※この作品はR-18です。

異世界に女の子麗桜《リオ》として転生して生きていく   作:リュウコウ

8 / 8
リーリャ『報光』
[黄]=フウとセツ追加。

リオ
【鍛冶:Lv 3(VIT+1)】
【侍:Lv 1(VIT+1)】

リオとリーリャ
【料理:Lv 10(DEX+4)】


リーリャ
【剣士:Lv 3(VIT+1)】

神剣


神刀(オリジナル)
白光刀(びゃくこうとう):光属性
闇黒刀(あんこくとう):闇属性

聖剣

暗黒剣










8 領都~王都 ~牛乳と卵を求めて~

領都に着いて宿をとってフウとセツを預けた後、夜まで時間もあるので市場を見て回る事にした。ギルド?なんとなく面倒な事になりそうなのでスルーで。そもそも仕事を受ける時間も無いし、受けたとしても薬草採取くらいしかできないし?

 

なんて考えつつも露店から店の軒先まで色々と見て回ってみる。

ハルーラで見かけなかったものも色々あるなあ。

というか、どれもこれもなんだかちょっと安い?卵もちらほら見かけるけれど、ハルーラで聞いた相場よりも若干安い。いや、高いのもあるんだけれど、どういう事?わからない事は知ってそうな人に聞くのがベター。というわけでリリーさんに聞いてみる。

 

「あ、それは人が多いからですよ」

 

((人が多いから?))

 

「えっと、なんと言えばいいのか......」

 

((んー?あ、需要と供給って事?))

 

「消費者が多いから供給量も増えて」

「結果的に流通も安定するから仕入れ値が下がって」

「「売値が下がる、ということだですか?」』

「...........そうです。今の一言でよくそこまでわかりましたね」

 

((それはまあ、色々とね))

 

「其の(その)理屈から行くと、王都はもっと物価が安いという事ですか?」

「其処(そこ)は物によるというかまちまちというか........たとえば此処(ここ)でいい品質の小麦を買うのと王都で買うのとを比べた場合は王都のほうが高いです。でも、同程度の低い品質のものを買い比べるなら、王都のほうが安いです。後はものにもよりますが、手に入りにくいものは地方のほうが高くて、王都のほうが安かったりもします。消耗品や食料なら基本的に生産地のほうが安いですし、其処(そこ)から遠い街なら高いです。でも高級品なんかは何処(どこ)でも高いですし、品質によっては天井しらずですから」

 

((ふむう))

 

..........ちなみに卵は王都で買うとハルーラの5分(ごぶん)の1くらいの価格らしい。養鶏(ようけい)村の数と規模が相当違うとか。

 

「地方は消費量が少ないですし、持っていくのに手間もかかりますからね」

「「ああ、移動にかかるコストを値段に乗るわけてわすか」」

「ふふぅ♪」

「「どうしたのですか、リリーさん?」」

「いえっ。ただ、ちょっと可笑しくて。リオさんとリーリャさんは本当に仲が良いのですね(よいのですね)」

 

私たちは、顔を見合わせて、頬を赤くする。

 

「お2人が言うとおりで、そういう事ですね。そういった諸々(もろもろ)を考えると、王都の物価は高いほうだと思います。家賃も高いですし」

 

なるほどなー。そう考えると住むなら王都より領都のほうがいいのかも?

 

「流通の難しい海の魚とかはどうなるのですか?」

「塩漬けの魚でも海からの距離が離れるほどに高くなります。生だと値上がり具合が酷い事になりますね。魔法を使って保存しつつ運ぶという方法も無いではないですけど、そういう方法は上級貴族や王族の方々(かたがた)じゃないと難しいと思います」

 

((なるほど、つまり))

(今、私たちの【ストレージ】内にある大量の海鮮品は)

(凄く高く売れると)

((売らないけどね))

 

干物や天日干しとか、教えたら流通事情ががらりと変わりそう。面倒事に巻き込まれそうだから教えないけれどね。私たちで作って私たちで食べる程度にしておくのが無難無難。

 

「そういうわけなので、此処(ここ)では見るだけにしておいて、買い込むのは王都のほうがいいですよ」

「.......そういう、基本になる価格って、何処(どこ)が決めてるのでしょう?王都の価格が基準になって結果、地方は割高になるとなると、色々不満が出る気がしますけれど......価格、仕入れ、流通、となると商業ギルド?ギルドの独断という事は無いと思いますし、そのあたりは行政を司っている(つかさどっている)王族の方々(かたがた)ともある程度は話は通っているのでしょうか?」

「ええと、そのあたりの事は流石に私にはちょっと.......」

 

((そりゃそうだ))

 

「すみません、ちょっと気になっただけですので。......んー」

「王都よりも此処(ここ)で買うほうが安いものってありますか?」

 

折角(せっかく)領地にいるんだから此処(ここ)ならではのものとかあれば買っておきたいかな。

 

「そうですね、此処(ここ)だとお米ですね。国内のお米の生産地は東の方(ほう)で、王都への流通はここを経由するので」

「買いましょう。たくさん買いましょう」

「(本当にリオは、お米が欲しかったのですね♪私が居た世界にもお米はありましたが、主食はパンが多かったですけれど)」

「(私もパンは食べていたけれど、お米を食べていた方(ほう)が多かったからね)

 

「そう言うと思ってました.......」

 

達観したような表情のリリーさんとアリサさんを連れて、れっつ、米探し!

【鑑定】を使って見て回ると、あるわあるわ。古米混ぜてるやつがたくさん。気持ちはわかる。たがスルーする。

 

「彼れ(あれ)?リオさんリーリャさん、此処(ここ)なんかいいんじゃないですか?」

「其処(そこ)はダメです」

「下半分が古米みたいたの」

「え.......」

「ちなみに彼方(あっち)のは3分(さんぶん)の2くらいが古米で満遍なく(まんべんなく)混ざっています。其方(そっち)のは半分くらい混ざっていますね」

「.........本当ですか?」

「信じる信じないは自由ですよ」

「ですね。私とリオは相思相愛なので、信じていますよ♪」

 

私は、胸を張る。

 

「「は......ははは」」

 

信じられないものを見るような目で見ないでください。それもこれもLv 10の【鑑定】スキルと【解析】スキルのせいです。お陰様(おかげさま)で。

ちなみに言い当てられた商人達はそっと目を逸らしたり。いや、別に責めているわけではないから。ただ、貴方達からは買わないってだけで。........因縁をつけてこないだけ、皆さん良心的だとすら思いますよ?

