※この作品はR-18です。

異世界は『アバンの書』とともに   作:リュウコウ

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夜一とレオナの所持金
金貨31枚、銀貨55枚、銅貨200枚
夜一の手持ち
金貨1枚、銀貨5枚、銅貨50枚

ソードレック子爵の話は、細かく書きません。



5 八重とスゥシィとアルマと

~~~街道~~~

 

リフレットの街を出発して、その次のノーランの町を素通りし、アマネスクの町に到着したとき、ちょうど陽がくれてきた。完全に陽がくれる前に宿を決めることにする。『銀月』よりも少し上等な宿に部屋を取った。

部屋割りは僕たちと彼女たち2人の2部屋。僕たちの部屋には、ダブルベッドがある大きな部屋、彼女たちの部屋は2つのベッドがある少し広い部屋。

宿が決まったので、馬車を預け、みんなで食事に

出かける。麺類が美味しいんだそうだ。楽しみだ。

町中を散策していたとき道端から争う声が聞こえた。

野次馬が集まり、なにやら騒ぎが起きているようだ。

 

「何だ?」

 

そこには数人の悪漢たちに囲まれた異国の少女が。

 

「あの子......変わった格好していますね......」

「......侍だ」

 

薄紅色の着物に紺の袴、白い足袋に黒鼻緒の草履。そして腰には大小の刀。流れるような黒髪は眉の上で切り揃えられていた。後ろはポニーテールに結わえ、その先も肩の上で切り揃えられて簪が良く似合って。侍とは言ったが、イメージ的にはハイカラさんだね。

 

「昼間は世話になったな、姉ちゃん。お礼に来たぜ」

「......はて?拙者、世話などした覚えはないので」

「すっとぼけやがって......!俺らの仲間をぶちのめし、無事で帰れると思うなよ」

「......ああ、昼間警備兵に突き出した奴らの仲間か。あれはお主たちが悪い。昼間っから酒に酔い、乱暴狼藉を働くからでござる」

「やかましい!やっちまえ!」

 

悪漢たちが一斉に襲いかかる。侍の子はひらりひらりと木葉のようにかわし、男の1人の腕を取って、軽そうにくるりと投げた。背中から叩きつけられ男は悶絶した。相手の勢いを流し、体勢を崩し、投げる。合気道......柔術だろうか。侍の女の子はそのまま続けざまに2、3人投げ飛ばしていったが、いきなりよろめき、動きが鈍るその隙を突いて、背後から剣を構えた奴が斬りかかった。

 

『芯雷』《強》悪漢!バリバリバリバリバリッ!

 

女の子を囲んでいる悪漢を痺れさせた。その隙に、

 

『瞬雷:侍娘』!バリッ!と女の子の前に現れ、抱きつき、『瞬雷:レオナ』!バリッ!と元の場所に戻り、全員を連れ『瞬雷』この町の宿屋!バリバリバリッ!と移動した。

 

そこは、夜一たちの部屋だった。

エルゼとリンゼはいきなり手を握られ、あわあわして、レオナはクネクネして喜んでいた。侍娘はいきなり抱きつかれて此方も、あわあわしている。夜一は侍娘から離れて、よろめいた理由を聞くことに。侍娘は僕たちのことを怪しんでいたので、

 

「僕は鳴神 夜一。夜一が名前で鳴神が家名ね」

「おお、夜一殿もイーシェンの生まれでござるか」

「イーシェン?に鳴神って知っているの?」

「イーシェンには、鳴神神社があるでござるよ」

「それより......さっきの戦いよろめいていたけど?」

「助けていただき拙者、九重(ココノエ) 八重(ヤエ)と申す、あ、ヤエがが名前でココノエが家名でござるよ。そのうー......拙者、お恥ずかしながら路銀を落として、それでー......」

 

ぐうぅぅうぅう。

八重のお腹が盛大になり、彼女は顔を真っ赤にしている。

 

「僕たちも、これからご飯を食べに行くから一緒に行こ」

「夜一殿、拙者もよろしいのでしょうか?」

「構わないよ。ねぇ、みんな!」

 

3人の目がジト目になっていた。

食事処へ入り、これからの話をした。

 

「僕たちは王都への依頼を受けて旅をしているところ」

「拙者は、外の世界を見て周り、修行をしているのでござるよ」

 

僕たちは、注文した品が来たので後の話は食べ終わりに僕たちはメニューに満足し、八重も満足していたので、何よりだ。

 

「これからの事の前に、夜一様♥️また、女の子を釣ってどうするのですか?女の子ホイホイですか?夜一様♥️、私の他に、エルゼさんとリンゼさんも居てるのですよ」

 

エルゼとリンゼが顔を真っ赤にしていた。

 

「女の子ホイホイって人聞きの悪い事をそこに女の子が困っていたからだよ」

