※この作品はR-18です。

オルレアンの捕虜   作:temma165

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5話  幸福な夢

「先輩、おはようございます」

「おはよう、マシュ」

 校門で立香と挨拶を交わしたのは、立香の学校の制服を着たマシュだった。マシュは、立香が所

属する演劇部の1年下の後輩で、非常に立香に懐いている。立香もマシュをかわいがっており、勉

強を教えたり、食事を奢ったりと、マシュへの親愛を見せていた。

「今日の舞台稽古、何シーンからだっけ?」

「今日は第3シーンからなので、途中から先輩の出番がありますね」

「途中からか…なら最初少し大道具を手伝ってから行くよ」

 容姿端麗なマシュは、演劇部でも花形の主役女優を務めることが多い。一方、立香は地味な役回

りや、一部大道具の製作など複数の役割を兼任している。このため、舞台稽古の状況は、マシュの

ほうが立香よりも詳しい。

「それじゃ、また」

「あ…あの、お昼ごはん…屋上で一緒に食べませんか!? お弁当、作ってきました!」

 少し話してから教室に向かおうとすると、マシュから昼食を誘われた。おまけに弁当つきだ。

これまでに経験のなかったことなので少し驚いたが、立香は微笑むとマシュの誘いを受け入れた。

「ありがとうございます! 絶対、絶対来てくださいね!」

 立香の答えを聞いたマシュは、うれしそうに自分の教室に駆け出して行った。立香もマシュに手

を振ると、マイペースに自分の教室に向かう。マシュの誘いがあったため、午前中の授業はいつも

より長く感じた。午前中最後の授業が終わり、昼休みが始まると、立香は真っ先に屋上に向かう。

急いで行ったつもりだったが、すでにマシュは屋上で待っていた。

「ごめん、待たせちゃった?」

「いいえ、私も今来たところです。これが先輩の分です」

「おぉ~、これは贅沢だ」

 マシュと言葉を交わすと、早速マシュが弁当を広げた。マシュが作ってきた弁当を見て立香は

感嘆の声を上げる。食べ盛りの立香のためを思い、ボリュームはあるが、野菜もしっかりと入って

いる。

「いただきます!」

  両手を合わせて、立香が弁当を食べ始めた。その姿にならい、マシュも自分の分の弁当を食べ

始めた。マシュの弁当は立香の予想通り、彼好みの味付けをされていた。普段、購買のパンや

カレーですます立香に、この弁当はありがたい限りだった。ゆっくりと味わいながら食べたつもり

だったが、弁当箱はすぐに空になった。

「ふー、お腹いっぱいだ」

 弁当を食べて満腹になった立香は、一息ついた。

「お口に合いましたか?」

「とてもおいしかった。毎日食べたいぐらいだよ」

 マシュに味の感想を聞かれ、立香は素直に賞賛した。本当に毎日食べたくなるような味だった。

「お口に合って、よかったです! あの…少しお話をしてもいいですか?」

「もちろんだ。俺もマシュと話したいよ」

 2人はその後もしばらく談笑を続けた。やがて、昼休み終了の時間が近づき、立香は名残惜しみ

ながらも屋上を後にしようとする。屋上から出ようとする立香にマシュが声をかける。

「先輩! 部活終わってから、また屋上で話せませんか? 大事なお話をしたいです!」

 緊張からか声が大きくなるマシュに、笑顔でうなずくと立香は教室に戻った。マシュからの頼み

を断れるはずがない。その後、午後の授業をいつも通り受け、部活に向かう。部活でもマシュと顔

を合わせたが、マシュの様子はいつも通りだった。朝の言葉の通り、立香は大道具の手伝いを済ま

せてから舞台稽古に向かう。シーンの練習中、気のせいかマシュがいつもより明るく見えた。練習

が終わると、立香は再び大道具に戻り、マシュは別のシーンの練習に移った。作業に集中している

と、瞬く間に夕方になり、帰宅時間になった。マシュとの約束を覚えていた立香は、いそいそと屋

上に向かう。屋上ではマシュが待っていた。

「ごめん、また待たせちゃったね」

「いいえ。遅くに呼び出してすいません」

 心なしか、マシュの表情が緊張しているように見える。

「それで、大事な話って何?」

「はい。実は…あの…その…」