そんな感じで彼方(あっち)此方(こっち)見て回って古米が混ざっていないものをたくさん買い込んだ。大収穫だったのは、もち米を発見した事。当然、大量に買い占めた。これでお餅やお煎餅(おせんべい)も作れるよ!

 

(これで、リーリャの世界にもあった、お餅が作れるよ♪)

(やった♪でも、食べていたと言っても、もち米事態が少なかったから、新年を祝う時に食べていただけだから)

(そうなんだ。私がいた世界と一緒だったんだね♪)

 

小豆てか大豆は普通に売っているし既に購入済みだから餡子(あんこ)も作れるし、大福とかお団子とかもあける。ああ、おこわもいいなあ........じゅるり。

 

結局、色々な食材を買い込んだ後、ついでに服屋や武器屋も見て回ったけれど、其方(そっち)は正直何方(どっち)もいまいちだった。

服はデザインが気に入らない。っていうか、胸がきつい。やっぱり自作するのが1番っぽい。なので王都に着いたら生地を買おう。生地も王都のほうが色々な種類がありそうだし。

武器に関しては、自作のナイフよりもいい品質のものが無かった。材質的には上位のものはあったのだけれど........。

領都でも此の(この)レベルとなると、王都はどうなのかなあ?........結局自作する事になるのであれば、何処(どこ)かで【鍛冶(かじ)】スキルのレベルを上げておきたい。

なんとか鍛冶場を借りたりできないものか.......んー。

 

なんてやっているうちに結構いい時間になってきたので、一旦宿に戻ってレストランに行く準備をする事にした。

((正装、というわけではないけれど、其れ(それ)なりにデザインもいい感じの格好。髪も整えたりして、リリーさんもアリサさんも可愛い))

 

 

私たち?身だしなみ整えてもどうせその上にマントを羽織る(はおる)からねえ.......一応ちゃんとしたけれど。上はセーターっぽいデザインの伸縮性のある服で(私が白色で、リーリャが黒色)、長袖だけど生地に気をつけたので通気性は悪くない。下はコルセットスカート。スカート丈は膝下までのって、スカート部分がフレア状になっている。一見すると普通にスカートにしか見えないけれど、実は二重構造で中にはキュロットっぽいズボンが入っていたりする。つまり、スカートパンツ。いや、何かの拍子にパンティが見えたりすると困るからね?此れ(これ)でも一応冒険者だし、防御は大事だよ。髪はいつもどおりに緩く(ゆるく)三つ編みに結った(ゆった)。今日はついでに先の方(ほう)に私は白いリボンを、リーリャは黒いリボンを結んでみる。我ながら、私たちはなかなか可愛いと思います!

リリーさん達も何というか、お嬢様っぽい感じのドレス(* ̄◇)=3?ごてごてしたデザインではなく、裕福な家の子女(しじょ)って感じ。((かわゆすな))

 

「リオさん、リーリャさん、可愛いです.......」

「........なんというか、妙な色気が凄いよー」

「「ありがとうございます。でも、お2人も可愛いですよ?」」

 

なんて、イチャイチャしつつレストランへと向かう。

 

 

 

 

 

 

というわけでやってまいりました、レストランでございます。

時間は夕飯というなはちょっと早めの時間帯。此の(この)くらいのほうが混まずに入れるのだそうで。

 

((なるほど、気を遣って(つかって)もらったようです。リリーさん達マジいい子))

 

ちなみにフウとセツはお留守番(おるすばん)。

 

((ごめんよぅ.......お詫び(おわび)というわけじゃないけれど、晩御飯(ばんごはん)にマッドブルのお肉を置いてきた。自作の焼き肉のタレで焼いたやつ。リリーさん達がもの欲しそうに見ていた事は言うまでもないと思う))

 

宿からレストランまでは徒歩で移動、なんだけれど、実は割とすぐ近くだったので5分もかからずに到着した。中に入ると待合室まで通されて、しばし待機。其の(その)間もリリーさんが給仕の人相手に色々と話をしていた。注文とかしているみたい?まあ、今日の私は御馳走(ごちそう)になる側なので全部お任せ。こういう所は初めてだし、正直よくわからないからね.........。

其れ(それ)からしばらくすると広間に通された。等間隔(とうかんかく)というわけではないけれど、ある程度間(あいだ)を置いてテーブルが配置されている。個室ではないのは平民用のフロアだからかな?でも、その平民用のフロアでも上等の部類らしい。選んだ料理のコースで通されるフロアが違うとかなんとか。

ちなみに貴族様(きぞくがわ)のフロアは更に奥にあり、基本的に個室だそうだ。移動中にリリーさんが教えてくれた。((なるほどなー))

 

そんなこんなでテーブルまで案内されて椅子を引かれ、着席、しようとしたところで問題が発生。私たちがマントを着用しっぱなしなのがまずいらしい。

マント着用のままでもいいのでは?と、聞いてみたところ、以前は確かにそうだったのだけれど、最近その格好で問題を起こした冒険者が複数いたとかで見直す事になったのだそうだ。何というとばっちり。

折角(せっかく)ここまで来たのだから食べずに帰るというのは流石に無い。なので諦めてマントを脱ぐ事にする。

 

「なんだかすみません.........こんな事になってたなんて.........」

「「大丈夫ですよ、気にしないでください」」

 

((リリーが凄い恐縮しちゃってて少し申し訳がない気分になる。いや、ほんと気にしないでいいからね?))

 

((諦めてマントを脱いで給仕の人に預けると、途端(とたん)に周囲の席の人の目が、私たちに集中してちょっと落ち着かない。給仕の人も目を見開いて固まっちゃっているし。むむむ。))

 

でも、もう此処(ここ)まできたら私たちも気にしないでスルーするしかないので、気にしない気にしない!

気を取り直しておしゃべりしているうちにいよいよお料理が運ばれてきた。

運ばれてきた料理はテーブルの上に全部乗せたのだった。コース料理ではないらしい。

リリーさん曰く(いわく)、此の(この)フロアを使える富裕層でも、平民はマナーを身に着けていない人も多いらしく、順番に料理を持ってくるコース料理だと色々と勘違いをして文句を言う人がいるかららしい。

そもそも、お金を持っている平民となると上位の冒険者である場合も多いとかなんとか。それだと確かにマナーを学ぶのは難しい気がする。

んー、貴族とも付き合いがあるであろう大商人とかたとまだ違うのかもしれないけれど.........其の(その)あたりどうなのだろう?

