠し場所。見つけてください、と言わんばかりの本に耶倶矢が隠し切れない興味を持ち、二亜が隠す気もない興味を抱いて閲覧した。
「む?」
「あれ?」
が、ベッド下の本を見つけ出した二人は揃って首を傾げて唸った。
「……え、なに? 士道ってそんなヤバい趣味してるの?」
「…………」
その趣味がどのような意味を指すかにもよるが、七罪の引き気味な言葉を狂三は存外否定することができなかった。それが当事者であるから、というのは言うまでもないことである。
ただ、そういうわけでは――二亜はともかく耶倶矢はもう少しわかりやすい反応を返す――ない雰囲気と、開かれた本の表紙に狂三と七罪まで目を丸くすることになった。
「その雑誌は……」
「……猫特集?」
そう。士道が机の下に隠し持っていたのは青少年が持ち得るような雑誌でも、危険度の高い趣味の本でもなく――――純然たる猫の写真集だったのである。
そもそもと、その手の本を士道が
『…………』
「なんですの、その目は」
そして、一斉に狂三へと視線が向いた。それが当然とでもいう連携に狂三は呆れの視線を返して手を叩く。
「はいはい、掃除に戻りますわよ。士道さんが猫を好んでいても不思議ではありませんでしょう?」
「まあ……」
「そう……」
「かなぁ……?」
「ふ・し・ぎ・で・は・あ・り・ま・せ・ん・わ!」
人間的な思考の持ち主であれば、大概は愛玩動物として愛でる対象がある。それが誰であるか何であるかは人それぞれだが、士道がそういった嗜好を持っていたとしても何ら不思議ではない。
だというのに、七罪、耶倶矢、二亜の三人はまるで狂三が原因であるかのように視線を向けてきたのだ。まったく失礼にも程があると、念入りに関係がないことを押して掃除を再開したのだが。
「あ、猫じゃらし」
「……士道さんも猫と戯れたくなる時がありますのよ」
「マタタビ」
「そもそもどこから見つけてきましたの?」
「猫の手。しかも着けるやつ」
「………………」
誤魔化すには、少しばかり証拠物件が多すぎた。
「うん、まあ……可愛いもんじゃない?」
「に、似合っておるぞ。恐らくは」
「少年って猫フェチだったんだねー」
「まだ何も言っていませんわよ!!」
「じゃあこれ使ってないの?」
「……………………………………まだコスプレまでですわ」
他はさしもの狂三と言えど身に覚えがないものだ。が、猫の手に関しては非常に身に覚えがあり、二亜の追求に頭を抱えて答えを吐き出してしまった。
「まだ」
「まだ」
「……まだ」
「はっ倒しますわよ? 七罪さんも躊躇ったのなら呑み込んでほしいものですわ」
二亜は〝にやぁ〟とか〝ニチャァ〟という表現が似合う笑みで、耶倶矢は興味津々、七罪は七罪で申し訳ないが
顔に熱が溜まっていることは自覚しているし、隠し切れていないこともまた己が察している。半年前の狂三に言わせれば反吐が出るような甘さも、それこそこの半年間で幾度となく繰り返した問答だ。
今更、狂三が憎まれ口を使ったところであまり思い出したいとは思えない
「仮に、万が一、もしそんなありえない想定があったとして……わたくしの影響で士道さんが猫好きになったところで、わたくしに何の関係があると仰いますの?」
「もう答え言っちゃってるし!」
「むしろ狂三にしか関係ないでしょ」
「てか、仮に、万が一、もしありえない想定として少年がくるみん以外の影響で猫好きになってたらどうするの?」
「殺しますわ」
『…………』
「……いつもの冗談ですわよ。そのような顔をなさらないでくださいまし」
