「旦那さま。
襖の向こうから聴き慣れた紙縒の声が聞こえてくる。それだけでも胸が高鳴る。
「あ、あぁ、いいよ」
すると襖が開かれて、紙縒が入ってきた。いつもと同じ巫女服だが、今はそれもどこか違って見える。
紙縒は部屋に入ると、僕の目の前までやって来た。そして僕と向かい合う。
「というかその呼び方って必須なの?普通に前みたいでいいんだよ?」
「いえ。みんなに祝福されてあなたの妻となる事が出来た、その証ですから」
「………そうか」
何か照れ臭いというか、改めて紙縒と結婚出来たんだと自覚する。
周りの空気が落ち着くと、紙縒は三つ指をついて頭を下げた。
「不束者ですが、末長くよろしくお願い致します」
態度こそ堅苦しいものの、その声はいつもの紙縒だった。
そして頭を上げると、顔を緩ませた。とても綺麗な笑顔で、見ていて心が癒される。
「もちろん、って答え方でいいのかな?」
そう言って僕達は距離を縮めた。お互いの体温が分かるほどまでに接近した。
「僕も改めて、これからよろしく。こうやって一緒になれて嬉しいよ」
「はい。私もです………」
この前までこんな風になるだなんて思ってなかった。だからこそ結ばれたのがとても嬉しい。
ちゃんと幸せにしてあげたい。心の底からそう思えた。
「あのさ………これから何するかとか、分かる?」
「えっと………伴侶となる方に身体を捧げて世継ぎを作る、というのは聞いていますが。後は保険の授業くらいで、詳しい事は知らなくて………」
紙縒が顔を赤くしながら答える。
やっぱりそういうのには疎いんだな。僕がちゃんとしないと。
それなら………
僕はそっと手を差し出した。それを見て紙縒は僕の手を握る。
細くて柔らかい手だった。僕は紙縒の手を握るとその手を軽く引く。
倒れ込んできた紙縒の身体を受け止めると、ギュッと抱きしめる。
柔らかくて暖かい。公園で感じた熱が再び僕に伝わってくる。
「もしかしたら痛かったり怖いかもしれない。けど、僕を信じてくれたら嬉しいな」
僕だって初めてなんだ。正直不安が多い。
「私はずっと旦那さまを信じ愛しております。何があっても、それは変わりません」
「ありがとう」
紙縒のかけてくれる言葉の一つ一つが、僕の心を溶かして暖かくしてくれる。
「旦那さま、暖かいです………」
「嫌じゃない?」
「いえ。むしろ、嬉しいです。身体が、溶けてしまいそうです」
紙縒は僕の背中に手を回した。僕達はしっかりと抱き合う。そして優しく手を繋いだ。指を絡める。
「それじゃあ、始めるよ」
「………はい。私の身体、貰ってください」
僕達は布団の上で抱き合っていた。僕と紙縒の大きな心音が混ざって聞こえてくる。
僕は繋いでいない手でゆっくりと紙縒の腕を服の上から撫でた。それから肩を通って首筋を撫でてやる。
「はぁ………ふぅ、あぁ………」
紙縒は赤い顔のまま深く息を吐いている。すごいドキドキするな。
「どう?嫌?」
「い、いえ………なんだか、気持ちいいです」
すると紙縒が繋いでない手で僕の服を掴んできた。
「どうかしたか?」
「すみません………今日はなんだか、身体が熱くて………熱、ではないと思うのですが」
「うん、それでいいんだ。それに身を任せて」
「はい………」
紙縒は身体に入ってきた無駄な力を抜いた。
そうすると紙縒の顔が目の前に来る。その目は僕のことをうっとりと眺めていた。
「紙縒………」
「旦那さま……」
どちらからともなく顔を近づけた。意識しなくても、自然と引き寄せられる。
「んっ………」
そして僕達はそっと唇を重ねた。
二回目のキス。関係が深まったからか、それは前よりも熱く蕩けそうだった。
紙縒の唇は柔らかくてぷにぷにしていた。そこから彼女の熱が流れ込んでくる。
舌、入れていいのかな?嫌がったらすぐにやめよう。
僕は舌で紙縒の口に割り入る。
「ッ⁉︎」
紙縒は身体をビクッと跳ねさせたが、抵抗することも嫌がる事もしなかった。
これはいい、のかな?