リリーさんに聞いてみると、其の(その)クラスになると個室を借りるとの事。((なるほど、納得))

 

さてさて、何はともあれ料理ですよ。

内容はサラダ、スープ、唐揚げっぽいもの。パンは籠(かご)に山盛りになっているけれど、見た感じ、白パンかな?

更に後からメインの肉料理が運ばれてくるらしい。そして最後にデザートもあるみたい?それぞれで食べ過ぎるとデザートが入らなくない?全体的にかなり量が多くて、なんだかなんだか色々微妙な気が.......。

色々気にはなるけれど取り敢えず食事開始。カトラリーも複数並んでいるけれど、順番に該当するものを使っておけば問題は無いかな?

 

(クレームがあるからって、料理を全部乗せておいてカトラリーは複数並べるとか。ねぇ、リオ♪)

(リーリャの言う通り、やっぱりおかしい気がする)

 

周りのテーブルにさりげなく視線をやってみれば、1種類しか使わずに色々食べている人がちらほら.........。((は....ははは))

 

少し首をかしげていると、給仕の男性があまり気になさらなくとも大丈夫ですよ、と、声を掛けてくれた。

 

(まぁ、何れ(どれ)を何れ(どれ)に使うのかはわかっていますから!ねぇ、リーリャ♪)

(ほんと、失礼しちゃうわ!リオ♪)

 

マナーはよくわからなくても、カトラリーが並んでいるというだけで貴族と同じような扱いを受けている!と、まあ、そういう事らしく。

それに、数年に1度の贅沢(ぜいたく)な外食とか、何かの記念日に、なんて人達もいるわけで.......うん、

 

 

さてさて。全部乗せだけれど一応コースに乗っ取った順番で食べるのがマナーかな?というわけでまず1口水に口をつけて、最初は前菜を兼ねているっぽいサラダから。見た感じレタスっぽい葉野菜にソースっぽいのが掛かっている。フォークで刺してぱくり。しゃくしゃく。あー、レタスだこれ。

んー、此の(この)ソースはグレイビーソースっぽい?生肉を煮込んだ系の煮汁をベースに手を加えた感じかな?食べやすくするために脂は丁寧にとっているみたいだけれど、それでも前菜で食べるにはちょっと重い気もする。味はいいのだけれど、んー。

そういえば後からメインの肉料理を運んでくるって言っていたけれど?それの流用かな?風味的に赤ワインを使っているようだから、牛肉のワイン煮あたり?

メインの肉料理について給仕の人に確認してみたら、なんでわかってのかと驚かれた。サラダのソースの事を説明したら信じられないものを見る目で見られた。あれ?普通わかるでしょ?え?わからないのが普通?((そんな事を言われましても))

 

 

サラダを平らげて次はスープ。具だくさんだ。スープは澄んでいて丁寧に灰汁(あく)取りをしたのが窺える(うかがえる)。スプーンで1口。うん、コンソメっぽい。本来のコンソメスープではないけれど、材料的に似た系統の味になるのは致し方なし。でもスプーンでこの量の具を全部平らげろというのはちょっと酷(こく)じゃなかろうか。いや、美味しいんだけれどね。

 

「リオさんとリーリャさん、気に入ったみたいですね」

「「わかりますか?」」

「はい、凄い幸せそうな顔してますから」

 

 

無意識に頬が緩んでいたらしい。((ちょっと恥ずかしい))でも美味しいものを食べるのは幸せな事なので仕方がないのです。と、伝えると。

 

「そうですね。美味しいものを食べると幸せな気持ちになりますよね。ふふっ。周りの人もリオさんとリーリャさんの表情に見惚れ(みほれ)ちゃってますよ?」

 

........みんな、私たちの事、見過ぎじゃない?ご飯を食べるの集中しようよ。もぐもぐ。もぐもぐ。

 

「でも驚きました。リオさんとリーリャさん、テーブルマナーわかるんですね。私よりもちゃんとできてて.........、一体どこで覚えたんですか?」

「「秘密です」」

 

((前世で覚えました。なんて言えるはずもないけれど、これでも一応お偉いさんとの会食などをしていましたので。それに合わせて相応の作法は身につけてある))

((でもリリーさんが気になるのも仕方がないとは思う。前世ではともかく、今の私たちは冒険者なので、基本的に世間一般では無教養と思われているのが普通だ。更に私たちはまだ11歳。だというのにそれがほぼ完璧にテーブルマナーをこなしていれば変に思われても已む無し(やむなし)))

((とはいえ、明確に答えられるはずもないので))くてりと首を傾げて(かしげて)笑顔で誤魔化す(ごまかす)。((此れ(これ)、最近よくやっている気がする))

 

「リリー、ほら、リオさんとリーリャさんだから......」

「........そだね」

 

((彼れ(あれ)彼れ(あれ)?なんだか酷い評価をされている気がするよ?))

 

 

ともあれ、スープも平らげたのでパンに手を伸ばす

ちぎって1口。もしゃもしゃ。うーん、柔らかい。天然酵母を使ったものと比較したら当然硬い部類だけれど、今まで食べたパンは基本的に黒パンばかりだったので、柔らかいパンは久しぶり。というか前世ぶり?そう考えると少し感慨深いものが........ああ、天然酵母といえば、今度自作してパンを焼くのもいいかもしれない。というかなんで今まで思いつかなかったのか、無念だ。

さて、次は唐揚げっぽいもの。フォークでざくり。パクリ、はむはむ.......うん、鶏の唐揚げだ此れ(これ)。なんだ、此の(この)世界にもちゃんと揚げ物料理があるじゃん。

料理人の腕がいいのか揚げ具合は悪くない、ジューシー。ただ、衣の食感的に二度揚げしている感じではないのが惜しい。そして肉の味。タレに漬けて下味をつけるとかせずに塩胡椒(こしょう)を振っただけっぽい。其れ(それ)だけでも十分に美味しいけれど、こういうところが未発達なのか.......色々惜しい。なお、胡椒が少なめの模様。香辛料はそれなりに高級品だしなあ.......いや、普通に美味しいけれどね。でも個人的になんとなく物足りないので、今度自分たちで作ろうと決意してみる。

 

(というか肉の後にまた肉が来るって、やっぱり微妙だよね。リーリャ?)

