『プリズムの瞳』 機動戦士ガンダムビルドダイバーズ 作:ビルダー林檎
_____祭りが始まった。
彰人チームは、
神取彰人 (オルタナガンダム)
桐谷総一郎 (シビュラブリッツガンダム )
対するエリックチームは、
エリック・オースティン (シルベリアアストレイ・改)
峯岸燈夜 (ペーネロペー(HWS)
峯岸燈夜は、昔から装甲を厚く持った機体が好きだった。これは彼が幼い頃、山で遭難した際にたまたまその時寒さをしのげるだけの分厚い服と大量の食料を持っていたおかげで、数日間生き延びた経験があったからであった。軽装は身軽な分、継戦能力が低く生き残れない。敵を倒す事に特化し、無駄を削ぎ落としていった彰人や総一郎と違い、彼のポリシーは「いかにして生き残るか?」だった。故に彼はペーネロペーを選んだ。
機動力の高さに加え、フライトユニットを兼ね備えた分厚く堅牢な装甲。ファンネルミサイルなどの実弾誘導武装によるIフィールド、GNフィールド対策。そして、大型ビームサーベルによる近接戦闘能力の高さ。更にコックピット周辺にはIフィールドを常時展開させており、不意打ちにも対応出来る。
フライトユニットが損傷した場合、フライトユニットそのものをパージする事も可能。
その過剰とも言える兵装の多さは、燈夜に戦略上の選択肢を増やした。いかに強い相手だとしても、敵の動きを観察する時間を稼げれば対策できる。これが彼のバトルにおける姿勢だった。
燈夜は開幕と同時にペーネロペーの肩部からビームを放つ。避ける彰人と総一郎。そこに追撃にファンネルミサイルを撃ち込んでいく。オルタナガンダムは変形しファンネルミサイルかわす一方、総一郎のシビュラブリッツはサーベルによる切り払いでミサイルを捌(さば)いた。両機とも戦い慣れた歴戦の勇士を彷彿とさせたが、そんな事は燈夜も承知の上だった。
「二機が離れました。エリックさんは彰人さんをお願いします。僕は総一郎さんと。」
「了解サ。」
エリックはそう軽やかに返答すると、銀色に輝くシルベリアアストレイ・改を反転させ、彰人の方へ迫る。その
大きい。燈夜は飲み込まれそうになるのを抑えた。HGのブリッツをベースに作られたあの機体は、ペーネロペーに比べ圧倒的にサイズは小さい。しかし、その機体が放つオーラから目が離せない。
(この人は強い。油断したら……負ける。)
燈夜は本来自信家ではあったが、敵を冷静に分析できるだけの賢さも持ち合わせていた。でなければ、登山家としてもビルダーとしても評価はされなかっただろう。燈夜はペーネロペーをブリッツの真上に上昇させると、ありったけのファンネルミサイルを撃ち込んだ。放たれたファンネルミサイルが唸りを上げてシビュラブリッツに襲いかかる。
(姿が消せるブリッツに、この大型の機体では不利だ。ここは範囲攻撃で地形ごとまとめてなぎ払う!)
暴風雨を思わせるファンネルミサイルの波状攻撃。一発一発が地形を削り、抉り取っていく。
(捌ききれるはずがない。体勢を崩したところに、ビームを撃ち込んでやる!)
ペーネロペーの猛攻は一向に止まらない。
並の人間なら避けきれるものでは無い。仮にこの攻撃を耐えるには燈夜と同じ堅牢な装甲を有したフルアーマーの機体か、ファンネルそのものを止めるAFSを搭載した機体しかありえない。
しかしあろう事か総一郎は一歩もその場から動かず、ファンネルミサイルの猛攻を凌いでいた。凌ぎきっていた。迫り来るミサイルをビームライフルで落とし、イーゲルシュテルンで落とし、その二つでも駄目ならビームサーベルで切り払って行く。全くといっていいほど、態勢は崩れない。
これまで装甲で耐える闘い方をして来た燈夜にとって、それはあり得ない光景だった。彼の理解の範疇を超えていた。
(……有り得ない。トランザムでも無いのに?この動きは何だ!)
