※この作品はR-18です。

エロゲ的な何か(仮)   作:MC RAT

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第3話 

 僕は非現実な光景を目の前にして固まっていた。

 下着のみを身につけた俤さんは、僅かに身を縮こまらせながらも僕の方に歩いてくる。

 俤さんはとてもスタイルが良くて、肌もシミ一つなく歳上とは思えないほどハリがある。

 まず目の前に豊満で綺麗な形の胸が飛び込んできた。服の上からでも分かっていたが、下着のみになるとそれは一層目立つ。

 それは俤さんが歩くたびにたゆんたゆんと揺れている。

 その胸と反比例するようにウエストはキュッとしまっていて、それはその下の膨らんだお尻を強調している。

 さらに黒一色の下着はとても際どい形をしていた。

 綺麗なレースがついているそれは、俤さんの身体をより引き立たせながらも、彼女の身体を申し訳程度に隠している。

 今自分がいるのが本当に民家なのか、娼館にでも来たのかと思った。

 

 

「な、何ですか!その格好は⁉︎」

「元々は夫の気を引くために買ったもの。まぁ無駄に終わったけどね。あの人自分より若い子の方が好きみたい」

 自虐的に笑った俤さんは椅子に座っている僕の膝の上に跨ると、僕と向き合った。その表情はどこか妖艶に感じられる。

 

「なぁっ⁉︎ちょ、ちょっと………!」

「大丈夫よ。私に任せて」

 俤さんはそういうと僕の学ランのボタンを外していく。あっという間に脱がされた学ランが床に落ちた。

 そして俤さんはワイシャツのボタンも外そうと手を伸ばした。

「ちょ、ちょっと待ってください!」

 耐えきれなくなった僕は俤さんの二の腕を掴んで止めた。その柔らかさにドキッとする。

 

「あ、あの………とりあえず落ち着いてください。さすがにこんな事………」

「………ダメ?」

「ダメ、というか………僕はあなたのことがよく分かりません。会ったばかりの人とこういうのはちょっと………」

 例外はあるにしても、やっぱりこういうのは好きな人とやるべきだ。お互い会ってまだ数時間。当たり前だがお互いのことを何も知らない。

 

 

「必要ないわ。身体だけの関係なんだから」

「で、でも………いいんですか?旦那さんにバレたら………」

「そんなの………分かってるわよ」

 そう言って俤さんは軽く身を引いた。艶やかな姿にどうしても目を惹かれる。

「でも、もう自分がどうするべきかが分からないの。今の自分が嫌なのに、そのために出来る事が分からなくて………思いついたのがこれくらいだから」

 それはそうかもしれないけど、だからってこんな………

「最初はね、まだ優しくて私のことを構ってくれたの。でもそれは他の女の子を見つけるまでの仮面だった。そんな人を一瞬でも優しいなんて思って、自分が嫌になるわ」

 俤さんは自嘲気味に呟いた。

「何で、僕なんですか?」

「それは……あそこにいたから。相手は誰でも良かったんだ。不倫さえ出来れば。不倫してるあの人への仕返し………ううん、半分近くヤケね。だから、誰でもよかった」

 僕も自分が選ばれた人だとは思ってない。きっと目についた男性なら誰でも良かったんだろう。

 

 

「夫にバレても君に迷惑はかけない。だから………私とシてくれない?」

 

 

 どうするべきか。本来なら断るべきだ。でも………

 僕も無言を拒絶と受け取ったのか、俤さんは俯いた。

「ご、ごめんなさい。こんな無理矢理………そもそも、こんなおばさんの下着じゃ興奮しないよね」

「そ、そんな事ないです!す、すごい………綺麗、だと思います」

 僕はつい思った事を口走ってしまった。

 

「本当?もうちょっと若かった方がいいんじゃない?」

「いや、そういうのは………あんまり変わらない、かと」

 こんな感想でいいのだろうか。でも本当に艶やかで綺麗だと思う。自分の中にある獣が、彼女を抱けと叫んでいる。

 

 

「けど、本当にいいんですか?僕、その………こういうの経験無くて………」

「もちろん。それじゃあ………いい?」

 正直いいわけない。何が何だかまだよく分からない。今日会った人とこんな事になるのが正しいとは思えない。

 でも………

 

 

「はい。僕で良ければ」

 

 

 この人を抱きたい。その欲求には逆らえなかった。我ながら素直すぎるな。

 しかしそうは言ったものの何をすればいいのか分からない。いきなり身体触るのはどうかと思うし、このまま話はキツい。

「そう………それならこっち来て」

 俤さんはそう言って僕から離れた。そして廊下へ出て行く。僕もその後に続く。

 

 

 

 綺麗な女性が目の前を下着姿にで歩いている。僕はその様子に見惚れていた。

 一歩一歩歩くたびにお尻や胸が僅かに揺れているのが見えて、その動きを目で追ってしまう。

 すると俤さんが一旦止まってこっちを振り向いてきた。

「あの……私から脱いでおいて言うのもアレだけど、そんなジロジロ見られると恥ずかしい、かな」

「あ!ご、ごめんなさい!」

 僕は慌てて目を逸らした。なんて事してんだ!

