※この作品はR-18です。

異世界に女の子麗桜《リオ》として転生して生きていく   作:リュウコウ

6 / 8
リオとフウ

リオ
【火魔法】『纏火』
【風魔法】『纏風』『暴風』
【ゴーレム作成】【ゴーレム制御】【オートマタ作成】
自立支援型『エイリア』【身体強化:Lv 10】
装備 ヘルメスアーマー(機動力・防御力)
損傷修復機能
自立前衛型『レイヤー』【剣士:Lv 10】
武器 R(レイヤー)レイピア
武器 D(ドラゴン)グレイブ
武器 Σ(シグマ)ブレード
武器 B(バショウ)ファン
武器 T(トール)ブレイカー
武器 K(キング)ナックル
自立後衛型『パレット』【狙撃:Lv 10】
武器 P(パレット)バレット

リーリャとセツ

リオとリーリャの合体魔法
【風雷魔法】
『フルミネスパーダ:
シロッコ・スピラーレ・ムニツィオーネ』
(雷剣:熱風螺旋弾)
『ディーオヴェロチタ・フルミネスパーダ:
シロッコ・スピラーレ・ムニツィオーネ』
(神速雷剣:熱風螺旋弾)
【時空間魔法】『防音』
リーリャ
【氷魔法】『纏氷』
【雷魔法】『纏雷』
【光魔法】『辺光』『変光』『透光』『刀光』『復光』

