※この作品はR-18です。

洗脳†無双   作:bytheway

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お待たせしました!

今回はエロ無しになります!



政変と虐殺

洛陽の宮殿が分厚い黒煙と、夜空を真っ赤に照らす猛火に覆われている。

市井と宮殿を繋ぐ門は封鎖され、宮殿から聞こえてくる、人の物とは思えぬ断末魔に、住民達は家の中で抱き合い、嵐が過ぎ去るのを待っている。

 

「おぉ…!神よ!」

 

「ぁがぁっ!?」

 

炎をその刀身に反射させ赤く輝いた刃が、教えを解せぬ愚者の肉を断つ。

恍惚とすら言える笑みをその狂貌に湛え、董卓軍の兵士達は列を成し、恥を知らぬ異教徒を屠る。崩れ落ちる異教徒の亡骸を踏み砕き、兵士達は奥へ奥へと突き進む。目指すは不遜にも天の子を自称せし僭称者と、その威を借る十常侍。主の救世を阻む者達へ、董卓軍はその牙を振り下ろす。

 

「くく…くははは!!大願成就の夜が来た!!俗物を駆逐し、殿への贄とせよ!」

 

無数の屍で築かれた肉塚の上、その身に返り血と月光を浴びた華雄が妖しく嗤う。今白起の号令の下で、信仰に殉ずる悦びに震える兵士達が吶喊する。

 

「お、おのれぇ…!董卓め…やりおったなァァ!!」

 

まるで餌に群がる餓狼の群れの様に、萎びた趙忠の老体を囲み、剣を突き下ろす。引き裂かれた趙忠の体から舞う血飛沫が彼らの顔を朱く彩った。

 

「くはは!愚か者め…似合いの末路ではないか」

 

四肢は捥がれ、顔も潰されたその肉塊が、栄華を極めた十常侍の亡骸とは、誰が見ても信じないであろうその姿。栄華の果ての有様としては、余りに無惨な姿と成り果てた趙忠に、華雄は唾を吐き捨てた。

 

「次だ!!他の連中に遅れをとる訳にはいかんからなぁ!!」

 

振り返り歩き出した華雄の頭に、趙忠の事は微塵も残っていない。あるのは、残り九つとなった害虫の首。主への忠誠を示す絶好の機会に、華雄はその目を爛々と輝かせていた。

 

 

それは正しく蹂躙だった。何重にも恋を囲う兵士達が、彼女が武器を振るう度に吹き飛び、死体となって床へと転がる。

まるで舞踊の様に軽やかに舞いながら、絶死の刃を吹き荒らす恋の表情は、普段の無表情ではなく、主に抱かれている時の蕩けた表情でもなく、心の底から楽し気な少女の様に晴れ晴れとしていた。

 

「…♪」

 

「ひ、ひひっ…!」

「こんなの…勝てる訳ねぇ…」

 

理不尽な武を撒き散らし、楽しく笑う少女の姿は、神話の魔物の如く兵士たちの目に映った。それは天に選ばれた英雄が、才能溢れる英傑達と共に立ち向かい、ようやく打倒できる天災級の怪物。

 

「…ぁ…ぁ…あああああ!!」

「お、おい!」

 

そして十常侍の傘の下で、安穏と惰眠を貪る彼らは、英雄でも英傑でもなく、ただの凡人でしかない。当然怪物と戦う覚悟などある筈もなく、彼らは次々と武器を放り捨て、この場から逃げ去ろうと脱兎の如く駆けだした。

 

「……逃がさない」

 

「へぁ!?」

 

しかしそんな軟弱者を、弱者を甚振る愉悦に目覚めた恋が見逃さない。助走もなく、ただ足に力を込めて跳んだだけで、彼女は自身を囲む兵士達の頭上をひらりと飛び越え、逃げ出した兵士の背中へ、自身の得物を突き刺した。

 

「…ぁ♡」

 

ぐずりとした肉を突き刺す感触と、確実に砕けたと分かる骨の音。それがたまらなく彼女の官能を刺激し、背筋をぶるりとした快感が走り抜けた。

 

「ふふ…もっと♡」

 