(そうだね、リオ。でも、内陸部で魚の輸送が難しいから)

 

「「肉が続くのもちょっと重いですね.....」」

「まあ、色々とありますから.......」

「「やっぱり本来のコース料理だと魚なんですか?」」

「そうですね、って、なんで知ってるんですか!?」

「「まあ色々と、でも、川魚(かわざかな)ならいけるんじゃないですか?」」

「コース料理で使えるような大きな川魚(かわざかな)は貴族用のコース料理に優先されるみたいです。たくさん仕入れた時は此処(ここ)でもたかに出てくる時があるみたいですけど。其れ(それ)でも取り敢えず食べるだけなら、庶民向けの食堂に行けばなんとか......」

「「.......其れ(それ)は、あまり味には期待できそうにないですね」」

 

そもそも魔物が出てくる事もあるので川でおちおち釣りもしていられないとかなんとか。

だから川魚(かわざかな)も専門の商人が護衛を雇って仕掛けを使って、まとめて捕ってきてまとめてレストランとかに卸すのだそうな。

そういった事情から、川魚(かわざかな)でもやはり若干お高めになる模様。

でも其れ(それ)でも魚を食べたいなら後は頑張って自力で釣ってくるしかないらしい。まあ、此の(この)世界は害獣どころか魔物がいるし、命がけって考えると.......いや、私たちは川魚(かわざかな)も【ストレージ】にたくさんあるけれどね。

 

なんて駄弁って(だべって)いるうちにメイン肉登場。予想どおりに牛肉のワイン煮。量産に向いているし、妥当というか順当というか、うん。

でもだからと言って手を抜いている風ではなく、ちゃんと灰汁(あく)取りとかして丁寧に作ってあるのがわかる。肉は柔らかでとろとろ。うーん、美味しい。頬が緩むわー、美味しい。((むふー!!))

 

「リオさん、リーリャさん、其の(その)、もう少し表情を」

((おおっと、周囲の目が!でも美味しいから我慢するのは無理!))

 

ワイン煮を平らげると、最後にデザートが運ばれてきた。

此れ(これ)は.......ホットケーキ?バターが乗っていて、蜂蜜も掛かっていて.......1口食べる。((うん、ホットケーキだ。))

 

((ちゃんとふんわりしているという事から察するに、重曹を使っている?あー.......重曹が彼れ(あれ)ば色々な料理が作れるなあ........今度探すか作るかしておこうかな。

((あ、そういえば此の(この)世界でちゃんとした甘味を食べたの初めてかも.......自作以外では、だけれど。あー、でも美味しいなー。もぎゅもぎゅ。

 

そして全て完食。

いやはや、お腹一杯。というかきつい!ちょっと食べ過ぎた!っていうかやっぱり量が多いよー!

 

「「.......ちょっと苦しいです。美味しかったですけれど、やっぱり量、多くないですか?」」

「ああ、其れ(それ)は此処(ここ)の利用者は上位の多いからなんですよ」

「「なるほど、納得しました」」

 

冒険者は身体が資本だし、其れ(それ)を差し引いても此処(ここ)の料理は美味しいし、上位冒険者は収入も多いだろうから、贅沢を楽しむ意味でも頻繁に通っているのだろうなあ。

 

*

 

宿への帰り道にぽっこりお腹を撫で(なで)ながら、ちょっと運動をしないとまずいかも、なんて考えが頭を過った(よぎった)けれど、明日からまた馬車移動だった事を思い出してカロリー消費をするなら。

 

(夜、リーリャとイチャイチャしないと♪)

(夜、リオとイチャイチャしないと♪)

 

 

 

 

王都を目指し、領都を出発してから3日目の昼下がり。

お昼寝をしたくなるようないいお天気ですが、私たちの目の前には複数の死体が転がっていてまさに死屍累々(ししるいるい)という状況だったりします。

 

 

 

((なんでこんな事になんでこんな事になっているのかといえば、其れ(それ)は盗賊が襲ってきたので返り討ちにしたからでありまして。はい、私たち、人を殺しました))

((いや、其れ(それ)自体は前々から覚悟はしていたから、其の(その)時が来たってだけの話なんだけれど。其れ(それ)でもいざ手を汚したら色々と思うところもあるじゃないかなーと思っていたわけですよ))

((其れ(それ)が考えていたのと違って特に気になる事が無いというか、想像以上に何も感じないというか.......なんだか、仕方がない?みたいな?其れ(それ)が逆に困惑する原因になったわけでして))

(崖から転落した馬車に同乗してい人達の死体を見た時は、前世の記憶が戻った直後なのもあって日本人的な倫理観で胸がきゅーってなった。リーリャが居た世界では、死と隣り合わせに近かったらしい)

(崖から転落した馬車に同乗していた人達の死体を見た時は、前世の記憶が戻った直後、此の(この)世界も死が隣り合わせなんだと、思った。リオが居た世界の日本という国は、比較的、平和だったらしいので、顔を青ざめていた。自分たちで殺した今は特に何も感じないという事に混乱しているリオと、言いますか......んー、冷静?)

(ちょっと冷静になろうか。えーと、此れ(これ)で殺人童貞切った?いや、今は女の子だから殺人処女?いやいや、まだ混乱している。深呼吸。ひっひっふー、ひっひっふー)

(......リオ、大丈夫?)

(......リーリャ?う....うん。今、深呼吸をしたから、なんとか大丈夫)

(良かった、リオ。王都の宿に行ったら、私が慰めるね♪)

(ありがとう、リーリャ。たくさん甘える♪)

 

((で、状況としては盗賊に襲われて返り討ちにした、って事ではあるんだけれど、事の起こりは左右が森に挟まれた街道に入ってしばらく進んだあたりの事だった))

((そして其れ(それ)をなんとかしようと降りたところで盗賊の皆さんが左右の茂みからぞろぞろ登場))

(見たところ7名(ななめい)。更にリーリャの『報光(ほうこう)】の反応では左右の森の中の木の上にそれぞれ1人ずついると知らせてくれた)

 

(リオ。左右の森の中の木の上にそれぞれ1人ずついるの)

(了解。伏兵がいるのだったら)

(リオ、弓を構えている)

 

曰く(いわく)、金目のものを置いていけ、馬車も置いていけ、いや、よく見れば女じゃないか、お前らも連れていく。

 

((当然抵抗するのだけれど、ぶっちゃけ一方的だぅた))

 

((まず、リリーさんが以前言っていた切り札【結界魔法】で馬車を囲むように結界を張った。此れ(これ)で馬車への被害は無くなって、ついでに同じ結界内にいる私達も安全))

((次にフウとセツが飛び出して馬車を囲んでいる盗賊をぶっ飛ばしながらそれぞれ左右の森に突入、木の上の伏兵を倒しに駆けていった))

