血がまるで霧のように、赤く宙を漂う。累々と倒れ伏す、人だった物の残骸が、恐怖に慄いた瞳で虚空に視線を送っている。
「はぁ、はぁ…!」
「くははは!さっきまでの威勢はどうした趙子龍??」
美しい顔と白い衣を泥で汚しながら、星が地面を転がる。すでに幾度も同じことが繰り返されていながら、星は未だ一突きすら華雄に入れることが出来ないでいた。
それは彼女の武勇が劣っているからではない。ただひとえに、彼女には守る者が多すぎたという事である。
「はぁっ!!」
「…っぐ、ぅ…!」
二人の間に存在した距離を、華雄は僅か一息で詰めてみせる。しかしそれは星には十分に反応できる速度だった。にも関わらず、星は振られた大斧を正面から受け止める。だが距離を詰めたままの勢いで振るわれた大斧を槍一つで止められる訳もなく、易々と吹き飛ばされた星は、再び地面を転がった。
「う、ぁ…」
「ふん、主人の言いつけは守れるらしいな」
自らを星の主人と自称した華雄の背後には、囚われた子供達と、それに剣を突きつける兵士達。
詰まる所、星と村人達は見誤ったのだ、董卓軍の残虐さと卑劣さを。武器を取った村人達は、寸暇も持ち堪える事すらできずに虐殺され、今やこの村で生きているのは、幼い子供と、虐殺される仲間達の姿に怖気づいて寝返った、数人の卑怯者達だけだった。
「貴様のような愚図でも『避けるな』は出来るらしいな。くはっ、それでは次だ。…『動くな』」
「ッ!下衆め…」
子供を人質に取った華雄は、抵抗を示した星を脅す。一騎討ちの体を取りながら出される命令により、星はただ甚振られ続けることしか出来ない。そして今度は避けることを禁じられる。
武人としての尊厳を持たず、自身の誇りを汚す華雄に、星は飄々とした仮面を棄て去り、彼女らしくない憤怒を燃やしていた。
「そんな目を向けるとはなぁ…まだ躾が足りんか。…おいゴミ共。それの体、触っていいぞ」
「…っな!?」
「「……!!」」
星の怒りを見た華雄が、寝返った村人達に告げる。降って沸いた幸運に、彼らの鼻の下がだらしなく伸びる。
「華雄…!」
「へ、へへ…!悪いなぁ、趙雲さん」
槍を握る手に力が入る。そういった男女の行為について知識こそあるものの、未だ耳年増でしかない星は、清潔感もなく、醜い顔を厭らしく歪めながら近づく男に根源的な嫌悪感を抱く。
「おほ、柔らけぇなぁ…!」
「…っ」
男は、村の子供の命を守るため、必死に恥辱に耐えている星を慮ることなく、カサついた荒い手を彼女の胸に這わせる。嫌悪感と羞恥心が星の顔を真っ赤に染め、目の端には涙が光る。しかし卑怯者の男達にとって、気の強い女が流す涙なんてものは、ただの性感を煽る媚薬でしかない。
「おい、そこはっ…!」
「すーーーっ。あぁ、たまんねぇ!」
もう一人の男が、星の尻に顔を突っ込み、蒸れた性器と尻穴の臭いを吸い込む。たとえ恋人であろうと嗅がれたくない場所の臭いを嗅がれたことで、羞恥心からか星の足が一歩、その場から動いた。
「殺せ」
「い、嫌…!」
「やめろ!!」
僅かな足の動きすら見逃さず、華雄の一声で少年の首が飛ぶ。幼い少年の首は大きく目を見開いたまま地面を転がり、星へとその恐怖に満ちた表情を覗かせる。卑怯者達ですら、その光景に思わず彼女の体を弄る手を止め、呆然と少年の死体を眺めていた。
「あ…」
「『動くな』と言ったはずだ。躾のなってない狗には罰を与えんとなぁ?」
握った槍が悲鳴を上げるように軋むほど、星は手に力を込める。こちらを嘲りながらニヤニヤと嗤う華雄への殺意が彼女の中で膨れ上がる。
「貴様らには誇りがないのか!?」
それは華雄への糾弾であり、慟哭。救えなかった幼い命への懺悔の叫びだった。なぜお前達は平然としていられる?民を殺し、子供を殺し、その先に何があるというのか。悪逆の限りを尽くして、民から略奪した財で、なにが楽しめる?