銀貨10枚=小金貨1枚
小金貨10枚=金貨1枚



6 ハルーラの街の生活とフウとセツの怨敵

~~~ハルーラの宿~~~

 

旅の疲れが溜まってたからかちょっと起きるのが遅くなったけど、起床。着替え等を済ませて食堂へ。当然マントにフードは着用。

朝食はパンサラダ、スープと昨日の晩と一見同じようだけど、茹で卵(ユデタマゴ)が付いていた。卵、初めて見た。実は高級食材らしい。但し卵が付いてる分、昨日の晩よりも全体の量は少ない。

でもよく見ればスープの具は昨日とは違うし、ちゃんと手が込んでるのがわかる。ここ、当たりだね。連泊決定。宿を出る精算の時に3日分の料金を払うと、連泊客の証として木札を受け取った。

 

寝過ごした割にはなんだかんだそれなりに早い時間にギルドに着いた、と思う。さて記念すべき初仕事ですよ、がんばろう!

......いや、それなりにね?私たちはフウとセツも連れて建物の中に。視線が集まるけど、無視。

依頼票が貼られてある掲示板を遠目に見ると人だかりが凄い。うん、まあ、そっちに用はないから別にいいんだけど。

私たちが受けるのは常時依頼の薬草採取た。

一概に薬草と言っても様々な種類がある。例えば傷薬と一言で言っても何種類かあるし、飲み薬もそうだ。毒消しだって何種類もあるし、医療用の痛み止めなんかもある。他にもポーションの材料だって作るものによって何十種類もある。

無論それぞれが単一の種類の薬草で作られる訳ではない。薬草採取と言ってもその種類は多種多様、薬草採取道は奥が深いのだ。

という訳で、掲示板には目もくれず窓口へ直行。

 

(リオ。私は薬草採取では、足を引っ張るから、私とフウとセツが護衛をするね♪ちゅっ♥)

「(ありがとう、リーリャ。助かるよ♪ちゅっ♥)薬草の採取依頼をお願いします」

「あ、はい......薬草採取ですか?」

「薬草採取です」

 

職員のお姉さんは私とフウ、リーリャとセツを見回しながら聞き返してきた。昨日、登録した時とは別のお姉さんだ。

 

「あの、討伐とかでは......?」

「私たちまだ11歳ですから、受けられません」

「え........」

 

うんうん、わかるよ。女の子2人がこんな大きな狼(オオカミ)連れていたら、けど、私たち11歳だからね。討伐無理だから。

 

「薬草採取でお願いします」

「アッ、ハイ」依頼受諾確認。即離脱。面倒事は回避だ。変な連中に声を掛けられる前にすぐさま街の外まで移動。ギルドカード提示で今回はあっさりと門から出られた。

 

暫く街道を進んだ辺りで周囲を見回す。私たちと同じく採取依頼を受けた子達だろうか?小さな子供達があちこちで地面に這って(ハッテ)、何かを探している様だ。

結構賑わって(ニギワッテ)いるので、この辺りだと何も取れそうにない気がする......でもよく見れば南の方に大きそうな森かあった。あそこで探してみよう。

40分程歩いて森に到着。

 

「フウとセツ、森に居た頃に集めてた薬草とかが沢山生えてる所、分かる?」

「「わふっ」」

 

リーリャの『報光(ホウコウ)』は常時発動。

フウとセツの後を付いて40分程歩くと、薬草の群生地に出た。軽く見回したところ、人の手は全然入っていない様だった。ぐるりと見回しながら群生する薬草の7~8割程を全て【ストレージ】に納める。かなりの量だ。でもまだ足りない。

別の場所を探してもらって、そっちにも移動。収納。合計で4ヵ所程回り、薬草以外にも料理に使うハーブや野生の香辛料等も集めた。引き籠っていた森では見かけなかったものも幾つか有った。これで料理の幅が広がる。

次にその辺りに生えてる木に巻きついた蔦(ツタ)を大量に集める。そしてそれらを紐(ヒモ)に変換。後はそれを使って集めた薬草を種類ごとに分け、それらを10本毎(ゴト)に1つに束ねていく。といっても【ストレージ】を操作するだけだ。10本1つの束(タバ)、10本で1つの束........。

森の中で繰り返す。正直飽きる。とは言っても種類毎に一括で分けられるのでそこまで時間が掛かる訳ではない。集めた数が多すぎるだけだ。

リーリャとフウとセツは、警戒をしてくれている。だから、少々多く集めても本当は苦にならない。ご褒美が待っているから。

端数分(タンスウブン)は次回に回せば良いかな?なんて考えながら【ストレージ】内を確認すると、ちょっとおかしい量になっている事に気付いた。

そもそも、森に引き籠っていた時に採取していた薬草類も相当な量を溜め込んでいたので、それらと併せた事で酷い事になってしまっている。

 

「......これ、まとめて売ったら拙い(マズイ)気がする」

 

いや、考え方を変えよう。数日分の仕事を終わらせたのだ、と。その分別の事ができる、と。うん。

そんな事を考えながらふと顔を上げると、もうお昼位の時間の様だ。

そう言えばお腹空いたね。なにか作って食べようかな?ああ、そう言えばフウとセツは......フウとセツの事を確認しようと振り返ったら、とんでもない事になっていた。

 

「こ.....これは、どういうこと?リーリャ」

「えっとね。リオが仕事に集中していた時、お昼前になっていたから私が『界光(カイコウ):リオ・リーリャ・フウ・セツ』発動しておくから、食材を狩ってきてって頼んだのよ。そしたら」

「この状況になったと」

「うん。ごめんね、リオ。目立つよね」

 

リーリャが申し訳なさそうに、項垂れる。そんなリーリャを見て、私は抱きしめ、キスをした。

 

「ちゅ.....ちゅちゅちゅう......ちゅうちゅうちゅぱっ....んはっ....ちゅちゅうれろっれろっぢゅる.....リー.....リャ.....好きよ.....ちゅちゅうれろっぢゅる.....」

「私....も...ぢゅるぢゅるっ.....舌を.....ぢゅるるる....絡ませるの......ぢゅるっぢゅるっ...,好きっ.....リオと.....ちゅちゅうちゅう.....お互い.....を.....ちゅちゅうちゅぱっ......確認......ぢゅるぢゅるるる.....できるから.....んっ....」

 

フウとセツが狩ってきた魔物は、オーク、ゴブリン、これは狼?あとなんかやたらでかい鳥。それに、これは.......オーガ?初めて見た。

兎に角(トニカク)、魔物の死体の山。山って程は無いんだけど、とにかく惨事。その横を見ると2匹がゴブリンを齧って(カジッテ)いた。

え、これ、どうしよう?

うん、なんだか狩りをしてたらしい。ゴブリンを食べていたのは、他の美味しそうだったのでお土産だって。いや、正直ありがたいけど、これ、ギルドで買い取ってもらうのは拙く(ヤバク)ない?討伐受けられないのに、こんな......取り敢えず、私とリーリャで半分こして、【ストレージ】に仕舞って黙っておこう。それなら別に腐らないし。

見なかった事に、じゃなくて前向きに考える事にして森の外まで移動。昼をちょっと過ぎた位か?面倒な事を考えるのは後だ。ちょっと遅くなったけどここでご飯にしよう。

ぺったんこの鞄から取り出す振りをしながら【ストレージ】からテントと中鍋を出して食事の準備。

フウとセツのお陰で獲れたての角兎(ツノウサギ)の肉があるから、月夜(ゲツヨ)を使ってポトフ風のスープを作ろう。野菜はニコルさんに分けてもらった物が幾つかある。じゃが芋はないけど。じゃが芋欲しいな。トマトっぽいのがあればミネストローネ風にしたりとか色々出来るのだけれど、ないものは仕方がない。後で市場とかも見て回りたい。

あれよあれよとスープの出来上がり。マントの中でこっそりとおにぎりを2人分作り出して一緒に食べる。日本人はやっぱりお米だよね。リーリャが元居た生まれた国にも、お米は有ったが、お米としてではなく粉にして、米粉パンを食べていたから、私のお陰でお米が美味しい事がわかったらしい。

考えながら食事を取っていると、遠巻きに何人かな冒険者がこっちを見てるのに気付いた。彼らも休憩中のようで、不味そうな携帯食を齧りながら羨ましそうにこっちを見ていた。

.....そんなに見てもあげないよ。これらは私たちのご飯だよ。

 

ご飯も食べ終わったので後片付けをしてテントも仕舞う。

【ストレージ】に関しては魔法の鞄と偽る事で普通に人前でも使える。こんな便利なものを使わない手はない。平穏も大事だけど快適な生活も大事だ。

ちなみに私たちがダミーとして使っている鞄は肩にかけることも出来るデザインのもの。ニコルさんが譲ってくれた。

魔法の鞄の使い方に関してもニコルさんが教えてくれた。

容量が大きくても鞄の取り出し口が小さい場合、サイズの大きいものは出し入れできない事は実は無かったりするらしい。

そういう場合は片手を鞄に突っ込んで、空いたもう片方の手を中身を取り出したい方向に向けて念じる事で出し入れが可能になる、という事だった。ニコルさんは容量の小さいものを幾つか持っているとかだ、使い方を知っていたのだ。

 

食後はてくてくと街道を歩いて街へ帰る。切り上げるのが早い?いや、夕方になると窓口が混みそうじゃない?人混みって苦手なんだよね。

城門に着くと、昨日と違って今度はあっさり通してもらえた。フウとセツの魔力認証はされたけど。

大通りを冒険者ギルドへ向かって歩きながら、今日集めた薬草をどの位売るべきか考える。

あまり沢山売って目立つのは拙い(マズイ)。でも少なすぎても生活が成り立たない。ので、薬草採取は私だけだったけど、リーリャと一緒に暮らしていくので、多めに売っても大丈夫。孤児院には戻りたくない。それに、今泊まっている宿は3食付きだけど、それだけというのも寂しい。外食もしてみたいし、私たちでキャッキャウフフと料理を作るのもいいし、悩むなあ......。

 

 

 

 

冒険者ギルドは城門からそう遠くない場所にあるため、直ぐに到着した。中に入って見回してみると、夕方にはまだ早い時間帯なので素材買い取り窓口は全然空いていた。予想通り。

薬草の束は私とリーリャで分けているので、心配ない。

 

ちなみに、この世界の共通語は日本語だ。リーリャが元居た国とは、言語が違っているみたい。

西洋風の建物が立ち並ぶ中、日本語の看板が並んでいる光景はなかなか違和感がある。

今までの転生者、こんな難度の高い言語普及させるとか.....でもお陰で助かっているのは事実。しかし、外国の転生者は居なかったのだろうか?英語、イタリア語、フランス語等々(ナドナド)が見当たらない。あったとしても私とリーリャは読めない。だから、1から覚えないといけなかった。

 

と、買い取り表をざっと見た感じだと、単純に計算しても今日集めたものを全部売るとかなりの、というか色々と問題がありそうな金額になるっぽい。なので多少自重する事にして.....大体1人小金貨5枚分になる位の量を売却する事にした。

 

窓口に行き、私たちは鞄から次々に薬草の束を取り出していくと、職員と周りに居た冒険者達の顔色がだんだんと変わっていく。

 

「ちょ...ちょっと待ってくれ。嬢ちゃん達、まさかとは思うがまだあるのか?」

「「えっと、これで大体半分位です」」

「これで、半分」

 

嘘だ。これだけ出しても実はまだ全体の100分の1も出していない。と言うか他にもまだまだハーブとかもあるし、そっちは料理に使うから売らないけどね。

 

「何か問題でも?」

「あるのですか?」

 

私とリーリャが答えると、

 

「いや、無い。無いんだが.....」

 

という訳で残りもどんどん出していく。

目立つのは控えていたんじゃないかって?それで金欠になって宿を追い出されたら元も子もないでしょ。ついでに言えば生活雑貨も色々欲しいし。

あと。色々な食材。小麦粉があれば色々作れる。麺類だって作れる。麺類......おうどん食べたい。蕎麦粉(ソバコ)があればおそばもガレットも作れる。夢が広がる!

なんて妄想していたらちょっと出しすぎた。総額にして小金貨10枚相当、金貨で1枚分。

周りの人達の顔色がちょっと青くなってるけど、気付かなかった事にします。

 

「嬢ちゃん達、群生地でも見つけたか?」

「「秘密ですっ」」

 

ちょっと早いけど今日はもう宿に帰る事にしょう。

変なのに絡まれる前にギルドから退散。数人後をつけてくる気配をリーリャの『報光(ホウコウ)』[藍]がわたしたの後ろの方にあるのがわかる。なので、私たちは【隠身】を使って撒く。

あの人達、か弱い女の子2人の後をつけるなんて、おまわりさんに?いや、衛兵?門兵?誰でもいいが伝えないとね♪

追跡者から逃げ切り、無事に宿に到着。今朝、追

追加で料金を払った時に受け取った木札を提示して連泊客である事を確認してもらい、昨日と同じ1人部屋へ。

 

う~ん、昨日はご飯の後だったからお風呂は割と混んでいたんだよね。だから、イチャイチャできなかった。シャンプーとか、を使うとまた目立ちそうだし、今日は先にお風呂に入ろう。

という訳でお風呂へゴー!

昨日脱衣所で気付いたんだけど、他の女性客はほとんどドロワーズだった。一部、レギンスのような、スパッツのような.....上は布を巻いたりとか、シャツとか、キャミソールっぽいヤツとか。冒険者風の人だとスポーツブラっぽ密着したタイプのもあったけど.....。

何が言いたいのかと言うと、私たちが身につけているようなデザインのものは目立つという事。私たちの他につけている人が居ないし、そもそもガーターベルトとか存在するのだろうか?

ここは高級とはいえ平民が泊まる宿だ。貴族なら、貴族ならきっと身につけていると.....信じたい!

とは言え、何にしたってエロスが足りない。足りなくて困ることはないのだけれど、私はリーリャが居るから。なので、今日はゆっくりお風呂で仲良く洗いっこしたり、胸の感度を確かめあったり、おまんこの感度も確かめあったり、キスはフレンチ・キスから濃厚なディープキスをして愛し合いったり、とお風呂場だというのに2人の世界を満喫した。お陰で2人ともお肌が艶っぽい(ツヤッポイ)。

 

部屋で【創造魔法】の鍛練をしたり、私とリーリャの合体技を研究して完成した『【風雷魔法】フルミネ(雷)スパーダ(剣):シロッコ(熱風)・スピラーレ(螺旋)・ムニツィオーネ(弾)』この合体魔法は、私とリーリャの愛の結晶。夕食の頃合いになったので食堂へ移動。当然、マントにフード着用。実に怪しい2人。

でも既に無駄に高い顔面偏差値によってトラブルに巻き込まれた経験がある以上は仕方がない。気を取り直してご飯!今日の献立はなんだろー?

......今日の献立はパン、腸詰め、葉野菜の生サラダ、スープ。昨日と同じじゃねーか!手抜きか!いや、サラダは2種類から選べるし、スープもちゃんと別の具材たげどね?

うん、美味しそうだよ?でもね、ちょっとひねりが欲しいと言うか.....目の前に並んだ食事を見ながら少し考えると、ちょっと思いついた。

給仕の女を呼んでナイフを持ってきてもらう。

 

「あの、何に使うんですか?」

 

うん。ちょっとね。私とリーリャはパンに縦に切れ込みを入れて、軽く開いて癖をつけて、そこに葉野菜のサラダを、更にそこに腸詰めを挟んで出来上がり、簡単ホットドッグもどき。ケチャップとマスタードが欲しい。無いけど。

その様子を見ていた給仕の女の子が目を丸くしていた。暫くすると再起動して、厨房(チュウボウ)の方へと駆けて行った。

気を取り直して私たちは早速食べる事にする。もきゅもきゅ。うん、食べやすい。時折スープも飲んであっという間に完食、ごちそうさまでした。

途中で厨房から出てきたコックっぽい人がじーっとこっちを見てた。いや、本当になんなの?

さて、今日も早いけどもつ寝よう。でもその前に、日課ですよ、日課。2人の楽しみ。その為の確認。でもこの宿、ちょっと壁が薄いっぽい。

しかし、そこは、【時空魔法】と【空間魔法】、そして【時空間魔法】カウンターストップしていたのを思い出して、2人で試行錯誤して、【時空間魔法】『防音(ボウオン)』を完成させていた。早速、2人分の【時空間魔法】『防音』を発動。

私たちは明日の仕事に差し支えないように、楽しむ。

 

「むにゅむにゅむにゅ...ぽよんぽよん...リーリャの.....むにゅむにゅ....可愛い乳首を.....ペロッれろっれろっ.....」

「交代ねっ....リオ....ペロペロれろっ.....ちゅちゅちゅうちゅぱっ.......んっ.....リオの乳首....ぢゅるぢゅる...」

 

朝ー!昨日の夜、長いこと楽しまなかったから、差し支えなく起きられた。たまには、思考を変えてリオはリーリャを、リーリャはリオの身支度をする。脱がすのはしていたけど、相手の着替えをするのは、勝手が違って楽しかった。

ごはーんごはーん、朝ご飯!......そこにあったのはホットドッグでした。

え、どういう事なの.......。

いや、食べやすさを考えれば朝食には良いと思うよ?昨日私たちが食べていたのを見ていたなシェフィールドめ.....いや、晩ご飯に期待しつつ今日もギルドへ。

 

一気に懐は暖かくなったけど、新人が2日目から仕事を休むのは気が引けたので今日も森へ採取に行くつもり。

宿生活っていうのも長い目で見た場合、出費が大きい。場合によっては家を借りるのも視野に入れておかないと。

え?家自体はある?いや、何も無い土地だけ借りて次の日にいきなり家が建っていたら悪目立ちするからね。

何にしても先立つものが無いと何もできない。だから今日もお仕事に精を出さないと。

でもやる事は薬草採取ですけどね!

 

 

 

ギルド到着、今日も採取依頼。そして即離脱。早々に街の外に出る。

今日は昨日よりも少し早い時間だ。城門から出て暫く進み周囲を見回すと、それでも昨日と同じように子供達が薬草を採取していた。やはり成果はあまりよろしくなさそう。でも余り街から離れると魔物も居るから、仕方がないとは思う。

気を取り直して今日も森を目指す。昨日行った

南の森は結構、と言うか実はかなり深い森でここで狩りや採取をしている中級、上級冒険者も割と多いらしい。

 

ともあれ今日も森の探索開始。

今日は今日で探す事にする。正直に言えば売る分はまだ山程残っている。だから今日は私とリーリャのスキル経験を積もうかなーと思ったのだ。

まあ、私の『警戒』は常時使用状態だから、別に差が出る訳ではないんだけれどね。リーリャは『報光』も一応常時使用状態にしている。

所で、後ろからずっと付いて来ている複数の冒険者諸君は一体何なんでしょうね?

 

(ねぇ、リーリャ。後ろから付いて来ている冒険者達って、大丈夫なのかな?)

(光は『藍』だから、今のところ大丈夫だよ♪)

(それなら、いいけど♪)

 

昨日の素材買い取りを見ていて、私たちが群生地を見つけたかと踏んでお零れ(コボレ)に与ろう(アズカロウ)って事だと思うんだけど、でも今日は適当に浅い所を探す予定だから、期待には添えませんよ?

そもそも群生地を探すなら振り切って逃げるし。

 

という訳で今日はゆったりと自力探索。

リーリャの『報光』に反応はある。が私の【探知】スキルのレベルを上げないといけないから、リーリャには後ろから付いて来ている冒険者達の情報だけ、今は聞いている。

私の【探知】、約1年の森の引き籠り生活のお陰で、何となくだけど沢山生えていそうな場所は分かる。その経験を生かして適当に見当をつけ、何ヵ所かを移動しながら細々と薬草採取。その都度現れては一緒に採取する冒険者達。

一(ヒィ)....二(フゥ).....三(ミィ).......7人?2パーティー位?見た感じだと殆ど(ホトンド)が13歳以上っぽいけど、うーん....マナーは悪いよね?

これ、椿(ツバキ)?この世界に椿あるんだ。って、いやいやいや、おかしいでしょ!?明らかに時期がおかしいから!っていうか、森に引き籠っていた時も思っていたけど、この世界の植物の開花と結実(ケツジツ)の時期が明らかにおかしいよね!?

と、どこと無く懐かしい気持ちになった所でふと気付いた。椿って、油が取れたよね?油、植物油。

植物油があれば、オークのラードでは作るのを諦めていた揚げ物が出来る?あ、ドレッシングも作れる!シャンプーやボディーソープを作るのも消費が減る!これは集めないと!

 

猛然と椿の実を集める。ひたすら集める。一帯全て採り尽くす勢いで集める。

薬草採取を止め唐突に木の実を集めだした私に、付いて来た冒険者たちが困惑しているのがわかる。

でもそんな事はどうでもいい。そもそも売る為のものじゃない。油だ。私たちが使う為の油だ。パンはあるのでパン粉は作れる。卵を探そう。オーク肉。トンカツ!米が無い?パン!カツサンド!これで勝つる!

あっと言う間に辺りの椿の実を採り尽くした。念の為に言っておくけれど、根絶はさせていないからね?流石にまだ小さい実は残しておいてあるよ。

 

次は油を作らないと、実を炒めて(イタメテ)潰して煮て....まあ、大体の手順は知っているので、説明は省く。

火を使うので森の外へ移動し、テントを出してフライパン、大鍋等、必要そうな道具も準備。後は延々と油作り。とは言っても実は半分以上は見せる為だけにやっているブラフ。

正直、これだけ道具が揃って(ソロッテ)いれば殆どMPを消費せずに【創造魔法】で油を作れる。私たちの後を付いて来た冒険者達は暫くは私の様子を窺って(ウカガッテ)いたけれど、そのうち森へ戻って行った。

私はと言えばそのまま延々と油作り。リーリャとフウとセツは警戒。途中昼特になってご飯作って食べたりはしたけど、それ以外はずっと油。遠巻きに窺っている人達が居たけど、みんな直ぐに離れていった。

 

うーん、何とか全部処理完了かな。残った搾りかすは後で肥料にでも変えておこう。

空を見上げると大体午後2~3時位?今から帰れば夕方前には帰れるかな?という訳で帰宅準備をしよう。テントを仕舞おうと振り返ると、またしても魔物の死体の山が。

フウとセツ、もう少し加減というものをですね?そ知らぬ顔でゴブリンを齧るのはやめてください。こんな人目に付く場所でこんな。

 

「そのへんは大丈夫だよ、リオ♪」

「どうして?こんなに沢山の死体の山だよ?」

「私の【光魔法】『辺光(ヘンコウ)』で、フウとセツが居てる場所は私たち以外は見えないから」

 

安心した所で、後は街に戻ってギルドへ。私たちを付け回していた連中は居ないっぽい?

なら早く換金を済ませて帰りましょう。という訳で昨日と同程度の量の薬草を買い取ってもらう。

昨日に引き続き職員さんの顔色が悪いけど、気にしない。順番待ちの冒険者もざわついているけれど、気にしない。目立ちたくないとはなんだったのか?生きる上ではお金は大事だから、仕方がないでしょ?それに今はもっと大事な事があるのだ。逃げるように宿へ帰る。

昨日と同じ様に付けて来た人が居たけど、それも撒いておいた。

正直な所を言わせてもらえれば、私たちが泊まっている宿は直ぐにばれると思う。でも何もしないよりはマシかなーって。

 

宿に到着して木札提示。あ、追加で料金払って延長しておかないと。取り敢えず数日分位まとめて入れておこうかな。という事で追加で払っておく事にした。これで仮に金欠になっても、いきなり宿を追い出されるなんて事は無い。安心だね。

さて、今日はお風呂は後。手に入れたばかりの椿油を使って料理をするのだ。

おいう訳で給仕の女の子に声をかけて厨房(チュウボウ)を借りられないか聞いてみる。金髪ポニーテールの子だ。ちょっと見覚えがある。確か昨日ナイフを持って来てもらった子だったかな?

ちょっと待ってください、と厨房へ行って暫くするた戻ってきて、OKとの事。ありがたい。

ついでにパン2つと小麦粉少々、それと卵を少し分けてもらえないか聞いてみた所、パンは無料で卵は1個銀貨1枚だった。

たっか!養鶏とかしてないのかな.....取り敢えず2人分なので4個譲ってもらう事にした。

厨房に移動。コックさんが1人居た。妙に偉そうにしているし、どうやら料理長っぽいので軽く頭を下げてみたら、鼻で笑われた。

.....いや、良いけどね。厨房を貸してくれれば。

何をするのか興味津々という感じで給仕の子が見ている。コックの人は遠くからちらちらとこちらを窺っているようだけど、さっきの態度もあるので無視。

作るのはトンカツ。揚げ物をするので危なくない様にマントは外した。使い慣れた自作の包丁、小鍋を取り出してざっと『洗浄』。

次にオーク肉を取り出して2人分に分ける。筋切りもしておく。しゅぱぱぱぱ。塩(シオ)胡椒(コショウ)を振って下味をつけ、小麦粉をまぶして余計な粉を落とす。

隣では、リーリャが下拵え(シタゴシラエ)をしている。

卵を溶いてパン粉も準備。鍋に油を入れて火にかける。ある程度油の温度が上がったら卵にくぐらせてパン粉をつけて投入、揚げる。この時低温の油から揚げるのがコツ。じゅわわわー。

途中ひっくり返したりつつある程度火が通ったら、一度引き上げて少し休ませる。

暫く休ませたら二度揚げでこんがり狐色(キツネイロ)に。こうする事で衣はさくさくで肉は柔らかく仕上がる。取り敢えず3枚揚げた。

後は譲ってもらったパンをカットして刻みキャベツと一緒に挟んで、出来上がり。

食べやすいように小さく切り分けると、六切れになったカツサンドが3人分。ウスターソースがあればもっと良かったのだけれど、下味もつけてあるし大丈夫でしょう。

コックさんも他の人も凄い驚いた表情で此方を見ているけれど、敢えて無視。

後片付けを終わらせたらマントを身につけなおしてフードを被り、私が2つ持ち、リーリャが1つ持って、席へと移動する。その後ろを給仕の女の子が付いてくる。途中、コックさんに会釈して礼を言う。何か言われる前に厨房から退散する。

席についた私たちは出来たてのカツサンドを頬張る。さくさくじゅーしー。うん、下味つけているからソース無しでも十分に美味しい。寧ろ(ムシロ)肉の味がよくわかる。キャベツもいいね。うんうん。

私たちはあっと言う間に一切れ食べてしまった。次に手を伸ばそうとした所で、側に給仕の女の子が立っているのに気が付いた。

 

「「何か?」」

「あ、あの.....その」

 

視線が1ヵ所に、3つ目の皿の上にあるカツサンドに固定されている。ああ、味が気になるんだね。んー、口利きもしてくれたし、ちょっとなら良いかな?

 

「食べてみますか?」

「いいんですか!?」

 

凄い食いつきだね。黙って一皿勧めた。給仕の女の子が受け取って、恐る恐るという感じで口にする。サクッ、もぐもぐ......。

 

「ふわぁ.....なにこれぇ.....」

 

顔が蕩けている(トロケテイル)。うん、そうでしょうそうでしょう。久しぶりに作ったにしては、我ながらなかなか良く出来たらかね。

ゆっくり味わう様に食べるその様子を見ながら、私たちも食事を進める。給仕の女の子は一切れ全てを食べ終わった後は夢見るような表情で虚空を眺めていた。どうやら味を反芻(ハンスウ)しているっぽい?

私たちがカツサンドの残りも全て食べ終わる頃になって、漸く給仕の女の子が正気に戻った。

皿に五切れ残っているのを見て、パアッと明るくなり、手を伸ばそうとするので、聞いてみる。

 

「貴女。給仕をしなくていいの?」

「給仕の仕事が終わったら、私たちの部屋に来てね♪」

「この残りを取っ手おくから」

「ありがとうございます。その、凄く美味しかったです!こんな料理、初めて食べました!」

「いえいえ、御粗末様でした」

「そんな.....それに、お客様にこんなおねだりをして、私.....」

「早く給仕に戻らないと、コックさんが此方を睨んでいるのよ。さっきも言ったけれど、仕事が終わったら、私たちの部屋に来てね♪取っ手おくから」

 

はい♥私たちの顔を見ながら顔を赤らめている。可愛いね?いや、私はリーリャが居てくれればいいんだけれど、でも、給仕の女の子なら大歓迎。男はごめんです。

口利きしてくれたお礼だと告げると恐縮そうにしていた。うーん、こんな殺伐とした世界だというのに、いい子だなあ。贔屓(ヒイキ)してあげたい。あと、私たちで可愛がるよ♪

 

「じゃあ、仕事が終わったら、貴女たちのお部屋にお邪魔しますね」

 

私たちは、給仕の女の子と約束して、お風呂に入り、部屋に戻った。暫く待っていると、扉をノックする音が聞こえてくる。

扉が開かれ、給仕の女の子はもじもじしていたので、私たちは部屋に入るように促す。

 

「し、失礼します。お客様」

「お客様って、そんな他人行儀な言い方」

「私たちだけの時は、名前で呼んでくれるかな?」

「で、では、リオちゃん。リーリャちゃん」

「「はい♪」」

「えへへへ」

「これが残りのカツサンドですよ。どうぞ」

「ありがとうございます」

 

給仕の女の子はポニーテールを揺らしながら喜び、カツサンドが乗った皿を受け取って、食べ始めた。

リーリャの【光魔法】『界光(カイコウ)』で誰も私たちの部屋に入ってこられないようにして、2人で【時空間魔法】『防音』を発動して、完璧だね。

 

「また、厨房を借りる事があるかもしれません。その時はお願いします」