「それでは、夜一様♥️から女の子に吸い寄せられるのですか?」

 

夜一は、言い返せなかった。

 

「私が八重さんと話します。これからどうしますか?」

「拙者も付いていくことは、叶いますか?レオナさん」

「私は、夜一様♥️を悲しませないなら、いいですよ。エルゼさんとリンゼさんは、どうしますか?」

 

エルゼさんとリンゼさんが承諾してくれたのでこれから八重さんも一緒に旅をする。

 

「夜一様♥️これからのことが決まりました。宿屋に戻り

明日に備えましょう」

 

アマネスクの町を出て、さらに北へ。

この国、ベルファスト王国は大陸の西に位置し、西方で2番目に大きい国だ。そのためか一旦町から離れると、急に人家がまばらになり、そのうち山々や森の他になにも見えなくなる。国に対して人口密度は高くない。行き交う馬車や人々も2時間に1人会うか会わないかというレベルであったが、王都に近づけば増えてくる。

 

僕とレオナは、馬車に揺られながら無属性魔法の勉強をしている。きっかけはエルゼの無属性魔法【ブースト】が便利だと思い、試してみたら難なく発動した。レオナは使えなかった。

 

夜一は『吸雷』八重の刀!バリッ!僕の手に八重の刀が発動し。刀を八重に返した。疑問に思ったエルゼが。

 

「前から聞きたかったんだけど、夜一のその魔法って、何でも引き寄せるの?」

「範囲は、自分の周りだけだから」

「夜一さん。今、私たちも範囲内に居てるから......狙われてるの?」

「狙うってリンゼ!そうか女性の下着も引き寄せるね」

「狙わないでよ!夜一!」

「彼女じゃないから狙わないよ。レオナのは別だけど」

「その魔法を使わなくても、夜一様♥️に下着ならいつでも渡しますよ♥️」

 

それを聞いていた、2人が引いていた。

 

「夜一!変態」

「夜一殿!変態でござったか」

「夜一さんになら、わ、私も下着なら......渡し...ますよ」

 

リンゼの返答に、2人がまた、引いていた。

 

夜一とレオナは【ロングセンス】を覚え、僕は今、感覚拡張魔法【ロングセンス】の試験をして、1k先の状況を確認しているのだが......この先で鉄?......血の臭いが。視覚を血の臭いがした側へ向けると煌めいた高級そうな馬車、鎧を纏った兵士の男たち、それを取り囲むリザードマン。黒いローブを着た男が。リザードマンが馬車を襲っていた。それをさせまいと、兵士たちが身を挺して、護っている。

 

「八重!前方で人が魔物に襲われている!」

「ッ......!承知!」

「レオナたちも、戦いの準備をしていてくれ」

「僕は、1足先に『瞬雷』で行っている。あとは、レオナの【ロングセンス】で追ってきてくれ!」

 

3人が返事をしたので、

僕は『召雷』「雷霆」装備!『瞬雷』バシュ!

夜一が1体のリザードマンの前に現れ、斬り倒す!もう1体のリザードマンを倒したときに、

 

「【炎よ、渦巻け螺旋、ファイアストーム】」

 

リンゼの魔法が1体のリザードマンを襲う。『アイス』『グレイズ』とレオナの魔法が凍てつかせ、エルゼのガントレットがリザードマンを殴り倒し、八重の刀がリザードマンを斬り倒す。それを見てここは任せられると、僕は馬車に近づくリザードマンを斬る。

 

「これで終わりか......。みんな大丈夫か?」

「大丈夫です。夜一様♥️」

「平気、何ともない」

「わっ、私も大丈夫です」

「拙者も同じく」

 

僕たちは無事だったが、襲われた方は被害甚大だった。

 

「すまん、助かった......」

「いえ、被害は?」

「護衛の10人中、7人がやられた......くそっ、もう少し早く気付いていれば......!」

「誰か!誰かおらぬか!爺が......爺が!」

 

不意に女の子の叫びに、僕たちは振り返る。馬車の扉を開けると、10歳位の金髪の女の子が、泣き叫んで。馬車に駆け寄ると白い服をまとった女の子の他に、黒い礼服を着た 白髪(ハクハツ)でロマンスグレーの老人が横たわり、胸から血を流し、苦しそうに喘いで。

 

「誰か爺を助けてくれ!胸に..胸に先も矢が刺さり...!」

 

涙でぐしゃぐしゃにしながら、懇願する女の子。夜一とレオナが呼び掛ける。

 

「僕たちが助けるので、馬車の外に運んで下さい」

「一刻を争うのですよ!」

 

兵士3人で、慌てずゆっくり馬車から草むらに横たえ、

 

「......お嬢様......」

「爺......っ、爺っ......!」

「お嬢さん。助けますから、離れてくださいね」