「あるとも。この地に響く悲痛な叫び、女の肢体に、限りない財。それを我らが捧げることで、殿が楽しみ、無聊を慰める。それこそ我らの誇りだ」
「そんなモノが誇りであるものか!!」
思わず詰め寄りそうになる足を必死に抑えつけ、彼女は叫ぶ。統治者の歪んだ欲望を満たす玩具として民を消費するその思考は、彼女には決して認められない悪であり、滅ぼさなければならない暴君のそれである。
「趙雲、貴様も殿の威光に触れれば理解できる…貴様の武勇と肢体、どれも貢物として相応しい」
「な、に…?」
ぞくりとした悪寒が、星の体を走り抜ける。明らかに華雄の雰囲気が変貌し、まるで狩人のような剣呑さを迸らせる。
「っ!!!」
華雄の姿が、星の視界から消える。その瞬間、星の全身の筋肉が咄嗟の出来事に硬直し、彼女が本来持ち合わせていた俊敏さを失わせる。
それは生物としては逃れられない本能であるが、それと同時に彼女に宿る武人としての本能が、生物としての本能を抑え込み、無理矢理体を動かした。
ぶちぶちと、何かが切れる音が体の内側から聞こえ、鋭い痛みが走る。しかし今まで積み上げた鍛錬と経験に従い、それら全てを無視して、背後から迫る大斧と体の間に槍を滑り込ませた。
「っな…ぐぅぅぅ!?」
数多の悪党を屠ってきた常山の龍。その赤い牙は、たった一振りで、あっさりと砕かれた。
時が圧縮され、ゆっくりと流れていく中で、星は自らの体に迫る斧をどこか冷静に見つめていた。時が圧縮されようと、体が素早く動く訳でも無し。それはただ、彼女に自らの運命を悟らせるための覚悟の時間に過ぎない。
(この斧は…なるほど、貢物を殺す気はない。という訳か)
遅く流れる時間の中で、華雄の斧が刃を潰してある事に気付く。主への貢物を殺すことなく、その意識を奪い去る、悪意に満ちたその武器が体に触れた瞬間、時の流れが元に戻る。
「が、あああああ!!」
投げられた玉のように、星の体は家屋へと突っ込む。土埃が上がる中、崩れた家屋の中から、空を見上げた彼女は、自らの真名の由来である、空に瞬く輝きを目に焼き付け、その意識を手放した。
「くははは!!良い土産が手に入った!よし、餓鬼どもと一緒に縛り上げろ!」
頭から血を流して失神する星を無造作に引きずりながら、華雄は思いもよらぬ収穫に満足していた。常山の趙子龍は、そこそこ有名な賊狩りである。名の知れた武将や、名士、名族の女を好む主も喜び、きっと褒美を下さるに違いないと、喜色を浮かべる。
「華雄様!逃げ出そうとしていた女二人を捕えました!」
「ほう、まだ居たのか。…顔は?」
「ご満足頂けるかと」
生き残りがいないか見回っていた兵士の報告に彼女の機嫌がさらに上昇する。金はどうとでもなるが、美しい女は貴重なのだ。それを一度の徴収で三匹も捕える事が出来た幸運に、華雄は感謝していた。それは天や神ではなく、主である男への感謝であるが。
「その女達も縛って連れて来い!翠には先に戻ると伝令を出せ!…あぁ、そこのゴミ共は殺しておけ、不愉快だ」
「は、話が…!あぎ!?」
「やめてく、っが!」
「嫌だ…いやだぁぁ!!ぎゃぁぁぁ!」
男から与えられる褒美の為に、早く帰還することを決めた華雄は矢継ぎ早に指示を飛ばす。そして寝返った卑怯な村人達は、たったの一言で抗議する間もなく、その命を奪われる。抗議の声を発する間もなく、流れ作業の様に処理され、その亡骸は他の村人と共に鳥獣の餌となるまで放置された。
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「ぁっ、ぐ…う」
まるで手慰みで使われる性玩具のように、尻を掴まれ揺さぶられる。つい先ほどまで乙女だったことを示す血が、愛液と混ざり合い桃色に股を彩る。
「おぉぉ…!なかなか良い締まりだのぉ…んぶ、ぢゅる…」
醜く肥え太った男の、でっぷりとした唇が、星の唇を貪る。董卓の居城に連行された彼女が見た物は、涼州中から集められた美女美少女が、この醜い男の欲望を満たす為だけの道具として消費されている光景だった。
「ぅ、ぶ…ぢゅ…やめ…ぢゅる…」
口内を激しく蹂躙する男の舌から星の赤い舌が必死に逃げ惑う。しかし、後頭部を掴まれ、男の唇に押し付けられている状態では、それは余りに儚い抵抗でしかなかった。
「じゅるる…!んんぅ?良いのかのぉ、そんなに抵抗しては、あの子らはどうなってしまうのやら」
「お、のれ…!」
あの村から攫われてきた子供達は、地下牢の劣悪な環境で監禁されていた。目の前の男が語った所では、手柄を上げた小児性愛者達への褒美として、その尊厳を破壊し尽くされるらしい。事実他の牢には、まるで薬物中毒者のように、虚空を眺め、虚ろな表情でひたすら自慰を繰り返している子供が大勢並んでいたのだ。
せめてあの子らだけでも守らねば。
そう思った星に、男は取引を持ち掛けた。一か月間男の性欲を処理すれば、子供達を解放する。
(我ながら、馬鹿らしい取引に乗ったものだ…!)
