それから僕な毎日のように地下牢に通い、グリアの調教をした。
最初こそ僕が入ってきた時は噛みつかんばかりの勢いで叫んでいたが、今では少し怯んでいる。
それでもあの性格はほとんど変わらないし、抵抗だってしようとする。これじゃあ調教を終えれない。
というわけで、僕はグリアの身体をイジってひたすら快感を与え続けた。
本番はしてないし、というか僕が気持ち良くなるんじゃなくて、グリアが気持ち良くなるような事しかしないようにしてるしな。
けど僕だって、ただ彼女の身体を弄んでいるだけではない。追加でご飯を待って行ったり、体を洗ってやったりしている。まぁ後者はちょっと、ね?
少なくとも僕はグリアをただの奴隷だとは思ってない。そうするにはあまりにももったいない。
だから………
「なぁグリア、そろそろ折れてくれてもいいんじゃないか?」
僕はいつものようにグリアを抱きしめていた。ふんわりといい匂いがする。
「くっ……こ、断る!誰が貴様のようなヤツに従属するか!……はあっ!」
僕がそっと肩を撫でると、グリアは僕を睨みつけながらも可愛らしい声をあげた。
調教を始めてから、グリアもだいぶ感度が良くなった気がする。初日に媚薬を使ってみたのは正解だったか。
「けどずっとこのままの状況じゃ何も変わらないよ?ちゃんと大人しくなってくれれば、少なくともその枷を外して外には出せる」
「そんな事くらい自分の実力でやる!貴様に従属する必要はない」
頑固だなぁ。けどそういう人は嫌いじゃない。
僕は身体を弄るのをやめると、そのままグリアを抱きしめた。
「別に従属しろだなんて言っていない。してるフリでいいんだよ。それも父さんから鍵をもらうためのほんの一瞬な。後は僕の監督責任って事に出来る」
たしかにプライドが邪魔するかもだけど、そこだけは堪えてほしい。
「解せんな。何故私をそこまで外に出そうとする?私は貴様を殺すぞ?」
「はいはい。とにかくこのままここにいても何も変わらない。何かするにしても出る必要はあるでしょ?」
「…………どうすればいいのだ?」
お、少し考えてくれるようになったか。あれだな、ここ数日で性格も少しだけ丸くなったような気がする。
「簡単だ。父さんはお前が気を強いのを知っている。だからこそ折れた素振りを見せれば割とあっさりと信じる」
「演技とはいえ、私に貴様の奴隷に成り下がれと?」
「そこが肝だからな。父さんはそのプライドを見抜いている。目の前で折れた演技をしても、それ自体するとは思っていない。だから本当に折れたように見えるんだよ」
何も知らない人ならたしかに演技と疑われるかもしれない。けど、逆に性格をそれなりに知っていれば『ついに折れたか』となるわけだ。
「そんな簡単にいくのか?性格を知っているからこそ、怪しまれるぞ?」
「父さんは僕の手でお前が折れるのを期待している。人間ってのはその期待に近い自体が起これば、すぐに自分の期待と結びつけようとする。父さんみたいな人は尚更、ね」
それにこれだけ時間をかけた。折れたと言っても不自然じゃないくらいにはな。
「そりゃ出てもしばらくは好き勝手には出来ない。けどグリアがここに馴染んで、周りからも目立たなくなればその先は自由だ。この手の策は早めに始めた方がいい」
しばらくはそうだなぁ………僕の護衛なり使用人なりとして近くにいればいい。
「………何故そこまで私に手を貸す?」
「僕が君に手を貸す条件は一つ。その理由を聞かない事。とにかく父さんから鍵を貰うにはそれしかない。どう?」
それはさすがに言えないからな。まぁあんまり迷惑はかけないつもりだけど。
「………分かった。貴様に従属するのはプライドが許さないが、動かずには始まらない」
「そう言ってくれると思って、父さんにそろそろ来るように伝えてある。後言っておくけど、出た瞬間に誰が人質にしたり殺したりして逃げない方がいいよ。実力関係なしにすぐ捕まる。しばらくはこの城で暮らす事になるからね」
少し前に父さんにつけるよう言われて、こればっかりは僕じゃどうしようもない。
グリアの右腕についている腕輪が、何かあったり、僕から離れすぎると電流を流して動きを止めるようになっている。下手な事はさせられない。
僕は一応釘を刺しておくと、父さんが来るのを待った。
「しかし演技とはいえどうやったら折れたように見える?」
「ぐったりした感じで顔を伏せて、ボソボソ話してみ。普段がそんなハキハキしてるんだから弱くなったように見えるし、表情でバレる事が少なくなる」
父さんは僕達がやっている事を知らない。つまり父さんの中でグリアのイメージは初日で終わっているわけだ。
その変化に気が向けば演技とは考えにくい。
すると地下牢の扉が開いて、父さんが来た。
「さてと、例の騎士の調教が済んだとの事だったが?」
