教室に戻った僕達は、荷物をまとめて出ようとした。
「それじゃあ
僕は顔を上げると、紙縒がどこか遠くを見て固まっているのが分かった。何だ?
どうかしたのかと思い、紙縒と同じ方向を向いてみる。
そこには大きな夕日が浮かんでいた。
そうか、時間帯的に考えればもう夕日が出てもおかしくない時間帯だ。
その夕日は赤く輝いていてとても綺麗だ。僕達を照らすように空高くに浮かんでいる。
「すごい………美しい」
紙縒はポツリと呟いた。
けど僕からしたら今の紙縒の方がよっぽど綺麗だ。艶やかな黒髪、白い肌、儚げに揺れる瞳、その全てが夕日に照らされて輝いている。
それは彼女の魅力をより強調しているように見えた。
「そうだな、たしかに綺麗」
もっとも、僕にとっては紙縒の事も含めてだけど。とは口には出さないでおくかな。
「これまでもこの時間まで学校にいる事が何度かありましたが、私こんな綺麗な夕日を見たのは初めてです」
「そうなの?」
この時間にいれば大抵見れそうなものなんだがな。
そう言う紙縒の表情は、まるで夕日に吸い寄せられているかのようだった。
「私、昔からずっと家のことしか考えてなくて。いつも家の仕事の事しか考えてませんでしたから。周りの景色が見えてなかったんです」
紙縒は夕日を眺めたまま話した。それだけでもとても映える姿だった。僕の嫁にはもったいないほどに。
「そんな時に、旦那さまは私に外の世界を見せてくださいました。私は、それがとても美しいものだと感じることが出来たんです」
紙縒は僕の方を見て微笑んだ。
「私の世界を広げてくれて、ありがとうございます」
この笑顔は僕の心に深く焼きついた。それは僕の顔も熱くする。
「べ、別に………大した事じゃないよ」
僕はただ、紙縒に色んなものを見て欲しかっただけだ。それで紙縒が喜んでくれたから。
「旦那さまがそうでも、私にとってはその一つ一つが忘れる事のない思い出なんです。私と旦那さまとの、大切な思い出です」
「そうか………うん、なら良かった。僕も紙縒と色んなものを見たいな」
「旦那さま………はい!」
紙縒は嬉しそうに笑うと、僕の手をギュッと握った。
「⁉︎ 紙縒?」
「え?あ、す、すみません!つい………」
紙縒は慌てて手を離すと、少し後ろに下がってしまった。恥ずかしそうに縮こまってしまう。
「手、繋ぎたいの?」
「そんな………いや、えっと………だ、大丈夫です………こんな、甘えるような事を………」
いや、むしろ嬉しかったんだけどな。まだだけど自分から甘えるのは苦手みたいだ。
「そ、それでは、旦那さま。そろそろ帰りますか………ひゃあッ⁉︎」
紙縒が動こうとすると、少し慌ててしまったためか置いてあったバッグの紐に足を引っかけてしまい、紙縒が僕の方に倒れてきた。
僕は咄嗟に紙縒を受け止めた。
「大丈夫?」
「あ、はい………すみません、旦那さま」
「いいから、気をつけなよ」
僕はそこで図らずも抱き締めるような形になってしまっている事に気がついた。久しぶりに感じる紙縒の温かさだ。
僕は体を離そうと思って止まる。
紙縒は戸惑いながらも、どこか満足そうな表情をしている。その表情を見て、僕は思わずほっこりしてしまう。
「いい表情するじゃん。そういう紙縒の表情、もっと見たいな」
「え?………あ、私………」
自分の表情に気がついてなかったのか、紙縒がハッとする。
いつものキリッとした紙縒もいいけど、やっぱり二人きりの時はもっと緩くいたいものだ。
そっと身を預けてくれるような、そんな感じがちょうどいい。
「旦那さま………私、旦那さまに甘えても、良いのですか?一緒にいるだけでも充分なのに、こんな贅沢な………」
「当たり前でしょ。僕はもっと、紙縒に甘えて欲しいな」
「旦那さま………」
紙縒が僕に甘えるように抱き締めてくる。その嬉しそうな笑顔は僕も自然と笑顔にさせる。
僕達はギュッと手を握った。出来る限り触れて、お互いの体温を感じようとする。
でも僕は同時に、紙縒の身体の感触についドキッとしてしまった。特にむにゅんと当たる胸に焦りを隠せない。
あんまり抱きついてるのは良くないな。
しかしそう思った時にはもう遅かった。
「?………旦那さま、何か硬いものが当たって………」
首を傾げながら下を見た紙縒は驚いたように目を見開いた。具体的には僕の下腹部を見て。
「あ、あの、旦那さま………その、旦那さまのが………」
そう言う紙縒の目の先には、大きく膨らんだ僕のズボンが。
「こんなに大きく………もしかして………私のせい、ですか?」
「ご、ごめん!気にしないでいいから!」
顔を赤くして聞く紙縒に、僕は必死になって取り繕った。とりあえず離れないと!