ちょっとしたくるみんジョークのつもりだったのだが、狂三の目的で士道の霊力を奪う、と比喩的に表現した際より凄い顔をされた。
色々な意味で複雑な思いを抱く狂三に、耶倶矢が苦笑混じりに言葉を返した。
「何度も言うけど、狂三の冗談ってマジな時とそうじゃない時の差が激しいっていうか……」
「『わたくしはいつだって本気ですわ』とか言い出しそう?」
「そうそう……とか思ってないし!」
軟化したとはいえ、いつも通り狂三がどう思われているのかよくわかる耶倶矢と二亜の
「さて、さて……」
猫雑誌に猫グッズ。これが単純な趣味だというのなら、狂三には関わりがないことだ。今の狂三は士道の奴隷であって恋人や家族などではないのだから。
が、それは単純な趣味であればの話、だ。最近は(裏ではともかく)それなりに良識が(初めの頃に比べて)ある欲求不満。この猫関係の資料、グッズが無自覚に溜め込んだ欲望であるならば――――結局のところ、矛先は狂三へと向かうだけ、という結論に達する。
「…………」
ここで狂三が熟考したのは
放置、という選択肢はありえない。かといって狂三から誘うこともプライドが邪魔をする。だからといってありえない選択肢を受け入れた先に待つのは、その邪魔をするプライドが自ら誘う以上の辱めを以て叩き折られること。
――――半分詰んでいますわねぇ。と、回るだけで解決策を見い出せない頭を抱えた狂三は、
「あ」
「えっ」
折衷案を導き出せる最善の相手が目の前にいることを思い出した。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「は?」
帰宅し、さてさて今日の夕飯は何にしようかな、と余裕ができた心で自室の扉を開け閉めした士道は、目を疑いながら自身の耳まで疑うような素っ頓狂な声を上げた。
「にゃあ」
「…………………………」
猫がいた――――ここで、狂三? と思わず聞かなかった自分を士道は大いに褒め称え、よくやったと言いたい。ここ最近の士道は、以前に比べて自己肯定感が増していると言い換えてもいい。
閑話休題。猫がいた。猫というには大型で、人間にしても小柄。しかし左右非対称の野干玉と同化した猫の耳。いつぞや見覚えしかないキャミソールの腰部からフリフリと流れるは、士道が着けるような紛い物の尻尾ではなく、さながら黒曜石が滑らかな毛並みとなった一本の尻尾。
人間と猫の良いところ取り……とでも言うのだろうか。そんな子が、明らかに人為的につけられたであろうクーラーの効いた部屋で、地面に寝転がってくつろいでいる。そして前足(左手)をぺろりと舐め、一言。
「にゃあ」
――――一言?
ここに至り、士道の脳裏には二つの存在があった。折紙で言うところの天使と悪魔。士道の場合は本能と理性である。
(よし、にゃんにゃんしようぜ)
(俺の声と俺の顔でおかしなこと言うのやめてくれねぇ?)
何の悪夢だ、という脳内会議が開始。それは熟考を刹那の思考で行える狂三に匹敵するものだった……のかもしれない。
(据え膳食わぬは男の恥。いけ、食え。あのエロ猫を食っちまえ)
(他に言い方があるだろ!! おまえはそれでしかものを考えられねぇのかよ!?)
(じゃあおまえはあの狂三に何も感じないのかよ)
(可愛いに決まってるだろ!? 狂三と猫の調和、マリアージュ!!)
(……おまえも大概じゃないか?)
(と、とにかくいきなりは無しだ! 三回目までがっつくのは、その……)
(今さら男の体裁取り繕ったところでなぁ。諦め切れてないじゃねぇか)
(誰のせいでこうなってると思ってんだよ!!)