「はい。この通り」
僕は牢屋の方を指さす。そこには生気を失ったようにぐったりとしているグリアがいる。
そっと顔を覗き込むと、羞恥のためか顔が真っ赤に引き攣っている。ちょっとは誤魔化せ。覗かれたらバレるぞ。
父さんはしばらくの間グリアを眺めていた。そして顔を上げる。
「ほぉ、さすが俺の息子だ。よくやった」
やっぱり、そうなるよな。
父さんは自分の息子が騎士を調教した、というのを自慢したい。それに出来ると思っている。
それなら目の前にそんな期待通りっぽい光景があれば、すぐに飛びつくに決まってる。
「それで彼女を僕の元にいさせたいんです。鍵をくれませんか?」
「ふむ、いいだろう。ほら」
そう言って父さんは鍵をくれた。
「ありがとうございます」
僕はその鍵でグリアの枷を外してやった。脱力してる風を装うためわざと身体を支えるフリをして。
一瞬襲ってこないか心配だったけど、その辺は分かってくれたみたいだ。大人しくしてくれてる。
僕はグリアを連れて地下牢を出ると、素早く父さんと別れた。これ以上いるとバレるからな。
「久しぶりの地上はどうだ?」
「そうだな………こんな所じゃなければ嬉しかった」
「それは勘弁してくれ」
僕はグリアと一緒に城の中を歩き回った。たまに人とすれ違うと、変な目で見られる。
「やっぱり目立つか」
「こんな格好じゃあな」
グリアの格好は大きな布で身体を隠しているだけだ。服としての役割は中途半端にしか果たせていない。
「僕の部屋に服が用意されてる。それに着替えてよ」
僕は自分の部屋に着くと、グリアを中に入れた。
「ほぉ、本がたくさんあるんだな」
「趣味だよ。ほら、ベッドの上に服置いてあるから」
ベッドの上には僕が用意したグリアの服が置いてある。
「あぁ、分かった」
そう言うとグリアは、自分に着せてあった布を剥ぎ取った。
「って、おい‼︎着替えるなら僕が出て行ってからにしてよ!」
僕は慌てて部屋から出た。何考えてるんだアイツ!
「何を今更慌てているんだ?いつも私の身体を弄んでいるくせに」
「そういう問題じゃないでしょうがよ‼︎」
というかたとえそうでもそこに慣れちゃダメだろ!
それにこれでもいつもいっぱいいっぱいなんだからさ。色々と刺激が強いんだよ!
「終わった?」
「あぁ、いいぞ」
グリアの返事を受けて、僕は扉を開けた。
そこには黒い女性もののスーツを着たグリアがいた。おぉ、結構似合ってるな。
「どう?それでいい?」
「そうだな………少し動きにくいが、まぁ問題ない。昔からこんな服装だったしな」
まぁ何となくそんな気がしたからその服にしたんだけどさ。ピシッとした感じがしてカッコよくて綺麗だ。
「それにしてもよく私の服のサイズが分かったな?お前が目で測ったのか?」
「え?まぁそんなところ。他の物は追々来るから。ちょっと待っててな」
本当はグリアがイッて気絶した後に測ったんだけど、言わんでもいいことを言う必要もない。
「あぁ。というか服もそうだが割と普通の生活なんだな。奴隷の生活とは思えないんだが」
「そりゃあね。それこそあんな奴隷みたいな扱いが嫌だったからね。最低限ではあるけど、普通の生活は出来るようにしてみたよ」
「そうか………まぁ、一応礼は言っておく」
後はまぁちょっとでも性格が丸くなって欲しいな、という僕の思いからだ。あんな荒んだ環境じゃ無理だろうし。
「これからよろしくね」
「ふん、その必要はないだろ。私はすぐに逃げる」
「だからそれが出来ないんだっての」
そう出来るならわざわざこんなことしてないってのに。
「さてと、今日はもう遅いし寝るか」
もう外は日が暮れている。そろそろ寝よう。
「なぁ、さっきから気になっていたのだが、ベッドが一つしかないんだが。まさか私はお前の一緒に寝るのか?」
「それは…………まぁ」
「ふざけるな‼︎それではまるで、ふ、夫婦みたいではないか‼︎」
「仕方ないでしょ!父さんに別室頼んだら拒否られたんだよ!」
色々マズいと思うくらいの倫理観はあるつもりだっての。
「それに………一緒ならさ」
「ん?ひゃっ⁉︎」
僕はグリアの腕を引くと、軽く抱きしめた。
「こういう事もしやすいでしょ?」
「なっ⁉︎牢屋から出たならもう必要は、はぁんッ⁉︎」
僕がスーツの中からそっと素肌を撫でると、グリアはピクピクッと身体を震わせた。
「こんな感じやすい身体になったんだし、ちゃんと責任は取るよ」
「ッ⁉︎…………今の私は抵抗出来るからな」
「今してない時点でそこまで心配してないよ」
「このッ!…………んあっ!」
そして僕の部屋には日付が変わるまでグリアの嬌声が響いていた。
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