そのせいで投稿が若干遅れてしまった。
本当ならば本編更新と共にアップしたかったのですが
とりあえず、久々の話のジャンルなので、色々と感想などなどお待ちしております。
暗い室内。灯りは少量。されど窓から取り入れた月と星の光が、室内にいる人間の顔を明らかにする。
「あっ……あっ…―――セ、セツナ……あうっ……」
「―――かわいいよリーナ。んっ……」
「ああっ!――――や、やだ。
後ろから『吸血鬼』よろしく首筋の素肌に口づけをされた嬉しさはあれども、『尻軽女』と陰口を叩かれてしまう恐ろしさが勝るリーナに、刹那はほほえみながら言う。
「その辺はキミのパレードか、もしくは俺の方で処置できるけど……」
「ケド?」
背中越しにこちらをみつめてくるブルーアイズの美しさと声の可愛らしさ―――されど不安げな眼差しを安心させるように言葉を重ねる。
「アンジェリーナ・クドウ・シールズは俺の女なんだってことを、ちゃんとみんなに示したいんだ。リーナが本当にイヤなr……」
言葉を遮るように身体を浮かせ、首を伸ばして口づけがされる。
背後から愛撫している形での性交であったためだが、 器用にそんなことをやられて―――それでも歯が当たったことから、完璧ではなくて少しドジな彼女への愛おしさがこみ上げてしまう。
「バカ……本当にバカなんだから―――」
膨れた顔をしてから、刹那の胸板に寄りかかり、体重を完全に預けてきたリーナに対する愛撫を継続する。
刹那の愛撫はとてもいいものだ―――先ほどまで感じていたお腹の疼痛も既に収まり―――寧ろ、また感じたいと思える甘い疼きに変わっている……。
(ああ、コレがガールからレディーになるってことなのね……)
息も絶え絶えに、そんなことを考えてしまうのは当然だ。
如何に、リーナが
軍隊での厳しい訓練は痛みや極度の疲労を伴う。
時に嫌な思いもしてきたのだが……。
だが、ソレ以上にそういう性交渉―――セックスというものを行うことに、少しの恐れを抱いてきた。
訓練生時代に『月のもの』が始まり、女性の衛生兵や医務官に相談をしてから、色々と知り、更に言えば―――。
もしも自分のような女兵士が実戦投入されて、運悪く『捕虜』となった場合、『女性軍人』というものに起こり得る『最悪のケース』も教えられた。
言葉だけでなく、『資料』としても―――正直、その日から2週間ぐらいは違った意味でも調子を崩していた。
いかに兵士とはいえ、『候補生』。それも未成年にそんなことを教えるなど人権侵害であり、ハラスメントも同然だったが、それもまた軍人としての教育であり―――辛くても、なんとしても己の意志で『任官拒否』を出してくれと願う人がいたことに、リーナは気づかないでいた。
だから性交渉、はたまた性行為、それも
ようするに、周囲の願いとは裏腹に、リーナはちょっとした『性嫌悪症』になってしまったのだ。
けれど――――――。
「セツナぁ……また『シテ』……
後ろにあるセツナの首に腕を巻き付かせることで、甘えるように
とんだ変節である。
だが、あの頃の自分に教えてやりたいぐらいだ。
愛しい男性と繋がることは、気持ちいいのだと。
「大丈夫か?」
当然ながら、一時間前までヴァージンだった恋人への気遣いをするセツナに、嬉しさがこみ上げる。
「ウン♪……なんていうか、ヘンよね。ハジメテは痛いだけで、男の子の優しさ次第だってハナシだったのに……」
リーナの整った顔の頬から顎にかけてのラインに指を柔らかく這わせる。それだけで少しだけムズかゆいようで、気持ちよさも感じる。
幾度か往復したあとに、刹那は言う。
「人それぞれなんじゃないかな。というか―――『アレ』ってシルヴィアとアビーと―――ついでに言えばアンジェラでの『仕込み』なんだろ?」
その言葉にドキリ! としたリーナは、とりあえずすっとぼけることにした。
「ナ、ナンノコトカシラ〜〜〜 ワタシ、ナニもワカリマセンけど〜〜」
「はいはい。下手なすっとぼけア・リ・ガ・ト・ウ・ゴ・ザ・イ・マス!」
「アッ! も、もう……不意打ちでソフトタッチな愛撫しないでよぉ……おっぱい弱いんだから……」
