※この作品はR-18です。

エロゲ的な何か(仮)   作:MC RAT

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第25話(新着)

 冬も残すところ僅かとなってきた頃。

 進路が決まった僕達は、日々の仕事をこなしつつ新たな生活の準備をしていた。

 僕は、本格的に神社の経営を学ぶために、氏子さんの紹介で別の神社のお手伝いをすることなった。もちろん東海林神社の手伝いもする。

 紙縒は、奉職するために神職養成所に通うことになった。遠くない未来資格を取るだろう。

 

 

 そんなわけで二人揃って高校生活の終わりを迎えようとしていた、ある日のこと。

「引っ越し?」

 その日も仕事を終えた僕は、部屋に篭って勉強をしていた。

 ひと段落して休んでいたところに叔母さんから連絡が入り、この話になったというわけだ。

『元々住んでたアパートの部屋、もうほとんど使ってないんでしょ?進学を期に引き払って、紙縒ちゃんの所に住所移したらどう、って話』

「あぁ、そういうこと………」

 僕は今紙縒の家で一緒に住んでいるが、きっかけがきっかけなだけに、ほとんど成り行きみたいなものだ。

 それもあって、必要最低限の荷物だけを持ち込んで、元々住んでいたアパートはそのままになっていた。

 おかげで今の僕は、同棲と半同棲の間みたいな状況。

 一緒に住むなら住むで引き払った方がいいのは分かっていたが、羹の件や受験が重なりまとまった時間が取れなかったのだ。

 たしかに今は進学準備が本格化する前で、引っ越すならちょうどいいタイミングかもしれない。

「分かった。片付けとかやっておけばいい?」

『そうね。そこまで遠くないし、運べるものは自分でそっちに運んでおきなさい。あと、掃除もしっかりしておくのよ」

「うん」

 電話を切ると、畳の上に寝っ転がり天井を見上げた。

 片付けかぁ………たまに帰って整理はしてるとはいえ、時間はそれなりにかかるだろうな。

 仕事を疎かにするわけにもいかないし、紙縒には言っておかないとな。

 

 

「───と、いうわけなんだが」

「そうですか。節分も終わりましたし、たしかにいいタイミングかもしれませんね」

 夕食も食べ終わり、お風呂に入ってから、僕はこたつに潜っていた。

 パジャマの上にエプロンを着た紙縒が、お茶と一緒にチョコを差し出してくれる。

「はい。旦那さま、ハッピーバレンタインです」

「おぉ、美味しそう」

 チョコの芳醇な香りが鼻腔をくすぐる。

 早速一つ摘んで口に放り込んだ。

「ん!美味しいよ、ありがとうね」

「そうですか。上手に出来てよかったです」

 エプロンを脱いだ紙縒もコタツに入り、二人でチョコを食べる。

 こうしてチョコを食べてると、告白してくれた時のお出かけを思い出す。

 これは、ホワイトデーにしっかりお返ししないとだな。

 

 

 僕の隣でお茶を啜った紙縒が、一息ついてこちらを向く。

「旦那さま。部屋の片付けでしたら、私もお手伝いしましょうか?二人の方が早く終わりますし」

「えっ?」

 紙縒の提案に、僕は首を捻って考えた。

 時間を取りやすいタイミングを選んでいるとはいえ、早く終わるに越したことはないだろう。

 何より紙縒がいれば掃除が捗る。

「そうだね、お願いしてもいいかな?」

「はい、お任せください!」

 

 

 そんなわけで翌日氏子さん達にも相談して、しばらくの間のスケジュールを調節してもらった。

 ついでに僕が運べないような大きな物は、後で軽トラで運んでくれるとのこと。いやはやありがたい。

 そして片付けの日、朝の仕事を済ませた僕達は、昼食を食べてからそのままアパートへと向かった。

「そういえば、旦那さまのアパートにお邪魔するの初めてですね」

「あぁ、そういやそうか」

 たまに掃除などで戻ってくる時はあったが、そもそも広い部屋じゃないし一人でやっていた。

 それにあの家で一緒にすんでいて、わざわざこっちに招く理由がなかったからな。

 片付けのためだけに、初めて恋人を家に招くことになるとは。彼氏として、何だか申し訳ない気持ちになる。

 

 

「で、それはそれとして紙縒。一つ聞きたいんだけど………」

「はい、何ですか?」

「何で巫女装束のまま来たの?」

 朝の仕事を終えて、僕は私服に着替えてきたのだが、何故か紙縒はそのまま巫女装束で来ていた。

 紅白の鮮やかな和服が、日の光を受けてよく映えている。

 人通りが少ないためまだ目立ってないが、それでも見かける人のほとんどが二度見している。

「お掃除をするのでしょう。でしたら、やはりこの格好でないと!気も引き締まりますし!」

「あぁ………そっか」

 やる気満々とばかりにウキウキで拳を握る紙縒に、僕はつっこむのをやめた。本人がいいなら何も言うまい。

 たしかに僕達がしてる仕事の多くは掃除だし、適してるといえば適してる………かな?