((フウとセツに驚いて隙を見せた盗賊目掛けてアリサさんが抜剣(ばっけん)しながら飛び出していって斬りかかり、リリーさんは結界内から攻撃魔法を撃つ。私たちは下がっていてくださいって言われて後ろに下げられた))

((はい、子供扱いです、いや、実際子供だけれど))

((そんな一方的な展開でアリサさんは1人斬り伏せ、リリーさんの魔法で盗賊をばらばらに散らしていたところ、アリサさんの次の相手が盗賊の頭目だったらしくて))

((なかなか腕が立つようで、アリサさんが手子摺って(てこずって)いるところを背後から切りかかろうとしていた盗賊Aに気付いた(きづいた)私たちは、咄嗟(とっさ)に其の(その)側頭部目掛けて【フルミネスパーダ(雷剣)】を2本、撃ち込んだ))

((其の(その)後は其の(その)光景に驚いた頭目の隙を突いたアリサさんが首筋を切りつけて撃破。気付けば(きづけば)残り2人だけで、其の(その)2人も劣勢になって慌てて逃げ出そうとしたところを1人はリリーさんの魔法で、もう1人は私たちが後頭部に【フルミネスパーダ(雷剣)】を2本撃ち込んで殲滅(せんめつ)した次第であります))

 

 

(んー、直接攻撃じゃなくて間接攻撃だったのもあってまだ実感が涌いていないのかもしれない)

(多分、そうだよ。リオ)

(それなら、大丈夫かな)

 

「リオさん、リーリャさん、どうかしたんですか?」

「あー、いえ。実は私たち、人を殺したのは初めてだったので。ねぇリーリャ」

「そうね、リオ。だから、ちょっと.......」

「そうだったんですか.......でも、気にしないほうがいいですよ?此の(この)人達犯罪者ですから。返り討ちにされて殺されても仕方がないです」

「そうだよー。自分の身は自分で守るのが当然だからねー」

「ああ、あえ。思っていたよりも感じなかったなー、と.......」

「こんなものよ、リオ。元の世界でも、盗賊がいたけれど、私も思っていたよりも、感じなかったから」

「「モトノセカイ?」」

「あっ、いえ。オホホホホホ、今のは、聞かなかったことに」

「「は......はぁ」」

 

(リーリャ。元の世界の事は、内緒にしないと」

(ごめん、リオ。そうだったね、元の世界の事は内緒)

 

「そうですね、意外とそういうものだと思いますよ。私も初めての時はそんな感じでしたし」

「私は一杯一杯で悩む余裕無かったかなー?其の(その)後も特に気にした事は無かったよー」

 

((なるほどなー。取り敢えずスキルは後にしよう))

 

なんて話し込んでいたら森の中からフウとセツが戻ってきた。死体を引き摺り(ひきずり)ながら。

 

「「そういえば、此の(この)死体はどうしましょう?」」

「役場に持っていけば引き取ってもらえますけれど、馬車に乗せて移動するのは、正直ちょっと.......」

「「そうですね.......」」

 

((正直、【ストレージ】に入れるのもちょっと抵抗がある))

 

「放置するので彼れ(あれ)ば道の端に寄せておくのが無難だと思います。犯罪者ですから、晒し(さらし)者にするのが一般的ですよ」

「「......腐って臭ったりしません?」」

「近くの街に着いた時に門番の人に伝えておけば処置をしにきてくれますから、大丈夫です。賞金が掛かっていれば後日、報奨金ももらえたりもしますし」

「なるほど、じゃあそうしましょうか」

 

((という事で道の端に山積みにしておいた。むしろフウとセツがやってくれた。なお、【フルミネスパーダ(雷剣)は消している。道を塞いでいた丸太は【ストレージ】に収納して無い無い(ナイナイ)してしまう。薪くらいにはなるだろうから、もらっておこう))

 

「其れ(それ)にしてもリオさんとリーリャさんの攻撃、彼れ(あれ)、何したんですか?「雷の剣?」頭にあそこまで深くささるなんて.......」

「「えーと、内緒で?((【結界魔法】は使えないけれど、私が【解析】したし、使えなくても、私たちの【時空間魔法】を使って))」」

 

「リリーの数少ない取り特だもんねー?」

「アリサ!怒るよ!」

「えー?」

「「いえいえ、攻撃魔法も凄かったですよ」」

「彼れ(あれ)?リオさんとリーリャさんは攻撃魔法使えないんですか?」

「「使えますが、目立ちますから。今の弱い魔法だったら」」

「3人とも、そろそろ移動しないー?死体の横で立ち話も流石に微妙じゃないー?」

「......そうだね」

「「........そうしましょうか」」

 

((そういえば、死体の側だってよ。てへっ))

 

 

 

((衝撃の初体験(はつたいけん)の現場から1日ほど街道を進み、後1~2日ほどで王都に到着するというあたりまで来た。普通なら領都から王都まで1週間くらいかかるらしいんだけれど、其処(そこ)は優秀な私たちの馬車と自立支援型『エイリア』。素晴らしく早い。自立前衛型『レイヤー』と自立後衛型『パレット』を【ストレージ】内から出していたら目立っていたね♪でも此れ(これ)でも大分(だいぶん)速度を落としているんだよね、別に急ぎじゃないし))

 

 

 

((そして、今は昼休憩中。街道の外に馬車を出して停め、『エイリア』には、馬車を守ってもらい、テーブルと椅子を出してゆったり食事))

((メニューは卵サンド。半熟に茹でた(ゆでた)卵を刻み潰してたっぷりと挟んだ1品だ。味付けは塩胡椒(こしょう)のみ。前に食べさせた事もあるけれど、マヨネーズを頻繁に食べさせるのは2人にはまだ早い。パンは天然酵母を使ったふんわり柔らかパン。2人とも驚愕(きょうがく)といった表情で食べている。ふふふ、美味しかろう?たくさん御上がり(おあがり)よ!はむはむ))

((ちなみに此の(この)食パン、今朝早くに起きて土魔法で竈(かまど)を自作して焼いたものだったりする))

 

「リオさんとリーリャさん、一体あとどれくらいレシピを持ってるんですか?こんなパン料理、初めてです!」

「というか此の(この)パンなんなのー!?こんな柔らかいパン初めてだよー!」

 

((リリーさん達の初めてを2つも奪ってしまった......!っていうか、卵サンドくらい普及させておいてください。過去の転生者さん達。そんなに作り方は難しくないじゃないの))

 

「リオさんとリーリャさん、もう料理人になったほうがいいんじゃないですか?」

「「料理人はちょっと......料理はあくまで趣味なので」」

「....此れ(これ)で趣味?」

「趣味ってレベルじゃないよねー......!」

 

(そういわれてもねえ、リーリャ?)