 珍しくマシュがしどろもどろになる。頬を紅潮させ、言葉を出せずにいたが、やがて意を決した

ように、表情を引き締めて、言葉を続けた。

「私…ずっと先輩のことが好きです。先輩と出会えてから、毎日が輝くような時間でした。今日も

お昼を一緒に食べれて、幸せでした。どうか…どうか私と付き合ってください!」

 マシュの言葉は一世一代の告白だった。マシュの告白をきいた立香は一瞬戸惑った表情になった

が、すぐに笑顔になって答えた。

「俺も…大好きだよ。マシュと恋人になれるなんて、夢みたいだ」

「ありがとうございます! 本当に、本当にうれしいです!」

 立香の答えにマシュは歓喜の声を上げる。ひとしきり喜んだあと、おずおずと立香に手を差し出

した。

「先輩。手を…手を握ってください。先輩の温もりを感じたいです」

 マシュに言われるままに立香はマシュの手を優しく握った。マシュの手は小さく、そして柔らか

かった。2人は互いの感触を確かめ合うかのように、両手でお互いの手を包み込む。

「先輩の手、とても温かいです」

「マシュの手も、柔らかくて…あったかい」

 お互いに感想を言い合うと、マシュが手を離し、立香に抱きついてきた。

「私、先輩のこと、もっと感じたいです」 

 立香は不意に抱き着いたマシュに顔を赤らめながらも、そっとマシュを抱擁した。マシュと体が

密着し、鼓動が伝わってくる。マシュの体温を感じながら、彼女の顔を見ると、マシュも立香の顔

を見上げている。目が合うとマシュは立香に微笑みかけ、目を閉じて少しずつ背伸びする。その意

図を汲み取った立香は、積極的なマシュに戸惑いながらも、目を閉じてマシュを待つ。やがて2人

の唇が重なった。立香の唇に、マシュの柔らかい唇の感触が

伝わる。少しの間口づけを交わしてから、マシュが口を離した。目を開け、少し恍惚とした表情で

立香を見つめる。立香はマシュの肩に手を置いた。

「大分暗くなってきたね。マシュ、今日はもう…」

 帰ろう――と続けようとする立香をマシュが押し倒した。想定外のことで、立香は簡単に押し倒

されてしまう。

「マシュ?」

「先輩、ごめんなさい。私、我慢できそうにありません」

 立香の上にまたがったマシュは、彼の制服のボタンを外していく。

「ちょっと待って! まだそういうのは…」

「いえ! 早すぎるなんてことはありません!」

 立香はマシュを止めようとするが、マシュは有無を言わさずに続ける。たちまち立香は上半身を

はだけさせられた。後輩のただならぬ様子に驚き、戸惑う立香だったが、それだけマシュの気持ち

が強いのなら、答えねばならないと考え直した。マシュは続けて、立香のズボンに手をかけ、一気

に引き下ろした。自身も制服を脱ぎながら立香の上にまたがる。マシュが確認するまでもなく、

立香のモノは固くなっていた。

「先輩…うれしいです…ん…」

 マシュは、立香が自分を受け入れる体勢になっていることに、歓喜の声を上げて彼のモノを挿入

した。立香のモノを味わうように、ゆっくりと腰を上下させる。マシュの熱と弾力が立香に伝わり

快感がこみあげる。

「マシュ…もうイきそう…」

「先輩! 思う存分イってください!」

 マシュの中で立香のモノは膨らみ、一気に精を放出した。放出後、縮こまった立香のモノはズル

リとマシュの中から抜ける。マシュの中でイったことで立香は少し冷静になった。自分は気持ちよ

くなったが、マシュは満足しただろうか? 痛みはなかっただろうか? 心配になった立香は、目

を閉じ息を整えながらマシュに問いかけた。 

「マシュ、大丈夫だった? 痛くなかった?」 

「――まぁ、悪くはなかったわよ」

 マシュとは明らかに別人の声で、返答があった。立香は驚いて目を開ける。立香の上には、紫の

ショートカットの後輩ではなく、白髪に金色の瞳の美女が、黒い下着姿でまたがっていた。彼女の

姿を見て、立香の脳は一気に現実を思い出す。立香とマシュは、フランスの特異点を修復しに行き

そこで立香は敵のサーヴァントに捕らわれ、犯されたのだ。敵のサーヴァントの名は、

ジャンヌ・ダルク――今、立香の上にまいる女性だ。

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