部屋に立ち込める濃密な死の臭い。それはまるで理性を奪う麻薬の様に兵士達に染み渡る。まるで赤い川のように流れる血の上で、恍惚と殺しの快楽に浸る少女。まるで酔ったかの様に、赤みを帯びた頬と、湯気が出るほどに熱く湿った吐息が、彼女の発情を兵士達に教えた。

 

「はっ…!はっ…!」

「うぅっ…!」

「あぁ!あぁ…!」

 

しかし血に酔っていたのは彼女だけでは無かった。

背徳的な淫靡さを醸し出す美少女を前に、男達は逃げることも戦うことも放棄していた。

死への恐怖と、発情した美少女が香らせる女の臭いで、彼らの鎧の下にある肉棒は、子を残せと、痛いほどに硬くそそり立っていた。

絶頂し、粘つく精液を下着の中に吐き出しながらも、彼らは恋の肢体へ、その性に満ちた視線を投げ掛けていた。

 

「……汚い」

 

しかし鋭敏な嗅覚が捉えた男たちの精臭に、恋は蕩けた顔を一転させ、嫌悪感に表情を歪める。

性交を、雄による雌の征服だと認識している彼女は、主とは比べ物にならないほど惨めな雄が、主の所有物である自身を征服しようと獣欲を滾らせている事に、煮え滾る様な屈辱を感じたのだ。

 

「…死ね」

 

極点に位置する彼女の武が、嬲るのではなく、殺すために全力で振るわれる。人としての枠を超えたその一撃は、彼女に欲望を向けた男達を細切れに寸断する。

恋が武器を振るった事も、自身に迫る絶対的な死すらも認識出来ず、男達の意識は、暴力の炎に焼き尽くされた。

 

 

「どうか!!どうか命だけは!!」

 

中常侍の一人である孫障は、恥も外聞も、金も権力すらも投げ捨て、孫ほどに年の離れた少女を前に、その頭を土に擦り付けていた。

 

「えぇ~?どうしよっかなぁ♪」

 

そんな孫障を、蒲公英はにやにやとした笑みを隠さずに見下す。これ見よがしに槍を弄びながら、滝の様な汗を流す老人を囲うように回り歩く。

 

「なんでも!なんでも致しますっ!貴女様の仰る事にはなんでも!!」

 

床を引っ掻く槍の穂先。その音にびくびくとしながら、懸命に命乞いをする孫障。つい先ほどまでは、される側だった命乞い。僅か数時間でその立場がひっくり返った遣る瀬無さなど、どうでもいい。人生を掛け、貪欲に集めた財も、喉から手が出るほどに欲した権力も、彼女達が持つ、圧倒的な暴力の前にはなんの価値も無いことを彼は痛感していた。

 

「そっかぁ…じゃあ、手足のどれか一本で良いよ!あ、あと自分で選んでいいよ!」

 

「は…え…?」

 

にっこりと微笑んだ蒲公英の言葉を、孫障は理解するのに手間取った。命の代わりに手足のどれかを差し出せ。しかもそれを自分で選べという。あまりに加虐的な要求に、目は左右に泳ぎ、口から出る音は、どれも言葉として成り立ってはいなかった。

 

「ぁ…ひ、左…腕、を…」

 

早くしろ。

 

微笑んだまま、そう目で冷たく告げる少女を前に、孫障は利き手では無い方の腕を差し出した。それはほとんど真っ白になった頭ではなく、本能が出した答えだった。ここから逃げる為に必要な足を残し、生きていく為に必要な利き手を残すことを彼の本能は選んだ。

 

「ん!了解!」

 

「へ?」

 

そうして振り下ろされた蒲公英の槍は、あっさりと孫障の頭蓋を砕いた。赤黒い脳液が床に染み込んでいく。

生きる為に必死で掴んだ蜘蛛の糸。しかしそれは悪逆な少女の手によって作り出された幻の糸だった。

 

「あははは!!…助ける訳ないじゃん♪」

 

物言わぬ死体となった孫障を足蹴にしながら、その細い腹を抱えて嗤う蒲公英。十常侍の抹殺は既に決定事項であり、例外は無い。これからはこの宮殿で生き残るのに必要なのは命乞いでは無く、ただ只管に、神に滅私奉公する敬虔さなのだから。