「あ.....はい!是非!」

 

 

 

冒険者生活3日目!今日は予定変更してお仕事はお休みにして街の探索と買い出しに行こうと思います。小麦粉とか色々買いたい。あと武器はなのだけれど.....私とリーリャの合体魔法の射出の練習をしないといけない。

という訳でまずは腹ごしらえ。今日の朝ご飯はなんじゃこりゃあ?.....またホットドッグもどきでした。いや、スープはちゃんと作ってあるよ、でもね.....なんだか凄いがっかり。

宿を出る時に見覚えのあるポニーちゃんがいたので軽く手を振っておいた。そういえばまだ名前を聞いていなかったね。

 

この世界、平民の服は古着が基本だ。既製服にせよ自作にせよ、新品なんてそうそう仕立てない。さっと見たけれど.....うん、ぼろい。可愛くない。やっぱり自分で作ろう。

という訳で布屋へ移動。色々な布を沢山買い込んだ。小金貨1枚分ほど。店員が凄い驚いていた。沢山買ったからか、帰る時はお見送りされた。

......また来るかどうかは結構微妙だけれどね。

さて、服はこれでおーけー。次は食材。でもどこに行けばいいんだろうか?分からない。ギルドで聞くのも違う気がする......んー。

何となく空を見上げてみると、そろそろ昼時っぽい。一旦宿に帰って昼ご飯を食べよう。という訳で宿に戻る事にした。

帰ってきた宿の食堂でお昼を食べる。空いている事は空いているけれど、思ったよりも人が居るなあ......冒険者の人は外で携帯食とかだろうけれど、商人とかで外で食べる人って意外と少ないのかな?メニューは月夜(ゲツヨ)のソテーっぽいのがメイン。あと具の少ないスープとパン。お米が食べたい。パンは飽きた。

もきゅもきゅ食べていると厨房の方から声が聞こえてくる。

 

「だから、これじゃ全然違います!私が食べたのはもっとさくっとしてて柔らかくて!噛めば噛むほど美味しさが溢れ出して.....」

「横で見てたお前の言う様に作ったんたろうが!大体これだって今迄(イママデ)にない位美味いぞ!?お前が言う美味しいって一体どれだけだよ!」

「だから!もう、意地張らないでレシピを聞けば良いじゃないですか!」

「この俺にあんな子供2人に頭下げろっていうのか!」

 

うーん、良く分からないけれどなんだか大変そうだよねえ。むぐむぐ。

 

(もぐもぐ.....もぐもぐごくん。あの会話って、私たちが昨日作っていたカツサンドの事じゃないのかな?)

(むぐむぐ....むぐむぐむぐむぐ.....むぎゅ?)

(リオ.....もぐもぐ.....もぐもぐ......あの給仕のポニーちゃんが食べていたから、もぐもぐ......もぐもぐ.....コック長に聞かれているのでは?)

(むぐむぐ......むぐむぎゅ!)

(もぐもぐ.....リオ......もぐもぐ.....もぐ....咀嚼音(ソシャクオン)だけで、もぐもぐ.....返答しないの♪もぐもぐもぐもごくん)

(むぎゅむぎゅ.....むぎゅむぎゅむぎゅ?)

(そうよ♪あのカツサンドを再現しようとしているみたいだけれど、オークのラードでは、絶対に出来ないのにね。リオ♥)

(むぎゅ.....むぎゅむぎゅ)

(何時(イツ)までも、食べているマネをしてないの。午後はどうしようか?)

 

私たちはご飯を食べ終わった後、通りかかった給仕さんに市場の場所を聞いて移動。

おお、随分にぎわっているね、いいねいいね。

色々見て回ると。じゃが芋を発見!【鑑定】で鮮度チェック、うん、採れたて。まとめて買った。ポテトサラダ、フライドポテト。蒸かしただけのやつも捨てがたい。いや、バターがあれば....うーん。

更に探索、トマトを発見!チーズはないっぽい。バターを発見!......どこかで牛乳をうっていないかな。

他にも色々な野菜類を買い込む。

小麦粉は、混ぜ物が多いものばっかりでちょっと買う気にはなれなかった。せめて稗(ヒエ)とか粟(アワ)とか、食べられるものだったらかんがえるけれど、砂とか石とか......殺す気?

っと、すごい、ちゃんと食べられるものオンリーのものを発見!

 

「これをください」

「はい、ありがとうございます....って、あなたたちは」

「「あれ、ニコルさん?」

 

ニコルさんだった。

折角なので世間話をした所、いつもは商業区近くにある自分の店で商売をしているという事らしい。ここに来るのは目利きを鍛える為だそうで、店を構えてからも若い頃からの習慣としてここに売りに来ている。

うんうん、初志(ショシ)を忘れないのは大事だよね。私たちも自由の為に逃げるよ。

 

「しかし、小麦粉ですか。他の所のは.....ああ、あなたたちは眼鏡が」

「ええ、そんな感じです。そう言えば.....」

試しに米がないか聞いてみたら、偶(タマタマ)扱っているとの事。でも今は在庫がないらしい。店の場所を聞いて、今度買いに行く約束をした。

 

「米ですか。余り人気のある食材ではないんですが.....そう言えばあなたたちは料理が上手でしたね。まさか、米を使ったレシピも?」

「そうですね、沢山あります。私たちはお米大好きです」

「米を使った料理のレシピ.....」

 

ニコルさんが皮算用を始めてしまった。このままここに居て息子さんを紹介されては困る!!エルザちゃんなら貰います。

その後も色々と買い込んだ。塩もそこそこ買えたし、調味料の類い(タグイ)もそれなりに揃った(ソロッタ)。そしてその結果、合計で金貨2枚ちょっと近いお金が飛んでいった。2人分だ。明日はお仕事がんばらないとね。

 

買い物から宿に戻った後、少し早いけどお風呂。そしてお風呂から上がった後は、晩ご飯の時間まで私たちの合体魔法の練習をする事にした。

合体魔法は、『フルミネ(雷)・スパーダ(剣)』を『シロッコ(熱風)・スピラーレ(螺旋)ムニツィオーネ(弾)』で射出速度の調整をして、MPが殆ど残っていない。

MPも使いすぎでちょっとふらつきながら食堂へ行くと、丁度晩ご飯の時間だった。今朝はがっかりだったので、今度こそ美味しいものを期待!

......出てきたのはカツサンドもどきでした。

えー.....なにこれぇ?私たちが作ったカツサンドの再現ではなく、もどき。見た感じで既に色々コレジャナイ感が凄い。

ず、パン油が染みてぐっしゃりしているし、その油のせいで刻みキャベツもへにょへにょ。もうこの時点で食欲無くなりそう。

恐る恐る口にする。うう、おぇぇぇっ!!私たちは、2口目にすすめない。

カツの衣が油でべしゃべしゃだ。中のお肉は下味に塩を振りすぎたのか、しょっぱい。そして、肉が硬い。がっちがちで、筋だらけ。これはきつい。残したい。

しかもこの料理に使っている油、オークのラードっぽい....ひどい、これは絶対お腹に来てしまう。

 

「だから言ったじゃないですか!凄い表情してますよ!?」

「そうは言うが、他のお客さんは皆絶賛してるぞ!」

「そういう問題じゃないですよ!」

 

真似しようとしたのは分かる、分かるけれど.....これは酷い。

付け合わせのスープで何とか流し込んで完食。

早くも胃もたれを起こしている胃の辺りを摩りながら周囲を見てみると、他のお客さん達は皆大絶賛していた。うぷっ、多分、この世界にはまだ無い料理だったんだろうね.....でも、これは違うものだよ。うう、お腹が気持ち悪い。部屋に帰ったら胃薬を【創造魔法】で作らないと。

 

「あの、すみません....」

 

金髪ポニーの給仕の女の子だ。

 

「うちのコックがどうしても作ると聞かなくて.....横で見ていた私に作り方聞いて作ってみたんですけど、全然違うものしか出来なくて」

 

話を聞いてみると、ここのコックが私たちの作った今迄に見た事も無い料理に興味を持って、真似してみたらしい。

作り方は自分も遠目にちらちら見てたし、ポニーちゃんがずっと横で見ていたので大体分かる。自分はずっと料理をやってきたんだから作れる筈だ、と。

でも実際出来上がってみれば全然違う物体が。実際にポニーちゃんが何を言っても聞き入れず、今日の晩御飯で出すとごり押ししたらしい。しかも。

 

「さっきから他のお客さんに呼ばれては『自分の考えた料理だ』って......もう、本当にごめんなさい」

 

昔の職人の技術なんかと同じで、この世界の料理人にとってレシピは秘匿されるもので、師から弟子に伝わる秘伝の類いになるらしい。

また、新しい料理の研究には時間や手間暇が掛かる為、新しい料理を生み出すというのはかなり凄い事なのだそうだ。それはつまり、私たちが作った『カツサンド』のレシピには凄い価値があるという事になる。

そしてここのコックはその『新しい料理を生み出した』という名誉が欲しかったらしいんだけれど.....それにしたって、パクリというのは流石にねえ?

って言うかコレ、全然別物だし。しかも料理名が『オーク肉の油焼きパンはさみ』。酷いネーミングだった。

 

「いえ、実際は全然違う物体ですから。気にしていませんよ。食べた貴女なら分かるでしょう?」

「ええ、それはもう」

 

うん、全然別物だからね。これで仮に、逆に私たちがレシピを盗んだとか言われても、食べ比べれば私たちの料理の方が圧倒的に美味しいんだから、どっちがパクリなのかなんて一目瞭然だ。だから気にしていないし、相手にもしない。

 

その後はポニーちゃんと少しお話ししてから部屋に戻った。

ちなみにポニーちゃんのお名前はリリー。この街の出身ではなく、仕事でこの街に出張する事になったお姉さんについて来たらしい。この宿のお仕事はその関係で紹介してもらったとかなんとか。

可愛いポニーちゃんに癒されつつ、今日は胃薬を【創造魔法】で作り飲んでから、寝ることに。

 

 

おはようございます。お腹の調子を悪くする前に胃薬を飲んだ、リオとリーリャです。

でも、今朝は少し調子が悪かったので、御手洗いに直行。

え?御手洗いは不要なんじゃなかったのかって?ええ、まあその気になれば不要にはなると思うよ。私のスキルを駆使すればね。でも使わないと筋肉って直ぐに衰えるからね?なので、安全な状況なら普通にちゃんと御手洗いでします。はい。

でも、終わった後は【洗浄】をかけます。私とリーリャのお尻に。綺麗好きですから。

 

 

気を取り直してさっさとご飯を食べてお仕事に行くとしましょうかね。

今日の朝食はいつもどおり、パン、サラダ、スープ。うん、こういうのでいいんですよ。

昼ご飯用にパンを幾つか頂くと、ポニーちゃん......リリーさんに手を振って宿を出て、そのままギルドへ直行。そして窓口へ向かう。

今日の窓口嬢は登録の時の人でした。カールがかかった金髪ボブカット。どちらかと言うと可愛いというよりは綺麗系で、出来る女って感じ。私の可愛い優先順位は、勿論、リーリャが1番。金髪ボブカットの窓口嬢が2番。リリーちゃんが3番。

 

「あ、今日も採取ですか?」

「「はい、お願いします」」

「あの、ですね?薬草採取でしたら、わざわざ毎回窓口に来なくても大丈夫ですよ?そのまま外に行って、帰ってきたら買い取り窓口に来ていただければ」

「「え?」」

 

詳しく説明を受ける。採取系の常時依頼は一々窓口に依頼受託に来なくても良いらしい。なんという無駄手間だったのか!恥ずかしい!

 

「でもその真面目に仕事に取り組む姿勢は好感が持てます。がんばってくださいね?」

 

はい、がんばります。うほー、漲って(ミナギッテ)きた!

隣のリーリャが喜んでいる私を見て、拗ねて(スネテ)いた。

今日の夜は可愛がるからね♪

 

 

という訳で今日もやってまいりました。そして本日も後を付いて来てる方々が多数。尚、前回とは違い13歳未満っぽい子が多めです。13歳以上っぽい子は4人ほど、多分パーティーを組んでるっぽい?あとは子供が6人位?

別に引率をする気もないので、無視して自力採取、移動採取の繰り返し。その間は、リーリャの常時発動『報光』とフウとセツの【警戒】で安心して私は採取に専念。

でも、わざわざ私たちが残した薬草も根こそぎ刈り取るのは、ちょっと止めて(ヤメテ)頂きたい。この辺に生えなくなったらどうするのですか?

そんな事を考えながら何となく近くに居た男の子を見ると、薬草じゃない普通の草を採っていた。仕方がないなあ。

 

「それ、薬草じゃないですよ」

「え?」

「似ているけれど、隣の方が薬草です。今採ろうとしているのは、別の草です」

「あ、ありがとう」

 

返事はしないよ、唯(タダ)の気まぐれだからね。うん。

なんとなしに見回すと、13歳未満位に見える子はみんな私たちより小さい。

10歳~12歳位と考えてもひとつ位しか違わない筈なのに、栄養が足りてないんだろうなあ......でも、だからと言って何か食べさせるつもりも無いけどね。私たちは自分たちの事で手一杯。

 

 

その後もどんどん薬草を採取して行き、それなりの量の薬草を採取出来た。他の人がいるところでこれだけ集めれば、窓口で沢山出しても怪しまれない。

さて、そろそろお昼かな?お腹空いたし、森を出よう。ご飯を食べよう。

森の外に出てテントを取り出し、食事の準備を始める。そんな私たちの様子に付いて来た子供達が困惑している。

 

 

と言うか、君達は勝手に私たちに付いて来ただけだからね?私たち、別に君達の引率係じゃないから。だから放置。冷たい?そんな事言われても困るよ。

でも、それでも頑張って私たちに声を掛けて来る子がいた。さっき私が注意した子だ。リーリャは食事の準備。フウとセツは、いつもどおり狩猟。

 

「あ、あのもう薬草採取しないんですか?」

「.....午後もやるかどうかは、その時考えます。今はご飯の時間ですから。そもそも、私達は別に一緒に採取している訳でもありませんし、仲間という訳でもないんですから、貴方達も好きな様にすればいいのでは?」

 

ちょっときつい言い方だけど、仕方がない。実際その通りだから。

勝手に付きまとわれて、それで勝手に仲間意識を持たれても困る。さっき声を掛けたのだって、ただの気まぐれだし。

気を取り直してご飯の準備をする。

フウとセツのお陰で月夜(ゲツヨ)がまだまだあるから、それを使ってガーリックローストを作ってみた。にんにくは昨日買い込んだ。調理過程は省略。パンと一緒に食べてお腹一杯、ごちそうさまでした。

周りでもご飯を食べたらしい子供達が此方の様子を窺って(ウカガッテ)いる。うん、残念だけれど採取はしないんだ。今日はここで料理の仕込みをするんだよ。だってね?

おうどんが食べたいから!

 

 

 

折角、小麦粉を手に入れたんだから、活用しないと嘘だよね!おうどん!

でも、めんつゆを作るにしても昆布も鰹節(カツオブシ)も無い。なので、鶏ガラスープをベースに塩系のスープを作ろうと思います。鶏ガラは沢山あるし。いや、鶏っていうか、鳥?うん、なんかよくわからないけれど、でかい鳥ね。

気を取り直して鍋を取り出して水だばー。一度煮こぼして、汚れ等を取り除く。これは【ストレージ】操作で。綺麗にした後は適当にぶつ切りにして、水を張りなおして長ネギにんにく生姜(ショウガ)と一緒に火に掛ける。沸騰にしたら弱火に。あとは気長にアク取りしつつ、弱火でコトコト。その間にうどんを捏ねる(コネル)。捏ねて捏ねて捏ねて、寝かせる所まで過程を飛ばします。

さて、ガラスープもいい感じになってきたので、これを濾して(コシテ)此方はひとまず完了。味を調えるのは後で。

次に寝かせていたうどん生地を伸ばして打ち粉してカット。これで材料は出来上がり。仕上げは宿で良いかな?

え?何でわざわざ外で仕込むのか?全部厨房を借りてやればよかったんじゃないかって?ちょっとね......。

ふと気付くといい時間。周囲にいた子達はいつの間にやら居なくなっていた。

帰る為に後片付けをしようと立ち上がり、振り返るとまたしても魔物の死体の山。フウとセツの狩るレベルが上がっていた。死体が綺麗。

 

 

今回もギルドで金貨2枚だったけど、小金貨20枚で換金して宿へ帰還。うどん!おうどん!U・DO・N!

 

「リリーさん、厨房を貸してください」

「はい♥喜んで!」

 

リリーさん。貴女は給仕さんで厨房はコックさんの戦場ですよね?そんなに喜んで。

さて、マントを外して今日も調理開始。と言っても材料は既に用意してあるので、後は仕上げるだけだ。

と、鍋を2つ用意。どんぶりを3つ。あと、ざるを1つ。

鍋の1つに水を張って沸かし、もうひとつにガラスープを投入。火に掛ける。

具材をカット。白菜っぽい野菜と人参、柏(カシワ)を適当に。それらをスープに投入して軽く一煮立ち。塩と醤油(ショウユ)を足して味を調える。

お湯が沸いたらうどんを茹でる(ユデル)。うどんに火が通ったら水でしめてどんぶりに。そしてスープと具を適量。残った分は全部仕舞った。

使った調理器具をさっと洗って片付け完了!

リリーさんに声を掛けて、一緒に食堂に移動。伸びる前に食べましょう。

 

(ずずー!もっきゅもっきゅ。うん、おいしい。おうどんおいしいよー!ね♪リーリャ♥)

(ずずー!うっ、麺はもっきゅもきゅ!うっっっまあぁぁぁぁい!何コレ!リオ)

(私の国(元の世界の日本)の料理だよ)

(私がいた世界にも、麺料理はあったけど。ここまで美味しい麺はなかったよ♪ずずー、もっきゅもきゅ!もっきゅもきゅ!)

 

リリーさんも、もう、言葉も無く食べている。あ。ちなみに私とリーリャはお箸、リリーさんはフォークで食べているよ。リリーさんも啜って(ススッテ)食べるのは問題なさそう。でも貴族階級とかの人だと無理かな、流石に。

そんなこんなで3人ともあっという間に完食。でもごめんね?おかわりもあるけど、2杯目はどうしようか?.......よし。空になったどんぶりに追加投入。

 

「うわあああ」

 

リリーさん顔が蕩け(トロケ)きっている。可愛い。

2杯目も平らげる頃にはリリーさん、堕ちた。可愛い。

 

「もう、らめえぇぇぇ♥」

 

でもうどんは奥が深いからね。昆布や鰹節が手に入ったらこの子どうなっちゃうの?いや、そうなったらそうなったで、その時はきちんと責任を取りますよ、ええ。2人目として可愛がるからね♥

そんな私達の周りでは、他のお客さんが厨房に怒鳴り込んでいるけれど、私たちは気にしない。今回は仕込みの過程は外でやって、厨房内の調理過程ではほぼ仕上げただけだから、真似は出来まい。

うん、既に一度レシピを盗まれているしね......それに、幾らなんでもあの態度は流石に気分が悪いよ。

 

トロ顔を晒している(サラシテイル)リリーさんを別の給仕の子に任せて、私たちはお風呂に入って即就寝。んー、次は何を作ろうかなあ。

 

 

 

朝ー、朝だよー。という訳でご飯を食べてお仕事に行こう。

身嗜み(ミダシナミ)を整えたら食堂へ行って朝ご飯。今日も普通のメニューだったよ。食べながら周囲を観察してみると他のお客さん達が何か言いたそうに私たちを見ているし、コックさんが厨房から顰めっ面(シカメッツラ)で睨んで(ニランデ)いるけれど全て華麗にスルー。私たちは悪くない。

食事を終えて宿を出ようとすると、リリーさんが恋する乙女の顔で此方を見つめていたので軽く手を振っておいた。

 

さて、ギルドへ移動、ではなくそのまま街の外へ。昨日窓口のお姉さんに常時依頼の薬草採取はそのまま外に行って大丈夫と教えて貰ったからね。

街の外に出ると周囲で採取をしていた子供達のうちの何人かが此方に気付いて近寄ってきた。でも別に何か話すとか無い。

私たちはお供のフウとセツの背に跨がり(マタガリ)、南の森を目指してフウとセツがてくてく歩く。その後ろをぞろぞろと......なんだか昨日よりも多くない?えーと、15人位?付いて来るのは自由だし。うん、好きにすればいいよ。それに別に魔物に襲われても私たちは助けないからね。

 

という訳で森な到着。今日は昨日までよりももう少し深い所まで行ってみよう。この辺りは昨日も余計な連れがいたせいで、余り残っていないし。

1年間の引き籠りで山歩きは慣れているが、今は体力温存の為に私はフウにリーリャはセツに跨がっている。体力はポーションでどうとでもなるが、今は自重しないと誰が見ているかわからない。私たちを乗せたフウとセツはひょいひょいと進んでいくと後続がどんどん離れていく。

ちらっと後ろを確認してみると、先頭は昨日話しかけてきた男の子。目が合うと顔が赤くなった。うーん、見た感じ11歳~12歳くらい?その後ろに10歳くらいの女の子。

フウとセツに跨がり、進んでは時折様子を窺っていると、さっきの男の子が女の子に声をかけている。友達か、妹か、そんな感じかな?私にはリーリャが居てるから寂しくないんだからね♪女の子の方が若干遅れ気味だったので、何となくフウとセツの脚を止めて距離が縮むのを待ってみた。ただの気まぐれだからね。次はないからね。

私たちはフウとセツから降りて待っている。私たちがテイムモンスターから降りてまで待っていると気付いた子達がちょっと焦った様子で急いで歩く様になった。

同じ様な事を2回ほど繰り返した頃に、群生地を発見。今日はここで採取しよう。

と言っても全部自分で採るのは面倒だし発見したのは私なので、先にぱっと見た感じでは分からない程度に【ストレージ】で間引き。リーリャはフウとセツと一緒に警戒をしてくれている。なので、いつも窓口ちは、報酬が2人分になるようにしている。この群生地全体の半分位?また在庫が増えた。あとはゆっくりでいいかな。

私がしゃがみこんで採取を始めると、後ろに居た子達も散って行って各々(オノオノ)採取を始める。

薬草採取を始めてから30分程経った頃、さっきの男の子が近づいてきて私に話しかけてきた。

 

「あの、さっきはありがとうございます」

「唯(タダ)の気まぐれです」

「そうだとしても、それでもお礼が言いたくて.....あいつ、ユイっていうんだけど、俺の妹でちょっととろくて.....待っていて貰えなかったらはぐれてたかも」

「口よりも手を動かした方がいいと思いますよ」

「え、あ、はい。がんばります。ありがとうございます」

 

(ねぇねぇ、リオ。今のお兄ちゃんは妹思いなんだね)

(.....そうだね。私はリーリャの事を誰よりも思っているからね♪)

(ありがとう♪リオ♥ちゅっ)

(此方こそ、ありがとう♪リーリャ♥でも、面倒事はいやだからね)

 

そのまま昼頃まで薬草採取を続けた。

お腹空いた。んー、面倒だから今日はこのままここで食べよう。そう思って顔を上げるとそこにはオークの死体が6体。フウとセツ、駄目よ、子供達が見てる!

無言で収納。何も無かった。私たちは何も見なかった。

うーん、昨日のうどんが残っているからそれでいいや。昨日多めに仕込んでおいて正解だったね。それに【ストレージ】に仕舞っているから、いつでも出来立てのままでご飯が食べられる。

どんぶり等を出して直ぐにうどんの準備完了。

 

(ずるずるずる.....ずるずる.....ずるずるずる)

(ずるずる.....ずるずる.....ずるずるずる...美味しいね♪リオ)

(リーリャが喜んでくれて、私は嬉しいよ♪ずるずる.....ずるずる)

 

唐突に食事を始めた私たちに困惑する子供達。でも昨日も居た子達は直ぐに立ち直ってご飯の準備を始めた。

私たちが食べ終わってから30分程する頃には全員食事が終わったみたいだけれど、なんだか妙に此方を窺っている。

 

「あの....」

 

あの男の子だ。

 

「なんでしょう?」

「今日は、この後どうするんですか?別の場所に移動して昨日みたいに何かするとか、もう帰るとか」

「今日はこのままここで採取を続けますよ」

「そうですか.....助かります。ありがとうございます」

 

私たちの予定を聞いた男の子は急いで他の子の所に戻ってその話を伝える。それを聞いて皆大喜びの様子。

 

(唯の気まぐれなのに、あんなに喜んで)

(ホントよね、リオ♪)

 

その後も2時間程採取を続けた後、程々のタイミングで切り上げて帰る事にした。私たちは基本的に夕方のギルドが混む時間は避けたいので、早めに帰るのだ。今からだと午後4時頃には街に着くはず。

でも子供の内の何人かは不満な様子。何でもいつもの5倍は稼げそうだとかで、もう少し採取して行きたいらしい。

うん、なら好きにすればいい。私たちは別に君達の引率でも護衛でもないから。

あの男の子と言い合っているのを無視して、私たちはさっさと移動を開始する。そんな私たちに気付いて慌てて付いてくる子供達。

森の移動中もまだぶつぶつ言ってる声が聞こえていたけれど、私たちには関係ないからね。

 

街に帰ったらまっすぐギルドへ行って換金。今日も小金貨20枚分。それでも在庫はまだまだ沢山残っている。

さて、今日も早めに宿に帰って何か作ろうかな?何が良いかな?と、ご飯に思いを馳せて(ハセテ)いるとまたしてもあの男の子が。

 

「あ、その、帰りはすみません」

「別に貴方のせいじゃないでしょう?」

「あいつに声をかけたのは俺なので....,」

 

折角なので少し話を聞く事にした。ただの気紛れ(キマグレ)だよ、うん。

この子、名前はシン。12歳

実は2日目から付いてきていたらしい。2日目、一昨日(オトトイ)はいつもの倍近い稼ぎになって驚き、そして昨日は午前だけの採取分で倍以上の収入になって更に驚く事になったのだとか。それで今日は友人数人と妹にも声をかけたのだそうな。

妹は要領が悪い所があるので今日は森の奥まで進んだから心配になったとか、帰りに友人が馬鹿な事を言い出した事で気を悪くしてないかとか.....つまりは、人のお零れに与る立場なのに勘違いしちゃった友人の尻拭いで頭を下げに来た、という事だ。なるほど。

 

「それで、その.....」

「別に明日以降も勝手に付いてくるのは構いません。今日の帰りみたいに勝手な事を言うのも自由です。今日だって別に一緒に帰ってこないで採取を続ければ良かったんじゃないですか?私たちには関係のかい事ですし」

「それは.....その、すいません」

「いえ、何をするのも自由ですよ。お気になさらず」

「あいつは明日からは付いて来ない様にさせます」

「.....ご自由にどうぞ」

 

そのまま別れて宿へ向かう。

多分、あの子達も孤児だろう。但し(タダシ)、孤児院に居た私たちと違いストリートチルドレンとか。

生きる為に必死なのは分かる。私たちだってそうだったし、今だってそうた。だから多少の目溢し(メコボシ)はする。でも、勝手に仲間意識を持たれて変な要求をされるのは困る。

きつい物言いだったかもしれないけれど、私たちにだって都合はあるし、そもそも彼らとは仲間でもなんでもない。勘違いされても困るのだ。

......関わりすぎて情が移ると困るし。

あまり面倒な事になるようなら、採取場所を変えるしかないかなあ。確か北東の方に川があるって話だった筈(ハズ)......そっちでなにか......?

 

考え事をしている内に宿に着いた。

ささくれ立った心を慰める為に何か美味しいものを作って食べよう。今日はフウとセツがオークを獲ってくれたので、それを使って生姜焼き(ショウガヤキ)とかがいいかな?厨房の利用許可を貰おうとリリーさんに話しかけたら、コックさんが割り込んできた。

 

「おい、アンタたち。そう頻繁に厨房を使われるとこっちも迷惑なんだ。いや、何も使わせないと言ってる訳じゃないぞ?相応の代価ってもんを払ってもらえれば構いやしない。だから今日からは代金の代わりに作る料理のレシ」

「それは失礼しました。まさかそこまでご迷惑だったとは思いませんでした。晩ご飯の前にお風呂に入ろっか♪リーリャ♥」

「そうね♪リオ♥もうこのような無理は二度と言いません。申し訳ありませんでした」

「いや、俺はだな。代価の料理のレシピさえ、教えてもらえれば」

 

うん、何も無理に貸してくれって言った覚えはないからね。揉め事はいやだ。え?代価?教えないよ♪

 

「おい、待て、そうじゃない。代わりにレ」

「いえ、無理を言ってまでお借りする理由もありませんので。では失礼します」

 

私たちは、後ろ髪を引かれながら、お風呂へ向かう道筋で、リリーさんがショックを受けた顔をしていた。ごめんね。

そして、入浴しながら考える。

別にご飯を食べるだけなら食堂に用意してあるものを食べればいい。でもこれから先、自分たちが食べたいものを作るにはどこか別の場所で厨房を借りるか、何らかの方法で何とかしないと駄目って事かー...,..さて、どうしよう?

んー、厨房を借りた理由はそもそもは火だよね?私たちは火魔法は使えるが、街の外で作って食べていては、目立ってしまうか?誰も寄せ付けないように、リーリャ結界を張ってくれれば大丈夫か♪

でも、一応。持ち運び出来る魔道具を探さないとね♪

 

結局、後日探して回るというのは面倒に感じてしまい、晩ご飯の後で自作してみた。

出来はなかなか悪くないと思う。魔石もそんなに使わなかったし。何より【魔法付与】スキルのお陰で魔石への属性付与が簡単に出来たのが大きい。

 

