※この作品はR-18です。

こうゆうっ♪   作:た〜こいず

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そして女生徒は、ナニをするのかというと……


誘われて(6/28)

口元に手を当てクスクスと微笑む女生徒。

 

それから彼女は、徐に胸の谷間へ指を入れる。何かを探っているらしい。

 

ちょうど僕の目線の高さから、制服の中身が見えそうな体勢だ。思わず身を乗り出す。

しかし残念ながら、何かが見える前に彼女の体勢が変わった。

 

彼女は胸元から小さな紙切れを取り出し、真っ直ぐ僕に目を向ける。

垂れた髪を軽く掻き上げ、その紙切れを僕に手渡した。

 

「放課後、ここに来てね」

 

澄んだ可愛らしい声が耳奥に届く。

一言そう言い残し、女生徒はトイレを後にした。

 

 

パタッ、と扉が閉まる。

しばらく僕は動けなかった。

頭がぽーっとして、何も考えられない。

 

夢か……現(うつつ)か……確かに見たもの、感じたもののはずなのに、それを信じられないような感覚だ……

 

その時。

鳴り響くチャイムが、僕を起こす。

ぼんやりと熱を帯びた僕の感情は、徐々に冷たいタイルの空間に引き戻された。

 

「……あ……!やばっ!」

 

チャイムの余韻が遠くなる頃、ようやく僕は自分が置かれた状況に気が付く。

 

僕がトイレに来たのは、ガイダンスの合間の休み時間。今のチャイムは、その終わりを告げるもの。

 

つまりは、もう教室に戻っていないといけない時間だ。

 

「戻らなきゃ……!!」

 

忘れずに一物をしまい、まだ少しベタつく手を雑に水洗いする。

手を拭くのもそこそこにトイレを出ると、僕は駆け足で教室を目指した。

 

そんな僕を、静かに物陰から見る瞳。

その時はまだ、知りもしなかった。

 

 

 

「それじゃあ、次の時間を始めます!」

 

教室から聞こえる越出先生の声が、廊下を小走りで駆けてきた僕の耳にも届く。

 

カララッと出来るだけ音が小さくなるように、教室後ろの扉を開き中へ。

窓際の席だと、こんな時に不利になるものだ。

ギリギリの隙間から教室に入り込み、体勢を低くして席に向かう。

 

 

が、しかし。

 

「えーと、真奏くん?ガイダンスから遅刻なんて……驚きね」

 

ややトーンが低くなった、先生の声が脇腹に刺さる。

恐る恐る顔を向けると、腕を組んだ越出先生が、真っ直ぐこちらを見ている。

他の生徒たちも、一斉に僕を振り返った。

 

「あ!……ご……ごめんなさい……」

 

観念した僕は、立ち上がって一言小さく謝罪し、席についた。

 

「……新しい学校だし、迷ってしまったのかしら?……まあ、いいわ。次から気をつけなさい」

 

声の調子はそのままに、先生は僕に告げる。

おずおずと着席した僕をクラスの何名かはしばらく見たり、クスクス笑ったりしていたが、すぐに皆正面を向いて先生の話を聞き始める。

 

先生にもクラスメイトにも、変に注目された。

 

恥ずかしさで顔が熱くなる。

しかしそれでもなお、僕の関心は別のところにあった。

 

誰にも見られなくなってから、僕はそっと拳を開き、握っていた紙切れを見つめた。




あちゃー

先生に見つかって怒られちゃいましたね。
こんな経験、意外とみんなありそうじゃない?
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