 

 

「おぉ、やっと来られたか張譲殿」

 

「ちょっと待ちくたびれたじゃないの」

 

董卓軍によって繰り広げられる惨殺劇。宮殿全体に火を放ち、まるで国を滅ぼさんばかりに繰り広げられる蛮行を逃れ、必死に地下道を走っていた張譲を、二人の女が待ち構えていた。

 

「趙雲に…っ!賈詡か…!」

 

それはかつて自身の足を突き刺した青髪の美女、そして憎き董卓の軍師である賈詡だった。

朝廷でも限られた人間しか知らないこの地下道。数代前の皇帝が、万が一の際に逃げ出すために造られたこの道を把握しているという事が、董卓の手が朝廷の奥深くまで入っているという事の証明に他ならない。

 

「ここまでであろう。大人しくすれば、丁重に扱う」

 

「…心にも無いことを言うでないわ小娘が。儂を生かしておく気など、始めから無いであろうに」

 

万策尽きた張譲に、星は槍を脇に抱えながら降伏を促す。

しかし張譲は、彼女の言う通りの扱いなど絶対にされないことを理解していた。政権を武力で奪った董卓にしてみれば、前政権の主である自分など、邪魔者以外の何者でもない。

罪でもなんでも吹っ掛けて、一族を族滅されても可笑しくないのだ。

張譲は、同じような事をしてきた本人として、手に取る様にその未来を見通すことが出来た。

 

「当たり前じゃない。丁重に扱うっていうのは、アンタの首のことよ。晒した後に土を被せるくらいはしてあげるわ」

 

「くくく…左様か。優しい所もあるではないか」

 

ここで自分を生かす様ならば、董卓の覇権も先は長くない。結局の所、新たな支配者として君臨する為には、支配する者達を深窓の姫君のように丁寧に扱うか、徹底的に痛めつけ、弾圧するかしかないのだから。

そして詠の言葉から、彼女達の主が自分と同じ弾圧者であることを確信する。

 

「貴様らの踏み台となるならば、儂の末路も中々に愉快なものよな」

 

それは他の十常侍とは違い、澱んではいるものの、確かな威風を纏った傑物の姿だった。自らを踏み越えていく者達が、たかが汚職や政敵の抹殺程度の悪行しか犯していない己とは比較にならない地獄を作り出す。それは彼にとって堪らなく幸せな事なのだ。

 

なぜなら彼は、その地獄を生きなくて良いのだから。

 

「…最後に聞かせよ。貴様らの主は何者だ?」

 

張譲にとって、それだけが謎だった。あの時、董卓の胎にいた赤子、その父親こそが、董卓の背後に君臨する、新時代の覇者。

それにも関わらず、誰にどれだけ探らせても、一向に影も形も掴めぬ謎の男。これまでの立身出世を支えた自身の情報網。それが全く及ばなかった唯一の存在の正体。それを掴めなかった事が、贅を尽くした人生を送った張譲が、死に際に思う唯一の悔いだった。

 

「……奉身教教主。それがボク達が崇め、愛する神よ」

 

「ふは!ふはははは!!そうか、儂はずっと貴様らの掌の上で転がされておったのか!!」

 

暫く悩んだ詠が告げた、主の正体。それは自身が董卓暗殺を依頼した奉身教、その教主だった。最初から最後まで、全てが件の教主の思惑通りに動かされていたことを知り、張譲は心底愉快そうに笑った。

 

「十分ですかな?…では」

 

「…儂の末路がカビ臭い地下道とは思わなんだが…まぁ良い。……さぁて、儂に恨み辛みのある者共が、あの世で手ぐすね引いて待っていよう。随分と待たせた故、早く行ってやらねばなぁ」

 

「……」

 

涙を浮かべて笑う張譲に、星は表情を消して槍を突き付けた。憎しみも恨みもなく、張譲は全てを悟ったかのように薄く頷くと、白刃をその身に受け入れた。それは数多の屍と、国を踏みつけて生を謳歌した男の幕切れとしては余りに呆気なく、惨めなものだった。しかしその死様とは真逆な、澄み切ったその死顔は、どこまでも穏やかな微笑みを浮かべていた。