腰に携えた
「そこだっ!!」
燈夜は肩部のビームキャノンを発射する。駄目押しに更にライフルを撃ち込む。既に先ほどの攻撃で総一郎が立つ場所以外はクレーター状の穴がいくつも空いており、逃げるには空を飛ぶかクレーターの中に入るしか無い。
燈夜はそのどちらかの可能性に掛け、ビームを放つ。仮に宙を飛んだなら残りのファンネルミサイルを。クレーターに隠れたならビームキャノンによる制圧射撃で倒せるはずだと考えたのだ。
しかし。
(……ッ!?)
ペーネロペーの眼前に迫る大きな影。
煙が晴れたと同時にシビュラブリッツがロケットのような速度でこちらに向かってくる。構えたランサーダートの先端がペーネロペーのコックピットに迫った。
燈夜は焦る。反撃しようにもファンネルミサイルでは機体に誘爆し、ビームキャノンは近すぎて当たらない。
(くそおおっ!)
フライトユニットを瞬間的にパージし、フライトユニットに手持ちのビームライフルを撃つ。誘爆。
巨大な爆煙がシビュラブリッツを包む。
いくらあの総一郎でも、この爆発ではただでは済まないはずだ。しかし燈夜は油断しない。フライトユニットが外れた姿。オデュッセウスガンダムのスラスターを吹かし後ろに退避させる。それは万が一の保険だった。
オデュッセウスガンダムには危険に備えストライクガンダムの装甲をオデュッセウスガンダムの装甲の上に貼りつけておいた。これによって仮組みではあるがフェイズシフトを搭載させている。更にコックピット周辺にはIフィールドもある。流石にフライトユニット装着時の機動力は無いが、装甲も出力も第五世代MS以上の性能は有している。手負いのMSならばやれる筈だ。
しかし、爆煙から突如伸びて来たワイヤーがオデュッセウスガンダムの腕に絡みつく。電流が流れる。
「うああああああッ!!」
複合電磁式装甲――フェイズシフト装甲の機能が電流によって停止する。
燈夜は作戦が見破られていたと悟ると同時に、勝機を失ったことを悟り絶望し項垂れた。
「燈夜君。」
不意に、モニターから総一郎の声が響く。
「いい闘い方だね。」
片腕のシビュラブリッツガンダムが此方へ歩いてくる。観察すると右腕はちぎれている上に各部は大幅に損傷していた。
「さっきのは危なかった。恐ろしい火力を持つMSだ。流石はペーネロペー……やっぱり僕も欲しくなったよ。」
シビュラブリッツの膝からニードルが放たれ、オデュッセウスガンダムに突き刺さる。バランスを失いその場に崩れ落ちるオデュッセウスガンダム。
「くっ……僕に勝ったつもりだとでも?」
悔しかった。それは、燈夜がガンプラバトルで初めて抱く感情だった。自慢のフルアーマーがここまでボロボロにされるのは、屈辱だった。
「そうだ。君のその機体はもう抵抗出来ない。終わりなんだよ。」
「悪いことは言わない。そのペーネロペーは高かっただろう?ここでやめるんだ。」
優しげな声でそう語りかける総一郎。
「くっ!……それでも!」
それでも、燈夜は諦めなかった。勝負を途中で降りるというのは彼のポリシーとする事では無かった。圧倒的な実力差を肌に感じながらも、ガンプラバトルに対する誇りは失いたく無かったのだ。
「僕が諦めたら……駄目じゃないですかっ!」
そう言い放つと頭部バルカンでワイヤーを切り離し、シビュラブリッツを睨みつける。
「そうだよね。ビルダーなら当然の事だ。」
シビュラブリッツも腰からビームサーベルを抜く。