先ほどから若干、『ヤラレっぱなし』のリーナとしては面白くない思いもある。
だが、それは仕方ないのかもしれない。この微笑みの爆弾ばかりをリーナに投げつけてくる男は、色んな意味でリーナにとって初めての男で、今日もまた一つ、その称号を取ってしまったのだから―――。
金色の髪を柔らかく撫で梳かれながら、再びベッドに横たえられるリーナは、その自然な動きに逆らう気もせずに―――諦めつつも、『爪痕』を残してやるという想いで、こうなった経緯を思い出すのであった―――。
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それはとある日の昼下がり。スターズ基地の食堂にて、コーヒーや紅茶で食後の駄弁りというものを女四人でやっていた時だった。
「しまったなぁ……ローズヒップティーとカモミールティーでティーとティーがダブってしまった……」
珍しくもボストンから『何故か』やってきた、自称『悪の科学者』アビゲイル・ステューアットのその一言を切っ掛けにして、一人の女が立ち上がる。
何かの意を決したのかテーブルにいる女―――少女というに相応しい子を指差して、口を開くのだった。
「リーナ……。いまのアナタはたるんでいる!!はっきり言ってしまえば、ゆるゆるだっ!!」
「シ、シルヴィ―――い、いきなりなんですかー!!!??? 今にもアルター能力者2人をガイシューイッショクしそうなセリフで!!」
言いながらも彼氏の作った『ショートケーキ』をぱくつくことは止めないリーナに、更にシルヴィアは、重症だと思うのだった。
「言おう言おう。絶対に言うべきだと想っていたことですが、まぁこの際、この場で言おうと想いましてね。まぁつまり―――リーナ、アナタはたるんでいます」
「だからどういう意味なんですかっ!? 今週は殆ど基地内で重要なものを壊したりしていませんし、多少の壊れたものはセツナに直してもらいましたよ」
ナニもしなくても何かを壊している総隊長というのは、どうなんだろうと想いつつも、三人は口を開いた。
「そう。そこです」
「そこよね」
「そこだねぇ」
「え?」
返した言葉に三者三様の同意が返ってくる。一番、落ち着いているのはアンジェラ・ミザールだろうか。
そんなリーナの困惑を他所に、三人は納得しあって一つの結論を出すのだった。
最初に慰めの言葉としてアビゲイルが笑みを浮かべながら言う。
「リーナ。色んな思惑含みとはいえ、10代前から軍隊に入れられたキミに、紆余曲折あったとはいえ同年代の恋人が出来たことは、好ましい限りだ。
歳が違うとは言え、我々友人一同も心から祝福出来るよ。おめでとうアンジェリーナ」
「あ、ありがとうございます……アビー」
歳が違うという意味ではある意味、刹那も同じようなものだが、あえて言う必要もあるまい。
顔を真赤にして嬉しそうな顔をする少女に、そのような指摘は無粋である。
そして件の彼にとって、この世界での経験は色んな意味で新生したようなものであるのだから。
半世紀以上前にJAPANで流行った
『宝石術士のやり直し』といったところか。
まぁそれはともかくとして―――。
「正式な交際が始まってから凡そ3ヶ月―――その間、何がありましたか?」
「そんなプライベートなことを、事細かに言うようなんですか?」
「まぁ概ね分かる気はします。少し前のクリスマスで下手すればアナタ。基地内の自室で
「く、クリぼっち……」
英語で言われたはずなのに、何故か日本語的なニュアンスが優先されてリーナの耳に入ってしまった。
そんな自分はちょっと嫌だ。確かにそういう日に誰もが出かけていれば、留守番役が必要なのは理解している。
ある程度、緊急性ある職業には、そういうめでたい日でも待機要員というのは必要なのだ。
多く、独身者・年少の者にそういうのは押し付けられるもので、ある種のパワハラも同然だが、色々と埋め合わせもされるものだ。
そんなこんなで、リーナも当初は『年少』で『総隊長』という事から半ば、自発的に留守番をしていようかと想っていたのだが……。