「レオナ!僕が鏃を抜き取るから、回復を頼む!」

「了解!夜一様♥️」

 

エルゼたちとお嬢さん、兵士3人が見守るなか、僕は、鏃を思い描き、『吸雷』と唱えると、夜一の手の中に、血に染まり折れた鏃がある。そのあとに、レオナは老人の傷口に手を当て『ベホマ』と唱えると、みるみる傷がふさがり、体力が回復していく。

 

亡くなった兵士7人の遺体を、近くの森へ埋めて弔う。

 

「本当に助かりました。なんとお礼を言えば良いか」

「気にしないで下さいね。私は、当たり前のことを、したに過ぎないのですから」

 

レオナがお爺さんに言っているなか、

僕をキラキラした目で見ているお嬢さんがいたので、

 

「お嬢さん。お爺さんが助かり良かったですね」

「感謝するぞ、夜一とやら!お主は爺の、わらわの命の恩人じゃ!」

「いえ。回復したのは、レオナのおかげですから!」

「しかし、それも夜一が鏃を抜き取ったからで、レオナとやら!そなたも命の恩人じゃ!」

 

偉そうな言葉遣いで、お礼の言葉を発する少女。それに、高級そうな馬車、護衛の兵士、執事の老人とくればほぼ間違いない。

 

「ご挨拶が遅れました。私、オルトリンデ公爵家家令レイムと申します。そして此方のお方が公爵家令嬢、スゥシィ・エルネア・オルトリンデ様でございます」

「スゥシィ・エルネア・オルトリンデだ!よろしく頼む!わらわは気に入ったぞ、夜一とやら!わらわの馬車に乗ってくれ!」

 

僕が困っていると、

 

「夜一様♥️はやっぱり、女の子ホイホイですね!あの、スゥシィお嬢様。夜一様♥️を乗せるなら、私もですね」

「そうなのか、夜一よ」

「レオナは、僕の彼女です!」

「わかった、レオナよ。わらわも夜一の彼女になろう」

 

それを聞いて、エルゼたちがまたしてもジト目に、スゥシィの押しが強く僕とレオナが高級な馬車に乗りそのあとを、エルゼたちが馬車で付いていくことに。レイムさんには、王都まで護衛を頼まれていたので、僕の【ロングセンス】とレオナの【マホカトール】と【トラマナ】が2台の馬車を包んで、進んでいく。

 

「夜一様♥️は本当に女の子ホイホイなんですね!」

「夜一よ。女の子ホイホイとは、なんじゃ?」

「僕が行く先々で困っている女の子を助けているから、だと思います」

「それで、女の子ホイホイにわらわも、という訳じゃな」

「......」

「スゥシィ様は、本当に夜一様♥️の彼女に?」

「ダメなのか?レオナ!」

「ダメでは、ないのですが。もしかしたら、これからも夜一様♥️は女の子ホイホイを」

「するかも知れない、とわらわ夜一を好きだから揺るがない、大丈夫じゃ」

「スゥシィ様がそれで良いなら私がいうことはないですね。これからよろしくね」

「こちらこそ、よろしくなのじゃ」

「確認ですけど、スゥシィ様!は、国王様の姪?」

「父上、アルフレッド・エルネス・オルトリンデ公爵は国王陛下の弟じゃよ」

「私も人のことは言えないけど」

「旅行の帰りで?」

「いや、母上の母上のところからの帰りで、調べものがあったので」

「そこを狙われたのですね」

「王都に着いたら、私たちの仕事を先に片付けてよろしいですか?」

「良いぞ。わらわたちが無理を言っているから」

 

僕たちが、雑談をしている間に王都が見えてきた。スゥシィ様の許しが出たので、

 

「この橋を渡った先が、貴族たちの住居なのでございます」

ソードレック子爵の屋敷に立ち寄り、ザナックさんの手紙を渡し、返事を書いてもらい、スゥシィ様の御屋敷へと向かう。

 

玄関前で馬車が止まり、スゥシィ様が御屋敷の扉を勢いよく開けた。

 

「お帰りなさいませ、お嬢様!」

「うむ!」

 

ズラッと並んだメイドさんたちが一斉に頭を下げる。

 

「スゥ!」

「父上!」

「良かった。本当に良かった......!」

「大丈夫、わらわはなんともありませぬ。早馬に持たせた手紙にそう書いたではないですか」

「手紙が着いたときは生きた心地がしなかったよ...」

「......君たちが娘を助けてくれた冒険者たちか。 礼を言わなければな。本当に感謝する、ありがとう」

 

そう言って、公爵が僕たち5人に頭を下げた。

 

「頭を上げてください。僕たちは当然のことをしたまでですよ」

「そうか。ありがとう。謙虚なんだな、君は」

「わらわの夜一は、謙虚なのじゃ」

 

スゥシィの言葉を聞いた、アルフレッド公爵様が、

 

「娘の彼氏、だと!後で、話をしようじゃないか」

 

