※この作品はR-18です。

デート・ア・ライブ 令音アビス   作:いかじゅん

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無自覚だったエゴイズムを自覚した少女は、その感情をどうするのかな?
ふたなり要素あります。二亜?受けに決まってるでしょ(はぁと)


52話(二亜、マリア)

 

「――――じゃ、二亜のこと頼んだぞ」

「はい。お任せください。ダメ人間の世話はいつものことですから」

「み、耳が痛いな……」

 

 マリアの皮肉に士道が冷や汗を流して返す。士道の場合、ダメ人間とはかけ離れた家庭的な真人間なのだが、最近では女性関係の事情で心当たりが多いということだろう。

 3Pの翌日、士道は士道で他の予定が控えているため帰宅することになった。ちなみに、責めに責めて蕩けに蕩けたダメ人間、もとい二亜は絶賛熟睡中である。

 

「しかし、珍しいですね。士道なら、二亜が起きるまで待っていると思いましたが」

 

 マリアがいるとはいえ、抱いた少女をそのままにして帰るタイプではない。玄関先で靴を履く士道へ、疑問と共に小首を傾げた。

 

「ん? まあ予定があるって言うのも本当だけど――――――」

「……っ」

 

 顔が近づいて――――キスをされた。

 瞬間、溢れる快楽という幸福。粘膜的な接触のみで、演算能力が掻き乱され思考中枢に不具合が生じる。感情というものがAIにあるのなら、これこそ恋と呼ばれるもの。

 ――――二亜とするモノと同じだけ(・・・・・・・・・・・・)、士道とのキスは圧倒的な多幸感がもたらされた。

 

「ん……士道……?」

「……次に三人でするまでには、素直に発散した方がいいぜ。――――羽目を外すくらいなら、後始末は俺がしてやるからさ」

 

 いつものお礼だ。そう言い残し、唇を奪った少年は扉の向こうへ消えていった。

 

「…………格好をつけすぎですよ」

 

 熱を帯びる顔を誤魔化すように、マリアは扉へ独り言ちる。

 今に始まったことではないが、士道はここぞという時に欲しい言葉をかけてくれる。温かかったり、キザだったり。結局のところ、心の底から正直に言葉を紡ぐ彼だからこそ、皆が惚れ込んでしまったのだ。

 

「素直に、発散」

 

 復唱。だが、不可解。マリアは士道に対しては常に素直で、嘘偽りのないことを行動で示している。

 

「……朝食を」

 

 作らなければ。寝坊助な家主に、昨夜の労いをマリアなりに込めて。

 3Pは、楽しかった。士道を交えての3Pが不快なはずがない。士道は楽しんでくれていたし、マリアも分かち合う悦びがあった。二亜の感情の起伏を観察して、彼女にも心の底に抱かれる悦びがあることをマリアは悟っている。

 

 なら、これは何(・・・・)

 

「…………………………二亜」

 

 マリアと二亜は士道のモノ。モノがモノに対して何を思うのか。どうして、マリアの歩みはキッチンへと向かってくれないのか。どうして、言語機能が彼女の名を呼んだのか。

 エラー。即時の修正を提唱。不能――――この感情は、バグではない?

 検索。該当する名称。それは、

 

「嫉妬」

「……ん……、すぅ……」

 

 嫉妬。ジェラシー。それを、感じた?

 ありえない。士道は競争相手などではない。眼窩で無防備に眠る二亜、士道に大切に扱われる彼女への嫉妬なら百歩譲ってまだしも、士道への嫉妬などマリアにとって不可解極まりない感情だった。

 けれど、時折感じたノイズは、士道に対抗するように、見せつけるように二亜へ求めた行動は――――――

 

「二亜」

「……ん」

 

 少女の頬に手を当て、触れる。端正な顔立ち。黙っていれば可愛らしい。だけど普段はあまりにもうるさく、煩わしく、生意気で――――マリアの温もりを求める少女でもある。

 

「……っ!!」

 

 ノイズが煩わしい。演算装置と学習機能、それに伴う感情と行動が一致しない。二亜に想うことなど、隠さない本音を述べたところで他の精霊と同じであるはずなのに。

 本条二亜は一人では生きていけない。一人では生きていきたくない人間。どうしようもなく薄っぺらい癖に見栄っ張りで、考えなしに見えて考えていて、夢に対しては真摯で――――マリアが管理(・・)しなければ生きていけない、だらしのない精霊だ。

 

「ん、ぁ……まりあ……? ――――え、な、なに!?」

 