――――という会話が本当に行われたのかはさておき、士道の熟考という名の刹那の逡巡は終わりを告げた。
そして士道が取った行動とは、
「……よっこいしょ」
現状維持――――まさかの見て見ぬふり、である。
「…………」
「…………」
ベッドに腰をかけ、猫みん(狂三)と見つめ合う。というよりは睨み合う。何も存在を無視しているのではないとアピールし、彼女に恥をかかせないことに尽力する。
そう、狂三にはプライドがある。猫好きを隠したがる彼女が、半猫の姿をして士道の部屋にいる。
「おっと、こんなところに偶然買った猫じゃらしがー」
「…………」
半猫化した狂三に、士道が何となしに目に入れて買ってしまった猫じゃらし。これは使うしかないシチュエーションだろう。
他意はない。その時、頭に思い浮かべた人が誰かを言えるわけではないが、決して他意はないことなのだ。何だか猫みんが冷たいジト目で士道を見つめている気がするが、そういう位が高そうなところもたまらない。
「ほーら、猫じゃらしだぞー、猫みーん」
「……………………にゃあ」
――――仕方ない方ですわねぇ。
実際に言ったわけではないが、そんな言葉が聞こえた気がした鳴き声だった。鳴き声というより、ため息に近かったかもしれない。
尻尾をフリフリ、四足ぺたぺた。なまじ猫の仕草が完璧だからこそ、時崎狂三という少女の容姿が脳をおかしくさせるようだ。
「大体、何ですの猫みんとは」
「猫の狂三だから、猫みん。というか急に喋るとびっくりするんだが」
「にゃあ、にゃあ」
「……くっ」
一瞬前までジト目のツッコミをしていたというのに、てしっ、てしっ、と猫じゃらしを手で叩いて良い笑顔を見せる猫みんに素直に誤魔化されてしまいそうだった。
「にゃんっ」
「おおっと……」
と、じゃれていた猫みん……まあこの際、狂三で構わないのだろう。彼女は唐突にベッドの上に乗り込むと、士道の膝上で転がり始めた。
「っ……」
「にゃーお」
何を言っているのかは、相変わらずわからない。が、膝上で身体を伸ばしてリラックスをしているということは理解できる――――何度でも言うが、根本には狂三の
毛並みの代わりに艶やかな肌が、胸が。猫声は舐めるように脳髄へと浸透する。
「……ひゃうっ♡」
まずは、尻尾。可愛らしい
「反応は猫なのに、声は狂三ってのもなかなか味があるな」
「……趣味が、悪い……です、わっ♡」
「悪くなったんだよ――――なあ、
最悪の精霊を相手にして趣味が悪くなる、というのも必然であろうか。それとも、士道が根元に持ってしまっていた性質への言い訳だろうか。
どちらにせよ、士道の手は止まらない。寝転がった狂三の表情が、過敏な感覚から成る反応が
或いは彼女を目にした瞬間から入っていたスイッチが士道を動かす。尻尾の次は、耳。
「ん、にゃ……っ♡」
「毛並みが綺麗だ。本物の猫耳……」
「な、中はやめてください、まし♡」
「さすがに俺でもわかってるって」
少しやりたくなってしまった、という本音は苦笑と共に伏せて置く。狂三の驚いた反応を見れないのは残念だが、機嫌を損ねてしまっては楽しむものも楽しめない。
「さて……」
猫娘の変化は、今士道が触れた耳と尻尾が主だ。しかし、狂三の〝変身〟を手伝ったものが彼女だとするならば、外見以上に拘っている可能性――――一息に狙いを決めた士道は、狂三を優しくぽんっと叩いた。
「ふにゃっ♡」
腰をぽん、ぽん。優しく、優しく。あくまで、猫にするものと同じように。
「あ……ん……ふ、ぁ……♡」
吐息が甘く駆け抜ける。士道の膝にかかる負荷が強くなるのは、狂三の身体から力が抜け落ちている証拠だろう。
と同時に、狂三の臀部が吊り上がっていき、短いキャミソールのスカートから黒いレースのショーツが顕になって――――こちらも同時に撫で回す。
ピクピクッと少なくない反応を見せた狂三が、赤面の顔で目を細めながら士道を見上げて訴えかけてきた。
「っ……猫を愛でるか、女を撫でるか……どちらかにはできま、せん、のっ♡」
「どっちも可愛いから、どっちも欲しくなってさ」
猫の腰を優しく愛でながら、女の秘部へと指を這わせる。何と強欲なことだろうか。士道は、今どちらの狂三の姿も見ていたい。
腰を優しく叩いて弛緩する女体。恍惚とした狂三の表情に、士道はもう一つを加える。ショーツの隙間に這わせていた指を押し入れ、秘部へ。
