軽い食事をしてから、しっかりと手を握って、バスに揺られて30分。
傾いていた日は地平線に隠れ始めて、辺りは薄らと暗くなり始めていた。
そんな暗がりに隠れるように、僕達はいつものホテルに入る。
お互いに昂っている僕達にとって、受付をしている時間ですらもどかしい。
鍵を受け取りエレベーターに乗ると、身体を押しつけあって肉欲を紛らわす。
「あ、あの………いきなり泊まりとか、大丈夫なんですか?」
「旦那は外泊してそのまま会社に行くみたいだから、今日は帰ってこないわ。だから………」
俤さんは握っていた僕の手に唇を触れさせると、自分の手を下腹部まで滑らせてきた。
「今夜は………ココに溜まったモノ全部搾り取ってあげる、ね?」
「ッ!………はい」
ゾクゾクッと背筋が震えて、すぐに出てしまいそうだった。
エレベーターが開き、僕達は倒れ込むように部屋に入る。
「んんッ!」
扉を閉じて荷物をその場に落とすと、俤さんは僕に抱きついてきた。僕も受け入れて、唇を重ねる。
「んっ、ぐちゅ、れろっ、んんッ!んちゅっ、んんッ、ぢゅるるるッ‼︎」
唇が触れ合った瞬間に、僕達は互いを貪り始めた。舌を絡めて唾液を啜った。
それだけでも快感が脳を揺さぶり、さらに興奮を助長させる。
その興奮に流されるままに、互いの身体を撫でていく。甘い痺れが全身を巡り、全身の血が沸き立ってくる。
いつもなら俤さんの反応を楽しみつつじっくりと味わうが、今はそんな余裕はない。
抱き合ったままベッドに押し倒すと、ブラウスを一気に捲り上げて脱がす。
藍色のブラを内側から押し上げているたわわな双丘が、軽く揺れて晒された。
「下着、キツそうですね」
「前までは全然大丈夫だったんだけどね。君がいっぱい揉むから、大きくなっちゃったのかも」
「それじゃあ、新しいの買わないと」
むぎゅっと詰め込まれたことで、胸は深い谷間を作っている。僕は俤さんに抱きつき、その谷間に顔を押しつけた。
弾力のある柔肌と俤さんのいい匂いに包まれて、心の芯がじんわりと温まってくる。
触れ合えたことによる安心、少しずつ満たされる性欲による興奮、二つがせめぎう。
安堵の息を漏らして顔を上げると、俤さんは僕のおでこに唇を触れさせる。
「んっ………だったら、その時は君に選んで欲しいな」
「いいんですか?」
「もちろん。というか、本当はこの前そうするつもりだったんだ。君の好きな格好でエッチしてあげようと思ってたんだけどね」
そういえば、卒業祝いで色々考えてくれてるって手紙に書いてあったっけ。
海からそのまま来ちゃったから出来なかったけど、本来だったらそんなご褒美が………くっ、改めてくだらない理由で探偵に依頼した旦那さんに殺意が湧いてくる。
けど………
「それはまた今度の楽しみに残しておきましょう」
「また今度、でいいの?」
「………絶対、また会いますから」
俤さんを抱き締めて、僕は頷いた。
一時とはいえ離れ離れになって、焦りがないと言えば嘘になる。
彼女との時間はずっとは続かない。それを嫌でも自覚させられて、これから一緒にやりたいと思ってたことが出来なくなると分からされた。
けど、だからこそ『今度』を作りたい。
いつでも別れられる関係になりたくない。『今度』があれば、また会いたくなる。どんなことをしてでも。
そうやって儚くても繋がりを保ち続けたい。
「ふふっ。それじゃあ、私も楽しみにしてるね」
抱き合ったまま、俤さんは体勢を逆転させた。服の中に手を滑り込ませて、捲りあげていく。
「だったら、今は君を気持ちよくすることに集中しようかな」
そう言って舌を伸ばすと、僕の胸板を弄りながら、ねっとりと舐め始めた。
ぬるっとした感触が身体の上を滑り、頭がボーッとしてくる。
「ッ………お、俤さん。それ、いい………!」
「んっ、れろっ………君、本当に気持ちよさそうな顔するわね。もっとしてあげたくなっちゃう」
胸板を撫でていた手が、また下へと這っていく。
僕を見上げて反応を楽しむと、俤さんはズボンに手をかけた。ファスナーをおろして、ゆっくりと脱がしていく。
この一ヶ月近く溜まった欲求の象徴は、痛いほどに直立して刺激に震えている。
「うわぁ………こんなにパンパンになっちゃって、辛いよね?すぐ楽にしてあげる」
目を丸くした俤さんは、僕のモノを握って優しく扱き出した。柔らかくてしなやかな指がまとわりつき、全体を撫で回す。
「我慢汁いっぱい出てきたわぁ………すごい、ぬるぬるになってる……!」
うっとりと僕のモノを眺めながら、俤さんの手の動きは段々と激しくなっていく。
このままじゃ、すぐに果ててしまう。
そう思った時、俤さんは手を離して立ち上がった。