 その思考が浮かび上がった瞬間から、マリアは自分のモノとは思えない微笑を浮かべて二亜の身体を拘束していた。

 まだ寝ぼけ眼で、昨夜の余韻が残っていることもあるのだろう。顕現装置(リアライザ)で作られたボディは見た目以上に軽やかかつ大胆に、二亜の裸身を羽交い締めにしてみせる。

 二亜の裸身。一部位の肉には欠けるが、スタイル自体は賞賛すべきものがある。肌に滴る汗と交尾の残り香。

 

「ま、マリア? 何してんの? やだー、あたしの艶姿に朝から発情? んもー、マリアちゃんったらエッチなんだからー」

「そうです。と言ったらどうします?」

「へ?」

 

 動揺。いつも扱う調子の声音を打ち返され、一段声が上擦った。マリアの様子が普段と異なることに、身体が無意識に硬直を見せている。

 伝わってくる。音の振動。筋肉の収縮。ああ、マリアは今ほど優秀なAIであることに感謝を示したことはない――――これで、二亜の全てを管理できる(・・・・・・・・)

 緊張を解きほぐすように、二亜の乳房を両手で掬ってやる。

 

「んあっ♡ あ……あっ♡♡」

 

 柔らかく、本人が自虐するよりは膨らみのある双丘。荒々しく揉みしだき、休ませるように撫で上げ、再び鷲掴みにして弄ぶ。

 

「んにゃっ♡ ん、んんっ♡ あぁ……あっ♡♡」

 

 荒ければ鋭く、優しくすれば甘く。快楽に対して無防備で、感じるままに声を発する素直な二亜の悲鳴が心地よく響く。

 次は胸の先端。両方揃って固くなり始めた可愛らしい乳頭を、マリアの指先で刺激する。指や爪が掠める甘くもどかしい責めをくれてやった。

 

「っ……っっ♡♡ ふ、ぅっ♡♡ ん、ん、あんっ♡」

 

 カリカリ、カリカリと掻き、乳首だけを求める。二亜の性感帯の感度を誰より、本人より把握しているマリアだからこそ、二亜がもっとも感じる(・・・・・・・)部位である乳首の責め方など熟知している。

 余韻が抜け切らない二亜の乳首は、あっという間に硬くなりしこりを作る。当人は軽いコンプレックスらしいが、他の子より大きめの可愛らしい乳首を存分に嬲り続けた。

 

「……あっ♡ あっ♡ あっ♡♡ ふぁっ♡♡ あっ♡♡♡♡」

 

 無用な言葉が多い二亜が単調な喘ぎしかできないほど、徹底的に。数分、数十分かけて乳首を掻き続ける。

 硬くなることを通り越して、淡い熱を昂らせる勃起乳首。限界を超え、快楽と共にじわじわともどかしさが募る二亜に対して、マリアは無言を解いて声を発した。

 

「二亜、気持ちいいですか?」

「な、なんでそんなこと……あひっ♡」

 

 問いかけながら、乳首を弄ぶ指先は一切解くことをしない。問いかけに答えないのなら、真っ赤に腫れ上がった乳頭をマリアは永遠に掻き続けるだろう。

 二亜がどう感じているかなど知っている。だが、実際に二亜が感じていることを言葉にしてもらわねば気が済まない。マリアが認識しているものだけでなく、二亜自身の認識を識りたいという欲望(・・)が声と指を突き動かしている。

 

「き、気持ちいい♡ あっ♡ あっ♡♡」

 

 答えなければ先に進めない。それを悟った二亜が、絶え間ない責めに悶えながら正確に言葉を紡いだ。

 

「どこが気持ちいいんですか?」

「ど、どこがって……っ♡ みれば、わかるでしょ♡♡ あ、あぁっ♡♡」

 

 まだ終わらない。もどかしさも終わらない。二亜がいくら身体を動かし、胸を張って指を求めようと、その都度寸分の狂いもなくマリアは指先を操って同じだけの刺激を与える。下半身は足で締め上げ、二亜の貧弱な力では絶対に脱出など考えられないようにされていた。

 

「………………」

「ち、乳首っ♡ 乳首だってば♡ 乳首が、気持ちいいですっ♡♡」

 

 再び無言になったマリアに根負けした二亜が、恥ずかしい声を荒らげて屈伏した。

 己の性感帯を弄ばれながら、感じていること公言させられる。快楽以外に、羞恥心での体温上昇を感知――――まだ、終わらない(・・・・・)

 