「大佐があそこまでお膳立てしたのに、ナニも無かったとは……」
バランスが『君もクリスマスナイトを楽しんでこい』と言ってきたので、後ろ髪を引かれる思いを感じつつも、リーナは街に行ったのだ。
「ちゃ、ちゃんと基地から出てセツナの
真っ赤な顔で眼を瞑りながら両方の人差し指を、ツンツンとくっつけ合うリーナ。
彼女からすれば、恥ずかしい限りだが、そういうことが出来ただけでもう幸せだったのだ。
好き合う男子がいるだけで、人生の彩りがこうも違うとは―――。
刹那と一緒にいることは、色んなものが発見されて驚きばかりである。
「ええ、そうですね。確かにそれは良かったと祝福出来ます」
「じゃ、じゃあ何でですか? 任務にも支障は出ていませんよ!」
何だかシルヴィアの言動がすごくイジワルなものに聞こえてきたリーナは、勢いよく問い返す。
シルヴィアは告げる。
「ズバリ言えば、リーナは刹那君に甘えすぎて、『何もしていません』。完全に『男に飽きられるダメな女』のパターンです」
「まぁ刹那君には、料理でも魔法でも先んじられている以上、テンプレートな
せいぜいパソコン端末などの扱いかな? というアビーの言葉に、何か『ずずーん!』と重いものがのしかかった気分を味わうリーナ。
いや、確かに色々とあの後のリーナは刹那に魔術的な教導も願った。いままで以上に一緒にいることも多くなって、両親に『正式に挨拶』しに行き、正真正銘の『カレカノ』になれたと想っていたのだが……。
「シルヴィアに追随するわけじゃないけど、それは『そうなる前』から、そうだったじゃない。戦略級魔法師の身分であっても、ニホンに出かけて温泉や色んな観光地めぐりをしていたわけだし―――関係性としては、あんまり変わっていないんじゃない?」
「ア、アンジェラまでそういうこと言うなんて、確かに言われれば、そうかもしれませんが―――」
じゃあどうすればいいのか?
あのボストンでの一件の当初からリーナと刹那の仲を見てきたアンジェラ・ミザールの言葉に、リーナも窮する。
彼女の言葉にいままでの行動とかを考えて、念願の『彼氏彼女の事情』(間違い)になれたというのに、「まるで成長していない……」状態であることを認識するのだった。
「そうかい? 何だかプラズマリーナのバストが、とんでもなく『メタモルフォーゼ』してビッグなものになっているように私は思うけど?」
「
ネコのような笑みを浮かべながらからかうように言ってきたアビーに、胸を押さえながらリーナは涙目で言う。
むぎゅっ! と潰れる少女の『Big tit's』に僻みを覚えつつも、されどシルヴィアとアンジェラは、言うことにしたのだ。
「如何にリア充爆発しろな状態で、若干ウザいぐらいのバカップルであっても、リーナが刹那君に飽きられてしまう事態は忍びない―――」
「ゆえに私達は総隊長に、進言します」
「―――ナニをですか?」
ごくりと唾を飲み込んでから年上2人に問いただすリーナ。
やはり人生の先達ゆえに、こういうことは真面目に取ってしまう。
シルヴィアないしアンジェラは、もしも日本の隠匿戦略級魔法師への探りを入れる任務の場合も、リーナに『アレコレ』言って修正を掛ける役目―――日本語で言えば
そういうのは刹那に丸投げすることにした。
結局リーナがポンコツ気味になるのは、一人で抱え込んで悩み、それを外に漏らさないで溜め込む所に原因があったのだから―――。
それを吐き出させて、一緒に持ってくれる相手が今はリーナにはいるのだから。いいブレーンであり参謀役が刹那の立場である。
ゆえに―――。
「アナタにとって副官であり、恋人である刹那君との『関係』を深めることをオススメします」
「回りくどい言い方をなくせば―――」
『『『セツナ・トオサカとセックスをするんですよ。アンジェリーナ』』』
3人の年上からの進言に、真っ赤な顔で口をあんぐり開けてしまうアンジェリーナ・クドウ・シールズ。
ここにアンジー・シリウスの『初同衾大作戦』が開始されることになるのだった―――。