※この作品はR-18です。

エロゲ的な何か(仮)   作:MC RAT

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第18話

「さてと、こんなものでいいかな?」

「そうですね。そろそろ戻りましょう」

 釣った魚を選別してくれていたウィーネが頷いた。

 釣りを始めて一時間ほど。それなりにいい量が獲れた。加工すればしばらく保つだろう。

 それに外は結構暑い。あんまり長居しすぎるのも良くないか。

「ルミナ、セフィー、そっちはどう?」

「山菜もこれくらいあれば充分でしょう。少し早いですが、戻りますか」

「そうだね。みんなー!そろそろ帰るよー!」

『はーい!』

 セフィーが声をかけると、子供達が集まった。荷物を片付けて村へと帰る。

「つかれた〜!あるじさまおんぶしてよ〜」

「荷物持たなきゃいけないんだから無理言わないで。ほら、帰ったらご飯食べられるから」

「やったー‼︎」

 

 

 

 村へ帰ると、ちょうど洗濯物を干していたネイが出迎えてくれた。

「あっ、主人様。お帰りなさい」

「ただいま」

 ネイはこっちに残って、スフィアさん達の手伝いをしてくれていた。

 魚の入ったカゴを下ろして中身を見せる。

「わぁ、また随分と獲れましたね。食材は加工場の方へお願いします」

「私が持って行きます。みんなは道具を蔵に戻してきてください」

「それなら僕手伝いますよ。一人では無理でしょう」

「私も行きます」

 子供達のことはルミナとセフィーに任せて、僕はカミルさんとウィーネと共に獲ったものを加工場へと持っていく。

 

 

「さてと、これでひと段落かな」

 加工場を出て、ひとまず仕事は終わった。近くの木陰に隠れて涼を取る。

 ご飯までもうしばらく時間がかかるか。

 リーナ達はまだ帰ってきていない。

 調査が長引いてるんだろう。一度逃した敵は、そう簡単には捕まらないか。

 ひとまず僕達は食堂へ向かった。

 今回みたいに子供達が集まったり、宴をする時に使ったりする場所だ。

 中に入ると、子供達はすでに集まっていた。

 ご飯が並べられており、僕達も席に着く。

『いただきます』

 手を合わせると、子供達はワイワイ楽しそうに話しながらご飯を食べ始める。

「トア、スープのお肉少なかったからちょっとちょうだいよ!」

「やだ!マーサが先に食べたのが悪いんじゃん!それなら私もおかず欲しいもん!」

「これはダメ!」

 僕の向かいで6歳のマーサと、少し歳上のトアが喧嘩している。子供達の中でも比較的小さい方だ。

「コラコラ、喧嘩しないの。まだ余ってると思うから、いるならもらってきな」

「「はーい」」

 まったく………子供の食事って、こんなに賑やかなものだったっけ?

 ここに来るまで一人で旅してたから、その辺の感覚忘れてたな。

 まぁでも、こういう賑やかな食事もいいものだ。

 

 

 そしてお昼ご飯を食べた後は………

「やぁっ!たぁっ!」

「はっ!おりゃあっ!」

「もっと強く踏み込んで!」

 戦闘訓練だ。教えているのはカミルさん達大人だが、ルミナやウィーネも手伝っている。

 小さな子供達が木刀を持って素振りしたり、模擬戦をしたりしている。

 村ではたまにこうして子供を集め、戦う術を教えているのだ。

 当たり前だが、いくら潜在的な身体能力が高いとはいえ、リーナ達のような戦闘力が一朝一夕で身につくわけがない。

 小さい頃から特訓していたのだろう。あの力はその努力の賜物だ。

「大したものだなぁ」

「何黄昏てるの?」

 ネイと一緒に食事の片付けをしていたセフィーが、こちらへやってきた。

 足の間に座ってきたので抱き寄せる。ドワーフらしい小柄な体型なので、抱きかかえるのにちょうどいいのだ。

「ネイは?」

「スフィア様達と私達が獲ってきた魚の加工中。私は子守役だから戻ってきたの」

 とはいえ、僕達は元々そこまで戦うことはないので、やることといえば見守るくらいか。

「主人様も訓練したら?」

「これでもそれなりに戦えるから。そういうセフィーはどうなの?」

「私はどちらかというと作る専門だからね。あの木刀も、いくつかは私が作ったし」

 ドワーフとのハーフなので人より力はあるが、体型が故に周りと比べてやはり戦いは苦手らしい。

「まぁ、みんなの足を引っ張らない程度には、強くありたいと思うよ」

「そんな主人様に、はい」

 セフィーは懐から木でできた何かを取り出す。

 柄は一本だが、先は二股に分かれており、一本のゴムが通されている。そしてドングリくらいの大きさの塊がいくつかある。

「これ………スリングショット?」

「ルミナがね、丈夫なゴムになる樹液を出す木を見つけてくれたの。弾も何種類が作ったし、弓矢よりは使いやすいと思う」

「僕が貰っていいの?」

「主人様、村のみんなのこと大切にしてくれてるし、守ってあげたいでしょ?」

 セフィーが微笑んでスリングショット差し出す。

 僕は受け取って、彼女を優しく抱きしめる。

「ありがとう」

「使ったら感想教えてね」

 頰に軽くキスをしてくれたので、僕はそっと頭を撫でて返す。

 じゃれ合うように楽しんでいると………

 

