ブロッサムヒル城から少し離れたアパートの一室。リビングに置いてあるソファに今日一日の仕事で疲れた体を預け、寛ぎながら部屋の中を見回す。
この国に所属する騎士団長に与えられる城内の私室を引き払って移り住んだこの部屋にもようやく慣れ、違和感無く我が家と言えるようになってきた。
「今日も一日お仕事疲れ様。はい、ホットミルク。一緒に飲みましょう」
そんな感慨に耽っていると、二人分の飲み物を持って同居人…そして恋人のクローブが隣に座ってきた。
ブロッサムヒル城の騎士団長用の部屋を出て街で家を借りたのは、こうしてクローブと同棲するためだ。
想いを通じ合わせ恋人になってくれたクローブは、わざわざロータスレイクから出てブロッサムヒルまで自分に付いて来てくれた。そんな彼女を城内の花騎士用の寮や自分に宛がわれた部屋に迎え入れるなど、一人の男として出来るはずもない。そのため休日を利用して二人で様々な物件を見て回り、あーでもないこーでもないと意見を出し合ってこの家を二人で住む家に決め移り住んだのだった。
云わばここはクローブとの、恋人との愛の巣なのだ。
二人で並んでソファに座り、彼女が温めてくれたホットミルクを飲む。心地良い甘さと温かさが胃に落ちていき、自然とホッと息が出る。
ふと肩に重さを感じて横に目をやると、クローブがこちらに身体を預けて寄り添ってきていた。
「今日が、最後の夜なのね……」
感慨深そうにクローブが呟く。その声には喜びと、若干の不安が混じっている。
それは二人で話し合い、以前から決めていたこと。この家に移り住み少しして、彼女の人となりを再確認したことでこちらから切り出し彼女も合意したこと。
今日がクローブと恋人でいる最後の日の、最後の夜。
明日には、自分とクローブの恋人関係は解消される。
「早いものね…団長さんと恋人になってあっという間に時間が過ぎて、とうとう今日が最後の夜。明日の今頃には私達……」
この決断に後悔は一切無い。もっと早く、あるいはもっと後にその日を迎えても良かったかもしれないと考えることはあるが、たとえそうだとしてもそれは早いか遅いかという問題だけ。結果そのものに変わりはない。
それはクローブにとっても同じであり、それを再確認するために彼女は言葉を続ける。
「明日の今頃には私達……夫婦に、家族になってるのね…♪」
そう、明日は自分と彼女との結婚式。その神聖な儀式を終えた時、クローブとの恋人関係は発展解消され、晴れて自分達は夫婦になる。
そしてクローブは誰にも渡すことのない、自分の妻となるのだ。
「団長さん、私不安だわ…。明日からのことを考えたらニヤつくのが止まらないの。こんな気の緩んだだらしない顔、我が主の前で見せちゃったらどうしよう…」
普段は真面目すぎるほど真面目でしっかり者の彼女が、幸せそうな顔でそんな惚気た事を口にする。
そんな可愛らしい事を言う彼女の肩を抱き寄せ、手を取ってこちらの胸に当てて心臓の鼓動を感じさせた。
「団長さん…すごくドキドキしてる……」
クローブが幸せを感じて笑顔が止められないのと同じように、自分もクローブとの新しい関係が嬉しすぎて先ほどから胸の高鳴りが止まらない。上司の前でも止まっていないかもしれないし、クローブが頭に思い浮かんで花騎士達の前でついニヤけてしまうかもしれない。お揃いだ。
「ふふっ、そうね。団長さんと私でお揃いだわ…ふふっ」
こちらを見上げるクローブと、彼女を見下ろしているこちらの目線が交わる。見つめ合う形になったことで互いに顔が良く見え、自然と頬が緩んで微笑みあった。
そのまましばらく見つめっていると、クローブの瞳が熱帯びていくのを見て取れた。思わず生唾を飲み込み顔を近づける。するとクローブが目を瞑ったため、そのまま彼女の唇にこちらの唇を落としてお互いの熱と柔らかさを感じ合った。
「ちゅ……愛してるわ、団長さん…ん、ちゅぅ……」