「もっと正確に」

「もっとなんてむり♡ 今ので精一杯だってば♡♡」

「出来るでしょう? 私が教えたことを実行する。それだけに過ぎません。あなたが恥ずかしがって使わないものを、私の前で使えばいいのです♡」

 

 普段は低俗な物言いや冗談を好む癖に、いざ情事では羞恥が勝り性器の単調な名称程度しか口に出さない二亜。当然、その癖すらマリアは把握しきっている。

 教えはしている。あとは二亜が振り切れるかどうかだ。士道の前では無理でも、マリアの前でなら出来る。身近で少なくない信頼を勝ち取ったマリアは、二亜の羞恥心のラインすら手玉に取れる。

 

「ふっ、ふぁ♡ ふ、ぅぅぅぅぅぅ……っ♡♡」

 

 そして、絶え間なく続く両胸の性感帯からの快楽信号に、痛みに強く快楽に弱い二亜が我慢などし切れるはずがない。

 

「に、二亜の豆勃起乳首がじんじんして気持ちいいですっ♡♡ カリカリされて、乳首が熱くなってる♡ ――――マリア♡ まりあ♡♡ もう焦らさないでよぉ♡♡」

 

 この通り、乳首だけであっさり折れる。プライドを捨て、マリアに先を求める変わり身が二亜らしく愛らしい(・・・・)。あるいは、そうすることでマリアに求めてもらえると思っている。

 

「ええ。よく教えてくれました。偉いですよ、二亜♡」

 

 求めるばかりではいけない。与えるからこそ管理は成り立つ。

 無機質ではないたっぷりの情を込めてささやき、その声音と正反対の動きで二亜の勃起乳首を抓り上げた。

 

「い゛ぃ゛っ!?♡♡ い゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ♡♡♡♡」

 

 長い時間焦らした分、同じ行動でも快楽の度合いは全く異なる。

 喉を痛めかねない濁りの嬌声が、乳首を抓り上げた時間だけ発せられる。小ぶりな乳房が引っ張り上げられて歪み、マリアに身体を預けながら首を逸らした二亜が舌を突き出して虚空を仰ぐ。その美しい空色の瞳は、明滅という絶頂を迎えているのだろう。

 

「……はーっ♡ はーっ♡♡」

 

 伸び切っていた乳首が元に戻っていく中、二亜が絶頂の余韻から深く息を吐いては吸う。マリアの両足で絡め取られ、軽い開脚をさせられた股座からは、ずぶ濡れのシーツで庇いきれない水溜まりが生成されていた。

 ああ、ああ。堪らない。マリアの中から生まれる未知の欲望。人を支えるAIが人を支配する。いや、マリアは人を支配したいのではない――――二亜の全てを管理したい、それだけだ。

 

「……マリ、ア。もう、いいでしょ……さっさと離してよ。あたし、お腹すいたんだけど……」

 息は絶え絶えだが、正気の色が残された強がりの声音が二亜から発せられる。前日の余韻を残しながら、これだけのことをされてまだ生意気な口を叩けるのは大したものだとクスリと笑みを浮かべる。

 だが、この程度で終わりと考えてやれるほど、マリアに芽生えた欲求は簡単なものではなかった。

 

「ふふ、嘘はいけませんね。空腹など感じていないでしょう? それに――――次は、マスターベーションのデータを取らせてもらわないといけません♡」

「……は?」

 

 肩を越してマリアを見た二亜の瞳は、ポカンと丸みを帯びていた。マリアからその単語が飛び出したことに、呆気にとられているようだ。

 そこでマリアは、少し言葉が高尚すぎた(・・・・・)と考えを改めて声を発する。

 

「失礼しました♡ 言葉を砕きましょう――――二亜が大好きなオナニーを、私の指示で(・・・・・)してみせてください♡♡」

「だ、誰がそんなこと! ばっかじゃないの!?」

 

 二亜の選択は拒絶。人権の全てをマリアが握っていると言っても、それはイコールで感情を縛ることには繋がらない。羞恥の拒絶反応は当然のものである。

 だから、マリアの目が妖しく細められ、二亜がびくりと身体を揺らしたのも、想像通りの反応だった。

 

「っ……な、なに?」

「いえ。今さら恥ずかしがる二亜が不思議で堪らないだけです――――昨日、15時49分から始めて、18時1分まで行ったオナニーは気持ちよかったですか、二亜?♡」

「は――――っっ!?♡♡」

 

 言葉を呑み込み、記憶を思い起こし、多少は引いていた顔の熱が最大まで爆発した。続けて、マリアは二亜を追い立てる。

 