僕はそのまま紙縒の口腔内に舌を侵入させる。そしてぶつかった紙縒の舌に自分の舌を絡める。お互いの舌なたついた唾液を混ぜ合わせる。
にゅるにゅると粘膜の絡み合う感触と温かさが心地よく感じる。
「んっ………んあっ……はぁ、んっ」
紙縒の手に力が入る。それは僕を突き放すのではなく、繋いだ手を強く掴む。
すると紙縒が自分からも舌を絡めてきた。僕の舌をチロチロと舐めてくる。背中にゾクゾクッとした快感が走る。
唇を動かしながらあらゆる角度から舌を刺激してくる。僕もそれに応えようとした。
「んっ、くちゅ…ふぁっ………はぅ、んっ……ちゅる、んっ……ふぅっ………んぁっ、はぁっ………」
自然と舌の動きが激しくなり、くちゅくちゅと唾液の混ざる音が僕達の周りに響く。
やがてお互いの舌全体を舐めるようになり、お互いの息が荒くなっていく。それでも僕達は唇を重ねたままだ。
その吐息が熱となって僕達の身体を火照らせていく。
やがて舌を絡めるだけでは足りなくなり、お互いの口腔内に舌を這わせ始めた。
舌で歯茎をなぞり、再び舌を絡める。さらにお互いの口腔内に自分の唾液を塗っていく。
「んぐっ、ふぅっ………くちゅ、んっ…んぁっ………はぅっ、んっ、くちゅ、ちゅるっ………んはぁっ、あむっ………」
僕達は強く抱き合ったまま、長い間唇を重ねて舌を絡ませた。
今の僕達には、それがお互いを求める精一杯の手段だった。抱き合って舌で相手を求める。
最初はやられていただけだった紙縒も、今は積極的に求めてくれる。
「ぷぁっ………!」
しばらくしてさすがに息苦しくなり、僕達は唇を離した。五分以上はキスしていた。
離した唇の間に唾液の橋がかかった。透明な橋はツーッと切れると紙縒の口の端に垂れた。
「はぁ………はぁ………激しかったね」
「す、すみません。途中から激しくしてしまって………その、旦那様が求めてくださったのが嬉しくて………」
「いいんだよ。すごい嬉しい」
僕は紙縒を包むようにして抱きしめる。身体はすっかり火照ってしまっている。
「あの、もしよろしければ………また、キス、していいですか?」
「もちろん。いっぱいしようか」
僕は紙縒の頭を優しく撫でた。サラサラとした黒髪は撫で心地がいい。
「あ……頭………」
「ごめん、嫌だった?」
「いえ、旦那さまでしたら………嬉しいです」
紙縒は僕に身体を預けた。僕の事をこんなにも好きでいてくれるなんて。この嬉しさを絶対忘れてはいけない。
「旦那様………その、身体が………すごい熱くて、何か溢れ出しそうです」
「大丈夫。僕がちゃんと受け止めるから」
僕もそろそろ我慢出来ないかもしれない。僕は紙縒と見つめ合う。
「その………もっと、身体触っていい?」
「ッ⁉︎…………は、はい。旦那さまなら………」
その証と言うように、紙縒は軽く唇を重ねてきた。
僕は繋いでいた手を離す。そして紙縒の愛撫を再開する。
脇腹の辺りを撫でると、その手を上へと滑らせていく。
「………触るよ」
「………はい」
僕は上へ滑らせた手で、紙縒の胸に触れた。むにゅんっとした感触が服越しで伝わってくる。
「………はぁっ」
紙縒の口から艶っぽい吐息が漏れた。
巫女服で阻まれていても、その胸が柔らかいのがはっきりと伝わってくる。
僕はそこから手を動かしていく。巫女服に包まれた胸はその重さを僕の手に伝わらせる。
「はぁっ………んっ、んあっ………はぅっ、んっ、んんっ」
紙縒は身体をピクピク反応させながら、荒く息を吐いている。
「服……脱がしても、いいか?」
「………はい、お願いします」
僕は紙縒の巫女服の襟に手をかけた。そして皮を捲るようにその襟を軽く引っ張る。
下着は着けていなかったのが、紙縒の胸はぷるんっと揺れながら露わになった。
僕は目の前に晒された紙縒の胸に目を奪われた。
白い肩から鎖骨へと繋がり、そこからは豊満な胸が膨らんでいた。
紙縒の胸は大きくて、ハリがある。身体の熱のせいか淡く桜色に染まっていた。
綺麗な形でぷるんとして柔らかそうな胸の先には、ピンク色の乳首が顔を出していた。それはピンと硬くなってその存在を主張している。
そしてその下にはキュッと締まったウエストが覗いている。そのギャップが僕をより興奮させた。
「ど、どうですか?………変じゃ、ないですか?」
「すごい、綺麗だ………」
自然と自分の口から感想が漏れた。それほどまでに綺麗だった。
「あの、あまりジッと見られると………身体が熱くなって、くるのですが」
「あ、そ、そうか………悪い」
そう言いながらも、僕は紙縒の胸から目が逸らせなかった。
「旦那さま………その、触って、くださいますか?」
「あぁ」
僕は再び手を紙縒の胸まで持っていく。
そして紙縒の胸を鷲掴みにした。掴んだところから指がむにゅっと沈む。
「はぁんっ!」
紙縒が艶やかな嬌声を上げた。
自分でも知らない声だったのか、紙縒は反射的に自分の口を手で塞ぐ。
自分のを慰めた事も無いのかもしれないな。
「い、今の声………私、が………?」
「あぁ。そうだよ。綺麗な声だ」
「は、恥ずかしいです………」
「そんな事ないよ。もっと聞かせて」
僕はそのまま紙縒の胸を揉み続けた。手の動きを激しくする。
豊満な胸は僕の手の動きによってむにゅむにゅと形を変えている。片手では到底収まり切らずに、指の間から柔肉がはみでる。
柔らかくも弾力があり、手に吸いつくような感触。僕はそれに夢中になっていった。いくら触ってても飽きないような気がした。
「はぁっ、んっ………やぁっ……んんっ、はぁっ………あぁっ、はぁっ………んんっ、ひゃぁ…んっ」
紙縒の口から漏れる吐息が段々と甘くなっていく。それを自分がやってると思うと、たまらなくなる。
するとさっきから硬くなり、その存在を主張していた乳首が、ピンとしこり僕の手に当たる。
それは僕の手が当たるたびに、紙縒の身体をピクピクさせていた。
僕は硬くなっている乳首を指で軽く撫でる。それからキュッと摘む。乳首が少しだけ形を変えた。
「ひゃうッ!」
紙縒が僅かに身体を仰け反らせて、嬌声をあげた。
「い、今………身体に、電気が走ったみたいに………だ、旦那さま………」
「それでいいんだよ。すごい可愛い」
「あぁ………旦那さまに触れられたところが、ジンジンしてきます………それが、ゾクゾクッて………」
紙縒はどこか潤んだような目で僕を見つめてくる。その視線に思わずドキッとした。
「旦那さま………もっと………もっと、私の知らない私を、教えてください」
「………あぁ」
僕はそっとキスをすると、再び紙縒の胸に手を伸ばした。
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