しかし紙縒が僕の体を離そうとしない。紙縒の柔らかい身体は僕に密着したままだ。
「紙縒………?」
「その………旦那さまがよろしければ、ここで私が、その………旦那さまのを楽にいたしますよ?」
「え?………それって………」
そっと顔を上げた紙縒の思わぬ提案に、僕は言葉が詰まった。顔が一気に熱くなる。
「ですから、その………ご奉仕、と言いますか。夫婦の営みと言いますか………」
つまりそういう事だよな?教室で………誰もいないし、大丈夫なのかな?
「え、えっと………いいの?」
「旦那さまのおかげで、予定よりも早く終わりましたし。それに………」
紙縒はそのまま僕の体に指を這わせた。どこかぎこちないが、それが心地よい。
「私は旦那さまの妻です。旦那さまが私を特別にしてくれたように、私も旦那さまを特別に愛したいのです」
僕よりも背の低い紙縒は僕を上目で見てきた。ここで断れるほど僕は強い理性はしていない。
「そ、それじゃあ………お願い」
僕がぎこちなく言うと、紙縒は小さく頷いた。
僕達は抱き合って小さく息を吐いた。そしてジッと見つめ合う。お互いの顔が自然と近づく。
「久しぶり、ですね。こういうの………少し、恥ずかしいです」
「嫌じゃない?」
「旦那さまでしたら………私は、嬉しいです」
頬を染めたまま、紙縒は小さく呟いた。ゆっくりと目を閉じる。
そして僕達は唇を重ねた。初夜以来のキスだった。
「んちゅ………」
紙縒のぷにぷにした唇の感触を楽しむと、そっと舌を入れていった。
すると紙縒も舌を入れようとしていて、僕の舌とぶつかった。紙縒の唾液の味が、僅かに感じられた。
それを受けて少しだけ舌を引いたが、すぐにまた舌を入れた。お互いの舌を先でなぞるようにして、ねっとりと絡めていく。
紙縒の唾液は甘くて、僕はそれを拭うようにして舌を動かす。紙縒もそれに合わせるようにして舌を動かした。
「んっ、くちゅ………ちゅるっ、んあっ………あむっ、くちゅ、ちゅぱっ………んくっ、んはぁ……」
僕達は唇をゆっくり離した。僕と紙縒の唇の間に唾液の糸がひいた。
「旦那さまとのキス、気持ちいいです………」
そう言う紙縒はうっとりとした表情をしていて、それがとても艶やかに見えた。
堪らなくなり僕は紙縒を抱き締める力を少し強めた。
「あっ………旦那さま、私がご奉仕するのに、これでは………」
「こうしてるだけでも充分奉仕だよ」
「そうですか………私も、旦那さまに抱き締められるの、大好きです」
紙縒はそう言って僕に身を預けてきた。紙縒の温かさがじんわりと染み込んでくるようだ。
「旦那さま………すごい、ドキドキしてますか?」
「そりゃあ、紙縒に抱き締められたらね。そういう紙縒だって」
「は、はい………恥ずかしながら、旦那さまに触れられると、ドキドキが止まらないんです」
僕達は視線を合わせると、小さく微笑み合ってもう一度キスをした。今度はよりねっとりと舌を絡める。
静まり返った教室に僕と紙縒の唾液の音だけが響き渡る。それが耳も刺激した。
「んあっ………あの、私どうすればいいのか分からないので………旦那さまの要望なに答えられないかもしれませんが、頑張って気持ちよくしますね」
そのまま見つめ合ってると、紙縒は少し屈んだ。
「そ、それでは………失礼します」
頷いて自分の机に腰掛けた僕に、紙縒は手を伸ばした。
「すごい………キツそうです。今、楽にいたしますね」
紙縒は僕のズボンに手をかけると、ズボンのチャックをジーッと下ろした。
服越しで感じる紙縒の細い指がもどかしい快感を流してくる。
そして紙縒は手探りで僕のモノを露にさせた。
「あっ!………すごいです………こんなに大きく………」
紙縒は僕のモノにそっと顔を近づける。紙縒の吐息が僕のモノに当たってムズムズする。
「え、えっと………私は、どうすれば良いのでしょうか?」
「その………触ってくれたら、嬉しい、かな」
「旦那さまのに触れる、ですか?分かりました」
そして指先をそっと触れさせる。ゾクッと快感が僅かに込み上げてきた。
どうすればいいのか分からないという風に、紙縒はおっかなびっくり触れている。
「んっ………あ、熱いです。旦那さまの………火傷してしまいそうです」
紙縒は僕のモノに指を絡めてくる。触れる面積が多くなるにつれて、快感も大きくなる。
「旦那さま………これで、いいですか?」
「あぁ………それで手を動かして」
「こう、ですか?」
紙縒は僕のモノを掴んだ手を上下に動かし始めた。
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