~~~御屋敷のテラス~~~

 

「なるほど、君たちは依頼を受けて王都へ来たのか」

 

2階のテラスで僕たちは公爵の向かいに座り、エルゼたちは、もう1組のテーブルで紅茶を楽しむ。

 

「襲撃してきた者に心当たりは?」

「ない...とも言えんな」

「父上。お待たせしたのじゃ」

「エレンとは話せたかい?」

「帰って来た報告をしただけじゃ」

 

スゥシィが公爵の隣にフワリと座る。薄桃のフリルが付いたドレスに、金髪を飾るカチューシャには薄桃の薔薇が付いていた。

間を空けずレイムさんが紅茶を運んできた。

 

「エレン?」

「ああ、私の妻だよ。娘の恩人なのにすまない」

「ご病気なのですか?」

「5年前に病気でね...一命は取り留めたが、視力を失った」

 

エルゼたちは、重い空気に口を挟めないでいる。

 

「お祖父様が生きておられたらのう......」

「妻の父上......スゥの祖父、私の義父は特別な魔法の使い手でね。身体の異常を取り除くことが

できたんだ」

「お祖父様の魔法なら橋の目は治るのじゃ」

「それはかなり確率が低いと言ったろう、スゥ。無属性魔法はほとんどが個人魔法だ」

 

