「あっ、あそこじゃないか?」
坂を少し登った所に野原が広がり、周りを囲むように桜の木が生えている。
満開になった花が風に揺られて、花びらが舞い散る。
人がいる様子はなく、僕達だけのようだ。
「綺麗な場所だな」
「えぇ。日陰になっていますので、あちらで休みましょう」
1番大きな桜の木の下に腰掛けるが、倭文は僕から少し離れたところで立っている。
「倭文、どうしたの?座りなよ」
「あ、はい………それでは、失礼します」
倭文も隣に座って僕達は寛ぐ。
「どう?お祭り楽しい?」
「はい。これまで任務でお祭りを見たことはありましたが、このように楽しんだのは初めてです」
「そっかぁ………里にいたら、そういうのも無いよな」
忍びの里にいた頃から訓練してたって言ってたし、こうやって祭りを楽しんだことはなかったのだろう。
「あっ、そうだ。飴食べよう」
さっき貰った飴まだ食べてなかったからな、食べちゃおう。
改めてじっくり眺めてから羽の先を齧る。
ん、美味いな。
「倭文も食うか?」
「いえ、私は………御屋形様が買われたものですし」
「構わんさ。理由は何となく分かる」
あんなこと言われて焦ったからだろう。まったく、いらん世話を焼いてくれる。
「そ、そうですか。それでは、失礼します」
倭文が小さく口を開いて控えめに飴を齧る。
「………甘い、ですね」
「だな。せっかくの品だ、二人で味わおう」
「………はい」
笑ってくれた倭文と共に飴を分け合って食べると、遠くに見える町並みをぼんやりと眺めた。
「御屋形様、今日はありがとうございました。お供させていただくだけでなく、私も楽しませようとしてくれて」
「別に、二人で楽しみたかったというだけだ。いつもは、どうしても任務のことが過ってしまうからな」
二人で町の調査をするのも悪くはないが、たまにはお互いの責務を忘れて二人のためのだけの時間を過ごしたかった。
「祭りという特別な日だ。家臣としてではなくただの一人の人として、倭文と楽しみたかったんだ」
「………私もです」
「えっ?」
ボソッと呟いた倭文の言葉に、僕は振り返って顔を覗き込む。
途端に倭文の顔が赤く染まり、慌ただしく腕を振る。
「あっ!その、えっと………き、気にしないでください!」
「いや、そう言われてもな」
目に見えて恥ずかしがる倭文を見ている内に、僕は一つの可能性に行き着いた。
「あっ、まさか………」
僕はようやく気がついた。
何故倭文がわざわざお供したいなどと言い出したのか。
いつもとは違い素早さの落ちる着物を着て、髪飾りなどしていたのか。
「もしや、倭文も僕と同じ、だったか………?」
「………………は、はい」
僕の問いに、倭文は縮こまり耳の先まで真っ赤になる。蚊の鳴くような声で頷く。
倭文の僕に対する想いは、既に知っている。本音を言えば嬉しいし、僕だって同じ気持ちだ。
しかしその想いを受け入れるわけにもいかず、かといって無碍にするなどできるわけがない。
結果として自分の気持ちにすら蓋をして、任務を言い訳に彼女の想いから逃げていた。
そのせいで倭文の気持ちも気づけなかったんだ。
彼女が僕との距離を少しでも縮めようと葛藤していたことに。
「そ、その………申し訳ありませんでした。私の私情で、このような浅ましいことを………」
「倭文………」
倭文は真面目な女だ。たとえ二人きりの時でも主従の関係を乱すようなことはしなかった。
きっと、忍びとしての使命感がそうさせているのだろう。
そんな彼女が僕を祭りに誘うのに、どれほどの勇気を振り絞ったか。
それなのに、僕は………
「情けないな」
「御屋形様?きゃっ⁉︎」
膝を抱えていた倭文の腕を引き抱きしめた。
自分よりも背の低い倭文は、僕の腕の中に収まる。
「自分が情けないよ。すまなかった、君の気持ちに気づけなくて」
いつもはもっと距離を縮めてほしいと思っているのに、いざ寄ってきたら想いに気づけないとは。