「なんでしたら、秒単位で教えて差し上げましょうか? 私が留守にしている間、二亜は必ず行うオナニーで誰を思いましたか? 士道ですか? それとも、私? 他の精霊という可能性もありますね」

「なんで……♡」

「知っていますよ。二亜がオナニー狂いの変態ということは♡ 毎日のようにあれだけ抱いているのに、私を(・・)欲しがっていることも♡ 昨日のオナニーは時間を忘れて、慌てて私が用意した夕飯を食べていたでしょう? まったく……本当にあなたは仕方がない人ですね♡」

 

 たまにマリアはわざと二亜の家を留守にする。そうすると、二亜は平気そうに見送りながら――――寂しさから、オナニーに興じてしまうのだ。

 

「あ……あ……はっ♡」

「おや、息が荒くなっていますね。そう恥ずかしがることはありませんよ。そのオナニーで二亜が全く満足できない(・・・・・・・・)ことも、私は知っていますから♡♡」

 

 恋しいのだ、マリアのことが。片時も離れることなく寄り添えるからこそ、二亜はどうしようもなくマリアに依存(・・)する。一度芽生えてしまった人肌を求める欲求は、マリアという都合よく満たすことが出来る少女の存在によって膨れ上がる。

 二亜はもう、マリアなしでは生きていけない。マリアに管理(・・)されることを、根源に刻まれ身体が求めてしまう。だから、決して満たされることのない自慰行為を耽ってしまう。

 全て、知っている。隠せていたと思い込んでいたモノを丸裸にされ、心まで無防備にした二亜を掌握(・・)する。

 

「ですが、安心してください。今日からは、二亜のオナニーを私が管理してあげます♡ 私をオカズに、私の声でするオナニー♡ 格別だとは思いませんか?♡」

「っ……そ、そんなこと……♡♡」

 

 ごくりと、二亜が生唾を飲み干したことを知る。ああ、その動揺と羞恥に隠れた期待と幸福が堪らない。

 背中から抱き締める力を強める。さらに、衣服を一度霊子に分解して裸身を晒す。胸は豊満とは呼べないが、士道をして抱き心地がいいと褒められたマリアの幼い裸体が二亜を誘惑していく。

 

「あっ♡」

「二亜の人権は私のモノ。その私が許可を出します♡ 存分に、オナニーをしましょう♡」

「……ん♡」

 

 ――――捉えた(・・・)

 小さいが、確かな首肯。反射的な反抗が多い二亜だからこそ、瞬間的な快楽に屈してマリアに従ってしまう一瞬。それが心から愛おしい――――演算による停止の信号を無視し、マリアは欲望が思うまま喉の機能を震わせた。

 

「では初めに、私と同じ言葉を繰り返してください♡ ――――二亜のおまんこはオナニーばっかりやってる節操無しのズボラまんこです。復唱♡」

「…………に、二亜のおまんこはっ♡ オナニーばっかりやってる節操無しのズボラまんこです!♡♡♡♡」

 

 ぴゅっ。そんな小さな水音が甲高い叫びと共にマリアの聴覚に届く。どこの水音か、言うまでもない。

 恥ずかしさを押し殺し、オナニーという癖でありながら決して満足を得られない、二亜にとってどうにもならない行為を管理されることを望む。なぜなら、それで気持ちよくなれる期待があるから。

 

「よく出来ました♡ えらい、えらい♡♡」

「〜〜〜〜〜〜っっ!♡♡♡♡」

 

 ぴゅっ、ぷぴゅっ。下腹部を優しく撫で、耳元で褒めの言葉をささやく。たったそれだけで、二亜の下半身が跳ねて愛液が飛ぶ。

 マリアに徹底管理される。管理されていると知っているはずなのに、支配という束縛を受けていると理解しているはずなのに、二亜は逆らえない――――誰だって、逆らって快楽を取り上げられたいとは思わないだろう?

 

「それでは、オナニーを始めましょう♡ 私の声だけを聞いて、私に全てを委ねてください。私を感じて、私だけを信じて……はい、オナニー開始♡」

「っ♡ ふっ♡ あっ♡♡」

 

 ぐしょぐしょに濡れた秘部を二亜が自らの手で擦る。マリアの前で、あれだけ恥ずかしがっていた自慰行為を躊躇いなく初めてしまった。

 得も言えぬ快感がマリアの背筋を駆け抜ける。けれど、ただ支配するだけでは意味がない。マリアは二亜に、絶対的な快楽というものを与えてやりたいのだ――――ただ痛みを与えるだけの能無しの拷問など忘れて(・・・)しまえるほど、マリアの管理の素晴らしさを教え尽くしてあげたい。