肩を抱き寄せるだけだったクローブの体に両腕を回し、ギュッと抱きしめる。クローブもそれに応えるかのようにこちらの首に腕を回し、体を密着させてきた。
服越しでも変わるほど互いの鼓動は高まっており、その熱を全身で感じ取ることが出来る。口付けも触れ合うだけだったのがいつの間にか相手を求めて唇を強く押し付け、舌を絡めて口内の粘膜を撫であっていた。
「はんっ、んぅ、ちゅうぅ…らんちょう、さぁん…はむっ、はっ、ちゅぅぅ、むぅ、ちゅうぅ……」
互いの吐息を感じながら貪るように接吻を続け、愛欲が高まっていくのを感じる。下半身はすでに痛いほど腫れ上り、彼女を求めてズボンを押し上げていた。
「んちゅぅ…ぷはぁ、はぁ、はぁ…団長さんの、おっきくなってるわ…」
唇を離したクローブが目線を下げ、口付けと抱擁で興奮した男の象徴を視界に入れる。
そういう彼女の目もこの先の事を期待して蕩けさせており、荒くなった呼吸と互いの唇の間で糸を引く涎がより彼女を扇情的に魅せていた。
愛している女のこのような姿を見せつけられて我慢など出来るはずがない。堪えきれずにクローブを抱きかかえて寝室に移動すると、いつも二人で寝ているベッドに彼女ごとダイブして再び唇を落とした。
唇を重ね唾液を交換しながらクローブの服を脱がせる。それと同時にお互いにより昂らせるため、彼女の体をたっぷりと愛撫していく。
「きゃんっ、はんぅ、ちゅぷ…団長さん、あ、はぁんっ。胸、もっと触ってぇ……んむぅ、ちゅぴ、ちゅぅぅ……あぁん、気持ちいいわ…ちゅるぅ…」
肌を隠していた上着を剥ぎ取って丸く柔らかな乳房を露わにさせ、その感触を味わうべく遠慮なしに双丘を鷲掴みにする。手のひらに伝わってくる男には無い柔らかさは何度味わっても飽きることがなく、指に力を籠める度に形を変える母性の象徴をひたすら揉み続けた。
両手で緩急を付けながらクローブの乳房を堪能していると、次第に膨らみの頂が硬さを帯びて勃ち上がってきたのを感じた。自己主張を始めた乳首を期待通りに指で摘まみ上げると、くにくにと弄って刺激を与えていく。
「はぁぁんっ♪団長さぁんっ、その触り方ダメよぉ……!はぁ、んっ、ふあぁぁ…胸、気持ち良すぎておかしくなっちゃいそうだわぁ…♪」
クローブは身をよじって快楽に耐えようとするが、これまでに何度も弄って開発してきた乳首への刺激に嬌声を上げて体をくねらせる。
その様子を見て乳首を弄るのはそのままに片方の手でパンツをずり降ろすと、汗とは明らかに違う粘り気のある汁で濡れそぼった女陰が空気に曝されることとなった。スカートも脱がしてしまい割れ目に指を這わせると、ぬちゃっという音とともに愛液が指を濡らしてくる。
愛液を絡めるように陰部の入り口を撫でながらクリトリスを擦り上げると、クローブは下半身から襲い掛かってくる快感に背筋を反らして体を震え上がらせた。
「んふぁぁぁぁんっ!んぢゅるぅ、んはぁっ……そんな一遍に責めちゃ、はぁっ、あああんぅ!んんぅ…んふぁ、ちゅぷ、はぁ、んちゅぅぅ……団長、さぁん…お願いよぉ…私、もう……」
クローブの蜜壺からはとめどなく愛液が溢れ、臀部を伝ってシーツを濡らしていた。入り口を弄っていた指もぐちょぐちょに濡れており、指の間で粘液が糸を引いていた。
これだけ愛撫し愛液を滴らせたならば今頃膣内はドロドロに濡れ解れているだろう。
こちらも服を脱ぎ捨て両者揃って生まれたままの姿になり、彼女の膝裏を掴んで股を開かせた。女の大事な部分をさらけ出し肉棒の挿入から逃れることの出来ないこの姿勢をクローブは抵抗することなく受け入れ、それどころか期待で顔を紅潮させながら陰唇をひくつかせている。
「団長さん、ちょうだい……あなたを、あなたの熱いものを、私の中に挿れて…」
囁かれる甘い誘惑に怒張していた肉棒がビクンと震え、ただでさえ興奮で張り詰めていたのにさらに血が集まってきた。