じりりと放たれる赤色の光が、静かな殺意を物語る。
「彰人君も君も、強いビルダーはみんな、往生際が悪いな。敵わないや。」
総一郎はどこか寂しそうな、だが嬉しそうな声色で話した。
その声に疑問を抱く余地など燈夜には無い。
――次の攻撃で決着が着く。
「最後まで、諦めない!!」
両足には先程シビュラブリッツが放ったニードルが突き刺さり中破。満足な歩行は望めない。しかし、総一郎も満身創痍ならば相打ちには持込めるはずだと燈夜は微かに期待するしか無かった。
一方その頃、彰人とエリックは言葉も交わさないまま、互いに斬り合っていた。刃が重なりビームサーベルのミノフスキー粒子が散っていく。
オルタナガンダムがゴゥ……とブースターを噴射すると同時に変形。更に加速する。加速したままにエリックのシルベリアアストレイをマニュピレータから伸ばしたビームサーベルで斬りつけようとする。が、叶わない。対するエリックも彰人の一撃離脱の斬撃に合わせ、器用にビームサーベルを振るいその攻撃を防ぐ。
二機の光の剣が何度も鍔迫り合う。
その光景は科学技術が発達した宇宙世紀の戦闘にしては、いささか奇妙であった。さながら旧世紀に登場した武士の果たし合いであった。
元来、起動戦士ガンダムに登場するMSとは人の動きを模倣とした機械であった。
足があればAMBACにより縦横無尽に宇宙を飛び、地上では悪路を駆け、腕でライフルやサーベルなどの道具を扱い、頭に搭載されたセンサーで物を見る。これはMSが宇宙で活動するという前提がある以上、宇宙服の延長としてMSが開発されたからである。汎用性のある巨大な人型機械。それが「ザク」と名付けられた最初のMSを契機に、今日まで進化したのである。
MSの進化は様々であった。
武器を追加し攻撃力を高めたもの。
装甲とスラスターを進化させ機動力を高めたもの。
サイコミュなどの特殊な兵器を使い戦闘の歴史そのものを変えたもの。MSは目の前の敵を討ち亡ぼすために、発展を遂げてきた。しかし、オルタナガンダムとシルベリアアストレイの両機はそうしたMSの発展からはやや外れていた。
――極端なまでの近接戦特化。
射撃兵装を極力減らし、重い装甲を切り詰め、その減らした装甲の代わりにビームコーティングやフェイズシフトなどの特殊な装甲を搭載。更に機体各所に備え付けたスラスターによる機動力の向上と運動性の向上に突出した機体。かつての第1次世界大戦や今日に至る戦闘では、射撃兵装こそが戦争の要であり必須装備と言えた世界において、この両機は戦略上愚かだと言えた。
だが、ガンプラバトルは戦争ではない。
極端な話ではあるが、MSに重装甲を付けた上に射撃兵装を充実させれば、ある程度敵と対等に渡り合えるが、そんな戦闘は楽しくない‥‥というのがGBAのガンプラバトルで遊ぶプレイヤーの意見だった。極限に運動性が高められた両機の近接戦闘はただ美しかった。その無駄が削ぎ落とされた美しさは戦争とは程遠いガンプラバトルという「遊び」であるからこそ体現出来たとも言えた。
(楽しいな……!)
エリックとの斬り合いの中で、彰人は闘いの高揚感を再び思い出していた。あのフルアーマーの少年にも興味はあったが、自信たっぷりのエリックと闘いたいという彼自身の闘争本能が優った。
彰人はオルタナガンダムを人型に変形させると同時に装甲を剥離させその姿を増殖させる。
(十にして一……!一にして十……!)