「っあ♡」
「ぎゅうぎゅうだな」
待っていましたと。そう言わんばかりに指を締め付ける秘部。歓喜の蠢きと、ヒダが絡み付くような感覚。外と膣内、両方が士道の指を受け入れている。
「う、あっ♡ んにゃっ♡ う、う゛ーッ♡♡」
ぐちゅぐちゅと鳴る陰裂に合わせて尻尾を撫で上げてやると、狂三が唸り声のような嬌声で反応を返す。
「あ゛ぅ♡ ふにゃっ♡♡ う゛ぅ゛……♡」
喘ぐも唸るも、可愛らしく鳴くも士道の指先次第。猫の感覚を把握し、狂三の性感帯など言わずもがなだ。
口元に手を当てて涙目で翻弄される黒猫。士道だけの愛猫――――彼女の尻尾の根元を握り、膣内の一番敏感な部分を突き上げた。
「あ――――い゛っ♡♡♡♡」
尻尾が跳ね、膣壁が幾度となく指を締め付け、黒ショーツに誤魔化し切れない水気が浮かんだ。
飽きることなく見続けた絶頂が、立たせた猫耳と尻尾でこうも変わる。愉悦に笑みが歪む。愛らしさに欲求が肥大化する。
「狂三」
「……猫みん、ではありませんの?」
「どっちでも、いいだろ。可愛いんだから」
ああ――――気がつけば、最大の好意を告げる言葉の代わりは、いつもそれになっていた。
蕩けた顔で妖艶に笑む、一匹の黒猫。濡れたショーツがズレた臀部を晒し、ベッドに転がる彼女に士道のモノはとっくに滾って――――細長い野干玉の尻尾が、それを絡め取った。
「ん……変な、感じがするな……」
「ふふ。世界であなた様にこのようなことが出来る猫は、わたくしだけですものね」
「他にいたとしても……狂三以外は、選ばねぇよ」
柔らかい毛並みが硬く滾った肉棒を扱く。狂三の指先は十分に柔らかいが、それでも猫の尻尾は毛先の面で違った印象を抱かせる。それでいて芯の一本はあり、本当に不思議な感覚だった。
絡まって、上下に扱かれるため段々とカウパーに浸って濡れを帯びる尻尾が、その先端を器用に動かし同じく肉棒の先端である亀頭に絡み付いた。
「っ! く……ぁ!」
「にゃあ♡ にゃー♡」
柔らかい部位に、ふわふわな尻尾の先端。擽るように責められて、こそばゆいのか気持ちがいいのか。脳髄に浸透する蠱惑的な猫声に惑わされ、判断がつかない。
そして一瞬、するりと尻尾が離れていき――――士道は大きな物質に押し倒された。
「うおっ」
「にゃん♡」
大きな物体ではある。それが猫でもあり人でもあるのは言うまでもなく、精霊の膂力を駆使した突撃に士道はあえなくベッドの上に沈められ、のしかかられたのも言うまでもないことだろう。
「ちゅる……れろ♡」
士道を押し倒し、思いの外長い尻尾を毛ずくろいのように狂三の舌が舐める。たっぷりとモノの匂いが染み込んで、野干玉に独特の光沢を帯びさせた愛液を舐め取った。
獣でありながら夢魔であろうとする姿が美しく、あまりに妖艶だった。だから、合意があったわけではない。士道は感情のまま、狂三は妖艶な色香を蓄えたまま、濡れた蜜壷に濡れた肉棒を挿入した。
「んにゃぁぁぁぁっ!♡♡♡♡」
「っ!!」
騎乗位の背で再び反り立つ黒の線に引っ張られた撫でるような色気の嬌声。本物の猫でありながら、逸れて揺れる乳房は女のものであるという矛盾。
ただ、獣というのであれば士道の方が該当しているのかもしれない。挿入れた瞬間、それまでの焦らしと奥深くまで包み込まれた温かさに負け、重くありながら心地の良い果ての脈動を体感してしまったのだから。
それはもう本能だった。その心地良さ、快感を抑えきれるはずがない。熱い液体が放たれる度に士道の腰が跳ね、狂三のキャミソールから淡い輝きが心拍のように鼓動している。
「っ! っ!」
「……まだ、
「ったりまえだろ……誰に、言ってんだよ」
たとえ一発が底知れないほど長いとしても、
果たして乗られているのか、士道が乗せているのか。騎乗した狂三が妖艶な笑みを浮かべながら、しゅるりしゅるりと尻尾を操り、愛らしく猫耳を立たせ、そっと耳元で囁いた。
「けだもの、ですにゃ♡」
「はっ――――そんなわかりきったことを言うなんて、らしくないぜ」
猫が好きなのか。それとも狂三がそうしているから、彼女だからこそ――――相も変わらず定まらない思考は、不揃いの瞳が迫ったことで、掻き消されていった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「と、いうわけで。そのうちお礼に伺いますわ」