 

「ストップ」

「っっ♡♡ ……ふーっ♡ ふーっ♡♡」

「いい息遣いです♡ そう、我慢して、我慢して……再開、クリトリスをいじりましょう♡」

「あ゛っ♡ お゛ぉっ!♡♡」

 

 一定の感覚で押し引きをさせる。二亜の快感、脳波の波。それがどのタイミングで、どう高められるのか。いつ止めて、触れれば気持ちよくなれるのか。二亜に、しっかりと体感してもらおうとマリアは的確な指示を下し続ける。

 止めと始めを使い分け、次第に二亜もタイムラグが少なくなり、ピタリと動きを止められるようになっていく。指示通り、マリアの声に集中できている証拠。

 

「どうです、私の指示通りのオナニーは? ……正直に答えたら、もっとよくしてあげますよ♡」

「……きもち、いい♡♡ 一人でするより、ずっとすきっ♡♡」

 

 ――――そして、マリアに身を任せる方がより多く快楽を得ることができると、二亜が心身共に学んだ証だ。

 人は優秀な指示を受ければ、自ずとそのレベルに高まっていく。二亜を知り尽くしたマリアにとっては、彼女の思考ややり方に合わせたレベルの指示を下す、或いはそこに引き上げるなど赤子の手をひねるより容易い。

 

「そうでしょう♡ 私にかかればこの程度は造作ありません。いいですか、二亜♡ これからは、隠れてオナニーをする必要はありません。したくなった時は、正直に言ってください♡ 私はいつでも――――あなたのオナニーを管理してあげますから♡♡」

「は、いっ♡♡♡♡」

 

 ――――狂おしく、堪らない。

 あの二亜がへりくだって従う。自慰行為を暴かれることで泣きじゃくっていた二亜が、マリアに対して行為の権利を明け渡した。

 欲求が満たされていく。けれど、もっと欲しい。もっと二亜を気持ちよくしてあげたい。マリアが全てを管理して、それが幸せだと教え込みたい。二亜を二亜のまま、マリアが管理する。

 

「いい子です、本当に――――再開、剥き出しのクリトリスを擦るように撫でて、イッてください♡」

「あ、あっ――――ああああぁぁぁぁぁぁっ♡♡♡♡」

 

 意識、欲求、昂る快楽ともどかしさが頂点に達した瞬間、二亜が陰核を擦り上げて絶頂する。

 腰が凄まじい勢いで跳ね上がり、連続して吹き上がる愛液が波をうってベッドの上に飛び散った。

 

「イクっ♡ イク、イクっ♡♡ 頭真っ白になるぅぅぅぅっ♡♡♡♡」

「なっていいです♡ なってください♡ 何もかもを私に明け渡してください♡ 二亜はいつも通りで構いません♡ 自堕落に過ごして、したいことをして、それ以外は私にもっともっと頼って(依存して)ください♡♡」

 

 ああ、認めよう。解き放とう――――マリアは、本条二亜の全てを管理したい。

 

「私が――――あなたの全てを管理しますから♡」

 

 だからもっともっと――――マリアに逆らえないよう、二亜を管理してしまおう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――もうイカせてぇぇぇぇぇぇぇっ!♡♡♡♡」

 

 それは、二日目(・・・)の10時42分32秒。二亜の子宮をマリアの肉棒が突き上げた瞬間の叫びだった。

 

「やだっ♡ マリア♡ ゆるしてくださいっ♡♡ もうイカせてください♡♡ まりあ♡ まりあっ♡♡ まりあぁぁぁぁぁぁぁっ♡♡♡♡」

 

 ふたなりちんぽの亀頭で子宮の入口をグリグリと押しながら、マリアは二亜が発する紛うことなき悲鳴にニコリと微笑を浮かべて返す。

 

「許してほしいですか? おかしなことを仰いますね。私は二亜の『もうイクのやだぁ♡』という可愛らしい懇願を受け入れて、望み通りにしてあげているだけですよ♡」

「おっ♡ おほっ♡♡」

 

 どちゅ、どちゅっ、と肉棒のピストンで二亜を揺さぶる。だが、イカせない(・・・・・)

 初日は『もっと気持ちよくして欲しい』という言葉を引き出した後、ひたすらイカせて、イカせて、イカせ続けた。休む暇など与えない。二亜が望んだ最高に気持ちいい瞬間を、常に与えてあげたのだ。