(そうね、リオ♪)

 

「ああ、そうだ。リリーさん、王都の宿でお勧めの所って何処(どこ)かありませんか?」

「フウとセツが泊まれてお風呂があるといいんですけれど」

「彼れ(あれ)?宿をとるつもりだったんですか?」

「「え?其れ(それ)は、まあ」」

「そんな、実家に招待します!うちに泊まってください!」

「「ええ?其れ(それ)は流石に悪いですよ」」

「いえいえ、色々お世話になってますし、今もこんな美味しい食事も頂いてますから、御礼(おれい)です!」

 

((わはー、凄い押してくるね......でも、んー))

 

「「えっと、じゃあ、お言葉に甘えて?」」

「はい!甘えちゃってください!」

 

(まあ、確かに色々と食べさせているし、そうしよう、リオ♪)

(そうだね、リーリャ♪少しお泊まりするくらいならいいかな?)

 

「ちょっとリリー、ずるいよー?」

「こういうものは早いもの勝ちだよ、アリサ?」

「むー。じゃあ、お2人(おふたり)の内のお1人(おひとり)、あたしのうちに、泊まってくださいー!」

 

(どうする、リーリャ?)

(どうしよう、リオ?)

 

「そういえば、リオさんとリーリャさんは王都に着いたら何か予定とかあるんですか?食材を買った後とか」

「そうですね、私は【侍(サムライ)】スキルを持っているから、刀や剣を作りたいから【鍛冶(かじ)】スキルを鍛えたいので。リーリャはどうする?」

「私は、【剣士(けんし)】スキルを上げたい」

「え?リオさんは【侍(サムライ)】のスキルはわかりませんが、【鍛冶(かじ)】スキルを持っていて、リーリャさんは【剣士(けんし)】スキルを持ってるんですか?というか剣を作ったりするんですか?」

「基本的に、【雷魔法】の剣を使っているから、【鍛冶】スキルがあるし、【侍】スキルもあるから、刀や剣を作ってみたくて」

「......其れ(それ)だったら、私の伝(つて)で紹介でかるかもしれないよー」

「「アリサさん?」」

「あ、そっか。アリサの家って......」

「「アリサさんの家?何かあるんですか?」」

「私の家は代々剣士の家系なんだよー。其れ(それ)で、ずっと贔屓(ひいき)にしてる鍛冶工房があってー、其処(そこ)の親方にお願いすれば、もしかすると、なんだけどー」

 

 

((なるほどー))

 

「其れ(それ)で、何れ(どれ)くらい借りるとなるとお金も必要になると思うし、大丈夫ー?」

「お金のほうは多分足りると思います。足りなければ頑張って薬草採取をして稼ぎますし、其れ(それ)で借りる期間のほうですけど、最低でも半年は借りたいです」

「半年!?」

 

一応、スキルレベル10が目標だったりするからね。集中して鍛えるなら半年も彼れ(あれ)ばいけそうな気もする。もし半年で其処(そこ)までいけなかったら、頭を下げて期間を延長しめもらう。

 

「そうだ、リーリャ。【剣士】スキルを上げたいなら、『レイヤー』に鍛えてもらう♪」

「リオが半年間も、鍛冶(かじ)をするなら、其の(その)間、鍛えてもらおうかな♪」

「だって、『レイヤー』。頼める?」

「わかりマシタ。仰せのまま」

 

「えっと、お話は終わったかなー?」

「ごめんね、アリサさん。お願いしても大丈夫でしょうか?」

「任せてー!美味しいものたくさん食べさせてもらってるからねー?」

 

((其れ(それ)は暗にもっと色々食べさせろって事でしょうか.........?))

 

「其れ(それ)で、リオさんはどんな剣が作りたいのー?魔力剣?属性剣?錬金術とか言ってたし、もしかして魔剣?」

 

魔力剣(まりょくけん)。此れ(これ)は無属性魔法が付与された剣の事で、普通の剣よりも強力で、尚且つ耐久性も優れているらしい。また、魔力が付与されているので霊体(れいたい)やアンデッドにも有効。そして、無属性故に汎用性が高いらしい。

属性剣(ぞくせいけん)。此れ(これ)は各種属性魔法ご付与された剣。それぞれの属性に特化しているので得手不得手(えてふえて)がはっきりしている分、はまれば強力。

魔力剣も属性剣も付与された魔法が強力なものであれば、其の(その)魔力を解放して一時的に攻撃力や効果を高める事ができるのだとか。魔力解放した剣の魔力は時間を置けば回復するそうだけれど、回復までに掛かる時間はまちまちだそうだ。

そして、魔剣(まけん)。此れ(これ)は属性魔法だけではなく、スキル効果が付与された剣。付与されたスキルの代表的なところだと【攻撃力強化】、【耐久力強化】等(など)。珍しいものだと【幸運】なんていうものもあるそうな。また、属性魔法が付与されずに特殊なスキルのみが付与されたものも分類上は魔剣になる、との事。

更に物によっては武器固有の特殊な必殺技が使えるとかなんとか?厨二心(ちゅうにごころ)が擽られますなぁ(くすぐられますなぁ)?

でもって、魔剣の作成には基本的に【錬金術】が必要らしい。またしても【錬金術】か.......!

そして、強力な魔剣を手にするのが大体の剣士の目標なんだとか。ふむー。

 

「魔剣を手に入れれば魔剣士(まけんし)を名乗れるんだよー!」

「色々あるんですね」

「そうだねー。後は聖剣とか暗黒剣かなー?」

 

(ほほう、そんなものまで......。リーリャは属性剣は欲しい?それとも聖剣?)

(リオが作ってくれるなら、リオ、オリジナルがいいかな♪)

(なら、神刀(しんとう)かな♪)

(其れ(それ)で♪)

 

聖剣(せいけん)。神が授けた神聖な力を秘めた強力な剣。神聖属性が付いていて、物によっては更に強力な特殊な能力を秘めているらしい。神聖属性は無属性以外の全ての属性に対して優位な属性であり、其れ(それ)故に聖剣であるというだけで強力な武器なのだという事だった。そして伝説に名前が残ってるようなものだと、更に属性魔法が付いていたり様々なスキルが付いていたりと、とんでもない事になっているものがいくつかあるとかなんとか。凄く昔の凄い鍛冶師が聖剣を作れたとかいう逸話もあるそうだ。

暗黒剣(あんこくけん)。此れ(これ)は暗黒神(あんこくしん)が授けた邪悪な剣、とかなんとか?暗黒属性で、其れ(それ)以外の基本的な性能で言えば聖剣と同じ。ただし、聖剣と暗黒剣はお互いが弱点同士であるらしく、打ち合った場合は格が上のほうの剣が勝つ、らしい。

最後に神剣(しんけん)。此れ(これ)は伝説とか言い伝えにちょっと存在が語られる程度らしく、詳しい事はわかっていないらしい。曰く(いわく)、あらゆるものを切り裂く、とかなんとか?