『……狂三が言うと別の意味に聞こえるんだけど』
ボイスチャット越しにそんな会話をしながら、マウスとキーボードを操作し、第三者視点の主人公を操作する。パソコンで遊ぶことが出来る所謂シューティングゲーム。
狂三はボイスチャットを繋ぎ、同じマンション内の七罪とその遊びに興じているのだ。理由は単純に七罪がやっているゲームに興味が湧いていたことと、数日前の礼である。
操作を覚えた主人公を操りながら、もう聞き飽きた〝含みの言葉〟への指摘にくすりと笑い声を返す。
「あら、あら。そう言われてしまうのも何回目ですかしら。では、今後七罪さんを手に掛ける時は極力苦しまない方法を選ばせていただきますわ」
『そういうところがあるから何回も言ってるのよ! てか無駄話しながら何でエイムは正確なのよ!』
「経験値が違いますもの。照準がブレるというのであれば、そのブレに合わせたリズムを掴めば良いことですわ」
『あんたは高校生を詐称するスナイパーか!』
そうは言っても、慣れてしまえばそういうものなのだ。案外、別の経験が何かの役に立つということは人生でよくあることだ。そういう意味では、狂三より画面の向こう側にいる七罪の方が馴染みが深いのかもしれないけれど。
『そもそも、何が〝というわけで〟なのよ。ちゃんと士道の方は解決したわけ?』
「ええ、ええ。七罪さんのおかげですわ。これでしばらくは大丈夫でしょう」
『ふーん……まあ、貸し一つでいいわ。さっきのお礼はなしでね』
「あら、七罪さんは苦しむ方がお好みですのね?」
『だからそういうところよあんたは!! 完全に調子戻ってるから毎回ツッコまれるってわかってるでしょ!? 声が楽しそうだし』
「きひひひひひっ!」
顔を付き合わせていないからか、いつも以上に元気の良い七罪の相手は楽しいものがあった。おかげで、その
らしくないことをすれば目を剥かれ、らしいことを言えば含みがあると半目を向けられる。七罪は狂三の調子が戻っているとは言うけれど、これでも
しかし、
『というか――――士道のためだけだったら、別にコスプレでもよかったんじゃない?』
「っ!」
だからこそ――――付け入る隙を与えてしまうのかもしれない。
『あ、外した。珍しい』
「まったく。七罪さんがいたずら好きなことを忘れていましたわ」
『べ、別にバラしたりしないからね!? 私をバラすのだけはやめてくださいしんでしまいます』
「……七罪さんは二重人格か何かですの、本当に」
ああ、ああ。けれど、けれど。なればこそ『時崎狂三』
内心でも否定するけど実際ノリノリでやってそうなネコネコみんみん、猫みん。
一応ストック4話ほどあるんで投稿しても良かったんですが、どちらも肝心の〆を書きに行けるテンションにならず。お蔵入りだけは裂けたいんですが……ちなみに片方は美九編、もう片方はオリリンによる未零と十香の徹底羞恥調教です。美九編は単純に反応あんまないしなのと、後者も結構攻めた上にって感じなので。うん本当にこれいいのかなぁ、と書いてから思っちゃうんですよ。未零と十香が本当にお下品な責めとかやらされてるし。読みたいというか読んでもらえるんか?と。
美九編は冷静になるとスレイヴと違ってこっち読みたい!的な反応薄いからまあ公開は気が向いたらでいいのかな……という感じになる。感想少ないと死ぬメンヘラか。せやな(自己完結)
というわけで合間を開けてというか普通の二次創作って更新こんなもんでは?なスレイヴイチャラブ継続回となりました。散々攻めたのや濃いエロ書いたから何ともうーむ。こんなタイトルしててこれでいいのかなぁ、とは思いますけど奴隷的なやつ含めてお下品なのもオーバードーズでやるだけやっちまったのはあるかもですねぇ。今はこういうのしか書ける気がしないのが困った困った。
感想、評価、リクエストなどなどお待ちしておりますー。スレイヴでのんびり何を書くか決めてからまたのんびり書いてるので、更新は不定期です。
美九編とリビルドIFの更新はそれこそ読みたい方がいたら投げます。長々とメンヘラみたいなこと言ってる時点でモチベ電池が死にかけなんじゃないかと。読み返すとマジできっしょいなこいつ……ではではまた次回〜