「そんな、謝らないでください!私が勝手にしたことですから………」
「いや、僕はそれが嬉しいんだ。倭文が自分から寄り添おうとしてくれることが。ちゃんと気づいてたら、もっとしてやれることたくさんあったのに」
「私は、今のままで充分幸せでございます」
抱き合うことにより顔が肉薄した。互いの鼓動が混ざり合い僕達の間に響き渡る。
「お、御屋形様………その、このままというのは、些か恥ずかしく………」
「そうだな………」
恥ずかしさから目を逸らしてしまうが、またすぐに視線が合った。
「御屋形様、私は………」
「言っただろう。今日は上下の関係は抜きだ。嫌でないなら、倭文からも求めて欲しい」
少しだけ手を前に進めると、倭文の指と触れ合う。
それだけで互いの気持ちは十分に分かち合えた。
緊張で強張っていた表情が緩み、倭文は微笑む。
「はい。愛しております、御屋形様」
僕達の間に距離がなくなり、唇が触れ合った。
「んっ………」
こうして唇を重ねるのは、初めてまぐわった時以来だった。
倭文の柔らかい唇の感触に、心臓が激しく高鳴るのに強く締めつけられる。
夢中になるあまり、お互い息をすることを忘れてしまうほどだ。
「ぷはぁっ!はぁ、はぅ………申し訳ありません、息苦しかったですよね」
「いや、僕も夢中になってしまっていたからな」
「そうですか。喜んでいただけたなら、嬉しいです」
お互い身体を重ねたのは一度きり。まだ不慣れなのは当たり前だろう。
「少しずつでいい。二人でじっくりと愛し合っていこう」
「はい………」
赤くなりながらも微笑む倭文に、心の奥底から愛おしさが湧いてくる。
強く抱き締め、彼女を求める。
「倭文、もっと君が欲しいな」
「ッ⁉︎それは………ここで、まぐわいたい、ということでしょうか?」
「あっ、さすがに外は嫌か………?」
「………私も、御屋形様に愛して欲しいです。今ここで」
倭文のはっきりとした想いが、僕心を高揚させた。
僕達はまた唇を重ねた。今度はそっと舌を伸ばす。
「んっ、んんっ!ちゅるっ、んちゅ、ふぁ、んっ!れろっ、んんっ、くちゅ、ぢゅうぅっ!」
倭文も積極的に舌を絡めて、彼女の唾液が流れ込んできた。温かくて甘い感触に背筋が震える。
唇を離しそっと背中を撫でると、固まっていた倭文が身体の力を抜いた。
「はぁ………御屋形様に触れられると、身体が熱くなって、心が溶けてしまいそうです」
「それは男冥利に尽きるな。もっと触れ合いたくなる」
握り合った倭文の手に唇を触れさせ、今度は産毛の生えている頸に触れさせる。
「あっ、んんっ!はぁ、あぁっ!」
いつもの凛とした声ではなく、甘く熱のこもった声だ。僕の耳に流れ込み、脳を痺れさせる。
「はぅ、んっ!御屋形様、嬉しいです!またこうして、御屋形様に触れていただいて、んんっ!」
「僕も嬉しいよ。今日会った時から、ずっとこうやって抱き締めたかったんだ」
今朝会った時から、倭文の美しさに見惚れていた。
そんな彼女を独占できている。そう思うだけで心が満たされていく。
「このままでは、その………物足りない、ですよね」
僕の腕の中で、倭文は自分の着物に手をかけた。襟を広げて上半身の布地をはだけさせる。
彫りの深い鎖骨が露出し、思わず唾を飲み込んだ。
万が一のことを考えてだろうか。身軽に動けるように胸にはサラシが巻かれていた。
「身体、寒くないか?」
「いいえ。むしろ御屋形様に抱かれて熱いくらいです」
僕は胸元に唇を触れさせて、サラシを緩めた。
身体を隠す布が崩れ落ちて、美しい曲線を描く膨らみが露わになる。赤みが差す豊かな双丘が弾む。
さらしで締めつけられて控えめに見えていたからこそ、その存在がより蠱惑的に感じる。
「これは、もう我慢出来ないな」
「お、御屋形様、はぁっ、ひゃっ!あっ、んんっ!」
僕を誘うように揺れる胸を掴み、滑らかな肌に舌を這わせた。