「ごめんね………久しぶりだし、じっくりシてあげようと思ったんだけど、我慢出来ないの………!」
顔が火照って赤くなり、俤さんはスカートを脱いだ。
露わになった下着の奥から白い太ももにかけて、透明な雫が垂れている。俤さんの興奮の証明だ。
「興奮でビクビクしちゃってる君のコレ………私に咥えさせて………」
舌を伸ばして先端を舐めると、味わうようにじっくりと顔を埋めていく。
「んっ、ぐちゅっ………ぢゅるるるるっ、んっ、んんッ!」
暖かい唾液が僕のモノを包み込み、あっという間に根元まで飲み込まれてしまった。
「うわっ………あぁッ………!」
程よい温もりと襲いかかる快楽に、すぐに果てそうになる。何とか歯を食いしばって耐えたものの、情けない声が出てしまう。
「ふふっ、きもひいい?んぐっ、ぐちゅっ!じゅぷっじゅぷっ、んんッ!」
そんな僕を攻め立てるように、俤さんは手で扱きながら激しく頭を上下させる。
「俤さん、激しい………!」
「ぐちゅっ、ぐちゅっ、んんッ!だ、だって………ずっと、欲しかったから………!れろっ、んっ、ぐぽっ、ぢゅるッ!ぢゅうぅッ!」
胸を揺らしながら僕のモノを自ら喉奥に突き立てる姿は、なんと淫らで美しいことか。
時折僕と目線を合わせながら、僕の弱いところを探るように舌で舐め回す。
必死になってしゃぶることで奏でられる音とずっと欲していた熱が、僕を絶頂へと確かに導いていく。
もっと楽しみたいのに、沸き立つ想いに限界はすぐに訪れた。
「くっ!………俤さん、そろそろ………!」
「んぢゅっ、んんッ、じゅぷっ!イくの?いいよ………いっぱいらひてぇ………!」
熱っぽい視線を向けて懇願してくる俤さんに、僕の興奮は高まる一方だ。
俤さんも興奮に当てられたからか、空いた手を自分の秘所へと滑らせて下着の上から自分を慰めている。
愛しい女性こ淫らに精を欲する姿を見て、我慢できる男なんていない。
自分の奥底から駆け上がってくる射精欲は膨れ上がり、僕は彼女の名前を呼んで達した。
「俤さん………!」
ドクドクッ、びゅるるるるッ‼︎
全身がビクッと震え、僕のモノから俤さんの喉の奥へと溜め込んだ精が迸った。
「んんッ⁉︎んぐっ、ぢゅぷっ、んん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ‼︎」
「うっ!止まらない………!」
いつもより多く吐き出された精に、俤さんは目を見開いて驚いた。それでも絶頂は止める事はできない。
本能からの衝動のままに、僕は精を撃ち出し続けた。
下半身が溶けたかと思うほどの熱と快感が駆け巡り、頭が真っ白になる。
「ぢゅるっ、んんッ!………ぐちゅ、んっ、んくっ………んぐぅ、んッ!」
無遠慮に放たれ続ける精に、さすがの俤さんも辛そうな表情を浮かべた。
しかしこれ以上は苦しいはずと思うものの、俤さんが僕の腰に腕を回して離してくれない。
僕の腰が跳ねるたびに自身も震えて、絶頂の証を全て自分で受け止める。
「んぐっ、もっと、らひてぇ、んんっ!綺麗に、ひてあげる………じゅぷっ、ぢゅるるるるッ‼︎」
「俤さんッ………うっ!そ、そんなに吸ったら、くっ!………また出て、ッ‼︎」
久しぶりの絶頂だというのに、息つく間もなく追い討ちが襲ってきた。
俤さんは舌で丹念に舐めながら、喉を鳴らして残った精を強く吸い上げてきた。
しっかりと綺麗にした僕のモノから口を離すと、俤さんとの間に白濁の糸が引いた。それもまとめて、俤さんはえずきながらも飲み込こんだ。
やっと絶頂が収まると、快楽の余韻と倦怠感が身体を包む。
「んっ!ケホッ………す、すごい量。いつもよりいっぱいで、飲みきれないわ………んんっ!」
「あ、あの、無理しなくても………」
「いいの。私がシてあげたかったから」
口の端から垂れる精も舐めとって、俤さんは自分の胸元を撫でた。
「中出しはさせてあげられないけどね。こうすれば君が気持ち良くなってくれた証を、私の中に残しておけるでしょ?」
「俤さん………」
「これで、明日離れても不安じゃないわ」
艶やかな笑みに見惚れていると、俤さんは僕の手を取り自分の胸に押し付けた。
柔らかな感触の奥に、彼女の激しい鼓動がはっきりと伝わってくる。
俤さんが僕といて、ドキドキしてくれて、笑ってくれている。それだけでこんなにも体が熱くなるなんて。
「お願い。もっと、私の身体に証を残して………」
「………喜んで」
僕は俤さんと共にベッドへ倒れ込み、愛欲に溶けていった。
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