彰人は集中するとプリズムコンセントレートを使用する。多数のオルタナガンダムがエリックを囲む。数多もの虚像がシルベリアアストレイに斬りかかるが、実態はないため斬りつけることは出来ない。だがそれで良い。隙を生み出せれば良いのだ。勝負を決めよう。そう判断したのもつかの間。シルベリアアストレイの体から何十本もの短刀が射出され、オルタナガンダムの虚像を打ち消していく。
「やっぱり、同じ手は食わないよな。」
「前回の戦いから、ボクが反省してないとでも思ったかい?」
「いや、どんな手を出してくるか楽しみだった。」
「彰人ならそう言うと思ったサ。」
更にシルベリアアストレイから追加装甲であるゴールドクレイドルをパージする。パージされたパーツはMDにはならず、地上に落下していく。
「……パージ?ああなるほど、身軽にしたのか。いい判断だな。」
「ボクは、もっともっと君や君達と高みを目指したい。」
「同感だ。」
両機が刀を構え対峙する。何度も何度も飽きずに刃を交える。まるで、子供のチャンバラの様な遊びに興じる二人は心から楽しそうな表情を浮かべていた。もっと続けたい。終わらせたくない。長い斬り合いが続く。だが、終わりというものは当然やってくるものである。
電力低下によりビームサーベルの出力が落ち始めてきた。後数回斬り合えば互いにビームサーベルは使うなくなるだろう。
「そろそろ、このお祭りも終わりだな。」
「ああ、君達が途中参加したのが本当にもったい無い。」
「祭りってさ……最後は派手に締めるよな。」
「ああ……そうサ。」
言葉はもはや必要無かった。ただ目の前のライバルを倒したい。自分が相手よりも優っていたいという純粋な男の願いがそこにあった。
行くぞ……と二人は言葉を交わした後、金と銀の両機が発する光が、熱が互いにぶつかり合い大きく爆ぜた。その光と熱は祭りの締めくくりを飾るに相応しい大きな花火の様であり、美しい光景だった。
――Battle ended
無機質なナレーションと共に世界が切り替わる。
華やかな祭りは終わり、現実へと引き戻される。
「みんな、お疲れ様だったね。」
ぱちぱちと神城さんが拍手してみんなの健闘を讃えていた。その姿に全員が思い思いの表情を浮かべながら自身の戦闘の余韻に浸る。
「両チームともいい勝負だった。」
「凄かったよー。私には良くわからないけど。」
文香も沙雪も満足そうな顔でみんなの顔を眺めた。二人とも、ガンダムには興味はないのだろうが、何か楽しそうにしているのだという雰囲気だけで十分なのだろう。
「どっちが勝ったんだ?」
彰人が待ちきれない、という表情で沙雪に尋ねた。彼はエリックとの闘いに集中してたせいか、総一郎達の様子を知らない。
「僕達の負けです。」
沙雪が答える間もなく、燈夜が淡々と答える。その顔は晴れやかであった。
「僕のファンネルミサイルが避けられたのも、フェイズシフト装甲が見破られていたのも、はじめての経験でした。」
その声色には多少の悔しさが滲んでいたものの、確かな興奮が混ざっている。
強いプレイヤーに会えたことへの興奮、自分の全力を出し切れたことに対する充実感が表れている。
(自信家に見えたが、意外と素直に自分の負けを認められるなんてな……きっと、こいつは強くなる。)
そう期待できる何かを感じ取れる。彰人は燈夜の今後が楽しみになった。
「それで、エリックと俺は……相打ち?」
エリックの方を向き、彰人は一応尋ねておく。
「ふふ……どうやら決着はまた次になりそうだ。」
楽しそうに答えるエリック。言葉に片言が混じらなくなってきた。
(正直……今回は危なかった。)
だが、彰人は切磋琢磨出来るいいライバルを持てたと嬉しそうな表情を浮かべる。もう、全国に対する未練などは少しも感じられなかった。いい意味で憑き物が落ちたのだろうという事が窺い知れる。
「彰人。燈夜君は中々強かったよ。危ないと思う場面も何度かあった。」
総一郎が乱れた髪を直しながら話す。
「総一郎さん。彰人さん。エリックさん。神城さん。」
「今日は本当にありがとうございました。また機会があれば闘ってもいいですか?僕のGBNのIDを教えるので。」
「ああ。勿論だ。」
「ボクもチームプレイは久しぶりだったからネ。良い経験が出来たよ。」
「別に構わない。」
「ありがとうございます。」
そう言い終えると、深々と頭を下げた。こうして一つの勝負が終わり、ガンプラという絆で紡がれた仲間が増えていく。
(決めた。)
みんなの楽しそうな顔を見て彰人は心が決まった。
(俺、バトルを続けよう。辞めなきゃいけなくなるその時まで。)