強く掴めば掴むほど伝わってくる弾力。そして明らかに強く高鳴る鼓動。
もはや僕は、ここが外であることも忘れて倭文を求める。
「はぅ、んっ、あぁっ!私の胸、そんなに気に入っていただけたのですか?」
「こんな心地よい感触。虜になるに決まっている」
「あぁ、はぁんっ!よ、喜んでいただけて、ひゃっ!光栄です………!」
柔らかな肉の感触を堪能すると、今度は桃色に染まる頂点を摘んだ。
感じ方が違うのか、倭文の身体が跳ねる。
「んあぁっ!そこ、気持ちいいです、ひゃうっ!」
倭文は恥ずかしがりながらも、積極的に身を寄せてくる。
肌を撫でて、顔が近づけば唇を重ねる。愛おしさは止まることなく膨れ上がってくる。
お互いの興奮はやがて、目に見える形で伝わるようになった。
「あっ………御屋形様のが、もうこんなに………」
「倭文があまりにも魅力的だったからな。抑えが効かなくなりそうだ」
「そうですか。これは、すぐにお鎮めしなければなりませんね」
倭文は僕の着物をはだけさせ、性器を取り出した。
「はぁ………何と猛々しい。せっかくですし、気に入っていただいた胸で、ご奉仕させていただきます」
倭文は膝をつくと、僕の腰に抱きついた。
「えっと、胸でご奉仕するのは初めてですし、不快でしたらすぐにおっしゃってくださいね」
自分の胸を抱えると、深い谷間で僕のモノを挟み込んだ。先端は突き出しているものの、そこから根元までは双丘で隠れてしまう。
刺激の強さで言えば手には劣るものの、弾力に富んだ柔らかさと温もりに包まれて、腰が浮き上がるほどの心地よさだ。
「ッ!こ、こんなに熱くなってるんですね。火傷してしまいそうです。どうですか、嫌ではありませんか?」
「すごい、気持ちいいよ」
「それはよかったです。では、少しずつ動きますね」
両手で自分の胸を挟み込み、倭文はゆっくりと上下に動き出す。
「んっ、ふぅ………御屋形様のが、私の胸の中で跳ねて、んんっ!いっぱい、反応してくださっているのですね」
僕の反応を見ながら、気持ちよくしようと懸命に扱いてくる。その献身的な姿も相まって、高揚で息が詰まりそうだ。
段々と動きが激しくなり、倭文の吐息が自分のモノにかかる。
「あっ、はぁ、んんっ!これ、胸の先が擦れて、はぁっ!私も、気持ちよくなってしまいます」
最初は単調な動きだったのに、興奮に煽られたのか捏ね回すように胸を動かす。
自然と快感に強弱がつき、あっという間に攻め立てられる。
「うっ!倭文、もう………!」
限界に身が震えた途端、僕のモノから精が噴き出した。
咄嗟に離れることが出来ずに、白濁の液は倭文の胸や顔にかけられる。
「きゃっ⁉︎熱い、んんっ!はぁ、ひゃあっ!」
良くないと分かっていても、快感で力が抜けて体が上手く動かない。
ようやく絶頂が収まると、僕は脱力し大きく息を吐いた。
「はぁ………倭文」
僕の絶頂を全て受け止めた倭文は、自分の胸にかかった精を指で掬う。
その姿は非常に煽情的で興奮するが、それと同時に汚してしまったことに申し訳なさも感じる。
「す、すまない。汚してしまって………」
「いえ。こんなにたくさん出されて………私で、気持ちよくなってくれたのでしょう?とても喜ばしいことです」
自分の身体を見下ろして笑みを浮かべる。
太もも擦り合わせた倭文は、紅潮した顔を向けた。熱っぽい視線が僕を真っ直ぐ見つめる。
身体を倒して動いたためか、裾から艶めかしい脚が覗く。
「それで、その………今度は、私の中に御屋形様の子種を注いでくれませんか?」
「………もちろんだ」
僕は倭文の唇を奪い、桜の花びらが舞い落ちる野原に押し倒した。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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