『ふあぁ〜〜〜』
肩まで湯に浸かり、僕達は声を漏らす。程よく熱い温泉が体を芯からほぐしてくれる。
ここはファール族のみんなが使う、いわゆる大衆浴場だ。
村から少し遠くの山から温泉を引いており、傷の治癒や疲労回復の効果もあるそうで。
時間によっては結構混むこともあるが、夜遅くということもあり今は少ない。
当たり前だが、女性しかいないファール族の浴場に男湯はない。そのため、僕もみんなと同じ湯に浸かっている。
今いるのは夕方の巡回が遅くなってしまったリーナ、エルナ、ティカ。そして僕と一緒に温泉の掃除をしてくれたウィーネだ。
温泉は警備の仕事がない人が交代でやるらしく、僕も手伝わせてもらっていた。
浴場はそれなりに広いが、みんなは僕の周りに集まり、身体を押し付けるようにして寄り添い合う。
一糸纏わぬみんなの濡れた裸体に目が引き寄せられるが、嫌がるどころかたまにじゃれ合うように撫であったりもする。
汗を流し、一日の疲れを癒す。
「そういえば主人様、明日はご予定などありますか?」
体を伸ばしていると、僕の肩に頭を預けていたウィーネが顔を上げた。
「明日?今のところ特に無いけど」
「おっと、もしかしてデートのお誘い?」
「ち、違います!いや、まぁそれもいいんですが………ではなく、少し仕事を手伝って欲しくて」
エルナの揶揄いに、ウィーネが顔を赤くして首を振る。
「仕事?泉の管理の?」
リーナは首を傾げるが、泉の管理ならラリアとやってるはずだし、僕が手伝うようなことはないはずだ。
「いえ。そっちではなく、子供達のお世話の方です」
「あぁ、そっちか」
ファール族は女性しかいない。つまり一般の人みたいに家庭で仕事と家事の役割分担がやりにくいのだ。
だから子供がいる家は、狩りなどの仕事の時は子供を非戦闘員の人に預ける。それこそウィーネやたまにリーナの友達であるネイや医者のエリも手伝ってた気がする。
僕もたまに子供の遊びに巻き込まれることがあるが………いやぁ、体力がごっそり削られるんだよなぁ。
「全然いいけど、人員不足?」
「あれ?リーナさん主人様に言ってないんですか?」
「あっ、忘れてた!」
思い出したようにリーナがポンと手を叩く。またかい。
「実はさ、最近この辺の森に変なヤツが彷徨いてるらしいんだよね」
「変なヤツ?新種のモンスターとか?」
「かもしれないし、人かもしれない。アタシとクルアが巡回中に見つけて追っかけたんだが、途中で見失ってね」
温泉の縁に腕をつきティカは悔しそうに首を捻るが、僕は内心感心もしていた。
ほぉ、ティカ達警備隊を振り切るとは、大した身体能力だ。
「ティカ達が見つけたの?何か特徴は?」
「それが真っ黒で輪郭もよく話からなったんだよねぇ。痕跡も残さなかったし」
たしかに変なヤツだな。この辺でファール族の人達が見たことのないヤツがいるなんて。
「だから、明日出来る限り人手集めて巡回しようってことになったの。もちろん、私も行くよ!」
「私も!」
リーナとエルナが誇らしげに胸を張った。
正体不明という点に一抹の不安を感じないこともないが、そこは戦士ファール族の民だ。みんなを信じよう。
「それでいつもより預かる子が多い上に、エリさんやシュリさんも非常時の救護員として調査に行ってしまうんです。なので出来ればお手伝いを、ということです」
「なるほどね………そういうことなら手伝わせてもらうよ」
疲れるには疲れるが子供は好きだし、何だかんだで遊ぶのは楽しい。
こういう時調査に男手があった方がいい、と考えるのだろうが………まぁここじゃ僕は戦闘では役に立たないし、待っていた方がいいか。
「ふふっ、ありがとうございます」
ウィーネは僕にギュッと抱きついてくると、軽く唇を触れ合わせた。密着した肌が心地よくて、僕からも優しく抱き締める。
「おっと、独り占めは良くないんじゃないかい?」
すると僕達を引き剥がすように、ティカが僕を後ろから引っ張った。
「アタシらも明日は一日仕事なんだ。仕事中にムラムラしないように、溜め込んだモノ発散しとかないとな。んッ♡!」
ティカが唇を奪うと同時に、下腹部へと手を伸ばす。
他の子よりもしっかりとした感触の手が、僕のモノを撫でて快楽に取り込もうとしている。
「ほら、立ちな」
舌を絡めながら立ち上がると、自分は跪き下腹部と視線を合わせる。