 ――――まあ当然、終わりのない絶頂に涙を流し、心が折れた二亜を見ることが目的だったのだけれど。

 マリアへの信頼があるからこそ、マリアから与えられる快楽に耐えていられない。逃げようとする。マリアは、二亜がどこまで耐えられるかを知りたかった。それを知れば、より二亜を完璧に管理することができるから。

 

「い゛や゛ぁ゛♡♡ イキたいよぉ♡ なんで、イケないの♡ おちんちんに突かれてるのにっ♡ いつもみたいにイケないぃぃぃぃぃっ♡♡」

 

 蕩け切りながら、形相を悲痛なモノに変えて拙く腰を振る二亜。今は正常位で犯しているため、二亜から動くことも叶う。それが叶うからこそ、二亜は自らの動きですら達することができないと絶望を覚える。

 両手を頭の上で押さえ付け、抽挿を行う肉棒への締め付けにマリアの快楽器官も心地よさを訴えている。寸止め同士唯一の違いは、マリアはどれほど人の思考を得ようと根本的にはAIであり、我慢比べでは決して劣らないことだ。

 

「当然です。私は、二亜の全てを知っています♡ あなたの願いを叶えて、決して絶頂をさせない……けれど、気持ちいいでしょう?♡」

「いやっ♡ いやっ♡♡ いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ♡♡」

 

 二亜がどの刺激で、どう感じるか。それを把握し、最大の快楽を与えてやれるということは、二亜の性感帯の感度と動きを見極めて寸止めし続けることも可能ということ。

 マリアは今、己の技量だけで二亜への寸止めを行っている。二亜がマリアに望んだ(逆らった)から、そうしているのだ。二亜が望むことを、マリアはしているだけだ――――そう、二亜が望みさえすればいいのだ。

 

「なんで、なんでぇ♡ ――――あたしまた、悪いことした……?」

「っ……」

 

 初めて、その泣き顔にマリアは動揺というものをさせられた。息を呑み、動きを止めてしまう。

 

「したなら、謝るから♡ あの時のこと怒ってるなら、何でもするから♡ ――――きらいにならないで、マリア♡」

 

 そうじゃない。そんな言葉を望んでいたわけじゃない。あの時のことなんて、もうどうでもいい。酷いことをしているのは、マリアの方なのに。

 嫌だ、嫌だ、嫌だ。ああ、逆に漬け込む――――ここで、堕とす(・・・)

 

「なりませんよ。……なれたら、私は自分を正常だと思えたと言うのに。――――二亜。私は、あなたの全てを知っているんですよ?」

「え……?」

「体重、以前より0.5キロ増えていますよ。飲み過ぎです。乳輪は直径3センチ。性感帯は高い順から乳首、ヴァギナ、尻、乳房」

「な、ななな……っ!?」

「乳首は勃起で約1.3倍。肛門の皺の数は――――――」

「やだっ! 言うな! あたしも知らない情報言うなぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 この瞬間だけは、寸前で止められた絶頂感を忘れて二亜は叫んでいた。それがあまりにいつも通りの二亜で、マリアは久方ぶりに自分自身の安堵の息を吐いた――――もっとも、己の支配欲求が己のモノでないとは、言えないのだけれど。

 

「ええ、全部知っています。誰よりあなたを知っています――――五年程度(・・・・)であなたを知った気になっている人間たちより、ずっと」

「っ!」

 

 ――――渡さない。二亜はマリアの、士道たちのモノだ。

 

「あなたは薄っぺらくて、適当なことばかり言って、締切一つ守れないどうしようもなく自堕落な人間です。ですから――――ッ」

 

 手を握る。身体を重ねる。キスをする。たったそれだけで繋がった気になれるのは――――機械として、おかしなことなのだろうか。

 奥歯を噛んで動揺を押し殺し、高鳴る鼓動を制御しながらマリアは言葉を発した。

 

「……私が、二亜を管理()します。五年と言わず、一生あなたを管理してあげます。月並みな言葉ですが――――私はあなたが嫌いではありませんよ、本条二亜」

 

 身体を重ねてしまって、情に絆されるマリアは、二亜のことを言えないくらい甘い感情を抱く少女であるのかもしれない。

 

「……そこ、好きって言わないんだ」

「思い上がらないでください。私は自堕落で放っておいたら一人でオナニーして孤独死するだろう二亜を管理したいだけです」

「えー……まあ、あんな権利書握られてる時点で、今さらか――――あっ♡」

 