~~~ハルーラの宿屋~~~

 

ぐっもーにん皆の衆!皆(ミンナ)のリオとリーリャです。厩(ウマヤ)にはフウとセツ。今日もお仕事がんばるよー。

食堂に行って席な着くとリリーさんが私たちの分のご飯を持ってきてくれた。ちらりと顔を上げると厨房(チュウボウ)からコックさんが此方(コチラ)を射殺すような視線で睨んでいた(ニランデイタ)。

 

「昨日はなんだかすみません」

「いえ、気にしてませんよ」

「私たちが出された食事を勝手にアレンジして、食べていたからおかしくなっただけで。ねぇ、リオ」

「そうだね、リーリャ。だから、リリーさんは悪くないですよぉ」

 

話を聞く。

何でも一昨日作ったうどん、私たちとリリーさんがアレを食べているのを見た他のお客さんがコックさんを問い詰めたらしい。

コックさん曰く(イワク)、『あれは自分が作ったもの』。でも他のお客さんが何を言っても『出せない』の一点張り。

私たちが部屋に引き上げた後にお客さんに散々にこき下ろされたそうだ。あれはあの女の子たちが作ったものじゃないのか、前のあのオークの肉の料理もあんたが考えたものじゃないんじゃないか、と。

そんな事があって甚だ(ハナハダ)プライドを傷つけられたコックさんは、新しいレシピを得る為に昨日あんな事を言い出したらしい。

まあ、出来損ないの再現料理であれだけ褒められた後にそれではねえ......まあ、私たちの知った事ではないけれど、と言うか、被害者は私たちの方なので逆恨みも甚だしい(ハナハダシイ)。

 

「はあ、そうですか」

「貴女たちの事も怒らせてしまって、お陰で私もとばっちりでもうお裾分けも頂けなくなって......」

「大丈夫です。ここからは小声で(一応対策は考えましたので、料理は出来そうです。リリーさんにもお裾分けしますよ)」

 

(え!?いいんですか!?)

(いいんですよ♪私のリオが考えて、【魔法付与】は私たち2人で頑張りました)

(まあ、今日、明日、直ぐにという訳ではないので、そのうち)

(はい!お待ちしてます!)

 

その後も少しお話ししてから宿を出た。やっぱり砂糖は高いらしい。むむむ。

 

門に向かいながら私は右隣を歩くフウを見ると、すこぶるご機嫌の様子。リーリャは左隣を歩くセツを見ていて、此方もご機嫌の様子だった。

途中ギルドの前を通りかかると登録の時の窓口嬢が入り口前を掃き掃除していたので、挨拶をする。

 

「「おはようございます」」

「おはようございます、リオさん、リーリャさん。今日も薬草採取ですか?」

「「はい、ええと.....」」

(ねぇ、リオ。窓口のお姉さんの名前って聞いていたかな?)

(聞いていなかったよ)

「....?....ああ、サレナです、私の名前」

「サレナさん、ですか」

「.....サレナさんの顔をどこかで見たような?」

「あ、それは、私の妹です。リーリャさん」

「「妹?」」

 

私たちは首を傾げる。妹?私たちが知っているのは、宿のリリーさんしか知らないけど、と考えていると。

 

「宿屋の給仕をしてるんです。あそこの宿に泊まられてるんですよね?」

「「あ、リリーさんですか?」」

「はい、リリーです。なんだか美味しいものを食べさせてもらったとかで、もう毎日騒がしくて」

 

あー、あの餌付けを気に入ったのかな?リリーさん?

 

「なんでも見た事も無い料理だったとか?」

(えーと、リオ。うどんってまだ残っている?)

(残っているけど、リーリャ。もしかして、サレナさんにも?)

 

リーリャは頷く。

 

「よかったら食べてみますか?」

「え、よろしいんですか!?」

 

私はリーリャの次にこの人は私の好みだった。リーリャはリオの次にリリーさんは好みらしい。

 

という訳でギルド内、しかも職員用の奥の事務室まで通してもらった。

サレナさん、朝ご飯は既に食べた後らしいけれど、うどんだったら量を少なめにしておけば食べられる筈。という事でうどんを用意。

 

「こ、これが....」

「どうぞ召し上がれ」

 

ついでなので私たちも食べる事にした。ずるずる。ずるずる。うん、おいしい。

 

「ふわぁぁ.....」

 

サレナさん、リリーさんのお姉様だけあって、同じ表情をしている。

そんなこんなで3人ともあっという間に平らげた。

 

「御馳走様(ゴチソウサマ)でした、とても美味しかったです。こんな料理初めて食べました.....」

「いえいえ、御粗末様でした」

 

なんて話していたらギルドマスターが入ってきた。

 

「うお、なんだこの匂い。すげえいい匂いだな.....なに食ってるんだ?」

「あ、おはようございます」

 

サレナさんが挨拶するのにつられて私たちも会釈。

 

「何か食ってたのか?って嬢ちゃんたちか?ああ、丁度いい。ちょっと話したい事があったんだ」

「「なんでしょう?」」

 

厄介事じゃないでしょうね?

 

「いや、そんなに構えなくていい。別に取って食う訳じゃない」

「「はあ」」

「えーと、そうだな、何から話せばいいか.....面倒だから手短に話すぞ。嬢ちゃんたち、あんた魔物の素材は何で売らないんだ?」

「「.....え?」」

 

(あれ?これってばれているよね?リーリャ)

(ばれているね、リオ。でも、倒したのは、フウとセツだから、信じてくれるかな?)

 

「ああ、誤魔化さなくていいぞ。嬢ちゃんたちがかなりの量の魔物を狩ってるのは分かってる。正しくは嬢ちゃんたちの従魔が、だな。嬢ちゃんたちが薬草採取してる時に従魔の狼が魔物の死体を集めてるのを見てる連中が結構居てな」

「「あー.....その、なにかすみません」」

「いや、怒ってるわけじゃない。13歳未満は討伐は受けられないが、襲われた場合の反撃は認められてるし、それで倒してしまっても罰なんかはないから。それに嬢ちゃんたちの場合は薬草採取してる所を狙って集まってきた魔物を従魔が返り討ちにしてるって聞いた。だから大丈夫だ、そこは安心していい」

「それは、その......いいんですか?」

「ああ、大丈夫だ。以前それを狙ってやっていた悪質なやつもいだだが、嬢ちゃんたちの場合は正当防衛だ。何も問題ない」

 

あの死体の山は私たちを守ってくれた結果だったのか。うーん、後でフウとセツに謝っておかないと。

 

「問題なのはその素材を死蔵してる事の方だ。何で売らないんだ?」

「え?(リーリャ、私たちって、死体を死蔵していたの?)」

(言った方がいいのかな?【ストレージ】内の時間が停止している事って?)

「それはそうですが.....。今から話す事は此処(ココ)だけの秘密という事でお願いします。ギルドマスターとサレナさん!」

 

私たちは、ギルドマスターとサレナさんに口止めしてから、この部屋をリーリャの光魔法『界光』を発動して、話し始める。

私たちの話を聞き終わってから、ギルドマスターが口を開く。

 

「嬢ちゃんたちが売らなかったのはわかったが、アイテムボックスの上位、ストレージとは驚いた。がオーク肉っていうのは庶民にとってはそれなりに高級品だ。低収入層辺りだと、ご馳走だったりするんだよ。でもな、それでもこの街だと需要に対して供給が追いついてない。そんな素材を腐らせたら堪ったもんじゃない」

「えーと、すみません?」

「いや、さっきも言ったが怒ってるわけじゃない。さっきの反応を見るに、知らなかっただけで別に売りたくなくてそうしてるわけじゃないんだろう?」

「ええ、それはもう」

「なら、売ってくれればそれでいい」

 

......そうだったのか。売っても良かったんだね。

 

「あ、そう言えば」

「どいした?」

「オーガが2体あるんですけれど、大丈夫ですか?」

「オーガだと!?」

 

(あれ、なにかまずかった。リーリャ?)

(でも、倒したのは、私たちではなくて、フウとセツだから、問題はないと思うけれど。リオ)

 

「ちょっとまて、オーガがいたのか!?それも2体!何匹だ!?他にはいなかったか?」

 

なんでも、オーガはDランク上位の冒険者じゃないと倒せないかなり危険な魔物らしい。そのオーガが居た。もし群れで居たら?そうなったらCランク以上のパーティーをいくつも集めないといけない事態になる。

 

「2体だけか.....偵察かはぐれか?それでもそのまま放置するわけにはいかんな。南の森は一時立ち入り禁止にして調査隊を出さないと駄目か」

 

思った以上に大事になるみたいですね。

 

「なんだかすみません。私たちのフウとセツが」

「いや、嬢ちゃんたちの従魔は悪くない。寧ろ(ムシロ)そいつを倒してくれた事で確実に減っている。倒して数日経っても群れが騒いでないって事は、多分まだ状況が飲み込めないか、勝手に群れを離れたはぐれなのかもしれない。だがそれでも一応調査はしないとまずいってだけだ」

 

別に罰とかないならそれでいいんだけれど。

 

「しかしなあ」

「「なにか?」」

「嬢ちゃんたちの従魔はサシでオーガを倒せるだけの力があるって考えるとな.....色々とな」

 

ギルドマスターからのお説教?じゃない、お小言の後、魔物素材の売却のために倉庫に移動。

面倒だから食べられる肉類を4人分と少し残して、残りは全部売っちゃおう。ああ、でも毛皮もそれなりに残しておこうかな。ちなみにオーガ肉は食べられないらしい。

という訳でどどーんと出した。フウとセツ、2体が狩った魔物。皆さん目を丸くし、口が開いたまま、固まっていた。

どれもこれもフウとセツっていう私たちの女神のお陰なんですよね。フウさんとセツさんマジ女神。もう本当に大好き。

 

「よくもここまでの量を......」

 

結果、売却益金貨1人30枚。一気にお金持ちである。

うん、なんだか酷い事になってしまったね。ギルドマスターが何故か凄い喜んでいた。良く分かりませんが、おめでとうございます?ちなみにオーガの魔石は売らなかった。色々使えそうだしね。

さて、魔物素材の売却も終わったし、お仕事に行かないと。色々と有ったけれど、今はまだまだ早い時間ですよ?

ちなみに南の森は既に立ち入り禁止になってしまっている。ギルドマスター、仕事が速いね。という訳でどこか別の場所を探さないとダメかー。

ギルド内は既に人だかり。あの中に突っ込む気力は無い。男たちの所には行きたく無い。と言うか薬草採取以外の仕事は私たちには微妙だったりするので、正直困った。

何に(ナンニ)しても取りあえず外に出ようかな、と考えていたらサレナさんが近づいてきてこっそり良い事を教えてくれた。北東の川の水辺や川底には珍しい薬草が生えているらしい。うどんのお礼だって、餌付けはしてみるものだね。このまま好感度を上げていけば、やがては......、私たちの部屋へサレナさんとリリーさんを呼び、イチャイチャして遊べるかもしれない。

お礼を言ってギルドから出るとそのまま街の外へ。

 

街の外に出たら人探し。いや、このまま川を目指しても良いんだけど、一応。

きょろきょろあたりを見回していると数人の子供が近づいて来る。シンとユイとその仲間達だ。

別に声もかけないし挨拶もしない。仲間って訳じゃないし。ツンデレ?いやいや、リーリャ以外で優しくするのは綺麗で可愛いサレナさんやリリーさんは別ですよ♪.......えーと、男子が5人に女子が3人で、全部で8人?

周囲に集まったのを確認すると私とリーリャは頷いて出発。川を目指す。

 

「....なあ、森じゃないのか?」

「どこ行くんだろう?」

「シン、聞いてみろよ」

 

なんだかこそこそ話しているけれど、別に嫌なら帰っていいよ。今日、行く場所は私たちも初めてだしね。

黙々と歩みを進めているとシンが話しかけてきた。

 

「あの、今日はどこに行くんですか?」

「川ですよ、ねっ、リーリャ♪」

「川?森じゃないんですか?」

「南の森は立ち入り禁止になったのよ。ね、リオ♪」

「立ち入り禁止?」

「オーガが出たそうです」

「オーガ!?」

 

他人事のように言ってみると子供達が騒ぎ出した。そんなに怖がらなくてもこれから行く所はオーガが出た森じゃないよ、別の場所の川だからね。

子供達の喧騒(ケンソウ)を無視して歩き続ける。

 

1時間ほど歩くと川に着いた。見回すとそこそこに人が居るみたい。確か水辺で薬草が取れるんだったっけ?下流の方は平野、上流は森が見える。うん、この二択なら断然森だよね。

更に30分程移動し、森に到着。森には着いたけれど採取は川辺で行う予定なのでそのまま川沿いに森に入っていく。

んー、川沿いだと既に採取されていてもっと何もないかとおもったけれど、割と普通に生えているね。面倒だしもうここで良いかな。

という事で水辺に生えている薬草をちまちま採取する。ついでに目を凝らして川底を見つめる。うん、確かに珍しい薬草が生えている。でも濡れるから入りたくない。ここは【ストレージ】の出番。はい、回収完了。

リーリャとフウとセツは、いつものように、警戒をしてくれている。ありがとう♪その分、多めに採取採取。

 

1時間程採取を続けていたけれど、飽きてきた。

んー。川、川だよ?川と言えば、川魚?そうだ、魚だ!という訳で魚を捕る事にした。

ざっと【探知】で調べると、イワナっぽいのがうようよ居る。という事はここはかなり水が綺麗なのかな?或いは(アルイハ)結構上流だったりする?もっと下流に行けばニジマスとかも捕れるだろうか?下流......海?海魚も食べたいね。

っと、いかん、まずは目の前に集中だ。

イワナ。どうやって捕ろうか。釣り?釣り道具が無い。

がちん漁は色々問題が起こりそう。子供達に知られるのも問題がある。

簗(ヤナ)?これが楽そう?竹が欲しいけれど、無いので【ストレージ】内の木材を使って籠状に加工。編んで作るものだからか、消費も少なかった。

次は川を堰(セキ)止める(トメル)か、狭める(セバメル)か、なんだけれど.......ここは私たちの土魔法でどーんと行こう。左右の川辺側から川下に向かって岩を幾つも作って狭めていき、狭めた先にさっき作った籠を設置。うん、水はちゃんと抜けていく。後は魚を追い込むだけだ。