 そういえば、紙縒の家の大掃除もこの格好だったっけ。向こうだといつものことだからスルーしてたけど。

「はい、どうぞ」

「お邪魔します」

 あまりアパートの前にいても人目につくので、とりあえず家の中に招き入れた。

 恋人を初めて家に招くのって結構ドキドキするな。

「ここが旦那さまのお部屋………いくつか荷物はまとめられてるんですね」

「そりゃ引っ越すこと確定してたからね」

 紙縒と婚約して一緒に暮らすことになってから、どこかで引っ越すことは分かりきっていた。

 だからこまめに荷物はまとめておいたのだ。まぁ半分にも満たないが。

「さてと、何からしたものかね」

「まず荷物を全てまとめてしまいましょう」

 というわけで、早速作業開始だ。

 

 

「紙縒、このタオル家で使える?」

「あぁ、ちょうどいいですね。ではこちらに。ここにある服は?」

「もう使わないヤツだよ」

「では縛っておきますね」

 片付けを始めて2時間ほど。荷物をまとめては、空いたスペースの掃除を繰り返す。

 紙縒が手伝ってくれたおかげで、想定の何倍も早く作業が進んだ。

「旦那さま、ゴミ袋のストックはどこにありますか?」

「ん?そこの引き出しに………って、あれ?」

 シンクの隣にある引き出しを開けるが、そこにゴミ袋はなかった。

 しまった………元々少なかったものを使い切ってしまった。まぁスーパーに行けばあるだろう。幸い近くだ。

「悪い、無くなったからちょっと買いに行ってくる。ついでにもう少し段ボール貰ってくるよ」

「お一人で大丈夫ですか?」

「あぁ、他に出来ることやってくれると助かる」

 家主が作業を抜け出すのは申し訳ないが、この格好の紙縒をスーパーに向かわせるわけにはいかない。

「分かりました、お気をつけて」

「うん、いってきます」

 一旦作業を紙縒に任せると、上着を着て部屋を出た。

 

 

 

「さて、それではまとめられるものをまとめますか」

 彼を見送って、紙縒は辺りを見渡す。

 一応部屋にある物は触って構わないと許しを得ているので、持っていく荷物を今ある段ボールに詰めることにした。

 とはいえ、生活に必要な物のほとんどは、既に自分の家に持ってきてある。

 それに大きな家具などは、氏子さん達に任せるため今すぐまとめても仕方ない。

 そうなるとまとめられる物は………本だろうか。

 廃棄するものはとりあえず部屋の隅に寄せて、空いている段ボールを引っ張り出した。

 既に本棚から出して積み上がっているため、サイズの同じ物をまとめて段ボールに詰めていく。

 

 

 こうして引っ越しの準備をしていると、改めてこれから共に暮らしていくという実感が湧いてくる。

 もちろんこれまで一緒に暮らしてきたし、充実した日々を送っている。

 けど出会い方が出会い方なだけに、どこか長いお泊まりのような感覚になってもいた。

 けどこれからは、二人で同じ時間を歩いていく。その実感が嬉しい。

 きっと新生活が始まれば、お互いもっと忙しくなる。問題にぶつかることもあるだろう。

 でもなりたい自分に向けて一歩ずつ向かっていて、その隣に旦彼がいてくれる。

 それがこんなにも心強く、ワクワクすることだなんて。それだけで不安がかき消されていく。

「ふふっ」

 笑みを溢しながら、紙縒は片付けを進めていく。

 

 

「それにしても旦那さま、結構本持っているんですね」

 特に漫画が多い。紙縒はあまり読まないが、彼の大事なコレクションなのだろう。

 こういう本を読んでいるから、羹の時のように思いもよらぬ発想が出るのかもしれない。

 そんなことを思いながら段ボールへと、本を並べていく。

 同じシリーズでまとめるのはもちろんだが、本屋のように出版社でもまとめたくなってしまう。

「残りの本は………これで全部ですね」

 一番奥に積んであった本を持ち上げて、段ボールに詰めた。

「おや、これは?」

 最後に積んであった漫画のいくつかが気になり、紙縒は手に取った。

 というのもさっきまでの漫画とは違い、見たことのない出版社だ。それに漫画の色や字のフォントがだいぶ違う。

 そんな漫画が数冊だけあるというのも、少し不自然だ。

 興味に惹かれるまま、特に何も考えず表紙を見る。

 

 

「ッ⁉︎」

 そこに描かれていたのは、制服をはだけさせた女子高生だ。

 恍惚とした表情を浮かべた彼女のセーラー服は前が開いて、ふくよかな胸がまろび出ている。

 煽情的な姿に頬を染めながらも、濡れた秘所を見せつけるように自らスカートを捲り、こちらを誘う。

 