 ビクンと艶やかな裸身が跳ね、二亜の声に色香が宿る。僅かな時間息を潜めていた膣壁が、ぎゅうぎゅうと痛いくらいにマリアの肉棒を締め付ける。

 それがもう答えではあった。けれど二亜はフッと微笑み――仕方がないなぁと言わんばかりに――甘く蕩ける声を発した。

 

「うん、いいよ♡ こんなあたしを支配して♡ あたしをもっと管理()して♡♡ ――――イカせて、マリア♡♡♡♡」

 

 絡めた指が握り返される。限界を超えた思考が、絶頂を求めて言葉を紡ぐ。

 

「二亜♡」

 

 ごりゅっ! と、凄まじい音を立てて子宮口を穿ち胎内を抉ったのは、理性が溶け、独占欲という欲求に抗わない演算結果を導いたマリアの全てだった。

 

「お゛っ――――おほぉぉぉぉぉぉぉっ♡♡♡♡」

 

 突く、突く、突き上げる。膣内で二亜が感じる場所を削ぐように擦り、胎内で感じる場所を全力で突き上げる。

 

「イグっ♡ しきゅうでイ゛グッ♡♡ イグイグイグっ♡♡♡♡ ――――まりあ♡♡ まりあ♡♡ まりあ……♡♡♡♡」

「っ……!♡」

 

 延べ丸二日は快楽に浸され、管理され続けた二亜の思考は完全に溶ける。理性という名の糸を手放し、マリアに全てを預ける。自分を見失っても、マリアが管理をしてくれる。

 そうして蕩けた二亜は、甘えるようにマリアを呼んだ。呼び続けた。その唇が何を求めているのか――――欲求が昂り、マリアは衝動が赴くまま二亜の唇を塞いだ。

 

「んっ♡ ちゅ……まり、あ♡ まひぃあ♡ ちゅるっ♡♡ ちゅ、ぷっ♡♡」

「……二亜♡」

 

 求めるだけのキス。管理された快楽の中で、管理されることを望んだ二亜とのキスは格別だった。

 だって、これ(・・)はマリアしか得られない。誰にも開けない。二亜の管理者であるマリアだけが、管理されることを望んだ二亜を見ることが出来る。

 

「二亜♡ 私のザーメンを子宮で受け止めてください♡♡ そしたらもっとイカせてあげます♡ もっと管理してあげます♡」

「えへへ、いーよ♡ マリアのザーメン、あたしの子宮にびゅーってして――――あたしの全部、マリアが管理して♡」

「っ――――二亜♡♡♡♡」

 

 享楽的で、抗えない、圧倒的な独占欲。今だけは、マリアだけの二亜。いいや、これからずっと、マリアに管理される二亜なのだ。

 マリアから生まれる精液を二亜の子宮に送り込む――――生殖行為にならないはずのそれが、堪らなく、マリアの支配欲を満たしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「んで、素直に頷いたわけだ?」

『……し、仕方ないじゃん。あんな顔(・・・・)されて、ほっとけるわけないでしょ!』

 

 それがどんな顔だったかは電話越しのニュアンスで想像する他ないが、経験者の士道からすれば何となく理解はできる。

 3Pから一週間ほど経って、そろそろ二亜の原稿を何とかしないとだなぁと頭の中でプランを組み立てていると、その二亜から連絡が入ってきた。思ったより早かったな、というのが士道の感想である。

 

「まあ好きにしたらいいけど……それだと契約書関係ないから、俺は助けられないぞ」

『わ、わかってる。元々、あたしの身から出た錆だし、一応報告だけね』

「ふーん……」

 

 二亜にしては珍しいくらい殊勝な雰囲気が伝わって、相槌を打つ士道の声音が自分自身でわかるほど機嫌が上がっていた。

 

「わかってるならいいよ。俺から言うことはないさ。強いて言うなら……えーっと、おめでた?」

『勝手にあたしを孕ますな! ――――ん、今行くってば。は? 早くしないと置いていく? 着いて来いって言ったのロボ子でしょ!?』

 

 と、最近では定番になったノリツッコミを返した二亜が、徐に誰か(推定一名)と言葉を交わし始めた。

 

「なんだ、デートか?」

『どこをどうしたらデートの会話に聞こえるんだっての。買い物よ、かーいーもーのー。今日の夕飯、荷物持ちくらいはしてください、だってさ。あたしゃペンより重いものは持てないか弱い女の子だってのにねー』

「そのマリアは二亜より小さいんだがな……なら、今夜はご馳走が期待できそうだな」

『へ、なんで?』

 

 ――――二亜に対してだけは、優しさがわかり辛いマリアなのは変わらないということだ。

 