でもまあ、なんだね。

最後の神剣とかいうのはよくわからないけれど、昔に作れた人がいたって事なら聖剣と暗黒剣はぶっちゃけ【創造魔法】でなんとかできそうな気もするわけで、そう考えるとアリサさんにはとてもありがたい話をしてもらった気がする。

 

(うん、取り敢えず、まずはリーリャの為に神刀(しんとう)を目標に頑張ってみようかな♪)

(ありがとう、リオ♪私たちの愛の巣で、たっぷり奉仕するね♪)

 

 

 

((そんなこんなでやっと王都に着きましたよ、と))

((いや、実はまだ城壁の外なんだけれどね。門には長蛇の列ができてまして、列にならんでからそろそろ1時間近くになろうかという頃合いです))

 

 

 

 

((馬車で麦畑に挟まれた街道を道なりに進み、小高い丘を越えた所で王都が一望できる場所に出たんだけれど、其処(そこ)で目に映ったのは城を中心とした巨大な城塞都市(じょうさいとし)))

 

((まず最初に驚いたのはやはり其の(その)城壁だった))

((其の(その)大きさもさる事ながら其れ(それ)以上に驚いたのは、其の(その)数。小さな山に作られた王城を中心に最初の第1城壁があり、其の(その)次が上位貴族や領地持ち貴族の王都屋敷がある上級貴族街。通称第1区画。そして其れ(それ)を囲むようにまた壁があり、此れ(これ)が第2城壁と呼ばれる。此処(ここ)から中には相応の通行証や紹介状が無いと入れない))

((次は下級貴族や平民の富裕層、貴族向けの高級店などがある区画。第2区画。リリーさん達の実家は此処(ここ)))

((各種ギルドの国内の本部も此処(ここ)にある。後日、冒険者ギルドも少し覗いた(のぞいた)けれど、強そうな人がたくさんいて正直ちょっとびびりました。皆さん見た目が普通に怖い))

((富裕区画を囲う第3城壁の外が一般層の区画。第3区画。1番面積が大きい))

((店なんかも手頃な価格帯で、利用しやすい。一般区画と富裕区画を区切る壁の出入りの制度は特に無い。ギルド本部も富裕区画の方にあるから当然といえば当然))

((ちなみに一般区画には各種ギルドの出張所もあったりする。富裕区画の宿に寝泊まりできる冒険者はそう多くないし、かといってギルドまでの移動も其れ(それ)なりに時間がかかるという事で、一般区画にはそういった出張所がいくつかあるみたい))

((で、其の(その)一般区画と外を区切る壁が今の最外周壁。城壁内に住めないに人達は其の(その)外壁の外側周辺に勝手に住んでいるらしい。俗に言う貧民街。行政側も壁の中に作られるよりマシと思っているようで、取り締まりもそんなに厳しくはないみたい))

割と階級差がはっきりしていて、孤児上がりの冒険者としてはちょっと。世の中、世知辛い(せちがらい)))

(というか、よくもまあこんなに巨大な壁を作れるものだなあ、と、思わなくもないんだけれだ、此の(この)世界には魔法があるので地球の中世とかの時代に比べれば建造は其処(そこ)まで大変でもないらしい。そうなの、リーリャ?)

(私が居た世界は、魔法で建てていないよ。ちゃんと建築を受け持つ組織が其の(その)国にはあるから)

(そっか)

((ちなみに此処(ここ)、王都の名前はアスカロン。何処(どこ)かで聞いた事がある?うん、そうだろうね。なんていっても此の(この)国の名前、ゲオルギウス王国だからね。竜殺し(りゅうごろし)の英雄が建国したらしいよ?))

 

 

 

 

 

((と、いうような事を列に並んでいる間に時間潰しかまてらにリリーさん聞いたりしていたわけだけれど、其れ(それ)にしても列よ進みが遅い))

((ちなみに現在の私達は徒歩。王都が一望できる丘を越えた辺りで馬車と『エミリア』『レイヤー』『パレット』は収納して、其処(そこ)から此処(ここ)まで歩いてきた。))

((いやはや、少女4人の徒歩目立つ目立つ。更に狼(おおかみ)連れ。しかも2匹(フウとセツ)。目立つのは仕方がないんだけれど))

((列に並んでからも周囲の視線が集まって妙に落ち着かないしで、もういい加減うんざりしてきた))

((もうそろそろお昼になる頃だからお腹も空いてきたしで、立ちっぱなしでいい加減疲れたー))

 

「「いつもこんなに混むんですか?」」

「そうですね、此の(この)南門は正門になりますし、いつもこんな感じですね」

「西区の方(ほう)に市場(しじょう)があるから、1部の商人は其方(そっち)の門に回ったりもするみたいだけど、結局あんまり変わらないらしいよー」

「東区も職人街があるから武器の仕入れに行く商人もいるらしいですけど、其方(そっち)も似たような感じらしいです」

「北の門は貴族専用だしねー」

 

((其れ(それ)なら門を大きくして入街の確認の列を増やせばいいと思うんだけれど........見た感じ、門の所で2~3列に分かれている、のかな?))

 

「「門の所で3列くらいになっているみたいですけれど.......」」

「1つは一般用、1つは商人、もう1つが冒険者ですね」

「商人は積み荷のチェックが入るから時間がかかるねー」

「一般の所は1番人が多いので時間かかりますね」

「冒険者の列は依頼で外に出て帰ってきた場合のチェックだけだから割とすぐ済むよー」

「仕事で外に出てた以外の、普通に移動してきた場合だと一般用の列に回されるので、一般の列が1番時間かかりますね.......」

 

((ぎゃふん。結局王都に滞在している冒険者以外は全員時間がかかるって事かー))

 

「貴族の方々(かたがた)の場合は専用の北門があるので、割とすんなりと入れるそうですよ」

 

(なるほどなー、羨ましい事だね。でも貴族たか色々柵(しがらみ)が面倒くさそう)

(そうだよ、リオ。貴族って、仕来たりが厳しいからね♪)

(リーリャが居た世界も、そうだった?)