これで挿入しないなど愛する女に対する不誠実でしかない。
開かせている股の真ん中。その卑猥な割れ目に屹立の先端を近づけ押し当てると、膣口がビクンと震えて誘うかのように蠢いた。
「団長さん、来て…」
快感に備えてシーツを掴むクローブのその言葉を合図に、ゆっくりと腰を前に突き出した。
クローブの膣内は想像通り愛液でたっぷりと濡れており、突き入れた肉棒をすんなりと受け入れていく。
まだ半分ほどしか挿入していないにもかかわらず、膣壁が甘噛みのごとく締め付けうねりながら肉棒を刺激する。
「んんぅぅぅ…!団長さんの硬いのが、挿ってぇ…っ!はぁぁ、このまま、奥まで来て…私の中で、気持ち良くなって…あぁ、ああぁぁん…っ!」
クローブの艶めかしい声を聞きつつ回すような腰の動きで膣ヒダを掻く。雌肉に肉棒でマーキングするかのごとき動きに膣奥からさらに愛液が溢れ、腰を動かすたびにグチュグチュと粘り気のある音を響かせていった。
愛撫で感じていた体をイチモツでさらに悦ばせ、これで充分以上にクローブの雌穴を解した。より深くへの挿入を求める膣の求めに応じて半分ほどしか埋め込んでいなかった肉棒をさらに突き入れ、受け入れた雄の動きに大いに悦んでいるクローブの膣肉を亀頭で掻き分けて進入していく。
そして肉棒を全て膣内に埋め込み腰を密着させると、先端にそれまでと違う感触を感じ取ることが出来た。
「分かる…?あんぅ、私の一番奥に…団長さんの大きいのが、コツンって当たってるわ……はぁぁん…。団長さん、動いてぇ……私の中を拡げてる硬いので…あなたを、私の中でいっぱい感じさせてぇ……んんぅぅっ…!」
甘い吐息混じりのクローブの誘いを聞きながら、抽送を開始して肉棒で膣内を擦り上げる。
蠢く膣ヒダをカリ裏で掻きながら入り口ギリギリまで引き、昂ぶりで膨れ上がった肉棒の形を雌穴に覚えさせるかのようにじっくりと再び奥へと挿入していく。
時間をかけてたっぷりと味わう快感にクローブの体は震え、膣口がヒクヒクと痙攣していた。
「ふぁっ、ああぁ……んんぅぅっ…あっ、んぅあぁん…っ!太いのがっ、中を拡げてぇ、はぁんっ、あんっ、あんんぅ…!」
発情し締め付けてくる膣肉を反り返るほど勃起した剛直で掻き分け、幾度にも渡って亀頭で膣奥を突き上げる。
肉棒が行き来するたびに膣内を潤す愛液が膣口から掻き出され、互いの結合部をぐちょぐちょに汚していった。
「あっ、あんっ…団長さんっ、いっぱい私の中で気持ち良くなってっ、はぁうんっ、いっぱい中で射精してぇっ……あなたの赤ちゃんが欲しいのぉ…はぅああんぅっ…」
膣奥を責められよがっているクローブの口から出た、赤ちゃんという言葉に肉棒がビクンと跳ねる。
それは男女の営みの帰結であり、数ある夫婦の愛の証の中でも最も分かりやすい形。
この綺麗な腹で自分とクローブの二人の血を引く子供を妊娠し、産んでくれるというのか。
「はぁ、はぁん……一日早いけど、もう夫婦なんだものぉ…。ふぁ、はぁ…赤ちゃん、作りましょぉ……。私頑張って、あなたの赤ちゃんいっぱい産むからぁ…いっぱいエッチして、私の中にあなたの精子…いっぱいちょうだぁい……んふぁ、あああんっ!」
クローブのその言葉に、頭の中で何かが弾けた。
もうこれは二人の愛を確かめ合うだけの行為ではない。己の遺伝子でクローブを孕ませ、二人の愛の結晶を作る共同作業だ。
そう決意し、それまで以上に腰を大きく振ってクローブの膣を責め立てていく。
クローブの子宮も子種を求めて降りてきており、腰をぶつける度に鈴口が子宮口と触れ合い押し上げていた。
「はぁんっ、んんぅっ、……団長さんの、激しいっ…あんっ、あんっ。お腹の奥触られて、気持ち良いわぁ……はぁ、あぁぁ…っ」