唐突に意味不明な事をやりだした私たちに困惑する子供達。気にしないで薬草採取してていいよ。

うーん、魚を追い込む.....やっぱり服を脱がないとダメか。仕方がない。

マントを脱いで、編み上げのブーツを脱ぐ。今日の服装、幸いにも下はスカートだ。但しガーター&ストッキング着用なのでガーターを外してストッキングを脱がないといけない。ぬぎぬぎ。ぬぎぬぎ。

少女のなまあしー。水、結構冷たいね。

川に入ってばしゃばしゃばしゃばしゃやりだすと子供達の困惑具合が加速した。あと、赤くなって目を逸らす(ソラス)男子急増。

そんな事をしているとユイが声をかけてきた。

 

「あの!お姉ちゃんたちはなにしてるんですか?」

「気にしないでいいよ」

「だから、ね、いい娘だから採取をしていなさい」

 

とは言ったものの、矢張り(ヤハリ)気になるらしい。でも相手にしません。

暫く(シバラク)ばしゃばしゃばしゃばしゃやつまた後に籠を確認すると、えーと、32匹位?ぴちぴちしていました。取りあえず今日はこの位で良いかな。

籠を外して土魔法で作った堰を消す。

川から上がったら『乾燥』を使って足と若干濡れた服を乾かして、ストッキングとブーツとマントを着け(ツケ)直した。

次にテントを出して昨夜作ったコンロもどきと他の調理器具も出して準備完了。コンロもどきは暇を見ては改造予定。目指せ大火力。

そう言えばこのコンロもどきを作ったせいか、【魔道具作成】のスキルを覚えていた。もうあれこれ増えすぎ。どれもこれも鍛えたいけれど、鍛えるのにも時間が足りない。悩ましい。

さて、それはさておき。

んー、イワナの料理、何が良いかな。塩焼き、いいね。バターでホイル焼き、いいね。フライもいいなあー。あー、燻製(クンセイ)にしてもいいかもしれない。よし、全部やろう。

塩は先日買い込んである。ぬめりを取ってエラや内臓等の処理。後は順番に作っていく。塩焼き。化粧塩まちゃんとつけますよ。

バターでホイル焼き。バターも先日大量に手に入れた。ホイルは自作。MP消耗多いけれど、私がコンロもどきを試行錯誤して作っている時にリーリャがスキル【魔力譲渡】を覚えてくれたから助かった。リーリャ様様。その分、リーリャを可愛がりました。

 

~~~宿リオとリーリャの部屋~~~

 

遡る(サカノボル)事数日前

リーリャのお胸様は、何とも狂気的(キョウキテキ)な軟らかさ、おまんこの具合も申し分なく敏感。イク場所は熟知している。

交代にリーリャも私のお胸様を可愛がる。感想は私のも狂気的らしく、男になんかに触らしたくないらしい。おまんこは同様。すると、カウンターストップしていた【淫乱】から【淫獣】が増えていた。

 

~~~北東の川~~~

 

現在、お料理中。

フライ。作っておいて良かった椿油(ツバキアブラ)。

スモークして燻製したものはあとで葉野菜とサラダにしてもいい。

出来上がったものは【ストレージ】に仕舞っていく。取りあえず2人分、4種類全部に4匹ずつ使って終了。

そんな事をしているうちに気付けば昼を過ぎていた。うーん、出来立てを今食べても良いんだけれど......子供達の視線が痛い。子供達に分けられる程の量は捕れなかった。私たち2人分は捕れたけれど、これらを食べるのは流石に自重。

【ストレージ】に仕舞ってあったパンやオーク肉でささっと食事を終わらせると、今日はもう帰る事にした。今回は付いてきた子供達はシンが言いつけていたのか、特に不満の声は上がらなかった。

うん、私たちの心の平穏は守られたね。

あ、相変わらずフウとセツは女神でした。オーク数十体とゴブリンが荷物に追加されました。

 

街に戻ってギルドで精算。川底の薬草は希少(キショウ)らしく、情報通りに高値で売れた。それだけで売却益は2人分で小金貨10枚。プラスでいくつかの在庫も売って、合計で小金貨20枚の収入。

子供達も短時間で高収入だったと喜んでいて、午後からは街中や清掃依頼などを受けると言っていた。みんな頑張るねえ。

 

宿に戻るとリリーさんがいたので少しお話し。今日は川に行って魚を捕ってきたと言ったら驚いていた。ついでにそれで料理を作ってきので後で一緒に食べようとお誘いしたら大喜びだった。そしてそれを盗み聞いていたコックさんが顔を真っ赤にしていた。盗み聞きしておいて勝手にキレないでよ......。

今日は大分早く帰って来たから晩御飯の時間までまだ結構時間が余っているなあ。そういえば布で服を作らないと。という訳でその後は暫く服作りに精を出した。リーリャに要望を聞いて作っていく。

ついでにマントも新調。今までは実用性重視のまさに革のマント!って感じだったけれど、撥水(ハッスイ)加工した布のマントを作って裾とかの部分に刺繍(シシュウ)を入れてみた。いや、なめし革でマントって普通に結構重いの......リーリャに頼んで目立たない様にとの願いを込めて【隠身】の効果を付与してもらう。

 

その後お風呂に入って食堂で晩ご飯。色々作ったけれど出したのはホイル焼き。バターの香りが暴力的。

他のお客さんが厨房に怒鳴り混んでいるけれど、別に私たちは悪くない。レシピを盗まれた仕返しなので正統な嫌がらせだ。

 

あ、リリーさんは今日も見事なトロ顔でした。えろ可愛いから、リーリャは見惚れていた。がリーリャの1番は私。2番がリリーさん。私の1番はリーリャで、2番がサレナさん。

 

 

数日後。今日も子連れで川の周辺で薬草採取。と言っても私たちは採取は途中で切り上げて食べられるものを探しているのだけれど。

この数日で見つけたものは、まずは唐辛子。油もあるしラー油を作りたい。

そして原生の胡椒(コショウ)。香辛料は高いからね.......他にも幾つかの香辛料の類い。いつかカレーが作りたい。ウコンを見つけなくては!

あとはニラなんかも発見。野菜炒め(ヤサイイタメ)や味噌汁(ミソシル)にもいいね。

ついでにここにも椿があったので追加で油を手に入れた。あー、梅も生えていないかなあ......。

 

んー、こな辺りは大分調べたし、今日はもう少し上流に移動してみようか。という訳で今日はいつもよりも森の深い所で採取をする事にする。

暫く進んで行くとなにか実がなっている木を発見。この香り.....スモモ?プラム?まあ細かい品種は道でもいいか。それにしても相変わらず結実時期が狂っているな、この世界。

【鑑定】の結果、可食。ついでにいい感じに熟していて食べ頃。早速いただいてみよう。2つもいで、1つをリーリャに渡して口にする。うん、甘酸っぱい。美味しい。

2つ目を口にしようとした所で少し離れた所から子供達が此方を見ているのに気付き、手招き。顔を輝かせて駆け寄ってきた。

おー、みんな大喜びで食べているね。まあこの子らは甘いものなんて中々食べられるものじゃないからね。平民の、孤児なら尚の事。

自分たち用に幾つかもいで【ストレージ】に収納。他にも何かないか辺りを見回していると、子供達が自分達も持ち帰ってもいいか聞いてきた。

いや、好きにすればいいと思うよ?ああ、でも採りすぎても腐らせるだけだから、程々にね?

子供達がお持ち帰り分を採っているのを尻目に、更に周囲を探索。うーん.....あ、あれ、山芋の葉っぱ?【鑑定】......お、当たりだ!とろろご飯食べたい!よし、掘ろう。

という訳で掘り出す。いや、土魔法で一発だからね。

私たちがまた何かやっているのに気付いてシンが近づいてきた。

 

「これも食べられるんですか?」

「ええ、摩り(スリ)下ろし(オロシ)たり、蒸かし(フカシ)たり、焼いたり、色々食べ方があります」

「.....俺達も採ってもいいですか?」

「好きにするといいですよ。ああ、だも掘る時は慎重に掘らないと途中で折れますから、気をつけた方がいいです

それと、長いので根気が必要です」

「ありがとうございます。がんばってみます」

 

いや、本当に大変だからね?

さて、そろそろ真面目に採取もしておこう。という訳で薬草採取開始。でも直ぐに飽きて魚を捕っていました。てへっ。

昼の後も暫く採取をしてから、いつもよ様に早めに帰る事に。帰り道で子供達の様子を窺うと、山芋掘りをしていたシンと数人はへとへとになっていた。でもみんな笑顔。スモモも採れて山芋も採れて、今日はご馳走(ゴチソウ)だね、だって。あれ、目から汗?....涙が......。

ギルドに着いて換金。実は山芋も買い取りをしてもらえるらしい、シン達は食べるか売るかで悩んでいた。私たち?私たちは最初から食べる為に採っていたので悩む事はない。迷って唸っている子供達に軽く頭を下げて早々に退散する事にした。

宿に帰ってリリーさんにスモモをお裾分け。甘い物は久しぶりらしく、大変喜ばれた。その後はいつも通りにお風呂、晩ご飯、就寝。自炊は自粛中。コックの人が凄い顔で睨んでくるからね。正直相手するのが面倒。

 

次の日も川の上流の森へ。南の森の制限はまだ解除されていない。でも魚も捕れるし、このまま此方で続けるのもいいかも?リーリャとフウとセツは警戒。

そして今日はユイとお話しをしながら採取。はい、絆され(ホダサレ)ました。

ユイから色々と話を聞いた。シンとユイは元々商人の子で、両親が商売に失敗して色々あって、結局両親は他界。2人は路頭に迷う事になったのだそうだ。もうこの時点で話を聞くのが辛いんだけれど、どうしよう。

その後、少ない手持ちのお金であばら家を借りて、冒険者登録をして細々と生活していたらしい。でもそのうち家賃を払うのも厳しくなり、それまでに仲良くなった仲間と家をシェアする事で家賃を払っているとかなんとか。

うん、何故だか心が痛む。聞かなきゃ良かった。

 

「......それで、昨日は久しぶりにご馳走で!一緒に来なかった子達にも果物食べさせてあげられましたし、お姉さんには本当に感謝してるんです!」

 

それは......よかったね。

 

「でも、今日も果物は持ち帰れますけど、それもいずれはなくなりますから.......やっぱり薬草採取をがんばって、小麦粉を沢山買える様にしないと!」

 

小麦粉はそれなりに高い。例え混ぜ物が入っていたとしても、だ。薬草採取のついでに山菜や食べられる野草も手に入れる事は出来る。でも、それでもお腹一杯食べようと思えば矢張(ヤハリ)、穀類は必須だろう。

 

「じゃが芋は?」

「え?」

「じゃが芋は安いでしょう?お腹も膨らむし腹持ちもいいし」

「.....じゃが芋は、毒があるでしょう?中る(アタル)と苦しいです」

 

あー......この世界のじゃが芋、まだそういう認識だったのか。道理で纏め(マトメ)買いをした時に変な目で見られた訳ね。

 

「毒があるのは芽の部分ですから、他の所は大丈夫ですよ」

「え?そうなんですか?」

 

うーん、実際に見せた方が早いかな。時間も丁度お昼だし。

鍋を出して、時間短縮の為にお湯を注いで火に掛ける。お湯はかなりの高温で出したので直ぐに沸騰した。次に芋を取り出す。まとめ買いをした時に芽が出ているのが少しだけ交ざっていたので、それを実際に見せながら教える事にした。

 

「毒があるのは、この芽の部分。それとこの色が緑色になっている部分。だからこの部分を切り取れば大丈夫です。芽の部分はこうやって抉り(エグリ)取って、実の部分は厚く(アツク)切り取る」

 

ユイは黙ってじっと見ている。私がユイに教えている間は、リーリャとフウとセツは警戒をしてくれている。

 

「1番簡単な調理法は茹でる事です。塩を入れて茹でるのも良いですね。今回は塩を入れてみましょうか。火が通ったか確認するには、こういう木の棒で刺してみれば分かりますよ。ほら」

 

やらせてみる。何事も教えるのには実際にやらせるのが早い。

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、褒めてやらねば。まったくもってその通り。

 

「これは、ちょっと硬いです。此方は中まで刺せました」

「じゃあもう少し茹でましょうか」

 

暫くして全てのじゃが芋に火が通ったのでお湯を捨て、少し冷ます(サマス)。流石に直ぐに手に取ったら火傷をしてしまう。

じゃが芋は全部で20個茹でた。私たちと子供達を合わせて10人だから1人2個でこの数。

 

「1人2個ずつです」

「え?あの、食べて良いんですか?」

「2人でこの数は食べられませんよ?」

「あの、ありがとうございます」

 

芽が出ていたのは私たちが食べる。安全だと証明するにはこうするのが1番だろう。

 

「あ、それは」

 

もっきゅもっきゅ。もっきゅもっきゅ。うん、美味しいね。私たちが毒入りだったはずのものを平然と食べるのを見て、

みんなが恐る恐る食べ始めた。

 

「おいしい.....」

 

何故かみんな涙目になっていた。食べ終わった後は薬草採取の続き。

 

「じゃが芋が安全に食べられるなら、みんなお腹一杯食べられます.....ありがとうございます」

 

帰り道でシンとユイにめちゃくちゃ感謝された。

 

 

 

 

子供達にじゃが芋を食べさせてから2週間程が経過した。

その間にリリーさんにポテトサラダを食べさせて泣かれたり、月の物がきたので交代に寝込んだり、ニコルさんの所にお米を買いに行ったり、ユイとシンに名前で呼ばれるようになったりした。

南の森の制限はまだ解除されていない。でも薬草採取はもうこのまま川の上流の森でいいんじゃないかな?此方は食べられる物も色々取れるし。

でも最近は他の冒険者もちらほら見かけるようになってきたんだよね.....。

それに、子供達の稼ぎが増えて元気になったせいかもしれないけれど、ギルド職員にも私たちが子供達の引率をしていると思われ始めている様で、ちょっと困る。

これで子供達が問題を起こした場合、私たちが責任追求されても困るなあ.....なにか考えておかないとダメかもしれない。

と、そんな事を考えながら、今はギルドの買い取り窓口で順番待ち。私たちの前後には子供達が並んで守ってくれています。え?なんで今日は並んでいるのかって?いや、今日はちょっと帰るのが遅くなってね.....やっぱりもっと早く切り上げるべきだったね。魚が捕れすぎたのがいけないんだよ。うん、うん。

はあ.......早く帰りたいなあ。なんて考えつつ周りの話し声を聞きながらぼーっとしていると、色々と有益になりそうな情報がちらほら。

あー、やっぱりこういう情報が欲しいならギルドに残って色々聞いたりした方が良いんだろうなあ。でも、面倒事の回避と天秤(テンビン)に掛けると、やっぱりそういうのはやりたくない。今だって此方を窺う視線が多い。気のせいじゃない、凄い見られている。リーリャは此所(ココ)でも警戒をしてくれている。

 

「お、どうした!久しぶりじゃねえか!最近見なかったがなにしてたんだ?」

「ギリアムさん、久しぶりです。いや護衛の仕事でちょっと遠出してたんで」

「護衛?にしちゃ長くないか?」

「あー、領都まで行って、その後、南の海の村に塩の買い付けに行って、そこから戻ってきたんですよ」

「はは、なるほどな。そりゃ長くなるわけだ」

 

....,.南の海の村。海の魚が欲しい。海なら塩も手に入る......良い事を聞いた。

 

「ええ、実入りもいいんですけど、流石に馬車移動が長すぎて、疲れました」

「ちょっと、何いってるのよ!アンタがこの仕事やりたいってごねたから受ける事にしたんでしょうが!わたしもテスもベックも嫌がったのに!」

「あ、いや、確かにそうだけど」

「なら今更ぐちぐち言わないでよ!男らしくない!大体あの時だって.....」

「わかった、わかったから」

「おまえら、相変わらずだなあ」

 

うーん、尻に敷かれてるっぽい。大変そうだなあ。

 

「あ、って事はお前等まだ知らないのか」

「え、何かあったんですか?」

「ああ、すげえ新人が出てきたんだ」

「おう、薬草採取だけで毎小金貨を何枚も稼いでる」

「はあ!?薬草だけで?毎日!?」

「おうよ。しかもえらい美人らしい」

「は~......じゃあみんな勧誘とかしてるんじゃないですか?」

「いや、それが誰も声を掛けてない」

「え?なんで?」

「それがな、その新人、テイマーなんだよ。狼を2匹連れてるんだが、それがどうやらグレーターウルフらしくてな。でかいんだよ。お陰でみんなビビって遠巻きに見てるだけだ」

「でかい狼....?」

「ああ。今、南の森が封鎖されてるってのは聞いたか?」

「あ、はい、戻ってきた日に。オーガが出たとかで」

「そのオーガな、倒したのはその新人の連れてる狼らしい」

 

(おいギルド、情報規制とか無いのか。個人情報保護!光魔法で私たちの姿を変えて、リーリャ)

(わかったよ♪周りからは、ユイと同じ年齢に見えるようにするね。リオ)

(それでお願い。私はこの事をユイに話しておくから)

(【光魔法】『変光(ヘンコウ)』)

 

私たちは、リーリャの光魔法で姿を変える。

 

「オーガを.....あれ?でもさっき、薬草採取だけで稼いでるって」

「ああ、討伐はやらないんだ。その新人。正しくはやれないそうだが」

「え?なんで?」

「そいつ、まだ11歳らしい」

「はあ!?」

「ついでにいつも混む時間避けてるらしくてな。この混雑してる時間帯だと、もう.....あれ?」

 

私たちは、その職員が此方を見た瞬間には、姿を変えていたので、頭が混乱している。

 

「どうしたんですか、ギリアムさん?」

「あ、いや、今俺が見た時は、そこの子供達の列の中に混じってたんだが」

 

その男の冒険者は、ギリアムさんが差す方を見てみる。

 

「いませんよ、ギリアムさん。いてるのは子供達が買い取り窓口に並んでるだけで」

「いや、確かにさっきまでいたんだがな。俺、疲れてるのかな?」

「ちゃんと、休んでくださいよ」

 

職員と男がそんなやりとりをしているのを横目に、買い取りを終わらして、この場所から急いで退散する。

 

 

 

私たちは、シンとユイを筆頭に子供達を連れて、冒険者ギルドから離れていく。そして、路地に入っていく。

今、この路地には、私たちとフウとセツ、シンとユイの兄妹(キョウダイ)だけ。

 

「シンとユイ、私たちを庇ってくれて、ありがとう♪」

「いえいえ、リオさんとリーリャさんの為ですから」

「リオお姉ちゃんとリーリャお姉ちゃんは、私たちきょうだいの恩人なので、困ったらいつでも言ってください」

 

何、この兄妹。とても良い子。

 

 

 

朝、宿を出るとそこにはシンとユイの兄妹が居ました。

 