(夜一様♥️お嬢様を助けるなら、最後まで、ね)

(今回は、僕がやってみるよ!レオナ)

 

「アルフレッド公爵様!お祖父様...義父の魔法を教えて下さい。僕なら使えると思います」

「どういう...いや、治せる可能性があるなら、隠す必要がないな」

 

~~~エレンさんの部屋~~~

 

「あら、お客様ですか?」

 

ベッドに腰掛ける貴婦人はスゥがよく似ていた。髪の色だけは薄茶色で娘とは違っていたが。

 

「鳴神 夜一と申します。初めましてエレン様」

「初めまして。あなた、この方は?」

「ああ、スゥが出会った未来の旦那かもしれない、お前の話を聞いて、目を診てくださるそうだ」

「目を......?」

「母上、わらわの夜一を信じてください」

「わかりました。娘の彼氏が診てくれるなら」

 

(ま、まだ、スゥの彼氏と認めた訳じゃ......)

 

アルフレッド公爵が悩んでいるが、エレン様の目にそっと僕の手を翳し、先ほどアルフレッド様に教えてもらった魔法を、

 

「【リカバリー】」

 

柔らかな光が僕の手のひらからエレン様の目に流れていく。しばらく宙をさまよっていた視線公爵とスゥを捉えて涙が溢れていた。

 

~~~応接間~~~

 

「君たちには本当に世話になった。感謝してもし切れない。娘だけではなく妻まで......本当にありがとう」

 

スゥはエレン様とお別れの挨拶をしている。

 

「本当に気にしないで下さい。スゥも無事、奥様も治った。それでいいじゃないですか」

「そんなわけにはいかない。君たちにはきちんと礼をしたいのだ。それに夜一くん、君は娘の彼氏だろそれ相応が礼儀だ。レイム、例のものを持ってきてくれ」

「かしこまりました」

 

レイムさんが銀の盆に何かいろいろなものを載せてやってきた。

 

「まずは、娘を襲撃者から助けてもらったことと、道中の護衛に対する謝礼だ。受け取って欲しい」

 

ジャラッとお金が入った袋を僕に差し出す。

 

「中に白金貨で50枚入っている」

「「「!?」」」

 

僕とレオナ以外のみんなはわかったようだが、イマイチわからない。横で呆然としてるエルゼに声をかける。

 

「ねぇエルゼ、白金貨ってなに?」

「そうかあんたたちは......聞くのは初めてよね......金貨の上の貨幣よ......。1枚で金貨10枚分...」

「「10枚!?」」

 

今まで異世界で生活してきて、だいたい金貨1枚が10万円ぐらいすることがわかっている。えぇーと白金貨1枚で100万円だから......5000万円......うええ!?

 

「こんなに大金を貰ってもいいのですか?」

「なにを遠慮している。これからは、夜一くんとは家族なんだから、気にしなくていいんだよ♪それに冒険者なのだろ、君たちは?娘が付いていくことになると、スゥも冒険者にと、言ってくるそのときも頼みましたよ」

「わかりました」

「あと、たまにはウチに顔を出してくれスゥも連れて頼んだよ、夜一くん」

「それとこれを君たちに贈ろう」

 

公爵がテーブルに並べた5枚のメダル。メダルには盾を中心にライオンが向かい合うレリーフが刻まれ、

 

「我が公爵家のメダルだ。これがあれば検問所を素通り、貴族しか利用できない施設も使える。なにかあったら公爵家が後ろ盾に鳴門屋いう証だよ。君たちの身分証明になってくれる」

 

もともとは公爵家御用達の商人などに与えられるものメダルひとつひとつに僕たちの名前と、単語が刻んであって、同じものはひとつもない。僕のメダルには「平穏」、レオナのには「聖賢」、

エルゼのには「情熱」、リンゼのには「博愛」、八重のには「誠実」の文字が刻まれていた。

 

僕たちは、アルフレッド公爵夫妻の見送りを受け、スゥシィは僕の隣に立っていた。

 

