「段ボールこれだけあれば大丈夫かな」
スーパーでゴミ袋を買ってきた僕は、ついでに段ボールも貰ってきて帰宅した。
日も傾いてきて、夕陽が差し込んでくる。
紙縒のおかげで作業が結構進んだし、今日は早めに切り上げて夕食にしてもいいかもしれない。
そんなことを考えていたら、家まではあっという間だ。
自分の家なこともあって、特に声をかけることもなく中に入る。
すると、そこには………
「あぁ、あっ………はぁ、んんっ!」
本棚の前でしゃがんでいる紙縒が、自らの胸を弄っていた。
予想だにしていなかった光景に、僕の脳が止まる。
紙縒は慰めるのに夢中で、僕に気がついていない。
困惑から思わず凝視していると、彼女が何か本を開いていることに気がついた。
おそらく僕の物なんだろうが、離れてるせいで何かが分からない。
そもそも経緯が分からないから、なんて言えばいいかも分からない。
そうして言葉に詰まって迷っていると………
「んくぅ、あぁ、はぁっ………えっ?」
身を捩らせた紙縒と目があった。お互い固まったまま視線を交わす。
一瞬こっちからフォローを入れようかと頭が動くが、気の利いた言葉が出ずに詰まってしまう。
「ッ⁉︎だ、旦那さま………!」
「あぁ………ただいま」
これが精一杯だ。
固まっていた表情が震え出して、元々紅潮していた顔がもっと染まり、耳の先まで真っ赤になってきた。
「あっ、これは、その………何といいますか、えっと………!」
紙縒は慌てて開いていた漫画を閉じた。そこでようやく、それが何の漫画なのか確認できた。
それはこっちに引っ越してから買った、いわゆる成人向け漫画だ。
一人暮らしで隠す必要もなかったため、普通に本棚に入れたまま忘れてしまっていた。
買ってきた物をテーブルに置き、ベッドの上に腰掛ける。
「見てた、かな………?」
「そ、その………すみません。勝手に、読んでしまって………」
羞恥やら罪悪感ならで、今にも消えてしまいそうな声だ。ゆっくりと体が縮こまって、頭を下げる。
とはいえ、恋人が触れる場所にこの手の本を置いてしまった、僕にも非はある。
特に紙縒の場合、こういうの見るのも初めてだっただろう。
「いや、僕も気遣えなくて、ごめん………」
人を招くのなら、一度確認するべきだった。それに悪い悪くない以前に、普通に気まずい。
「え、えっと………ゴミ袋も買えましたし、作業に戻りましょうか!」
お互い何と言っていいか分からない、そんな空気を変えようと、紙縒は無理矢理明るい声を上げた。
けどその顔は真っ赤なままで、こちらをチラチラ見ている。どう見ても切り替えたようには見えない。
「………待ってよ」
「えっ?………あっ!」
こちらを振り返った紙縒の腕を掴み、こちらへと引き寄せた。
いつもより強めに抱き締めると、止まることなく唇を奪う。
「んんッ!んっ、くちゅ………ふぁ、んっ、れろっ………んっ、んぅっ!」
いきなりで驚くかと思いきや、背筋を震わせた紙縒は、僕に身を預けてくれた。
唇を離すと、僕の服を掴んでこちらを見上げる。
「ぷはぁっ!………ど、どうされました?」
「その………色々、ヤバいかも」
それだけだと、何のことか分からないかもしれない。
しかし密着することで、紙縒が僕の変化に気がついた。
「旦那さま。その………旦那さまのモノが………」
「恋人のあんな姿見たら、当たり前だって」
ズボンを内側から押し上げる膨らみが、紙縒の腹に押し付けられる。
嫌がられるかもとは思ったが、むしろ紙縒は僕の身体に腕を回してくれた。
「このままでは、作業に戻れませんよね。私も、もう……」
こちらをジッと見て、自分の衝動を訴えてくる。
ジワッと体が熱くなり、ベッドに押し倒そうと腕を掴む。
このまま紙縒と絡み合いたい。
でもさっきまでの彼女を見ていたら、いつもとは違う姿をもう少し見たくなった。
「紙縒、それならお願いがあるんだけど」
「な、何ですか?」
「その………さっきの続き、見せてくれないかな?」
「えぇッ⁉︎」
予想外の頼みに、紙縒は目を見開いて顔を上げた。
それはそうだろう。これまでそんなこと頼んだことなかったし。
「続き、というのは………私がしてたこと、ですか?」
「うん、まぁ………」
時間が経てば経つほど、理性が戻ってきてこっちが恥ずかしくなってくる。
でも今更撤回するのももったいないと思ってしまい、思い切って頷いた。
自分で頼んでおいてアレだが、さすがに嫌がられたか。
「どう、かな………?」
顔を俯かせる紙縒の表情を覗き込む。
葛藤する紙縒は、口をむにむに動かして僕と見つめ合う。
そして恥ずかしがる顔を隠すように、僕の上着に押し付けた。
「分かり、ました」
「えっ………い、いいの?」
「 恥ずかいですけど………だ、旦那さまが、喜んでくださる、なら………したいです」
自ら『したい』と言ってくれた。それが嬉しくて、思わず唾を飲み込む。