肉棒が膣奥を叩くたびクローブの体が跳ね、眼下で乳房がぷるぷると揺れる。思わず前屈みになり双丘に顔を埋めると、そのまま乳首を口に含んで舐めながら吸っていく。
「んんんんぅ、はぁっ、ダメよぉ…そんなに吸ってもまだ出ないわ…。ああぁんっ……やぁ…そんな風に舐められたら、感じすぎちゃう……はぁぁぁん…っ!」
口ではそう言いつつもピンク色の綺麗な乳首はしっかりと自己主張し、玉のような白い肌との対比で実にいやらしく男を誘っていた。
雌穴を肉棒で激しく責められ、母性の象徴を執拗にしゃぶられ続けられたことでクローブの体は大いに昂ぶり、ビクビクと全身が震えだした。
「はぁんっ、あんっ、あんっ、団長…さんっ…!私もう、イっちゃうっ…イっちゃうわぁ…っ!あんっ、んはぁあんっ!」
クローブが絶頂に近づいていくのに伴って膣肉もより一層強く肉棒を締め付けてきており、その刺激にこちらも急激に射精感が高まってきていた。
腰の動きも膣全体を擦りあげるようにしていた大きな動きから膣奥を突きこねる細かなものに変わり、クローブの中に熱を解き放つ準備を進めていく。
パンパンと肌と肌がぶつかり合う性交特有の卑猥な高い音が部屋に響くが、少しでも長くクローブの膣を往復するため射精を我慢している身にとってそれどころではなかった。
「あんっ、あんあんあんあんっはあああんぅっ!んぅっ…!らんりょうさんっ、んちゅうぅ…らんちょう、さぁん…はぁ、はむっ、ちゅぅ…ちゅっ…んんんぅ…っ!」
乳首から口を離し再び唇を重ね、唾液を纏わせながら舌をクローブの口内に侵入させ絡ませていく。クローブは本能的に反応を返してくるが、絶頂寸前で意識が飛びかけており口の端から唾液を溢しているのも気にしていない。
そんな彼女の背中に腕を回して強く抱きしめ、互いの体を密着させる。クローブの柔らかな乳房が胸板で潰れ、先ほどまで吸われて勃起した乳首の硬さが伝わってきた。
これでクローブは、心変わりしどんなに嫌がろうとも膣内射精から逃れることは出来ない。股を開きがっちりと体を抑え込まれ、膣穴の一番奥まで肉棒で貫かれている彼女に出来ることは最早ない。女を孕ませるべく蹂躙する己の中の黒い優越感と征服感に酔いしれながら肉棒を抽送していると、クローブが優し気な手つきでこちらの背中に腕を回してきた。
なんてことは無い。膣内射精を最も望んでいるのは他でもないクローブ自身なのだ。彼女は射精されて孕まされるのではなく、彼女が射精を受け入れて己の子を孕んでくれるのだ。
そんな背中から伝わるクローブの手の温かさを感じ、より一層の愛おしさを感じてきた。膣の締まりも射精を促すかのようにさらに強くなり、もはやこちらも限界寸前だった。
「ちゅうぅ、はぁん、あっ、あんぅ、じゅるっ、じゅっ、ちゅうぅう…あんっ、はぁあんっ!団長さんっ、イくっ、イくわぁっ!射精してぇ……私の中でっ、射精してぇぇっ…!」
その言葉と共に白濁液が中を昇ってきていた肉棒を膣奥に押し込み、少しでも多くクローブの胎内を染め上げるため亀頭を子宮口に押し当てた。
それと同時に子種を求めて子宮口が先端に吸い付き、肉棒がうねりを上げる。
亀頭を包み込むような甘い刺激にとうとう射精感は限界を超えついに決壊し、鈴口から白濁の欲望が奔流となってクローブの膣奥に叩きつけられた。
「はあぁぁっ、んはぁ、イくぅっ、イっ…ふぁあああああああああああああ……っ!」
己の最奥で行われた射精の感触でクローブは絶頂し、嬌声を上げながら体を痙攣のごとく震わせた。
脈打ちながら膣奥で精液を放ち続ける肉棒に対し、膣肉はもっと寄越せと言わんばかりに膣壁を蠢かせながら締め付ける。その快感でさらに精液が作られ肉棒へと送り込まれ、クローブの中へと出し続けていった。
「はぁぁ、あぁんぅ…硬いのがビクビクして、お腹の中に熱い精子出てるわ……ちゃんと受け止めるから、私の中で全部射精してね……ふぁ、んぅ…っ」