「ううん、むしろ嬉しいよ。あの人は見向きもしないから」

 そう言って俤さんはまた歩き出した。そして階段を上っていく。

 旦那さんは何でこんな綺麗な人を放っておくんだろう。

 

 

 

 やがて俤さんは一つの部屋の前で止まると、その部屋の扉を開けた。

「こ、ここは………」

「私と旦那の寝室。と言っても最近は一緒に寝るなんてほとんど無いけどね」

 その部屋には大きなダブルベッドがあり、周りには化粧台や本棚、タンスやハンガーラックなどがある。

「ここで何回かはあの人に抱かれたわ。まぁ昔片手で数えられるくらいの回数ね」

 ここで俤さんが、旦那さんと………

 それは夫婦の夜の営みだ。何も変なところはない。

 それなのに、何だこの感覚………。その事実に対する嫉妬と、そんな抱かれた妻を奪える高揚感が混ざり合ってくる。

 俤さんは部屋の明かりをつけて、そのままベッドに寝そべった。

 煽情的な下着姿の女性がベッドに寝そべっている光景に、僕は思わず唾を飲み込んだ。

「ほら、おいで」

 俤さんは僕を手招く。僕はそれに戸惑いながらも応じた。ゆっくりとベッドの上に上がる。

 それでもいきなり抱きついたりは出来ない。僕は俤さんから距離をとって座る。

「ふふっ、そんなに離れたら出来ないわよ?」

 俤さんが四つん這いになって僕に近寄ってくる。ふくよかな胸が揺れて、今にも下着から溢れ出そうだ。

 あまりに刺激的な光景に、僕は仰け反りそうになりながらも止まる。

 

 

 

「はい、後は君の自由だよ。私のこと、好きにして」

 俤さんは自分の身体を隠すことなく、僕に差し出した。

 少しでも動けば触れ合いそうな距離まで近づいている。どうすれば………

「えっと………俤さんはどうしたいんですか?」

 僕がそう尋ねると、俤さんは少しだけ不思議そうな顔をしてクスッと笑った。

「な、何ですか?」

「ううん、君せっかく自分の好きにできるのに、私に委ねるの?」

「だ、だって………俤さんのためにするなら、聞いておくべき、と思いまして」

 というか初めての僕に委ねられても困る。自分でもこの状況がまだよく分からないのだから。

 しかし罪悪感も緊張もあるのに、自分のモノは痛いほどいきり勃っている。

 それを見て、俤さんは熱い吐息を吐いた。

「そっか。そうだなぁ………せっかく若い子と浮気するんだし、恋人みたいで激しいのがいいな」

 僕が経験ないからの提案なのか。

 簡単なのかよく分からないけど、それなら自分にも出来るのかな?

 

 

 

「そ、それじゃあ………失礼、します」

 僕は一言断ると俤さんの左手に触れた。指先で僅かに触れると、今度は思い切って握った。恋人繋ぎのように指を絡める。

 うぅ、柔らかくて少し冷たい。その感触に鼓動が高鳴る。

「どう、ですか?」

「え?いや………ちょっと予想外。てっきり抱きしめられたりキスされたりするかと思ったから」

 急にそれは失礼じゃないのか?それでも自分がそれを望んでいるのは分かってた。俤さんの身体から目が離せない。

 僕は握った左手を見た。その薬指には指輪がされている。本来愛を誓うためのもの。

 それなのに旦那さんは…………いや、自分が人のことを言えた義理ではないな。

 僕だって、今からその愛を誓った女性を奪うんだから。知り合って間もないのに、欲望をぶつけようとしてる。

 自然と手に力がこもってしまい、俤さんもそれに気がついた。

「あのね、君がどう思ってるかは知らないけど、結婚の愛はそんなに重いものじゃないのよ。結局は紙切れ一枚の契約、って事かしら」

 それは、それなりに分かっている。学生として生きてるだけでもそれはヒシヒシと伝わってくる。

「それでもその形は重いもの。愛なんてなくてもその形に縛られるのよ。だから、君にそれを壊して欲しいの」

 僕が、この夫婦を壊す。本当なら怖くなるようなものなはずなのに、僕は高揚感すら感じている。

 俤さんは僕の耳に口を寄せると、そっと呟いた。

 

 

「君の中のものを私にぶつけて壊して、ね?」

 

 

 その言葉に僕は理性が限界となった。

 握った手を引いて俤さんを抱き寄せる。しっかりと俤さんを受け止めると、強く抱きしめた。

「ひゃっ!………うん、温かい。人に抱きしめてもらうの久しぶりだなぁ」

「そう、ですか」

 俤さんはまだ余裕がありそうだけど、僕はそれどころではない。心臓がバクバクしてるのが嫌でも分かる。

 ハリがありながらも柔らかい身体は、内側から熱が伝わってきてじんわりと僕に染み込む。それは下着に阻まれていても変わらない。

 それでいて僕よりも細っそりとした身体は、少しでも力を入れたら壊れてしまいそうだ。

 腕の中で僅かに動く様子から、人を抱いているという実感が湧いてくる。

 お互いの鼓動が混ざり合い、それが僕達の理性を揺さぶり落とす。さっきまで拒んでいた気持ちが薄れていく。

 僕達はお互いに向き合った。顔が近くにあり鼻先がもうぶつかりそうだ。今から僕、この人と………

「そんなに緊張しないで。これは遊びなんだから」

「遊び?」

 それを聞くと少しだけ体の力が抜けた気がする。それと同時に俤さんを求める欲求も高まる。

 僕達はお互いの鼻先を避けるようにして、また距離を縮める。

 

 

「うん。ダメな大人の、気持ちいい遊び」

 

 

 その言葉の終わる直後、僕達は唇を重ねていた。




 最後まで読んでいただきありがとうございました。
 
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