「スゥ、夜一さんの言うことをちゃんと聞いてね、あまりわがままを言わないようにね」

「わかっておるのじゃ。夜一を困らせぬよ、母上」

「夜一殿、スゥを頼みましたよ」

 

公爵家をあとに、王都観光をして帰るというので、女の子5人で買い物に行くというので、

 

近く防具屋があったので、訪ねることに、

 

「魔力付与された防具はここにありますか?」

「うちじゃあ扱ってませんねえ。あの手の者はかなり高価ですから。東通りの『ベルクト』って防具屋なら置いてあると思いますが、貴族御用達

ですからねえ」

「その店ってこれで入れませんかね?」

「これは....?こ、これって公爵家の!?お客様は公爵家所縁の方で!?」

 

僕が公爵家から貰ったメダルを見せると店主が顔色を変えた。

 

「そういうことでしたら大丈夫だと思います」

 

手間をかけさせたお詫びに、銀貨で2枚を払って、店を出た。

「ベルクト」へ向かう。

 

その頃、女の子5人組は、

 

~~~王都の喫茶店・テラス~~~

 

買い物が終わった。女の子5人は王都の喫茶店のテラス席で休憩をとっていた。レオナを始めエルゼ、リンゼ、八重、スゥシィは、各々飲み物を店員に注文し、夜一様♥️の事について話をしていた。

 

「話というのは、夜一様♥️のことを好きなのか?どうかという話なのですけど、私は揺るぎなく、夜一様♥️のことは好きです!」

「わらわも夜一のことは好きじゃよ♪」

「これで、2人ですね♪あとの3人は?」

「わ、私も、夜一さんのことは、好き.....です♪」

 

「これで、3人です♪あとの2人はなんとも思っていないということですね。では、3人で夜一様♥️を助けていきましょう!これにて、解散......」

 

沈黙が続いたので、仕方なく、各々が注文した飲み物を飲み終わり、席を立とうとした時に、

 

「ちょっと待ちなさいよ、レオナ。私も夜一のことす、好きよ。これでいいんでしょ」

「はい。素直でよろしい♪八重さんだけですけど?」

「......せ、拙者も、夜一殿のこと...好きでござるよ」

 

これからの話が終わったので、待ち合わせの宿屋へ。

 

~~~東通り~~~

 

夜一が「ベルクト」へと向かっていると、獣人の女の子が迷子になっていたので、

 

「もしもし、お嬢さん道に迷いましたか?」

「......ひゃ、ひゃい!どちらさんですか?」

「これは失礼しました。私は鳴神 夜一と申します。それで、お嬢さんは道に迷いましたか?」

「あ、あの、あのわた、私、連れの者とはぐれてしまい」

「このハンカチで涙を吹いてください。あなたに涙は似合いませんよ♪」

「は、はい、あなたはお優しいですね♪」

「紳士として、これくらい当たり前ですよ。それで、連れの者ですね♪では、私が肩車をするので、歩きながら探しましょうか」

「お願いします」

 

黄狐(オウコ)の獣人の女の子の名前は、アルマ。

アルマを肩車をしながら連れの者を探していると、遠くの方に、アルマを成長させた女性が店の前にたち、妹がいないことに困っていた。僕たちが女性に近づくと、向こうも気付き、

 

「アルマ!」

「お、お姉ちゃん!」

 

僕はアルマを肩車しながら、近づいていく。

 

「妹がお世話になりました。感謝します」

「それでね、お姉ちゃん。私、夜一さんと生きたいの。だから、お姉ちゃんと帰ることが、その、ごめんなさい」

 

アルマのお姉さんは、アルマと僕を交互に見て。

 

「アルマ!本気なのね。夜一さんは冒険者だけどいいの?アルマも付いていくの?」

「夜一さんの足を引っ張らないように、冒険もがんばる」

「わかったわ。お父さんには私が言っておくわ」

 