「で、でも私、初めてなので、よく分からないのですが………」
「そうなの?」
元々性的なことに疎いのは知っていたが、自分でしたこともなかったとは。
それじゃあ、さっきのアレはただ衝動的にしていただけだったのか。
「ですから………私に、教えてください」
「………うん」
また抱きつきたい衝動を抑えて、紙縒をベッドの上に座らせた。
「うぅ………この服で、こんなことをするなんて………」
いつも仕事で着ている巫女装束の姿で自分を慰めるなんて、紙縒にとっては羞恥の極みだろう。
でも僕にとっては、それこそより興奮する。
紙縒はこちらの視線を確認しながら、装束をはだけさせた。
「胸ぇ、こんなにはしたなくなってしまって………」
豊かな双丘を露わにさせると、さっきまで弄っていた胸の先は硬くなっていて、その存在と紙縒の心中を強調させている。
承諾してくれたとはいえ恥ずかしいのは変わらず、紙縒は手で顔を隠してしまう。
初めての時もこの格好だったが、婚約者と肌を重ねるのと自らを慰めるのでは、恥ずかしさも違うのだろう。
「でも紙縒、綺麗だよ」
「そ、そんな事言われても………」
羞恥に悶えながらも、紙縒は恐る恐る再び自分の身体に手を這わせた。
「はぁっ、はぁっ………んぅっ」
辿々しい手つきで自分の胸を揉み、硬く尖る先を指先で押す。
最初こそ撫でるだけのようだったが、段々慣れていくと込める力が高まってきた。
大きな膨らみに指が沈み、彼女の手の中で形を変えていく。
それでも物足りないのは一目瞭然。いつも身体を重ねる時ほどの刺激は無いようだ。
よく知らず怖いのもあるんだろうが、どうしていいのか分からないんだろう。
「んっ、はぁ………こ、ここから先は…………」
「自分が気持ちよくなれること、すればいいよ」
「気持ちよく………そ、それなら」
少しだけ迷った風に見えたが、紙縒は袴を捲りあげた。
興奮のせいで、下着が見て分かるほどに湿っている。
「ここ、ですよね?」
「怖くない?」
「旦那さまが見ていてくださるなら、大丈夫です。なので、ちゃんと見ててくださいね」
僅かに潤んだ瞳でこちらを見つめると、指先で自分の秘所を下着の上からなぞる。
「んんッ!」
胸よりも強いであろう刺激に、紙縒は甲高い声を漏らす。
自分で与える刺激に戸惑いながらも、再び優しく秘所を撫でた。部屋に響く悩ましげな声に、段々と惹き込まれていく。
「はぁ、あぁ………自分でスるとは、こんな感覚なんですね」
撫でれば撫でるほど秘所から愛液が溢れ、次第に下着で受け止めきれず染み出してきた。
初めてではあるが、感じてはいるようだ。
「どう、気持ちいい?」
「分からない、です………ゾクゾクしますが、旦那さまがしてくれた方が、強いです………!」
また紙縒を押し倒しそうになった。本当、天然で僕の理性を削ってくる。
自分が気持ちよくできてるという優越感からだろうか。何とか踏み止まる。
「どうすれば、いいですか………?」
「えっと………下着、脱げばいいんじゃないかな」
布越しよりも、直接触った方が刺激を感じやすいだろう。というのもあるが、僕の理性の限界が理由のほとんどだ。
「あと、気持ちいい時のこと考える、とか………」
「そう、ですか」
少し視線を落とし、下着に手をかけた。
しかしその手を止めると、紙縒は上目遣いでこちらを見る。
「あの………だ、旦那さまも、こういったことされるんですか?」
「えっ?あ、あぁ、まぁ………」
いきなり突拍子もないこと聞かれて、つい素直に答えてしまった。
紙縒は自分で聞いておいて反応に困ったが、何かを考えるように俯き、控えめに口を開く。
「で、でしたら………旦那さまがシてるところ、見せてくれませんか?」
「はっ?」
「旦那さまの気持ちよくなってるところ………見せてください。淫らな事をする時は、旦那さまとでないと………」
そうか。一人で慰めたこともない紙縒は、僕以外とそういう事をしたことがなかったんだ。
紙縒から頼むとは驚いたが、よく考えたら僕だってお願いしてるわけだし。お互い様だ。
「………分かった」
ズボンと下着を下ろすと、屹立した自分のモノを紙縒に見せた。
「わっ!す、すごい………もう、こんなに………私を見たから、ですか?」
「うん」
さっきまで見ていた漫画の影響か、紙縒は興奮を隠しきれなくなっていた。
吐息が少しだけ荒くなり、内股を擦り合わせる。
「それでは、私も………」
紙縒が止めていた手を動かす。
下着を脚から引き抜くと、その間には透明な糸が引いていた。
秘所から垂れた蜜は、お尻を伝ってシーツへと流れていく。
「紙縒、すごい事になってるね」
「い、言わないでください。さっきから、止まらないんです」
僅かに残る理性に対して、身体は素直なようだ。
こうなってしまったら、僕だって歯止めが効かない。