この男が約束を守るわけがないことは、彼女にも分かっている。しかしそれでも子供達を守れる可能性があるのならばと、星はその取引に乗った。時間を稼ぎながら一か月の間になんとか脱出の手筈を整えて、子供達と風、稟と共にここから逃げ出す。それが今の星にできる精一杯だった。
「なにを呆けておる?」
「あっ、う、んん!…そ、こはぁ…!」
男の肉棒が、恥骨の下あたりを擦り上げる。処女を奪われたばかりなのに、彼女の体は稲妻のような快感を感じていた。
「どうだ、上手かろう?若造とは経験が違うのでなぁ」
「あ!や、め…!い…くっ!ぃ、くぅぅ…!」
ぷしゃぁと水音を立てて、星の性器から吹き出した潮が、男の股座を濡らす。凄まじい淫臭があたりに立ち込め、護衛として並んでいる武装した女達の情欲を煽っていく。
「ふ、ひひ…処女を失ったばかりでこの乱れようとはのぉ」
ニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべながら、絶頂の余韻に惚ける星の顔を舐める。肉棒に媚びる様に、ぴくぴくと膣内が痙攣している。
「はっ、ぁあ…」
処女ですら前後不覚に陥れる男の手管。それだけの技量を身に着けるために一体何人の女が犠牲になったのか。快感に惚けながらも、ぼんやりとそんなことを考えていた星に、再び暴力的な快楽が押し寄せた。
「あ、ぎ!?やめろ、そこは、あぁ!!」
「一回イッただけで呆けておってどうする?尻穴も使わねば儂を満足させられんぞ?」
ずぶりと男の太い指が尻穴に差し込まれた。初めて感じる異物感に驚き、尻穴に力を込めて排除しようとするも、それが余計に男の指を締め付ける。
「おお!きゅうきゅうと締めおるのぉ、ん?もっと欲しいのか?」
「ふざ、ける、なぁ!…はやく、ぬい…」
「くひひ…その顔はたまらんのぉ」
男の肩に手を食い込ませながら、必死に異物感と戦う星の顎を持ち上げ、彼女の紅潮した表情を視姦する。
唇を噛み、矯声が漏れないように耐える彼女の表情は、嗜虐的な嗜好を存分に満たし、未だ膣内で硬さを保っている肉棒を律動させた。
「あ…く、ぁ…ん、ぅぅ」
「尻穴が気に入ったのかのぉ、出し入れする度に膣内がうねりよるわ」
膣と尻穴、前後から同時に襲いかかる快楽に、星の性感が高まっていく。膝がガタガタと震えるほどの快感に喘ぐ彼女の姿は、誰かを守る気高い武人ではなく、ただただ目先の快楽を求める一匹の雌のようにすら見える。
「ん、ぁあ…!だ、だめ…だ、イく…!イってし、まう…!あ、あぁぁぁぁ!!」
絶頂の余韻が抜けきっていない彼女の体は、未だに敏感なままであり、男から与えられる快感を素直に受け止め、先ほどよりも更に深い絶頂へとまた至る。
「おお、偉いのぉ、主人のモノを良く締めおる…!」
抽挿を繰り返しながら、男は彼女の具合の良さに感嘆の声を漏らす。ぐちゅぐちゅに濡れそぼった膣道と、ぎちぎちと肉棒を締め上げて奉仕する膣肉。そして快楽に耐えようと唇を噛み締める表情、どれをとっても男が好む雌の姿だった。
「ほれ、主の寵愛を受け取るがよい…!」
「う、ぇ…?…あ゛あ゛あ゛!!イってる!イってるのにぃ!!ああああ!!!」
絶頂の奔流に意識を流されかけていた星の膣奥に、肉棒がそのエラのはった亀頭を押し付け、精を吐き出す。
子宮口に直接精液を浴びせられた彼女は、悲鳴の様な嬌声と共に、体から溢れ出す快楽によって足先がピンと伸び切る。涎と鼻水、そして涙で顔中を汚した美女の嬌声は射精の快楽に浸る男の耳をくすぐった。
「ぅ…ぁ…」
まるで遊び終わった玩具の様に、星はどさりと、乱暴に投げ捨てられた。しかし床に横たわる彼女は、赤く染まった頬と、じっとりと湯気が昇りそうなほど汗ばんだ体に、蕩け切った表情で、それはどこまでも快感に溺れた雌の有様だった。
「これは良い収穫だったのぉ…華雄に褒美をやらねばの」
「ご主人様、次は私をいかがでしょうか…?」
腹を揺らして嗤っていた男に、一人の少女が侍る。男の股の間に膝を付き、愛液に濡れた肉棒をうっとりと見つめる、眼鏡を掛けた理知的な彼女は、星、風と共に旅をしていたはずの稟だった。
「くく、仕方ないのぉ…」
「ありがとうございます♡」
媚びた笑みを浮かべた稟が肉棒を咥える。床に倒れる星の姿などは眼中にもない。自らの才と体。その全てを捧げることが、自身の天命だと悟った彼女は、醜い男への性奉仕に疑問を抱くことはない。
今も地下牢で捕えられている親友のことなど、今の彼女にはどうでも良いことなのだ。
稟洗脳済み、風未洗脳。矛盾しますなぁ…