(そうだったよ)

 

「「権力者の特権なんでしょうけれど、其の(その)分義務も多いでしょうから、其の(その)くらいの優遇措置が無いとやってられないでしょうね」」

「.......リオさんとリーリャさんは貴族の方(かた)に対して理解があるんですね」

「そういうのを考えないで文句だけ言う人が多いからねー」

 

((なんてだらだら駄弁って(だべって)いるうちにようやく私達の番になった。なったんだけれど.......))

 

「なんだ其の(その)狼は?従魔?お前たちのか?お前たちのような小さい子供がこんなでかい狼を従えてるのか?嘘(うそ)じゃないだろうな?」

 

((えわー、コイツめんどくせぇー。そんなの魔道具で確認すればすぐわかる事じゃないのさー。さっさと調べて中に入れてよー))

((結局ねちねちと時間をかけて確認されて、門の中に入る頃にはドッと疲れてしまった))

 

「彼の(あの)人達もお仕事なのはわかるんだけどねー」

「毎回アレっていえのは、正直どうなんでしょうね.......」

「「えっ!?彼れ(あれ)、毎回ですか?全員に?」

「はい........」

 

((......其れ(それ)は物凄く職務に忠実という事なのだろうか?凄い仕事熱心?))

 

「.......お腹も空きましたし、私の実家にまっすぐ行きましょうか?」

「「そうですね、色々と見て回るのは明日以降でもいいですし」」

 

((取り敢えずどうでもいい事は色々とスルーして、さっさとリリーさんの家に向かう事にした。うん、したんだけれどね?))

 

 

 

*

 

 

 

 

 

((でかい。屋敷がでかい。庭も広い。何此れ(これ)))

 

「あー、そういえば言ってませんでしたね......」

 

 

((.......リリーさんの実家は準男爵家だった。あ、貴族じゃないよ?準男爵は世襲できる爵位だけれど、階級自体は平民。つまるところ、平民階級の最上級ってところかな?))

((ご先祖様が昔の戦争で活躍して受勲・授爵したそうで、其れ(それ)から代々お城で宮廷魔導師をやっているらしい。此方(こっち)は世襲じゃないので代々優秀な家系という事だね。色々手広くやっているらしくて収入は結構な額らしく、貧乏な無役男爵家なんかは目じゃないとかなんとか。此れ(これ)は後日メイドさんに聞いた話。実際御屋敷もかなり大きいし))

((ちなみにアリサさんの実家も同様に準男爵で家はお隣さん。ご先祖様がコンビを組んで戦争で頑張ったのだそうで、其れ(それ)以来一族ぐるみでの付き合いだとか。2人の仲がいいのも納得だね。私達も孤児院で一緒だったし、転生者だし♪なお、アリサさんちは代々騎士団に所属していて、時には騎士隊長になったりならなかったりとか?普通に凄くない?))

((そんな準男爵家のご令嬢がなんで田舎の街の宿屋でウェイトレスなんてやっていたのかというと、将来の就職とかのためだそうで))

((リリーさんの家もアリサさんの家もちゃんと別に嫡男がいるという事で、2人は将来的には家を出て仕事を探すとか何処(どこ)かに嫁に行くとかしないといけないらしい))

((で、リリーさんのお姉さんのサレナさんは冒険者ギルドに就職済みで、実は王都ギルド本部の幹部候補なんだとか))

((経歴への箔(はく)付けも兼ねて、人材の足りないハルーラへ出張する事になったらしいんだけれど、一緒に付いていって色々と社会経験を積もうという事でリリーさんも同行した。という事だったらしいよ?アリサさんは其れ(それ)に便乗した形))

((ちなみにリリーさん家の跡取りはリリーさんの弟で、アリサさんの家の跡取りはお兄さんだそうで、何方(どっち)も貴族様しか通えない学校に通っているそうな。ちなみに寮があって其方(そっち)で寝泊まりしているらしい))

((え?貴族様しか通えないんじゃないかって?お金を積めば平民でも通えない事は無いんだってさ。準男爵家とかだといつか陞爵(しょうしゃく)して貴族階級になる事を目指して、お金を嫡男を通わせるらしい))

((リリーさん達は娘だったので其の(その)学校には通わせてもらえなくて、家庭教師に勉強をみてもらったとかなんとか))

 

 

 

 

 

 

閑話休題(かんわきゅうだい)

 

そんなこんなで門の前で別れて、リリーさんと一緒に屋敷に入ったところまではよかったんだけれど。

 

 

 

「あらあらあら、まあまあまあ!リリーがこんな可愛いお嫁さんを2人も連れて帰ってくるだなんて!どうしましょう?今夜はお祝いかしら?」

「母さん、リオさんとリーリャさんはそういうのじゃないから!落ち着いて!」

「リオさんとリーリャさん?リオちゃんとリーリャちゃんって言うのね、ぴったりの可愛らしい名前ね!リオちゃんとリーリャちゃんって呼んでも良いかしら?リオちゃんとリーリャちゃん、うちのリリーを末永くよろしくね!」

「奥様、お客様がお困りです。いい加減落ち着いてください」

「あら?あらら?そうなの?どうしましょう?」

 

.......このちょっと天然が入ってるっぽい感じの見た目20代後半くらいにしか見えないマダム、リリーさんのお母様だそうで、名前はミリアムさん。

ご覧のとおり、天然で若干思い込みが激しく、押しが強い方(かた)だそうで。

 

(ねぇねぇ、リオ!どうしましょう。私たち、リリーちゃんのお嫁さんだって?)

(う~ん、どうする、リーリャ?私は、リリーとも、仲良くしたいけれど、そうしたら.......)

(私もリリーちゃんと仲良くしたいから、あの私たちの家を、御屋敷に作り替えないといけないね。リオ♪)

(私たち、思っていることは、一緒だったね♪)

 

「すみませんすみませんすみませんすみません!うちの母がすみません!」

 

((あー、うん))

 

「リリー、式はいつにしようかしら!」

「「あの、ミリアムお母様?宜しいでしょうか?」」

「なにかしら、リオちゃんリーリャちゃん?」

「式は、私たちの御屋敷ができてからで」

「お願い致します。ミリアムお母様♪」

「まぁ!ふぅ~~~っ」

 

バタン。

 

「奥様、奥様。お気を確かに!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



















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