鈴口から吐き出される精液が子宮へと流れ込み、胎内を白濁液で満たされていく感触でクローブは恍惚の表情を浮かべていた。
そんな顔を見てますます興奮してしまい、子宮を白く染め上げてなお膣内射精は続き結合部からは入りきらなかった精液が愛液との混合液となって零れ落ちていった。
時間としては短かったはずであるが、胎へと己の子種を流し込む感覚は、あるいは胎に男の子種を受け入れる感覚はまるで永遠のように感じられた。
お互いに絶頂の波が引き高揚感がようやく収まってくると、密着している相手の吐息や鼓動を感じる余裕がようやく出てくる。
激しい運動を終え二人揃って息を荒げてバクバクと心臓が鳴り響いており、いかに二人して燃え上がったのかがよく分かる。
膣内で射精しきって硬さを失った肉棒を引き抜くと、クローブの横に寝転び改めて抱きしめながら息が整うのを待った。
「団長さん…私ね、夢があるの…」
絶頂の余韻が引き、裸のままベッドでお互いに抱き合っていると、クローブがそう切り出した。
「公園で私たちの子供達を遊ばせて、遊び終わったら持ってきたお弁当をみんなで食べるの。それでね、新しく出来た友達のお話とか、何を見つけたとかって他愛もない話を聞くの……」
それは…おそらく彼女が小さい頃に夢見た家族の理想像。
自分では果たせなかった、子供を押し潰し壊してしまうほどの重責を負わせることなく、ただ皆で笑い合う普通の家族の姿。
「……私に、そんなお母さんが務まるかしら…」
不安がって伏し目になったクローブをギュッと抱きしめ、耳元で囁く。
出来るとも。クローブの良さはよーく知っている。クローブなら良いお母さんに絶対になれる。
それに夫婦は…家族は支え合うものだ。クローブ一人で気負うのではなく、自分と二人で支え合ってそんな家族になればいいんだ。
そう言ってクローブの頭を撫でると、彼女はこちらを見上げて微笑んだ。
その目は僅かながらに涙を湛えていたが、既に表情からは憂いが消えていた。
「ありがとう、団長さん。そうね…私達、夫婦だものね」
そう言うと、不安が軽くなったためか彼女の口から可愛いアクビが出てきた。
「ふぁ~…。ふふっ、明日は結婚式なのに頑張りすぎちゃったわね。そろそろ寝ないと」
それもそうだ。
晴れ姿で眠そうな顔をしてしまっては問題だ。恋人同士の関係は終わり、明日は家族としての門出なのだからしっかりと決めなければ。何よりクローブの晴れ姿をしっかりと目に焼き付けなければならないのだから。
それを聞きクローブはニッコリと笑うと、軽く唇を重ねて抱き着いてきた。
「ええ。明日からも、それから先もずっとずっとよろしくね。あなた♪」
「クローブさん、ご懐妊おめでとうございます。ご結婚に続き今度はおめでたとは喜ばしいことが続いて何よりです」
「ありがとうございます我が主。出産日が近付いたら産休を取らせて頂きますが、それまでは無理のない範囲でこれまで通り働かせて頂きます(タイミング的にこの子がデキたのって結婚式の夜か前日に愛し合った時ね…)」
「残ったメンバーで何とかしますし、産休だけでなく育休もキチンと取ってくださいね?……ところでクローブさん。話は変わるのですが、クローブさんが育休明け後に職場復帰しやすくするために今度ネライダで託児所を設けようと思っているのですが……」
「我が主、それはお腹の子が女の子でも使えるんですよね?」
「えっ」
「私の職場復帰として設ける以上は、当然お腹の子の性別に関わらず使わせて頂けるんですよね?」
「え、ええ勿論です!子供の性別は勿論のことクローブさんのみならずメンバーへの福利厚生の一環として今後も積極的に活用していくつもりですよ当然です!」
「それはありがとうございます我が主。我々のためにそこまで心を砕いて頂いて主人ともども深く感謝いたします。ねっ、あなた♪」
…そうだね!
((母は強し…))
「…♪」