「おはようございます、リオさん。リーリャさん」

「おはよう、リオお姉ちゃん。リーリャお姉ちゃん」

「「はい、おはようございます。シン。ユイ」

 

私たちは、シンとユイに挨拶をしてから、一路街の外を目指して移動する。あの男に見つからないように、兎に角早足で移動。

すると、その男のパーティーが街を出て直ぐの所に居た。

曰く(イワク)、私たちが森を出る事になったのは自分のせい、だからここで俺が面倒を見るのは当然の事、困ってる事があれば絶対助ける、とか何とか。

 

「分かりました。今、凄く困っている事がひとつだけあるので、それを解決してください」

「おお!なんだ!?俺に出来る事なら何でもするぞ!」

「絶対ですか?」

「絶対だ!」

「では、たった今、現在進行形で変な男性に付きまとわれて非常に困っています。何とかしてください」

「.....」

 

固まってしまった。

 

やっと静かになったのでそのまま放置してさっさと子供達を集めるとそのまま北東の川を目指す。

ちょっと後ろを見ると、まだアレが付いて来ている。本当になんなのよ?気持ち悪い......。

川上の森に到着。スモモが生えている辺りまで移動して薬草採取開始。子供達のうちの何人かはスモモや食べられる野草なんかを集めたりしている。私たちも後で魚.....は、止めておこう。変な連中が居るし。色々見られたくない。

採取中にオークが来ていたらしいけど、フウとセツがあっさり倒していた。そのオークを見ながら、確かアレの姉でコリー?がおかしな事を言い始めた。

 

「わたし達護衛でついてきたんでしょ?なら、あのオークって山分けだよね?」

「え?じゃあ今日はお肉食べられるんだ、やった!」

「いや、それは無理じゃないかな.....」

「なんで?私達守ってあげてるんだよ?」

「いやいや、どう考えても違うと思うよ?」

 

(リーリャ。光魔法していてね♪)

(アレ達が入ってこられない様にしているよ。リオ)

 

「えー.....じゃあ今日収入無しって事?」

「あ、じゃあ私達もも薬草採取すればいいんじゃない?」

「そうだね、そうしようか」

「........」

 

おおう、低ランクの採取荒らしまでするつもりか。さっき諫めていた(イサメテイタ)男の人が凄い困った顔になっている。この人常識人かな、大変だね。ニール?さっきから無言でずっと私たちを見ているよ。キモイ。

 

 

お昼時になったのでテントを出して食事の準備をする。

実は最近は子供達の分もまとめて作っていたりする。但し、材料の半分は子供達の提供。材料の残り半分と、調味料と調理の手間は私たち持ちだけれど、完全に情が移ってしまった今となってはこの程度は気にもならない。

今日は何を作ろうかな......ああ、さっきフウとセツが倒したオークがあったね。子供達の提供食材はじゃが芋。それと採取していた野草の類い。ちなみにこれは私が教えた。

うーん、野菜炒めもどきで良いかな?塩(シオ)胡椒(コショウ)と、隠し味に唐辛子少々でちょっとピリ辛に仕上げよう。

ささっと手際良く私たちと子供の分でかなりの量を作った。出来上がった野菜炒めを見て子供達は皆、目を輝かせている。

ここ最近の餌付けですっかり調教完了されてしまった様だね、ごめんね。

 

 

 

......所で、何故、貴方達まで一緒に食べようとしているのでしょうか。貴方達の分はありませんよ。そう告げるとなぜかコリーが怒り出した。

 

「ちょっと!わたし達護衛してあげてるんだよ!?なのに、そのわたし達の分がないってどういう事!?」

「誰もそんな事は頼んでいません、貴方達が勝手ついてきただけです。それにこの子達はちゃんと食材を出しています。勝手についてきて、その上ご飯まで集ろう(タカロウ)とか......冒険者というのはそういう方ばかりなんですか?」

「な.......」

「それと、私たちが森の中で静かに暮らしていた時も、貴方達、姉弟(キョウダイ)は、厚かましいですね。ねぇ、リオ♪」

「そうだね、リーリャ♪そのせいで、私たちは森を追われ、まともなのは、妹のココだけですね」

 

顔を真っ赤にして、口をぱくぱくさせている。そんなコリーの腕を引っ張って行って常識人の人が色々言い含め、必死に説明している。

暫くすると、理解はしたが納得はしていない、という感じで不貞腐れた(フテクサレタ)顔をして保存食を齧っていた。そして今だに此方を見ているニール。マジキモイ。

宿に帰ったら、私たち(リオとリーリャ)で慰め合わないとね♥

 

食事の後も採取。そして程々で切り上げていつも通り早めに帰路に着く。

 

「ねえ、ちょっと聞きたいんだけど、なんでこんなに早く切り上げるんだい?まだまだ時間に余裕があると思うんだけど」

 

常識人の人だ。まあ、この人に悪い印象は無いから答えてもいいかな?

 

「買い取り窓口が混むのが嫌だからです。それに、余り遅くなると子供達も危ないですし」

「ああ、なるほど......」

 

子供達を見ながら納得したように頷いて(ウナヅイテ)いる。

 

 

 

その後、帰り道の間に自己紹介された。

常識人の人はベックさん。17歳。この人はこのパーティーで唯一Cランクらしい。

性格も悪い様には見えないし常識人なので、ちょっとお節介(オセッカイ)に私たちは小声で話をする。

 

(どうしてベックさんは、あの3人とパーティーを組んでいるのですか?ねぇ、リーリャ♪)

(それは、俺がDランクに上がった日、危なっかしい3人組に出会ったんだ)

(それが、あの3人って訳ね。でも、彼らももうDランクなんでしょ?ベックさんが抜けてもやって行けるんじゃないの?ねぇ、リオ♪)

(君らも見ただろ?依頼も無しに護衛と称し後を付けるニール。そして、あまつさえ。護衛をして上げているとご飯を集る姉のコリー。あの、姉弟(キョウダイ)を放り出すと、冒険者の品位が下がってしたう)

((大変だね、ベックさん))

 

ベックさんは、リオとリーリャの美少女2人が涙を流しながら、肩をとんとんされている。

 

コリーと良くおしゃべりしている女の子はテス。ニールの恋人だそうだ。

ああ、この子があの薬の.....でも今日見た感じだとコリーに追従するばかり。

ちなみにコリーは思った以上に図々しい(ズウズウシイ)性格だった。びっくりだよ!

で、ベックさん以外の3人は去年の秋頃。Dランクになったばかりだそうで、その時に一度里帰りして私たちに遭遇した、という事らしい。

 

(存分に、冒険者のルールをあの3人に叩き込んでやって!今回のような事がないように。ねえ、リーリャ)

(そうですね。リオ♪あのような事をしていたら、依頼者から信用してもらう事は出来ませんね)

(申し訳ない)

(あの3人の事は、ギルドに報告させてもらいますからね)

 

ベックさんは、何度も私たちに謝っている。

 

 

ギルドに帰って換金が終わった後、サレナさんがいたのでベックさん以外の3人の行動について報告した。ギルドマスターに報告しておく、との事だった。

恐らく今後そういった行動をしない様に厳重注意がされるだろう、だって。

これで明日からも安心してお仕事ができるね。うんうん。

 

 

 

おはようございます♪リオとリーリャです。子供達のお姉さんです。

昨日の夜は、部屋に『防音』と『界光』を発動して、2人で慰めあった結果。『淫獣』がレベル4になっしまった。

 

ストーカー行為を通報してからと言うもの、私たちの平穏が帰ってきた。

とは、言いがたい。相変わらずコックさんは睨んでくるし、ニールはウザイ。いや、コックさんは別に良いよ?態度は悪いけれど、ちゃんとご飯を作ってくれているからね。

問題はニールだ。

私たちがギルドマスターにチクった?いや、通報した後、お説教されたらしいのだけれど未だに付きまとってくる。

宿の前で待ち伏せ、採取先に付いて来ようと(流石に他の仲間に止められた)、換金後に食事に誘ってくる。

いや、食事のお誘いって、意味がわからない。貴方恋人いるでしょ?そっち誘いなさいよ。お陰でテスの私たちを見る目がきつい。私たち、全然悪くないよね?

コリーは相変わらず図々しい。彼女の中では私たちは知り合いどころか友人であるらしい。やれ、あの薬草を分けてくれ、料理が上手と聞いた、作ってくれ、等と。此方も意味がわからない。

そんな3人を諫めて回るベックさんが哀れでならない。でも私たちの平穏の為にも頑張って頂きたい。

そんな感じで1週間程過ごしていたけれど、色々限界。うん、逃げよう。正しくは一時退避?

この1週間の間に、リオは火魔法『纏火(テンカ)』風魔法『纏風(テンフウ)』を覚え、リーリャは氷魔法『纏氷(テンヒョウ)』と雷魔法『纏雷(テンライ)』を覚えられた。それだけは、あの3人には感謝。

前に盗み聞いた南の海辺の村が気になって仕方がないので。行ってみようと思っていたのだ。

海辺の村へ行くことを決めた最後の夜。これであの3人から退避できると思ったら『防音』と『界光』を発動して、日課が捗った(ハカドッタ)。いつもより、私たちのイチャイチャが濃厚だった。

結果。『淫獣』がレベル6に上がってしまった。

 

さて、そうと決まれば即行動。という事でまずリリーさんかな?

朝、お仕事に行く前にリリーさんに話をしておく事にした。

 

「リリーさん、私たち、明日で宿を出ます」

「前払いしていたお金って返金してもらったり出来ますか?」

「え!?どういう事ですか!?私、何か粗相でも?それともコックがまた何かしましたか!?」

 

いえいえ、そんな事はありませんよ。

という訳で理由を説明。ストーカーがキモイのと、前々から海の方に行ってみたかったのでちょっと見てくる、と。

一応その後は戻ってくる予定では居る。子供達も気になるし。

そう説明すると納得したようで、返金に関しても問題ないと教えてくれた。キャンセル料とかは取られないそうなので、ちょっと嬉しい。ただ、ストーカー被害に関しては何度か話した事があったので凄く同情されてしまった。

 

 

リリーさんとの話が終わって宿を出たら周囲を確認。ヤツは居ないようだ。リーリャの『報光』にも反応無し。良し。そそくさと街の外へと移動。

門から出るといつもの様に子供達を探す。でも探すまでも無く直ぐに皆が集まってきた。そしてこれまたいつもの様に川上の森を目指す。

ちなみに南の森の封鎖は既に解除されている。でも川上の森の方が食べられるものが豊富なので結局そのままそっちで採取を続けていた。

いや、一度南の森に行ったらニール達と遭遇してしまってね....彼らはそっちでの討伐をメインにしているみたいなので、まあ、そういう事。

 

 

 

いつもの採取場所に着いて採取開始。うーん、いつ切り出そうか?

後回しにしても仕方がないし、という訳でお昼の時に切り出した所、思った以上に皆、平静だった。

と言うか、仕方がない、という反応だった。

 

「いつかはそういう時が来る(クル)って思ってましたし、仕方ない事だと思います」

「自衛の為の武器も買えましたし、何とか頑張ってみます」

「ずっと迷惑かける訳にもいかないから、それに、あの変なお兄さんの様になりたくないので!」

 

シンが力強く、声を揚げる。

 

「私も、あのお姉さんみたいに、なりたくないです」

 

それに、ユイが続き、他の皆が頷く。

 

「これからはもっと森の浅い、直ぐ逃げられる所で採取します」

 

....みんな凄い前向きだね。何となく嬉しい。うん、頑張って。

その日の途中で、シンとユイに2本ずつ回復ポーションを渡した。別に餞別(センベツ)って訳じゃないけどね。

.....何かあった時の保険代わりにでもなれれば、と思ったのだけれどね。この子達の内、誰かが大怪我をしたとしても医者にかかる為のお金は無い。

最後まで面倒をみるなんて出来ないけれど、ここまで情が移ってしまっては見捨てる事も出来ない。偽善だとは分かっているけれど。

売っても良いよ、とは言ってはみたけれど、2人の様子を見る限りではそれはしないだろうな、多分。

ギルドで換金して宿に帰るとリリーさんに泣き付かれた。

寂しくなる、とか、ご飯、とか。ちょっと餌付けしすぎたかもしれない。反省。

 

次の日はいつもより少し早く起きて宿を出た。ご飯は食べずにパンを幾つか貰っておいた。リリーさんには挨拶は済ませたし、大丈夫かな?

そしてそのまま街を出る、のではなく、ギルドへ。一応挨拶はしておかないとね。

護衛の仕事を受けてそのついでで目的地に着けたら収入にもなって良いんだけれど、護衛依頼はDランク以上じゃないと受けられない。正確にはDランク以上推奨なんだけれど、私たちはまだFランクだから諦める。

ギルドの朝は相変わらずだった。掲示板は混んでいるし、窓口もそこそこに混んでいる。サレナさんは.....発見。

 

「サレナさん」

「あら、リオさんとリーリャさんですか。今日はどうしました?」

「ちょっと南の方に行ってみようかと思いまして」

「え?この街を出られるんですか?」

「ええ、まあ。でもその後はここに一度は戻ってくる予定ではいますが」

 

これに続いて、リーリャが。

 

「アレに困っているので、その後はどうするかは考えていませんが」

「そうですよね。私たち職員も困ります。.....ああ、では少し待っていただけますか?それと直ぐ済みますので、ギルドカードを貸して頂いても?」

「「はい?」」

「リオさんとリーリャさん、Eランクに昇格ですので、その手続きを」

「え?昇格ですか?」

「早くないですか?」

 

私たちは、驚きの余り、痛みはいやなので、キスをした。感覚があるので、これは夢ではない。

 

「リオさんとリーリャさんは色々と貢献してくださったので、丁度昨日決まったんですよ」

 

なんでも、稀少(キショウ)な物も含めて大量の薬草を安定して供給した事やオークの肉の売却、低ランクの子供の冒険者への支援、オーガの撃破等が評価されたらしい。

いや、それにしたって冒険者になってまだ1ヵ月位だよ、早すぎない?

だけど13歳未満だと冒険者ランクはここで頭打ちだ。これ以上は後2年待たないといけない。ちなみにこれは討伐制限に関係しての事なので、どうしようもない。

 

「はい、終わりましたよ。これが新しいカードです」

「「ありがとうございます」」

「いえいえ。それでは、お気をつけて」

「「はい」」

 

リリーさんがアレだったからサレナさんもかなーと思ったけれど、あっさりだったね。いや、こんな沢山人が居る所で泣き付かれても困るんだけれど。

挨拶も済んだので門を出る。軽く見回すと少し離れた所に子供達がいて、此方に気付くと手を振ってきた。

此方も軽く手を振り返した後、直ぐに歩き出す。それを見て子供達も採取地へ移動を始めた。

うん、みんな頑張れ。

 

さて、ここから暫くは私たちとフウとセツと一緒、二人と2匹だね。

フウとセツの狩りのレベルが上達している。

とまあそんな感じで私たちは海を目指して旅立った

 

 

 

皆さんごきげんよう、リオとリーリャです。現在大絶賛引き籠り中です。

 

え?南の村はどうしたって?海を目指したんじゃないのかって?うん

、その通り。ハルーラから南下していたんだけれどね。

いや、途中でいい感じに小さめの森があったんですよね。街道から奥が見えない位の。

それと、覚えているかな?日課。

2人で覚えた【時空間魔法】『防音』のお陰で、ハルーラの宿に泊まっている間でも、日課は出来た、が。

で、このまま南の村に向かっても良かったのだけれど、宿でのドキドキの中、日課も興奮したが、2人だけの世界がなかったのだ。

それはそれ、これはこれ、という訳で、今、【ストレージ】から愛の巣(イエ)取り出して、日課と森の探索。ゴーレムを作ったり。

 

この森、実は楓の木がたくさん生えていて、ちょっと調べてみたらサトウカエデだったのですよ。つまり、メープルシロップが採れるわけです。糖分ですよ。糖分。

【鑑定】で調べてみた所、なんとシロップの採取も可能っぽい様子。大分時期が外れていたとはいえこの世界の植物は地球のものとかなり違うから、もしかしたら、とは思ったんだよね。

そうと分かれば、そりゃ全力で引き籠って集めますよ。ええ。これで色々お菓子も作れるからね?

あ、そうそう。【生活魔法】が遂にLv10になりました。カウンターストップですよ♪

それに併せて新しく使える魔法も幾つか増えまして。そのうちの一つが【避妊】。文字通りの効果ですよね。

但し、副次効果として生理を抑えるというか、症状を和らげる効果があり、症状が重い身としましては非常に大助かりでありますね、はい。

え?ゴーレムはどうした?ああ、ゴーレムね。はいはい。

うん、ちょっと日課の合間に思いつきまして、はい、それで作ってみようと色々試行錯誤を、最初に作ったのはウッドゴレームとクレイゴーレム。木と土ね。

そもそも最初は作り方がわからなかったので、【創造魔法】頼り。でも複雑すぎて作れなくても困るので、単純さうなものを選択。

次はそれらの解析。色々調べた。

 

そもそもゴーレムっていうのは魔石を核に、それに基本的な行動基準なんかを書き込む事で動く、らしい。

なので作ったゴーレムの魔力の流れを調べてみたりと、色々と。その間に【魔力感知】【魔力操作】のスキルが増えた。

リーリャは、元々、日常に魔法の概念がある世界から来ているので、【魔力感知】【魔力操作】のスキルを覚えるのは、私より早かった。

【魔力感知】は文字通り魔力を感じ取るスキル。基本的には【探知】の魔力版かな?