 

「あの二人共、子供達が気になってしまってるようなんですが………」

 何となく二人きりの空間だった僕達は、ルミナに声をかけられて我に帰る。

 顔を上げると、訓練をしていた子供達がこちらをジーッと見ていた。

 物珍しそうに見てたり、恥ずかしがっていたり、なんとも言えない顔の子もいる。

「あはは………ごめんごめん」

 日頃から昼夜問わず会った娘達と愛し合っているためか、あまり周りを気にしなくなってきていた。

 正直、子供達も僕の役目は知っているのだが、それでも多少は自重しないとな。

 

 

「二人も訓練、一緒にどうですか?」

「まぁ少しくらいなら…………あっ、試しに使ってみるか」

 今貰ったスリングショット、これまでこういうの使ったことがないし、試しておかないと。

「あぁ、それセフィーが作ったものですよね。それでは、私がお相手しますよ」

「えぇ………」

 ルミナが弓を手に取る。

 弓持ったエルフのハーフ相手は普通に怖いが、武器の試し撃ちなら相手はそれなりにプロの方がいいか。

 

 

 というわけで軽い手合わせとなった。

「あるじさま、がんばれー!」

 子供達は訓練の手を止めて、手を叩きながら応援してくれる。完全に面白がってるな。

 いや、武器が使えればいいから、変に頑張る必要はないんだけどね。

「それでは早速………」

 その時、身構えようとしたルミナの動きがピタッと止まった。それから何かを探るように目だけが動く。

 みんなも戸惑ったように顔を覗き込んだ。

 

 

「ルミナ、どうかした?」

「ッ‼︎」

 不審に思って寄ろうとすると、固まっていたルミナがいきなり動き出した。

 鋭い目つきでこちらを睨みつけるなり、弓をつがえて引き絞り、こっちに向けてきた。

 何度か見てるから分かる、本気の構えだ。しかも矢も訓練用じゃない、本物。

「えっ?ちょっ、待っ………!」

 僕達が止める前に、ルミナが矢を放った。避ける間も無く、矢がこっちに飛んでくる。

「ひっ!」

 耳元で風を切る音が響く。

 飛んできた矢は、僕の顔のギリギリ横を掠めて、奥の藪へと突き刺さった。

 

 

「ぐっ!」

 すると、誰もいないはずの藪の中から呻き声がした。

「誰ですか⁉︎」

 ルミナが声を上げると、藪の中から人影が出てきた。

 黒いローブで全身を包んでおり詳しくは分からないが、今の呻き声からして男だ。

 この村に僕以外の男はいないはずなのに。

 ………待てよ。全身黒ずくめ………って、まさか昨日見つかった黒い何かってアイツか!

 

 

 僕達が戸惑っている隙に、ローブの男はこちらに何かを投げてきた。

 それは地面に叩きつけられると、真っ白な煙が飛び散った。

「ひいっ!」

「きゃあッ⁉︎」

「いやぁっ!」

 煙の中で子供達の叫び声が次々に飛び交う。しかし守ろうにも視界が悪すぎる。

「みんな屈んで!」

 咄嗟に目を瞑って口を押さえるが、僕達を包み込んでいた煙幕はすぐに晴れた。

「主人様、大丈夫ですか⁉︎」

 駆け寄ってくれたルミナの手元には、小さな竜巻が渦を巻いている。風の魔法で煙を払ってからみたいだ。

 家の中で作業をしていた人達も、何事かと飛び出してきた。

「僕は大丈夫。それより子供達は?」

 すぐに振り返ると、何人かの子供達は咳き込んだりしているものの、倒れたりはしていない。

 しかし………

「あれ、マーサちゃんがいない⁉︎」

 さっきまでルミナに弓を教えてもらっていたから、僕の近くにいたはずなのに。辺りを見渡してもどこにもいない。

 この数秒でどこかに行ったわけないし………まさか、攫われたのか⁉︎

 地面を見てみると、子供達の近くにさっきまで無かった血痕がある。みんなが怪我してる様子はないし、あの男のものだ。

 ルミナの矢が刺さり、そこから流れ落ちたのか。

 そこから逃げたとなると………

 視線で血痕の先を追うと、案の定その先にある森の入り口の草が踏みつけられている。

 

 

「あの先だ。追わないと!」

「お待ちください!主人様は残っていただかないと、万が一のことがあっては………!」

「託された子供が攫われてるんです、行かせてください」

 カミルさんの静止を振り切って走り出す。

 自分の役目は分かっているが、だからと言って任された子供を放っておいていいわけがない。

 それと同時に、ルミナも僕の後を追ってきた。

「私も同行します。セフィー、警備隊のみんなを呼び戻してください!」

「分かったけど………気をつけてね!」

「はい。主人様、行きましょう!」

「あぁ」

 僕とルミナは男を追って、森の中へと入っていった。




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