夕暮れの空を見上げながら、彼は心に誓った。あの後に沙雪が彰人の話をまとめ、例のバトルデータを神城が再現してくれる事になった。ただデータは本社に持っていかなければならないため、1.2ヶ月はかかるらしい。
(これであの事件は何とか進展しそうだ。)
目の前で轟々と燃え上がる炎が彰人の顔を照らす。彼はお炊き上げの火を見ながらぼんやりと考えていた。このまま全てが上手くいくといいな。そんな楽観的な事を。
「彰人君。」
ふいに、声が聞こえた。
「……文香。」
ふわりとシャンプーの柔らかく甘い香りがすると思ったら、隣に文香が居たことに気づく。考え事に集中しすぎて気がつかなかった。
「どうした?」
「うん。最近あまり彰人君とお話し出来てないなー。と思って。」
「そうかな。」
「このお炊き上げの火……綺麗だよね。人形に込められた想いや、厄を引き受けてくれた人形を祓うためなんだって。」
「なんかいいよな……情緒があって。」
「うん。……本当に綺麗。」
パチパチと薪が燃え、時折火花が上がる。美しいと思った。不意に、肩に重みがかかる。見ると、文香が寄りかかってきていた。頭を彰人の方に乗せている。文香は感慨深げに目を細めながら火を眺める。その瞳には寂しさが浮かんでいたが、彰人は追求して良いのか迷っていた。
(人形供養……か。)
隼人のムラサメは供養には出さなかった。死んでいないものを供養するのはおかしいと思ったからだ。いや違う。彰人は文香に隼人の事を聞くのが怖かったからだった。互いに無言のまま時間だけが過ぎる。彼は一層の事この細い身体を押し倒して、全部有耶無耶にしてやろうかとも思ったが、やめた。
「なあ、文香。」
「何?」
「次の休みの時さ、またお祭りがあるだろ。二人で行かないか?」
「私が断るわけな……」
文香が言い終わらない内に彰人は文香の体を引き寄せてキスをする。彼女は拒まなかった。唇の柔らかい感触と熱と愛おしさを感じながら、彰人はどうしたらこの子の心を埋めてあげられるのだろう。寂しさを紛らわせてあげられるのだろうと考えていた。
それは、ガンプラバトルよりも将来の不安よりも、ずっと重い実感となって彼の胸を強く締め付ける。 この寂しさや悲しみも全て燃えて、灰になって空に昇ってくれれば良いのに。彰人は叶いもしない期待を胸に抱きながら、ただ赤々と燃える祭りの炎を眺め続けていた。
「あの二人を見ていると、何かもやもやするんだ。」
境内に寄りかかりながら、総一郎は誰に聞こえるでもなく一人呟いた。その声には不貞腐れた感情が見え隠れする。
「君がそんなことを言うなんて珍しいな……嫉妬か?」
独り言が沙雪の耳に入る。
「うん。多分ね。」
そう答える総一郎の顔は、不機嫌さを隠し切れていない。
(なんであんなにも、二人は素直になれるんだ……。)
この時、彼は生まれて初めて他人に対して嫉妬という感情を抱いた。彰人と文香のキスに対してでは無い。他人に対してあんなにも心が開ける彰人と文香に対する憤り。それはかつて他者に対して無関心を貫いていた彼にとっては、経験したことのない感情だった。黒い嫉妬心と自分に対する憤りがせめぎ合う。
「……そうか。君も変わったようだな。」
そして、総一郎の心境の変化を感じ取ったのは、同じく人嫌いな性質の沙雪であった。皮肉にも人嫌い。という互いの性格が、2人を磁石の様に引き寄せる。
本来の2人には程遠い出会いであり、それは正に奇跡と呼べるものだったが、ふたりはそれに気づくほど大人では無かった。
“人形供養祭”
ここに若者達の夢の跡を告げる、そんな一つの祭りが幕を閉じようとしていた。
次回に続く。
好きなガンプラは?
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オルタナガンダム
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シビュラブリッツ
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シルベリアアストレイ シルバーフレーム
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ペーネロペー
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Reonガンダム
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イージスアルケーガンダム