 

「こ、これは………!」

 あまりにも刺激的な絵に、紙縒は思わず目を逸らした。

 でも一度見てしまったら最後、脳に焼きついてしまって離れない。

 背筋がゾクゾクッと震え、身体が熱くなる。

 あまり漫画を読まない紙縒でも、それが淫らな内容を含んでいることは容易に想像出来た。

 こういった内容の本があることは知識として知ってはいたが、本物を見るのは初めてだ。

「旦那さま………こういう本、持ってるんですね………」

 もちろん彼だって健全な男子高校生。こういった物に興味を持ち、持っていても不思議ではない。

 それでも彼がこういった本で興奮したのかと思うと、モヤモヤしてしまう。

 だが同時に、彼がどういったものに興奮するのか。恋人として興味が湧いてきた。

 

 

「す、少しだけ………」

 人の物を勝手に読むことに罪悪感を覚えながらも、紙縒は漫画を開いた。

 物語のあらすじは、幼馴染である高校生の男女が惹かれあい、恋人としての甘い日々を過ごすというもの。

 これだけなら普通の恋愛漫画だが、やはり最も描かれているのは二人の濃密なラブシーンだ。

 初々しい初エッチから始まり、学校の保健室で隠れるようにシたり、コスプレをしていたり、お泊まりで一晩中繋がったり。

 相手を求めようとする衝動に任せて、何度も何度も何度もお互いの愛を確かめ合っている。

「うわ、あぁ………すごい………」

 いくつか自分が経験したようなプレイもあり、共感性羞恥も相まって目の前がクラクラする。

 紙縒は知る由も無いが、世の中にはもっとハードな内容の物もある。もしそれを紙縒が読んでしまったら、卒倒していただろう。

「ん?」

 ページを捲っていく中で、紙縒は手を止めた。

 そのページでは、主人公に抱かれた後のヒロインが、その快楽と愛情を思い出して自分を慰めていた。

 ちょうど表紙のように制服をはだけさせて、自らの身体を弄っている。

 湧き上がる欲望を抑え込むように背中を丸め、愛する人の名前を呼び続ける。

 最初こそただ身体を撫でるだけだったが、その行為はどんどん激しくなっていく。

 やがて左手で胸の先を摘み、しゃぶって湿らせた右手の指を膣内に潜り込ませた。

 

 

「はぁ、はぁっ………こんなに、激しくして………!」

 あまりにも淫らな姿。しかし、紙縒は彼女のことを否定出来なかった。彼女の気持ちが分かってしまうから。

 愛する彼と肌を重ねたあの日から、時折無性に彼と触れ合いたいと思う時がある。

 特にここ一、二ヶ月前まではお互い忙しかったこともあり、夜を共に過ごすことも少なくなっていた。

 そのせいもあって、少し彼と触れ合うだけでも衝動に駆られる時もある。

 でも彼と共にすること以外を知らない紙縒は、仕事をこなす事で時間の解決に任せていた。

 きっとこのヒロインも、自分と同じなのだろう。

 そんな感情移入もあって、紙縒はすっかり読み入っていた。片付けの続きをしなければいけないと分かっていても、目が離せない。

 自分の体温が高まってくるのが嫌でも分かる。お腹の奥が疼いて、背筋が縮こまる。

 

 

「気持ちいい、のでしょうか………」

 

 

 一度気になってしまうと、もう衝動は止められない。漫画の見様見真似で、手を自分の身体に滑らせる。

 それでもいきなり秘所を触るのは怖かった。大切な所だし、自分ですると痛いかもしれない。

 だからまずは、白い装束の上から自分の胸に手を伸ばす。

「はぁ、あっ………」

 高鳴る胸をそっと撫でるだけ。もちろん彼が与えてくれるほどの快感はないが、それでもピリッと巡る刺激に吐息が漏れ出た。

 そういえばこの漫画だと、ヒロインは主人公に抱かれた時を思い出して自身を慰めていた。

 愛する人と肌を重ねる。その想像が、より深い快楽をもたらしているのかもしれない。

「旦那さま、なら………」

 もっと自分の名前を呼んで、激しく求めてくれる。あの時の快楽、そして満足感。

 それを思い浮かべながら、膨らみを鷲掴むようにギュッと指を沈める。

「んんッ!」

 さっきよりも強い快感に、身体が跳ね上がった。下着の内側に湿り気が広がる。

 

 

 それでも物足りない。彼が与えてくれる刺激が、声が、温もりが。

「旦那さまぁ………」

 自分のものとは思えないほど甘えた声を漏らして、紙縒はまた自分の身体に手を這わした。




 最後まで読んでいただきありがとうございました。
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