「それじゃあ、続き見せて」
「はい………え、えっと、こうして触ればいいんですかね」
うろ覚えの知識で、紙縒は手を下へと這わせた。
溢れ出る蜜を掬うように、ワレメを指先でなぞる。
「んんッ!」
またもや全身を震わすが、今度は止まらず指を動かし続けた。
くちゅくちゅと水音を鳴らしながら、声を漏らしつつこちらを見つめる。
「んあっ!はぁっ、んっ、あぁっ!………だ、旦那さま、も………」
「………あぁ」
こんな淫らな様を見せられて、我慢などできない。
僕も自分のモノを掴み、見つめ合いながら扱き始める。
「はぁ、ッ!………くっ!」
「旦那さま………すごい、そんな激しく………」
初めて見る光景に、紙縒は目が離せなくなっていた。
そして昂った気持ちを発散するように、身体の上で指を蠢かせる。
「そう、ですよね。旦那さまは、いつも激しく愛してくれますから………それだけ、昂っているんですね………んんッ!」
「あぁ………!それに、紙縒が気持ちよさそうだから………!」
「私も………旦那さまが興奮してくれてると思うと、たまらないです………!」
高まり合う熱に当てられて、紙縒は撫でるだけだった指を膣内に潜り込ませた。
さっきまで触ることすら躊躇っていたのに、もはや我慢出来なくなっている。
「ひっ!んんッ、あぁぁッ、はぁんッ!わ、私の膣内………こんな感触、なのですね、んぅッ!」
さらに深く触れることで、自分のより感じる部分を見つけたようだ。無意識に指の動きが早くなる。
紙縒の甘い声に、思わず僕のモノも反応してしまう。
「はぅ、んあッ!だ、旦那さまの、ビクビクッて跳ねて………それほど、昂っているのですね………!」
「ッ!………紙縒だって、すっかり夢中じゃん」
「そ、それは、触れば触るほど、んんッ!………身体が、ますますいやらしくなって、はぁんッ!」
相手の痴態に惹きつけられるように、僕達の距離は縮まる。
さらに快楽を求めて、紙縒は赤く尖る乳首を摘んだ。
「んあッ、んんッ!だ、旦那さまは………こんな感じで、触ってくれて、あぁッ!」
僕に触られる想像に耽りながら、耳の先まで赤くして潜り込ませた指を出し入れする。
どんどん蜜が溢れ出して、触れていないはずなのに、高まる彼女の体温が伝わってくるようだ。
「ふぅ、んんッ!旦那さまぁ………私で、気持ちよくなってください!思いっきり、精液出してください………!」
自分を慰めてる時ですら、僕が気持ちよくなるように気にしてくれる。けど、それは僕も同じだ。
繋がっていないだけ。
それだけでお互いの快感を求め合う姿勢や、愛情を交わしたいという欲求は変わらない。
その興奮が、より僕達の行為を激しくする。
「紙縒、ッ!………もう………!」
「あぁッ、はぁ、んあぁッ!だ、旦那さまぁ………ふぁ、んッ!わ、私も………んんッ!」
声の具合で分かる、きっと限界なんだ。そしてそれは、僕も同じ。
相手を呼び合い、僕達は同時に絶頂を迎えた。
「ひゃッ、あぁッ!んん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ‼︎」
絶頂に身体を跳ねさせる紙縒は、僕に見せつけるように腰を浮かせた。
痙攣する蜜壺から透明な潮が噴き出し、シーツを濡らしていく。
「ぐっ!」
一方で、何の制御もなく出された精は、紙縒の紅白の巫女装束に降りかかり汚してしまう。
快楽で脳が痺れながらも、僕達は身を寄せ合った。
「ッ!………こ、紙縒、ごめん………服、汚しちゃった」
「はぁっ、はぁっ………いえ、大丈夫です………それより、お互い慰めて………達してしまいましたね」
「あぁ………恥ずかしい、な」
絶頂した余韻に浸り、僕達はその場で脱力した。それでも見つめ合う視線は変わらず、照れ隠しで笑った。
いつもとは違う刺激は、とても新鮮でそそるものがあった。
でもやはり物足りない。理由は自分でも分かってる。
紙縒は、自分の服に飛び散った精を指先で拭った。
「旦那さまの精液の量、いつもより少ないです。まだ足りないのですよね?」
「紙縒だって、そうなんでしょ?」
それでもお互い何度も身体を重ねてきた仲だ。相手が満足出来ていないことなどすぐに分かる。
こちらをジッと見つめる視線が、物足りなさを物語っている。やはり自分だと完璧には無理のようだ。
何より一度火のついた僕達が、慰めるだけで終わるはずがなかった。
「は、はい………達したのに、身体がもどかしてくて………!」
「紙縒………!」
「はぁっ、はぁ………旦那さまぁ、んんッ!」
どちらともなく唇を重ねると、僕達は揃ってベッドに倒れ込んだ。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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