「いいなぁ、私も混ぜてよ!」
それを見て、こちらへ這ってきたエルナがティカと共に僕のモノを舐める。
「れろっ、んんッ♡!じゅぷっ!じゅぷっ!んくっ、ぢゅるるるるッ♡‼︎」
「んッ、ぢゅぅっ♡!れろっ、ちゅッ、んんッ♡!はぅ、れろっ、ぐちゅっ、んん〜〜〜ッ♡!」
二つの生温かい舌が蠢き、時に咥えたりして、快楽が全身に伝播していく。
手で扱きながら激しく舐めてくれたおかげで、あっという間に僕のモノが屹立した。
「んんッ!はぁ………もう大きくなったね」
「うっ!………二人共、手加減してよ」
「ぷはぁっ!………えへへっ、だって早く気持ちよくなりたいんだもん♡」
温泉に浸かり直すと、繋がる準備のように肩から胸にかけて唇を触れさせた。リーナ達よりも華奢な身体の熱が増していく。
しかしエルナが繋がろうとする前に、ティカが僕の脚の上に跨り、向かい合うように座る。
「っと、お先に」
「あっ、ズルい!アタシが舐めてあげたのに!」
「最近あんまヤれてないんだよ。一発搾り取ったら代わってやるって」
「うぅ〜!それならこっちで可愛がって!」
僕の右腕に抱き、手を自分の秘所へと導いた。そこは温泉だけじゃない、内側から溢れる蜜ですっかり濡れぼそっている。
「んんッ♡!主人様の手気持ちいぃ〜♡ねぇ、私の膣内掻き回してよ」
ご要望に応えてエルナを可愛がっていると、ウィーネとリーナも顔を赤くして擦り寄ってきた。
「ふふっ、やはり主人様と湯浴みをしていると、こうなってしまいますね」
「いいじゃんいいじゃん!エルナの次は私とシよ!」
「私も、キスで火照ってしまいましたので、慰めてください」
リーナが僕の後ろに周って抱きつく。首筋を舐めながら、指先で僕の胸板を優しく撫でる。
空いた左腕でウィーネを抱き寄せ、さっきまで湯に浮かんでいた胸を鷲掴みにした。
流れ込む快感に身を委ねながら、思うがままに柔らかな弾力を楽しむ。
「はぁんッ♡!そんなに揉みしだいて、手の痕ついちゃいますよ」
「れろっ………さっきから見てたもんね。ほらほら、私のも味わってよ」
背中に当てられた双丘の感触を味わっていると、ティカが腰を浮かせた。
「いいねぇ、また一段と硬くなってる。こりゃ楽しめそうだ………ッ!あぁんッ♡‼︎」
僕のモノを当てがい、ティカは一気に腰を落とした。
激しい水音とみんなの嬌声が浴場に響き渡る。
湯浴みで楽しみを満喫した次の日。
「それでは皆さん、お気をつけて」
『はい!』
いつもより多い警備隊のメンバーが、それぞれ武器を持って、村の入り口の前に並んでいる。
「頑張ってね。でも無理はしないでよ」
「大丈夫だって。みんなで帰ってくるから!」
明るく笑ったリーナと軽くキスを交わす。
警備隊がスフィアさん達に見送られて、山の中へと入っていった。
「リーナ達、何事もないといいですね」
「大丈夫です。あの子達は強いですから」
そうは言いながらも、スフィアさんの表情は少しだけ曇っていた。
彼女も戦えないことはない(というかファール族は基本的に身体能力が高い)し、隊列の指揮を取るのなら族長として最も適任とも言える。
ただその族長という地位のため、必要以上に危険を冒すわけにもいかず、村から離れるわけにもいかない。
そういうわけで、今回は僕達と一緒にお留守番だ。
いつもの見回りやこの前のミロリス狩りとは違い、正体の分からないモノの捜索。不安になってしまうのも当たり前だろう。
まぁ僕達に出来るのは無事を祈って、帰る場所を守ることだ。
「さぁ、私達はやるべきことをやりましょう」
「ですね」
スフィアさん達は洗濯やら警備隊が帰ってきた時に振る舞う夕食を作るとかで、まぁ正直僕がいても戦力外だ。
いやはや不甲斐ない。
そんなわけで当初の予定通り、僕はウィーネ達と一緒に子供達のお世話だ。
と言っても、赤ん坊のお世話はスフィアさん達が兼任してくれる(本当に不甲斐ない)ので、お世話するのは大体5歳から15歳くらいの子達。
しかし子供とはいえ、ただ遊んでばかりというわけでもない。みんなが協力しあって生活する中では、子供にも役割がある。
というか僕達は、どちらかと言うとその役割の現場監督みたいなものだ。
「あるじさまー!またつれたー!」
「おぉ、いいじゃん。釣れたお魚はあっちのカゴに入れてね」
「あっ!あそこにシカいる!」
「おっと、そっちから先は危険だから入らないようにね」