「わからないならいいよ。ああ、そうだ二亜」

『ん、なに?』

「やっぱり二亜って、受け属性ってやつだな」

『元々は少年の属性だってのぉぉぉぉぉっ!!』

 

 耳をつんざく声と共に、スマートフォンが通話の終了を画面で示していた。……二亜っぽい表現でわかりやすく伝えたつもりなのだが、何が気に入らないのだろうかと腕を組んで首を捻った。

 

「……一段落かい?」

「はい。多分ですけど」

 

 様子を見守っていた令音が士道の隣に座り、ソファーに一人分の重みが追加され沈む。さり気なくその距離を詰める士道を拒むことなく、令音が声を返す。

 

「……嫉妬、か。ポピュラーだが、今の君が珍しがるものわかる」

「まあ、あのマリアがって考えたら可愛いもんですけどね。二亜にはどうしても素直になれないところがありましたし、いい影響だと思いますよ」

 

 嫉妬。二亜に対しての強い独占欲。人肌を強く求める欲求が膨れ上がった二亜に対し、マリアはその支配欲求が膨れ上がり、嫉妬という感情を理解するに至った。

 何も悪いことばかりではない。令音の言う通り、今の士道たちの中では珍しい感情だからだ――――精霊たちが互いに向ける感情に悦びを見出す士道にとって、マリアの感情が歓迎すべき好物なのは再三述べた通りだ。

 ただ同時に、士道は複雑な顔でため息を吐いてしまった。

 

「誰に似たんですかね、マリアの管理欲求。俺はあそこまでじゃないと思うんですけど」

「……気づいているかな? 私が誰かの手に抱かれた次の日、君は必ず私を激しく抱いている。悪い気は、しないけれど」

「……………………はは、まっさかぁ。俺はそんなに嫉妬深くな――――待って、なんで他の子に連絡してるんです? ねぇ、今日は俺とって約束ですよね? ね? ね!?」

「……ほらね」

 

 ほらね、じゃない。人の純情を弄ぶ恋人の姿に、士道は深く、深く――――求める癖に嫉妬深い自分に、二度三度とため息を吐き散らす。

 そんな士道を見て、面白がる、或いは興味深そうに微笑を零した令音が問いかけを投げた。

 

「……では問いを変えようか。二亜がマリアに見せる姿を、君は自分で見たいと思わないのかね?」

「見たいに決まってるじゃないですか! けど手を出さない空気読みができる欲望が今だけは憎らしい!!」

「……君は可愛いね、士道」

「可愛い令音さんに言われても嬉しくないです!」

 

 たとえ求めたものだとしても――――人の感情というのは、いくつにも枝分かれするものである。

 






絶対に二亜への『好き』の一言は言わない少女、マリアちゃん。けどこれ実質プロポーズでは?これを予約投稿する日に気づきました。あれ、そんなつもりでは……あれ?

令音、十香、琴里、二亜、と実は受け側の方が精神的な支柱でほっとけないなぁこの子、みたいな感じになってるんですよね。まあ二亜は人肌恋しいとかもあるのでそれぞれ色は異なりますが……百合カプ含めて互いが安定してるの八舞姉妹くらいでしょうねその辺は。はは、私の趣味バレバレ。

実はこの回もアドバイザーを引き受けていただいたのですが、まあ楽しかった。私一人だとフェラさせてうんたらして後半シーンくらいしか浮かばなかったのですが、こうして管理欲を表せる素晴らしいお話が出来上がりました。二亜のオナニー狂い設定久しぶりに出せてよかった。
そして完全管理して全部知ってるナチュラルヤンデレマリアちゃん。ちなみに士道くんは士道くんで別方面のヤンデレをナチュラルにやっちゃうでしょうね。個人的な推しシーンは復唱。エッチだ(エッチだ)という感じ。寸止め展開は単独だと難しいので複合して入れさせていただきました。

クソデカ感情大好きおじさんなので百合カップルは大体重い。おじいちゃん重い感情展開何回もやってるでしょ。

感想、評価、リクエストありがとうございます!今書いてる四部作に合間の箸休め回、そして夢オチお疲れ様でした!回書いたらいい加減スレイヴ進めたいですね。ある意味四部作があったからスレイヴ終盤の展開も固まりました。士道くん以外で堕ちるとことんまで展開をやってしまったなら、最高に最強な彼女たちを書かないといけませんしね。

ではではまた次回〜


十香ユニゾン回。淫語がこんなに少なくて名前を呼ぶことが最大エロの愛情表現なの凄いこう……初心いな。
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