【魔力操作】は魔力運用の効率化?あとは魔力回路を書き込んだりとか?他にはMP消費が少し軽減されたりと、【創造魔法】の欠点が少しだけ改善。微々たる物だけれど、大助かりだねー。

で、色々試してみたのだけれど、複雑な動きとか柔軟性がある行動っていうのがどうにも難しくて。

例えばこう、反復行動をさせると延々と正確に繰り返すだけ。動きに揺らぎがないと言うか、遊びがないと言うか......こんな単純な動きしか出来なくて、これで気持ち良い、じゃない、戦闘とかで使えるのかなーと。

次に調べたのが自身での操作。

結果、自分の意思で思うように動かす事は出来た。但し、魔力消費が地味に多い。

関節構造も無いのに曲がって動いたり出来るのは、その部分で魔力が作用して曲げているかららしく?複雑な動きをさせようと捻ったりするとそれだけ消費が増えた。

ならば、と試しに関節を作ってみた所、消費は激減。

その後、思いつきで分割思考に制御を任せた所、わざわざ自分で制御をしなくても私の意思や意図を汲んで(クンデ)半自動的に動いてくれる事が判明。分割思考、とても便利。

ともあれ、これなら戦闘時に連携も出来る。つまり戦術の幅が広がる。

で、それらを総合すると....通常ゴーレムと比べ、より複雑化した行動も取れる構造が必要?.....自動人形?オートマタとかそういう?となると人型で、関節とかも.....いや、人体を模して内骨格構造から?人体構造は勉強していたので分かる。

そうなると素材やら作成の為のスキルやら、色々足りない。それにこの世界は魔法がある。使わない手はない。

なので、まずは魔法知識。次にスキル。そもそもにそれを作る為に必要な素材。先は長そうだね......。

と、そんな感じでゴーレム関係で色々やっていたら【ゴーレ作成】【ゴーレム制御】【オートマタ作成】と、新たに三つもスキルを習得。スキルレベルを上げる時間が本気で足りない。悩ましい....。

なんてやっていたらハルーラを出てからあっという間に3週間経っていた訳でして。いや、別に後悔はしていないよ?私たちにとって、日課は大事だからね♪私たちの『淫獣』レベル8に上がった。

砂糖が沢山手に入ったからね。あとは卵があれば色々お菓子も作れるんだけれどなあ.....ああ、卵焼きも食べたい。

 

 

という訳で一応一区切りついたので改めて海の村を目指して出発した訳だけれど.....えっと、また商人さんを助けました。

ゴブリンに襲われていたので、『シロッコ(熱風)・スピラーレ(螺旋)・ムニツィオーネ(弾)』で狙撃。物凄い感謝された。危うく死ぬ所だった訳だから分からないでもないけれどね。

そしてまたしても村まで乗せてもらえる事に。いや、凄くたすかるけれど。でも乗り心地は.....お尻が痛い。

で、助けた商人さん。

名前をロベルトさんと言うそうで、まだまだ駆け出し商人らしい。ちなみに18歳。私たちが今、目指している南の村出身で、ハルーラに塩を卸売りに行った帰りだったとか。

塩の商いはぼろいよねーなんて考えていたら、この辺り一体を治めている領主様の主な財源はその塩らしく、領内で捌いた場合は他の内陸領地に比べて利益率が低くなるとか何とか。それにぼろい馬車で遠出すると修理費や維持費で経費が嵩む(カサム)とかで、渋い顔をしていた。世知辛い。

そんな感じでお話ししつつ、丸一日程馬車に揺られていると南の村に到着した。

宿?ああ、宿ね。うん、探す必要は無かったよ。ロベルトさんの実家が宿屋だったから。ちなみに村の宿はこの一軒のみ。選択の余地無し。そして壁薄し。『防音』があるから大丈夫。あと、『界光』を張れば、私たちの部屋には入ってこられない。

村までの道すがら聞いた話では、冒険者ギルドの出張所があるとかで依頼なんかも受けられるらしい。但し、高額素材の買い取りは出来ないとか。出張所だしね。

まあ、別にお金を稼ぐのが目的で来た訳ではないから、薬草の在庫の売却で大丈夫でしょう。と言うか最大の目的は魚介類の仕入れと塩の入手だしね。

塩は、海辺で【創造魔法】を使えば直ぐ溜まる筈(ハズ)。

魚介類の仕入れは、まあお金は結構溜まっているからね。市場っぽいものの場所とか後で教えてもらおう、なんて考えながら宿で食事を取ったら.....これ、味噌汁(ミソシル)?しかもちゃんとお出汁を取ってある?あ、お出汁!?昆布?鰹節!

 

......探すものが増えました。

 

 

 

宿に泊まって翌日から早速行動開始。とは言ってもまずは聞き込みから。

あ、フウとセツは村の外に居るよ。流石に泊まれる所が無かった。

 

「あの、すみません。このお味噌汁(オミソシル)なんですけれど」

「あん?アンタ味噌汁知ってるのかい?」

「ええ、まあ。それで、これの出汁を取るのに使っている昆布が欲しいんですが」

「おいおい、そんな事まで知ってるのか」

 

詳しく話を聞いてみると、なんでもお出汁やそういったものを使うレシピは村外不出だとか。でも知っている人に聞かれたら売ってもいい、らしい。

これは転生者がどうの、という訳ではなく、単純に村の郷土料理として人を呼ぶために制限してるそうだ。

つまりはご当地グルメ?

ともあれ、干した昆布や鰹節も売ってもらえる事になった。後で市場の方に話を通しておいてくれるらしい。ありがたい。

うーん、お礼代わりにそれらを使ったレシピでも教えようかな?何が良いかな?鍋?でも余り難しいのとかは問題が起きそうな......そういえばさっきのお味噌汁に豆腐が入ってた。なら、湯豆腐?

 

「あの」

「うん?どうした?」

「いえ、お礼という訳ではないのですが」

 

湯豆腐のレシピは存在しなかったようで、非常に喜ばれた。まあ、昆布で出汁を取った後に豆腐を茹でるだけと言えばそれだけだけれどね。一応豆腐をつけて食べる為のつけ汁として、鰹出汁で醤油を割って出汁醤油とか、ポン酢もどきの作り方は教えておく事にした。

 

その後、早速教えてもらった市場へ移動。

商人さんはそこで買い付けをするらしいけれど、そもそも海産物は日持ちしないので、水魔法や氷魔法が使えなかったり保存の為の氷系の魔道具を持っていない商人はあまり買わないらしい。私たちには関係のない話だけれどね。

ただ、そういった理由で余り沢山獲って来ても仕方がないので、水揚げ量は少ないらしい、基本的に村内消費分のみ。

周囲を見回すと水を張った桶(オケ)やタライを並べて何人かの漁師さんが彼方(アチラ)此方(コチラ)に座り込んでいる。

覗き込んでみれば色々な種類の魚がぴちぴちしていた。カレイに鯛、鯖っぽいのも居る。取り敢えず(トリアエズ)全部買おう。

いつも、人々とのやりとりはリオに任せてある。私はというと、『報光』と警戒を使った、二重(ニジュウ)に警戒している。

 

「すみません、これ全部ください」

「は?全部!?」

「はい、全部」

「いや!買うって言うなら売るけど、いいのか?悪くなっちまうぞ?」

「大丈夫です。(ここだけの話、私たち【ストレージ】を持っていまして、内部では時間停止が行われているので)大丈夫ですよ♪」

「お、おう。わかった」

 

そのまま隣に移動してそこでも買い占め、更に隣へ。

うーん、カツオとかマグロは無いのかな?お刺身が食べたい。カツオのタタキもいいなあ。

ちなみに山葵(ワサビ)は結構な量を持っていたりする。森にいた時に川の上流の方に群生していたんだよね。

そのまま更に隣へ移動......しようとした所で後ろから声を掛けられた。

 

「おい、あんた。そんなに買い込んでも買うのか?」

「え?はい、もっと沢山欲しいです」

「誰かに沢山獲るように言った方がいい。それなら手間も減るだろ」

 

なんでも全部買い取りする前提で依頼すればがんがん獲ってくれるそうだ。それは助かるね。買うよ。超買うよ。

という訳で全部買い取る前提で漁師さんに交渉せねば!えーと?

じゃあ誰かに.....と顔を上げると漁師さん達が集まってきて自分が自分が、と立候補。いや、流石にそこまで沢山はいらないよ。

 

「えっと、じゃあ、わざわざ教えてくださった親切な貴方にお願いしたいのですが」

 

こういう時は筋を通すのが無難ですよね、という事で親切に教えてくれたこの人にお願いする事にした。最初は渋っていたけれど、先払いで銀貨1枚渡したら飛んでいった。

まあ、こんなフード被って顔を隠している怪しい奴の依頼、保証も無しには、ねぇ?

そして次は昆布と鰹節を買い込む事に。きちんと宿屋から話が行っていた様で問題なく買う事が出来た。でも折角なので大量に買い込む事にする。

次にいつここに来られるか分からないからね。だからこれは当然の行為。決して略奪ではない。商人さんの顔がちょっとひきつっていたけれど気にしない。

 

その後は、海辺でボーっとしていた。いや、何もしていない訳ではないよ?【創造魔法】を使って、ひたすらに塩を作っていました。兎に角(トニカク)沢山。ついでにニガリもゲット。大豆は普通に売っているから、これで豆腐も自作出来るよ?自給自足はいいものだ。

お昼も済ませて、午後も同じ所でボーっとしていたら流石に怪しまれたので、途中で村のはずれの方まで海岸沿いに探索をする事にした。

そっちの方は岩場になっていて、転んだら怪我をしそう。危ないなー。

でもよく調べてみると岩海苔(イワノリ)が群生していたので回収して回った。一応、絶滅させるような事はしていない。

でもこれで板海苔が作れる!おにぎりに海苔が巻ける!あ、巻き寿司とか、海苔巻きもいいよね.....ここなら、海鮮巻きとか?じゅるり。

そしてふと思い立って色々作れないか試してみた。ここにしかない素材は沢山ある。

それにいざという時の為にも色々と備えがあった方が良いからね?

 

夕方に頼んでおいた魚を引き取った後は宿に帰って海鮮物に舌鼓。まさかお刺身が食べられるとは!それに蟹とか海老とかも獲れるんだね、ここ。やばいね。早速明日獲ってきてもらえる様に頼もう。

 

次の日も昨日の漁師さんに魚や海老、蟹等も頼み、他にも市場で色々仕入れていると貝類も発見。自分の漁の合間に獲ってくるらしい。これは是非(ゼヒ)とも買い込まねば!という訳でこれも全部買い取るからとにかく沢山獲ってきて欲しいと依頼。すると、村中(ムラジュウ)の女子供が姿を消した。

......みんなでこぞって獲りに行ったらしい。

.....私たち、薬草の売却代とフウとセツが倒してくれた、オークやオーガの売却代も持っているから、全部、買い取れるかな?

足りると思うけれどギルドに薬草を売却にいったら、なぜか職員に大喜びされた。

やはりと言うか何と言うか、ここは田舎の村なのでそういう薬草の供給量が全然足りてなかったらしい。でも1日に買い取れる金額の限界ギリギリだったそうで、微妙に涙目だった。

ちなみに海老や貝類の買い取りは余裕でした。

 

 

と、そんな感じで色々集めている内に数日が経過。

その日の午後も岩場の方でボーっと製塩(セイエン)したりしていると、なにやら村の方が騒がしい。

 

村に戻ってみると、領都へと続く街道の途中に大きな牛系の魔物が出たらしい。既に怪我人も出ているとか。

今、村に居る冒険者はほとんどが商人の護衛だ。それ以外の少数は村出身の人達ばかりで、せいぜいがゴブリンを相手に苦戦するレベルだとか。

そして、件(クダン)の魔物を相手取れるような手練れ(テダレ)の冒険者となると、商人の護衛に雇われている人の中でも一部らしい。

私たち?私たちは討伐は受けられないから、どうしようもない。でも牛肉か.....食べたいなあ。

なんて不埒(フラチ)な事を考えていたら馬車が数台戻ってきた。噂の牛の魔物に襲われたらしい。

その人達から聞いた所によると、牛の魔物の正体はマッドブル。基本的には魔物化して巨大化した牛、という認識で間違いない。但し、巨大化した魔物の中でもかなり上位に位置する。

しかも今回、出たのはかなり大きい個体らしく、通常のマッドブルよりも二回りは大きいとの事。それもその数が2体。ヤバくない?

牛系の魔物が徒党を組んで移動している。

2体もいたら、私たちも出た方がいいのかな?

どうしようか暫く迷っていると、戻ってきた商人の中にロベルトさんが居る事に気付いた。向こうも私たちに気付いた様で此方に寄ってくる。

 

「いやはや、参ったよ。危うく馬車を壊される所だった」

「大丈夫だったんですか?」

「別の商人が1人、馬車を壊されて荷物もそのままに逃げてきてる」

「それはなんというか.....御愁傷様ですね」

「まったくだ。いや、笑い事じゃないんだけどな」

 

苦笑しながらそう言う。

 

「そういえば、アンタたちは討伐に行かないのか?何人かは行ったみたいだが」

「ああ、私たちはまだ11歳なので、討伐は受けられないのです」

「......そうだったのか」

 

ちょっと驚いた様子だけれど、余計な事を言わない所は好感が持てるね。でも視線が私たちの胸部装甲の辺りを彷徨って(サマヨッテ)いるので、その分はちょっと減点。

 

「しかし、そうするとどうしたもんかな」

「何かあるのですか?」

「いや、向かった連中、全員この村のやつなんだがな、とてもあれを倒せそうな連中じゃないんだよ。でもアンタたちの狼とあの変な攻撃なら倒せるんじゃないかって思ったんだけどな」

 

んー、そう言われてもなあ。討伐目的で倒してしまったら私たちが罰を受けてしまう。こっそりやればいい?これだけ騒ぎになっているのに、それは無理。どう考えてもすぐにばれる。

 

「正当防衛で返り討ち、じゃないと私たちが倒すのはまずいですね。あとはロベルトさんを助けた時みたいに緊急だった場合とか」

「......アンタたち、村に用事があって来たって言ってたよな?もう終わったのか?終わってるならその後の予定は?領都に行くのであれば、移動の途中で襲われたって事にすればどうだ?」

「すみません、用事はもうちょっとかかります。それに、その後はハルーラに帰る予定なので.....」

「それじゃあ無理か.....」

 

「すみません、ちょっと良いですか?」

 

3人で唸っていると、後ろから声をかけられた。

で、私たちは今、馬車に揺られている。フウとセツも一緒に。

あの後声をかけてきたのは、なんと冒険者ギルドの職員。

私たちなら倒せる前提で色々話し込んでいたのが聞こえて、何とか抜け道がないか考えてくれたらしい。余計な事を......いや、あんな人が大勢居る所でそんな話をしていた私たちが迂闊(ウカツ)だったんだけれど。

 

提示された方法はこうだ。

まず、私たちがロベルトさんから護衛依頼を受ける。護衛依頼はDランク以上推奨。但し、推奨であって限定ではない。

次に、ロベルトさんは村に忘れ物をしたまま領都へ向かう。その途中で牛を倒し、その時に忘れ物に気付いて村に戻る。

村に戻った所でロベルトさんは契約上の不備に気付き、護衛依頼をキャンセル。

抜け道どころか酷い詭弁(キベン)だけれど、建前があればどうとでもなる、と職員さんは言っていた。いいのか、それで。

 

と言うか流されるままここまで来ちゃったけれど、別に私たちが倒さなくても良いよね?放って置いても良かったよね?なんだがこういうミスしょっちゅうやっている気がする。目立ちたくないのに.....。

釈然としないまま馬車に揺られていると、やや遠くに牛が2体見えた。でもこの距離であの大きさって、遠近法狂ってない?

でももう私たちは色々面倒になって早く帰りたくなってしまっているので、さっさと倒してしまいたい。ここからの狙撃で倒してしまおうと目を凝らしてみると、先に村から出て行ったという冒険者達が蹴散らされているのが見えた。

んー、邪魔だね。誤射しそう。

どうしたものかと考えていると、蹴散らされていた冒険者諸君がこぞって此方に走ってくる。戦術的撤退かな?

 

「おい、撤退か?」

「ロベルトか!?ありゃ無理だ!とても倒せそうにない!せめて街道から追い返せればと思ったんだが......」

「そりゃゴブリン相手に苦戦するお前等じゃ無理だろ?」

「そう言うなよ!と言うか、お前は何しに来たんだ?馬車は壊されちまうぞ?」

「ああ、アレを何とか出来そうな心当たりがあってな、ちょっと無理を言って連れてきた」

「あれを!?もしかして、そのちっこいの2人か!?無理だろ!」

 

小さくないよ。ああ、フウとセツが怒っている。静まれー静まれー。

フウとセツを撫でて宥めている間にもロベルトさんと冒険者達は色々言い合いを続けている。ロベルトさん達の話はまだ終わってないけれど、早く帰りたいからさっさと終わらせる事にしよう。馬車から降りて前に出る。

 

「フウとセツ、狙撃しやすい様にあれを上手く此方に誘導、お願い出来る?」

「わふぅ」

「わふっ」

 

フウとセツがものすごい速さで駆けて行ったかと思えば、牛の足元で動き回って動きを邪魔し始める。そしてそのまま暫く様子を見ていると、牛が此方に向かって走って来た。うん、いいね。

私たちの複合魔法を5本射出。

『フルミネ(雷)スパーダ(剣):シロッコ(熱風)・スピラーレ(螺旋)・ムニツィオーネ(弾)』が、

 

バリッバリッ!ゴロゴロゴロゴロッ!.....ズシン。

 

牛系の魔物の頭部と四肢を吹き飛ばされて、その魔物は胴体だけになり、地面に落ちた。

 

「終わりましたよ」

 

振り返ってそう言うと、皆固まっていた。

......やっぱりちょっとやりすぎたかもしれない。牛の魔物には、この複合魔法は強力過ぎた。

 

 

 

胴体だけになった牛は雷で焼け焦げた様な無残な姿に変えた後、村に帰るとお祭り騒ぎになった。

 

やめて!そっとしておいて!

主役の嬢ちゃんたちが居ないと話にならないとか言われても、別にそういうのは間に合っていますから。いや、ご飯は美味しかったけれど。

村出身の冒険者諸君がちらちらと此方を見ていたけれど、全力でスルー。フウとセツが居なかったからもみくちゃにされていたね。流石、私たちの女神様達。

なので牛退治の様子については私たちに代わってロベルトさんと冒険者諸君が村人達に話してくれました。でも歓声が上がる度に視線が私たちに集中して酷く落ち着かない。せめてゆっくりご飯を食べさせて下さい.....。

タイミングを見計らって(ミハカラッテ)宿に逃げ帰ると、暫くしてから屁理屈(ヘリクツ)を考えてくれたギルド職員さん手紙を持って来た。今回の顛末(テンマツ)について書かれたもので、ハルーラに帰ったらギルドマスターに渡す様に、との事だった。

私たちが罰を受けたりしない様に考えて、対処してくれたらしい。正直ありがたい。

 

さて、次の日になって私たちはハルーラに帰る事にした。

昨日の1件のせいで非常に居心地が悪くなってしまい、長居する気が無くなってしまったのだ。だから朝一で市場で最後の魚介類の買い占めをした後、こっそりと村を出て行く事にした。

途中で村人に見つかったけれど、引き止める言葉もそのままに爽快に逃走。ところが村を出て暫く歩いていた辺りでロベルトさんが追いかけて来て、馬車に乗せてくれた。

ハルーラ行きの街道にも途中で領都への分岐路があるので、昨日のお礼代わりにそこまで乗せて行ってくれるらしい。いや、楽ができるから助かるけれど。

分岐路でロベルトさんと別れた後はハルーラを目指してゆっくりと徒歩で移動。ここからなら確かもう3~4日も歩けば着く筈(ハズ)?