「ねぇねぇあるじさま、みたことないキノコある!たべてみていい?」
「見たことないキノコは食べちゃダメだよ」
子供達の役割は釣りや山菜採り。僕も釣り糸を垂らしながら子供達を見守る。
来たのは村から少し離れた川の近く。すぐそばが森になっていて、山と海、両方の恵みが豊富だ。
やや自由奔放なところはありつつも、みんないつものことなので楽しく食材を採取する。
友達と協力しながら、みんなで仲良くやれてるようで何より。
「子供ってのは元気だねぇ」
「主人様、お年寄りみたいですよ」
短めの緑色の髪を風に靡かせながら、僕の隣で美女が微笑む。程よく熟れた身体が服の隙間から覗き、つい目が向いてしまう。
メアの母親であるカミルさんだ。子供の世話になれた大人ということで、着いてきてくれた。
他にいるのは、昨日誘ってくれたウィーネ、ドワーフとのハーフであるセフィーと、その友達でエルフのハーフであるルミナ。
二人とも耳が尖っていて細身な一方で、ルミナは僕と同じくらいの身長だがセフィーは結構低い。
一見すると姉妹のように見えるが、同い年だ。
みんな子供達と一緒に仕事に励んでいる。
「主人様だって、まだまだお若いでしょう?」
「そうかもしれないですけど、この子達に比べたら衰えましたって」
「あらあら、我が家に泊まっていかれる夜の様子からは想像も出来ませんわね」
それを言われると何とも………
ミロリスを採りにいった前夜に泊めてもらったのが最後だが、あの時は『若い者同士でごゆっくり』と遠慮されてしまった。
「孫の顔は早く見たいですが、たまには私のお相手もしてくださいね。メアはいい姉になるでしょうから」
「あはは………お手柔らかに」
胸元をツーッと指先で撫でられて、思わず全身が跳ねた。
しかし衝動に駆られて押し倒すのは要注意だ。
一度家に泊めていただき、メアと共に母娘と夜を過ごしたことがあるが、アレは凄まじかった。
メアの底なしの体力もそうだが、それ以上にカミルさんのテクニックに驚かされた。
果てても果ててもまた元気にさせられて、激しい腰使いで攻め立てる。
ここに来て日が浅かった僕は、見事に搾り取られてしまった。体力が万全じゃなかったら干からびてたかも。
「凄まじかったなぁ………」
「元は娼婦は伊達ではありませんよ」
カミルさんは子種を授かるために村を出て、街の娼館で働きながら暮らしていたらしい。
いい店で待遇も悪くなく、色んな気に入ったお客さんと夜を過ごし、メアを授かったんだと。
「お仕事やめてよかったんですか?こう言ったらアレですけど、天職だったんじゃ?」
「正直名残惜しくはありましたが、ファール族があまり外の世界に長居するわけにもいかないですから。メアの為にも」
働いていた娼館にも続いている果てしない空を見上げて、カミルさんはぼんやりと呟く。
今でこそ当たり前に暮らしているが、本来ファール族は世間に広くは知られていない謎の多い種族。
それ故に彼女達の秘密を知ろうとする者は多く、見つかれば何をされるか分からないのだ。
カミルさんも、娼館では素性は隠して働いていたらしい。
「そうなると、この子達のお母さんもそんな感じですか?」
「ここに住む多くの人達はそうだと思いますよ。まぁ、あまりその辺りの話はしませんが」
そりゃそうか。
詮索しにくいというか、父親が誰なのかとかは無頓着なんだろう。種の繁栄が第一というか。
「外の世界を知り、幸せで、元気な子供を授かれて。恵まれてますね、私は」
いつもはどこかミステリアスな雰囲気があるカミルさんにしては珍しい、一人の母親としての言葉がどこか引っかかった。
川に沈む釣り糸を眺めながら尋ねる。
「他の状況で子供を授かる人もいるんですか?」
「えっ?あぁ………まぁ、そうですね。気になるのでしたら、本人達に聞いてみるといいですよ」
少しだけ言葉に詰まったように見えたが、何となく深く聞くのはやめておいた。今じゃないかな。
代わりに、川の周りで楽しそうに遊んでいる子達を眺めて呟く。
「まぁ状況が何であれ、この子達が元気に育つ村にしたいですね」
「それが大人の務めですから」
そりゃそうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
評価、感想等ありましたら、ぜひよろしくお願いします。