アルマのお姉さんと別れて、「ベルクト」へと向かう。その中で、アルマのことを聞いていた。魔法適性は、火属性と無属性魔法【ブースト】が使えるという。

 

~~~「ベルクト」~~~

 

「ベルクト」と看板が出ていたので僕たちは中に入る。

 

「いらっしゃいませ、ベルクトへようこそ。お客様は当店を初めてご利用でございますか?」

「あ、はい。初めてです」

「それではなにか、お客様のご身分をどなたかが証明する物、もしくはどちらかからの紹介状などをお持ちでしょうか?」

 

お姉さんに、証明か紹介状と言われたので、公爵様から貰ったメダルを見せる。

 

「確認いたしました。ありがとうございます。それで本日はどのようなご用件でしょうか?」

「その前に、連れがいても大丈夫ですか?」

 

僕の後ろに隠れていたアルマを紹介すると、

 

「お客様の確認はできていますので、お連れ様も大丈夫ですよ」

「ありがとうございます。魔力付与のされた防具を見せて欲しいのですが」

「かしこまりました。こちらへどうぞ」

 

店の奥のコーナーに案内された。

 

「それでお客様のご希望はどのような物を?」

「軽くて丈夫な防具が欲しいです」

「それなら、こちらが軽くて丈夫な防具です」

 

コート系統の防具がズラリと飾られていたその中で隅に追いやられていた白いコートに目が留まる。襟と袖にファーが付いたロングコートがあった。

 

「これは?」

「こちらには、耐刃、耐熱、耐寒、耐撃、加えて非常に高い攻撃魔法に対する耐魔の付与が施されておりますが少々問題がありまして......」

「問題?」

「耐魔の効果は、装備されたその方の属性しか、発揮しないのでございます。どうされますか?」

「このコートと此方の連れにも、選びたいのですが?」

「お嬢様のご希望はどのような物を?」

「アルマは、格闘はできるのかな?」

「ミスミド王国の国王様が武闘派だから、じ、女性でも獸桜護身術初段は習得が基本ですので」

「手を守る、魔力付与のある爪甲がいいのかな?」

「はい。夜一さん」

「それでしたらこちらがそうですね」

 

「風属性付与の風速爪甲の籠手、光属性付与の光速爪甲の籠手、2つとも耐刃、耐熱、耐寒、耐撃、破壊付加に加えて、成長という珍しい付加が、これは使えば使うほど、強くなっていく籠手なので、2点ともお高め白金貨2枚ですどうしますか?」

「この白いロングコートと2点の籠手をお願いします」

「白いロングコートが金貨8枚と2点で白金貨4枚になります」

「お代はこれでお願いします」

「白金貨5枚ですね。少々お待ち下さい」

 

お姉さんがカウンターに行っている間に、

 

「夜一さん、そ、そのあのような高価な籠手を買って平気なのですか?」

「アルマを守る籠手だから、気にしないで。それと、お金は使っていってなんぼだよ!貯めてるだけでは、それ以上自分にはお金は入ってこないよ♪」

「ありがとうございます。夜一さん」

 

カウンターから戻ってきたお姉さんは、銀盆の上に2枚の金貨を持ってやってきた。それを受け取って自分の財布に入れて、店の出口へ向かう。

 

「ありがとうございました。またのご来店お待ちしております」

 

頭を下げるお姉さんに見送られながら『ベルクト』をあとにする。

 

~~~宿屋~~~

 

僕はアルマを連れて待ち合わせ場所に行くと、レオナやエルゼ、リンゼ、八重にスゥシィに呆れられ、

 

「「「「「女の子ホイホイ!」」」」」

 

5人の声が重なっていた。

僕が着ているコートが似合っているとレオナが言いみんなに言われたので、恥ずかしくなった。

 

「アルマさん、町に帰ったらお話を聞かせてね♪」

「は、はい」

 

 

 

 




夜一とレオナの所持金 白金貨15枚
金貨31枚、銀貨53枚、銅貨145枚
夜一の手持ち
白金貨0枚、金貨3枚、銀貨3枚、銅貨50枚

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