とはならずに、予想通り往路で3週間、引き籠った森で5日程過ごしました。仕方がないよね。うん、仕方がない。日課(リオとリーリャのラブラブイチャイチャ)をしないといけない。

南の村には、仕入れに行っていたので、宿では性欲を禁じていた分、3日3晩、ラブラブイチャイチャ楽しんだお陰で『淫獣』がレベル10。カウンターストップしました。

 

そんな感じでだらだら進んでいると、左手にやっとハルーラの南の森が見えてきた。ここまで来れば、後はもう少しだ。

懐かしいなあ。結局1ヵ月以上遠出(トオデ)していたしなあ。

ここからがまた長いんだよなあ、なんて考えながらてくてくと歩いていたら、少し先の辺りの森の中から、冒険者風の人が2人転がり出てきた。

なんだか凄く慌てているような、切羽(セッパ)詰まっているような?なんて思う暇も暇もなく、木々(キギ)をなぎ倒しながらオーガが現れた。

え、オーガ?なんで?このままだと危ない?助けた方がいい?ああ、でも緊急時に一般人や商人を助けるならともかく、他の冒険者の獲物を横取り、と言われても仕方がない状況の場合は見捨てるのも有りなんだっけ?

無駄に目立つのも嫌だし揉めるのも面倒だし、ここはスルー一択?と、判断しようとした所で、、尻餅をついた冒険者と目が合った。

 

「た、助けてくれ!」

 

確か、冒険者からの救援の言葉があった場合は、魔物の取り分は助けた冒険者の物になる、だっけ?

私はリーリャと目で合図を交わし、私が冒険者2人を風魔法『暴風(ボウフウ)』で護り(マモリ)、オーガの相手はリーリャに任せる。

リーリャは、私と冒険者2人を背にして立ち、オーガを見つめる。照準を合わせる様に。

 

「光魔法『槍光(ソウコウ)』を数十本。速度800。照準、オーガ。......射出」

 

数十本の光の槍を、オーガ目掛けて飛ばす。狙われたオーガは、左側半分が吹き飛び、怒りが頂点に達し、標的をリーリャに変え、オーガの大剣が振り下ろされる。

 

「光魔法『刀光(トウコウ)』」

 

リーリャが発動した光の刀が、オーガの大剣を自分の右側に光の刀で受け流し、右回りに回転しながら、遠心力を上乗せした光の刀でオーガを横一閃の下(モト)、両断して切り伏せた。

 

「お疲れ様、リーリャ♪チュッ♥」

「エヘヘ、どういたしまして。リオ♪チュッ♥」

 

オーガを倒して、リーリャはセツに癒されている。

 

「大丈夫ですか?」

「あ...ああ、助かった」

「えっと、このオーガは私たちが頂いても?」

「......ああ、構わない。俺はなにも出来なかったからな」

「おい、俺達が戦ってた所に横から来たんだぞ?俺達にも分け前をもらう権利があるだろう?」

「そう思うならお前1人で交渉しろ。俺はまったく歯が立たなかった。その上助けてもらったんだ。なのにそんな厚かましい事を言うなんて、とても出来ない」

「だったら、オーガを復活させましょうか?リーリャに頼めば、両断される前に戻せますよ。リーリャ!」

 

私に呼ばれた、リーリャが駆け寄ってくる。

 

「どうしたの、リオ?」

「回復魔法を使えたでしょ」

「使えるけど、もしかして」

「そう。斬り倒してたオーガに頼める?」

「完全な状態はまだダメだけど、左側半分が無い状態までなら、治せるよ」

「じゃあ、お願い」

「オッケー♪」

「という訳だから、私たちは離れた所から、オーガを治すから、後は冒険者お2人でどうぞ」

 

私たちが、その場を離れようと準備に入っていると、呼び止められた。

 

「おい、あんたたちは今、何をしょうとしているんだ?」

「貴方の相方が不服そうなので、親切に回復させて上げようかと。私たちはまた、襲われたくないので離れた所から回復させますので」

 

リーリャからの、移動の準備か完了した報告が入る。

 

「では、お気をつけて、オーガを倒してください」

「ま.....待ってくれ!相棒には、謝らせるから。どうか、勘弁して欲しい」

 

土下座をして、渋っていた相棒にも土下座をさせている。

 

「すまない。この通り。謝るから。相棒の無礼を許してくれないか?」

「俺が悪かった。それだけは、勘弁してくれ」

 

リーリャにオーガの回復をしなくていい事を伝えた。

 

「何でこんな所でオーガと?」

「うん?ああ、向こうから来たって事はまだ知らないのか。1週間位前にオーガの目撃情報があったんだよ。で、その後直ぐにいくつも被害が出た。死人は無かったけどな」

「それで、ギルド主体で討伐隊が組まれる事になったのさ。斥候(セッコウ)の話だとオーガは20匹位って事らしくて、少し多めにCランクが2パーティー、Dランクが5パーティーだ。その上ギルドマスターが指揮を執る(トル)んだから、多少怪我はするだろうが十分すぎる戦力だ。普通なら、な」

「ああ、その筈だった。でも実際森に入ってみれば、唯のオーガの群れじゃなかった。オーガーロードに統率された群れだったんだ」

 

オーガーロード......。

オーガに限らず、支配者級が統率する魔物の群れは戦闘能力が跳ね上がる。ゴブリンであればゴブリンキング、オーガならオーガロード。或いは(アルイハ)それらに準ずる上位個体。そういった上級の指揮個体が居る群れは配下達に対してスキルによる支援効果が与えられ、各能力値に補正が掛かる、らしい。

 

「ウウウウ.......」

「ガウゥゥゥ.....」

 

あれ?なんでかわからないけれど、さっきからフウとセツが不機嫌だ。どうかしたの?

フウとセツは、リーリャに宥めてもらっている。

 

「それで、どうなったんですか?」

「.....森に入って暫くは良かった。遭遇するオーガは1~2体で、囲めば普通に倒せた。でも、5体程倒した後だった。ロードが統率する群れに遭遇したんだ。圧倒的だったよ。Cランクの連中は何とか頑張ってたが、Dランクの奴らがあっと言う間に蹴散らされて逃げる羽目になった。俺もだけどな」

「多分、今も森の中で戦っている。囲まれて、とても逃げるどころじゃない筈だ....」

「そうですか....でも、オーガロードなんて急にどこから」

「なんでも、西の森の方から来たらしい。途中にある村も幾つか襲われたそうだ」

 

西の森から....って、西の森?もしかして私たちが引き籠っていた森?あの森にそんなやばい奴が居たとは....んん?前にもこんな事を考えた事があったような?なんだかフウとセツの不機嫌さが治まるどころか激しさを増しているのが、何か引っ掛かっている。

........あ、もしかして。

 

「フウとセツ、初めて会った時に怪我をしていたよね?あれってもしかして?」

「グルルルルル!」

「ガルゥゥゥ!」

 

どんぴしゃ、正解っぽい。

あの時、フウとセツに怪我を負わせたのが、多分、今この森に居るオーガロードなんだ。それを聞くとフウとセツの為にも仕返しをしてやりたい気分になってくるけれど.....ふむ。

 

 

 

こんにちは、リオとリーリャです。私たちは今、森の中で息を潜めています。

 

あの後、助けた冒険者達に助力を請われた(コワレタ)。けれど、年齢制限や元々討伐隊に参加していない事を理由に辞退しておいた。

助けた冒険者達は森の外に指定された緊急時の集合場所に行くと言って去って行ったので、それを見送った後に私たちはこっそり森に入った。

いや、フウとセツにはいつもお世話になっているからね、復讐(フクシュウ)の手伝い位はしないと。

ただ、基本的に私たちは目立ちたくない。ついでにオーガロードに近接戦を挑める様な能力や武装は一切ない。

優位に戦う為に、私たちは風と雷の複合魔法を創った。遠距離からの狙撃。

という訳で色々考えて、フウに手紙を持たせてセツと一緒にロードがいる現場に向かわせ、私たちは高い木の上に隠れて息を潜めている。

うーん、遠目にオーガっぽい集団と冒険者っぽい集団が戦っているらしい様子は見えるけれど、目を凝らしても良く見えない.....なにか、視力を強化とかできないかな?目に魔力を流して、とか、何か(ナニカ).....あ、出来た。おおお、凄く良く見える。

 

フウに持たせた手紙はギルドマスターに向けたものだ。今回の討伐隊、ギルドマスターも同行しているらしい。あのムキムキの見た目通り、元はBランク上位の冒険者だったとか。

で、肝心の手紙の内容は、

 

『1.討伐したオーガの素材の分配

2.討伐の年齢制限違反への罰則の免除

3.討伐後の私たちの情報隠蔽

4.討伐後に発生する私たちへの不利益からの擁護(ヨウゴ)

上記条件に同意するのであれば、その旨(ムネ)をセツにお伝えください。セツの遠吠え(トオボエ)が聞こえ次第、狙撃を開始します。』

という感じ。まあ、いつも連れていたフウとセツが出向けば私たちの関与はばればれだろうけれど、それでも姿を見せなけれは言い様はある、筈?

 

強化した視覚で様子を窺う。なんだか見覚えのある様な冒険者が何人か......あ、あれ、ストーカーのニール達だ。うへえ。

オーガロードを倒したら、私たちは萎えた(ナエタ)気分を上げる為に、今日の夜はイチャラブしないといけないね♪

なんて考えていると、オーガに囲まれて苦戦している討伐隊の元にフウとセツが飛び込んで行くのが見えた。

最初は警戒して居る様子だったけれど、フウが手紙を咥えているのに気付いたギルドマスターが冒険者達に指示を出し、フウに近づいていく。

フウが咥えていた手紙をギルドマスターに渡し、それをギルドマスターが読んでいると.....うわ、凄い顰めっ面(シカメッツラ)になった。

暫く考え込んだ後に、セツに何か言っている。多分同意かな?すると間も無くセツの遠吠えが響き渡った。よし、攻撃開始だ。

とは言ってもいきなりオーガロードを狙うのは無理。だって周囲にオーガが沢山居るし。肉の壁?数は.....16。ある程度は減らしてからじゃないと駄目だね。

リーリャが光魔法『剣光』をセット、私が風魔法でオーガへの『風の路』で速度を600。狙って、射出。命中、倒れた。よし、次。

次も射出。全弾命中。オーガロードは.....まだ厳しいかな?もう少し減らそう。

討伐隊はどうなっているかな?って、驚いて固まっちゃっている。危なくない?仕方がない、どんどん減らそう。ザクザク。

あら、配下のオーガが此方側に固まってオーガロードを守り始めた。もうちょっと減らさないとロードを狙えない....って、討伐隊、邪魔!まぁ、風魔法で射出しているから、別にいいけどね♪

どんどん射るよ。不規則な方角から『剣光』が飛んで来て、オーガもびっくりしている。オーガロードを守っていたオーガが居なくなり、残りは、オーガロードが2体。

次はオーガロードを狙撃して隙を作って、2体の止めは、フウとセツが刺す。私たちの四方八方からの攻撃に困惑している。

 

速度800。消費MPは180。もう少し速度を上げる。

オーガーロード、2体に向かって、速度1000。2人の消費はMP200。

『ディーオ(神)ヴェロチタ(速)・フルミネ(雷)スパーダ(剣):シロッコ(熱風)・スピラーレ(螺旋)・ムニツィオーネ(弾)』

視力を限界まで強化。照準.........射出。

2体のオーガロードの膝を撃ち抜き、その場に跪いた。その隙を逃さずフウとセツが飛び掛かり、前足を振るうフウの風の刃がオーガロードの頸(クビ)を跳ね飛ばし、セツの鋭い牙がもう1体のオーガロードの頸を食いちぎった。

......勝ったね。

 

その後は暫く様子を見ながら待機しつつ、タイミングを見計らってギルドマスターの元に向かった。他の冒険者達は残った6匹のオーガの掃討(ソウトウ)に散って行ったので、会いに行っても問題無い。リーリャは挨拶だけしてフウとセツを労っている。

 

「「......こんにちは」」

「おう、こんにちは」

「大丈夫でしたか?」

「おかげさんでな.....助かったよ。従魔だけじゃなく、嬢ちゃんたち自身もオーガを倒せるだけの力があるとはな....恐れ入った」

「遠くから隠れてこそこそ攻撃しただけです。近距離でまともに戦ったらあっと言う間に殺されちゃいますよ」

「いや、戦い方ってのは人それぞれだ。あんたたちの戦い方は他人に非難される様なものじゃない。何より、あの命中精度にあの威力。賞賛に値するぞ」

「そういうものですか.....あ、それであの条件の方は守って頂けるんですかね?」

「ああ、大丈夫だ。今、Cランク2パーティーに有望なDランク数パーティー、それに俺がまとめて死ぬなんて事態に比べれば、あの程度の条件は破格だ。問題無い」

「そうなんですか?」

「ああ.....今、ハルーラは人手不足でな。王都や領都の方と色々やってはいるんだが、人が増えるにはまだ時間が掛かる」

「はあ」

「興味なさそうだな.....まあいい。それで素材の分配、罰則の免除は良いとして、その後の情報の隠蔽ってのは何だ。名声が欲しくないのか?」

「えーと、目立ちたくないので?」

「理解出来ん.....いや、面倒事を嫌がってるってのは何となく分かるんだが。で、次の擁護?だったか?此方は出来る事が限られるが、まあ出来る範囲で何とかしよう」

「「ありがとうございます」」

「いや、礼を言うのは此方の方だから気にしなくて良い(イイ)。それで素材の分配はどうする?此方で買い取って現金で渡すか?」

「あ、そうですね。それでお願いします。2人分」

「そこまで、念を押さなくても、わかっている。ちゃんと2人分渡すから、このオーガロード2体と取り巻きの死体、ギルドまで運びたいんだが手伝ってもらうのは可能か?流石に討伐隊全員でもこの数を運ぶのは難しい」

「あー、掃討に行った人達が戻って来る前に退散したいんですが」

「そう言えば秘密にして欲しいんだったな.....じゃあ、外の緊急時

の集合場所まで持って行ってもらうのも難しいか?」

「そこには別の人達が居るんですよね?そうなると、ちょっと.....」

「だよなあ......いや、いい、分かった。無理言ってすまんな」

「お役に立てず申し訳ないです」

「いいさ、時間はかかるが何とか出来ないわけじゃないからな。っと、そろそろここから離れた方がいいんじゃないか?」

「そうですね。では、先にハルーラに帰っていますか」

「わかった、また後でな」

「「はい」」

 

という事で確認も完了。私たちはギルドマスターにわかれを告げ、フウとセツと共に颯爽(サッソウ)と森から離脱!

 

後顧(コウコ)の憂い(ウレイ)もなく人助けも出来て良かった良かった。

 

久しぶりのステータスを確認。

 

【名前】リオ

【種族】天帝人族

【職業】孤児→森の住人→Eランク冒険者(テイマー、アーチャー、エンチャンター)

【称号】探求者/狙撃手

【年齢】11歳

【性別】女

【HP 500/500】

【MP 750/750】

【STR 10】

【VIT 10】

【AGI 10】

【DEX 15】

【INT 1600】

【MGC 1300】

【CHA 150】

【LUK 7】

スキル

【鑑定:Lv 10】

【ストレージ:Lv 10】

【創造魔法:Lv 10】

【魔法付与:Lv 2】

【技能付与:Lv 2】

【魔法適正:全属性】

【火魔法:Lv 10】

【水魔法:Lv 8】

【氷魔法:Lv 5】

【土魔法:Lv 7】

【風魔法:Lv 10】

【光魔法:Lv 6】

【狙撃:Lv 7】

【連射:Lv 3】

【身体強化・魔力:Lv 1(STR・VIT・AGI+10)】

【魔力操作:Lv 3】

【魔力感知:Lv 3】

【オートマタ作成:Lv 1】

【ゴーレム生成:Lv 3】

【ゴーレム制御:Lv 4】

【魔道具作成:Lv 4】

【調合:Lv 6(DEX+3)】

【鍛冶:Lv 3(VIT+1)】

【金属加工:Lv 7(DEX+3)】

【革加工:Lv 6(DEX+3)】

【木工:Lv 6(DEX+3)】

【服飾:Lv 6(DEX+3)】

【生活魔法:Lv 10】

【身体制御:Lv 5(DEX+2)】

【警戒:Lv 6】

【探知:Lv 7】

【隠身:Lv 7(AGI+3)】

【鷹の目:Lv 3】

【料理:Lv 8(DEX+4)】

【家事・総合:Lv 5(DEX+2)】

【礼法:Lv 4(CHA+2)】

【ダンス:Lv 4(CHA+20)】

【農業:Lv 4(VIT+2)】

【採取:Lv 9(DEX+4)】

【時空魔法:Lv 10】

【空間魔法:Lv 10】

【時空間魔法:Lv 10】

【異常耐性:Lv 5】

状態異常:空腹・疲労・痛覚

【淫乱(インラン):Lv 10(CHA+50)】

【淫獣(インジュウ):Lv 10(CHA+100)】

【巨乳:Lv 10(CHA+50)】

 

【名前】リーリャ

【種族】天帝人族

【職業】孤児→森の住人→Eランク冒険者(テイマー、アーチャー、エンチャンター)

【称号】探求者/狙撃手

【年齢】11歳

【性別】女

【HP 500/500】

【MP 750/750】

【STR 11】

【VIT 10】

【AGI 11】

【DEX 15】

【INT 1600】

【MGC 1600】

【CHA 150】

【LUK 7】

スキル

【治癒魔法:Lv 10】

【ストレージ:Lv 10】

【魔法付与:Lv 2】

【魔力譲渡:Lv 10】

【魔法適正:全属性】

【火魔法:Lv 5】

【水魔法:Lv 10】

【氷魔法:Lv 10】

【土魔法:Lv 10】

【風魔法:Lv 3】

【雷魔法:Lv 10】

【光魔法:Lv 10】

【闇魔法:Lv 5】

【狙撃:Lv 7】

【連射:Lv 3】

【身体強化・魔力:1(STR・VIT・AGI+10)】

【魔力操作:Lv 3】

【魔力感知:Lv 3】

【身体制御:Lv 5(DEX+2)】

【警戒:Lv 10】

【探知:Lv 10】

【隠身:Lv 5(AGI+3)】

【鷹の目:Lv 5】

【料理:Lv 8(DEX+4)】

【礼法:Lv 4(CHA+2)】

【ダンス:Lv 10(CHA+50)】

【農業:Lv 4(VIT+2)】

【時空魔法:Lv 10】

【空間魔法:Lv 10】

【時空間魔法:Lv 10】

【異常耐性:Lv 5】

状態異常:空腹・疲労・痛覚

【淫乱:Lv 10(CHA+50)】

【淫獣:Lv 10(CHA+100)】

【巨乳:Lv 10(CHA+50)】

 

とうとう、『淫獣』もカウンターストップ。

 

「ねぇ、リーリャ。私たちって、とてもエッチなのかな?」

「そうだね♪嫌な事があれば、慰めあっていたから、リオ♪」

 

このスキルが上がるのは、仕方がない、ねっ♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。