 

「…なによ、気味悪いわね。まぁいいわ、首だけ持って帰るわよ」

 

「うむ」

 

「霞と月が自称皇帝を確保している頃だから、早くそっちに合流しないと」

 

 

一夜明け、灰と瓦礫の山と化した宮殿に、その数を大きく減らした文武百官が集っていた。

 

「昨晩の、ひ、悲惨な火災で、大勢の…忠臣をう、失った。…こ、これは、国難であるっ!よ、よって、この危機を、乗り越える…べく、ち、朕はっ!…董仲頴を、しょ、相国に、任ずる…」

 

「拝命致します」

 

可哀想になるほどにガタガタと震え、目の前で跪く月に怯える幼い皇帝。自身が信頼していた宦官は皆殺しにされ、彼らの死体が転がる回廊を歩き、生きたまま焼かれる宦官派の役人を見物させられた彼は、月に逆らうことなど考えることすら出来ない程に、恐怖を刷り込まれていた。

そして彼女が命じるままに、役職としては最高位にあたる相国の地位を授けたのだった。

 

「「「………」」」

 

居並ぶ百官も、昨晩の惨劇が誰によって引き起こされたのかは、既に全員が知っていた。

それでも声を押し殺し、新たな覇者に頭を垂れているのは、警備の名の下に、完全武装した董卓軍が周囲を固めているからに過ぎない。

 

「これより漢を建て直さねばなりません。皆さんのご協力…お願いします」

 

「「「っは!」」」

 

優美な衣装を翻し、百官を見下ろす少女。そこには洛陽に来たばかりの頃の、儚げな少女の面影はどこにも無い。冷徹に服従を求め、骨の髄までも支配する魔王がそこにはあった。

董卓と交流を交わしていた派閥の者達ですら、あまりの変わりように唖然とすることしかできていない。

いつも通りなのは、董卓麾下の将軍達のみであった。

あるいはこれが彼女の本性だったのかもしれない。そうでなければ、宮殿中に染み付いた血の臭いの説明がつかないのだから。

 

 

「お、お茶を…も、も、持ってきました…」

 

「失格です。『お茶をお持ち致しました』です。何度言えば分かるのですか?」

 

皇帝の私室。しかしまるで月が主であるかのように振舞い、皇帝である筈の少年が震える手で、茶を運んでいた。

 

「あなたはもう皇帝ではないんです。おじさまが快適に暮らせるよう取り計らう小姓でしかないんですから、弁えるように」

 

「は、はい…」

 

高貴な血筋を侍らすことを好む主の為、月はこの国で最も貴ばれていた少年を小姓とすべく教育していた。女ではないため、閨で楽しむことは出来ないが、それでも皇帝を顎で使える事は、きっと主の喜びになるだろう。

 

「へぅ…先は長いです。…もう少し厳しく躾ないと」

 

しかし今まで傅かれることしかしてこなかった少年は、茶一つまともに出せない始末。

今までいた侍女や使用人は全員が昨日の惨事で死に、皇帝の周囲は奉身教徒で固められた。

であれば、多少の体罰程度はどうとでもなる。少年の幼く白い体に鞭打つことを考え、月の体がぞくりと震えた。

 

「ふふふ…」

 

「…ひ、ぅ」

 

猟奇的な欲望に濡れた真っ赤な舌で、唇を舐める月。主の不在により、彼女の体は熱いほどに熱を持ち、主の逞しくも美しい、見るだけで達してしまいそうな肉棒を求めて疼いていた。

 

「もう一度、やってみて下さい。また間違えたら、おしおきです」

 

「…は、はいっ!」

 

欲求不満で濁ったその目は、明らかに失敗しろと告げている。それはただの憂さ晴らしであり、例え皇帝が失敗せずとも、なにかと理由を付けて虐待を加えるだろうことは明らかだった。

皇帝から召使に、一気に地位を落した幼い皇帝は、悪夢の中に囚われたように涙を流す。

いつか解放されるその時まで。

 




いつも感想、評価ありがとうございます。

獣姦ってキツい?

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  • 女が幸せならOK
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