※この作品はR-18です。

魔法科高校の『魔宝使い』――雑話艶話   作:無淵玄白

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『初同衾大作戦 弐』

リーナからすれば『大人』(アダルト)な三人の女性から言われたことにオーバーヒートして、固まってしまったわけだが、意識を取り戻して言葉を返す。

 

「た、確かに恋人関係(Steady)ならば、いずれはそういうこともあるんでしょうケド……ワタシのトシでは、ちょ、ちょっと早くないですか?」

 

「まぁこういうことは当人たち次第でしょうし、アナタも、そういうことを怖がるのも分かります」

 

真っ赤な顔でうつむき加減で言うリーナにシルヴィアも理解を示す。

 

リーナと刹那の母国でもあるJAPAN(ニホン)での貞操観念では、『貞淑な女子』が今は主流らしいが、正直そんなものは上っ面だけな気がする。

 

結局、性的に熟してくればそういったことに興味を持ち体験したいと思うのが、思春期の情動というものだ。

 

相手を思いやりながら、相手の事情を考えてからそういうことに及べばいいだけだ。

 

当然、この時代になれば、昔のような避妊器具など過去の遺物も同然である。

 

破れることはない最新素材で作られた薄膜も同然のコンドーム。スプレー型のナノスキンコンドームや。同じくスプレータイプのコンドームでも射精された精液をただのタンパク質に変える『生』を擬似的に体験できるものもあるのだから。

 

閑話休題(それはともかく)。

 

危機意識を持たせるべくシルヴィアからバトンタッチしてアビゲイルが説得に移る。

 

「けれどねー。リーナも知っての通り、彼は、この世界に来た時点で18歳の身体から12.3歳程度に下げられてしまった『江戸川コナン』なわけだしね……まぁつまり、ヤりたい盛りの身体を持て余しているんじゃないかな?

意外とリーナが見ていないところで、ぱっつんぱっつんに張り詰めた身体のコールガールの一人でも部屋に連れ込んでいるかも知れない」

 

「―――せ、セツナはそんな安い男じゃありません!!」

 

「そうは言うけど、いつまでもヤラしてくれない彼女とか、明らかに破局のフラグは立っていないかい?」

 

「うぐっ……」

 

リーナもそこまで言われると弱い。恋人の誠実さを疑うわけではない。だが、それでも……刹那も男なのだ。おまけに見せられた記憶によれば、年上のお嬢様(セレブ)。

それも銀髪の美人女子大生(ユニバーシティ)とでも言うべき人で、『卒業』していたのだから。

 

そもそも刹那の世界の有力魔術師というのは大なり小なり『資産家』『名家』の出というものらしいので―――。

 

正直、市役所の職員、水道局で働く父親と専業主婦である母親などと庶民的な家庭で育ったリーナからすれば……色々と育ちの違いというものを感じてしまうのだ。

 

当然、刹那はそんなことは気にしていないのだが―――乙女は色々と複雑なのだ。

 

そんなわけで―――そういう変なコンプレックスで弱っていたところにシルヴィアは声を掛けるのだった。

 

「あんまり身持ちが硬すぎると、捨てられちゃいますよ?」

 

シルヴィアの何気ない『経験則』含めての言葉を掛けたその瞬間―――。

 

リーナの眼からはポロポロと涙がこぼれるのだった。

 

「り、リーナ?」

 

「い、イヤです―――!! 軍に捨てられても、親に捨てられても構わないけど! セツナに捨てられるのはゼッタイにイヤ―――!!」

 

(((い、依存してる―――!!!)))

 

ギャグ的かつ少女漫画的な手法で言えばデフォルメされた巨大な『うるうる眼』になってそこから玉のような涙を流すリーナの姿がそこにあった。

 

流石にシルヴィアも、想像しただけでそこまでになるとは思っていなかった。

 

ここまで愛が深く、リーナが依存、もしくは夢中になるぐらいに、刹那を愛していたとは……。

 

「お、落ち着いてくださいリーナ。私も言い過ぎました。申し訳ありません」

 

咳払いをしてから涙を拭ってあげるべくハンカチをあてるシルヴィアに、それでもリーナは問いかける。

 

「……けれど捨てられちゃう可能性はあるんですよね?」

 

「まぁ危機意識は持ってください……。年上のアドバイス程度ですが、そういう風に! ガードが硬すぎると男は離れていくんです……!!」

 

「そ、そうなんですね! 何だか実体験を基に話されている気分です!!」

 

「「「そのとーり!!(涙)」」」

 

三人のアダルトレディたちは、昔のことを思い出して、ちょっとだけ涙する。

 

今では『昔の話』と割り切ろうと思えば割り切れるが、年下から言われると色々と思うところは出てくるのだ。

 

「でもオンナのコの方から誘うというよりも、そういう時はどんな服装をしたらいいかワタシ分かりません……そ、そりゃ下着は特別なものの方がいいのはわかりますケド」

 

「そこは私達が、ばっちりプロデュースしてあげるわよ!」

 

「……またプラズマリーナなコスプレはイヤですよ」

 

アンジェラの胸を叩いて『どんと来い』と言わんばかりの態度にリーナは『前例』を持ち出して釘を刺すのだが。

 

「結構アレって男の性的な部分を刺激すると思うんだけどなー」

 

そりゃあんな丈の短いスカートでは、どんな男でも近くにいれば興奮するだろう。

 

……そう考えれば、それでもいいかもしれないが。しばらくはあの服装はしたくない。

 

コズミック・ホラーなデビルフィッシュ(頭足類)に、貞操の危機を齎されたことを考えれば―――。

 

(そんなことになる前に大好きなヒトに―――か……)

 

想像しただけで顔が赤くなるのを隠せない。

 

大人3人が、先程から……。

 

『この軽音楽部なジャパニーズスクールガールな衣装の方が!!』

 

『いいえ、こちらの下ネタばかりを副会長の男子に振る元・女子校の会長制服の方を推します!!』

 

『甘いぞキミたち!! JAPANのスクールと言えばメカニカルな最先端技術を学ぶこのIS学園制服を推すぞ!!!』

 

『『も、モッピー!!!』』

 

などとJAPANのアニメ・マンガの『何故か』、リーナの声に『そっくり』なキャラばかりをチョイスしてきて、その衣装をテーラーマシンに掛けようかとか議論をしているのだ。

 

最終的には……。

 

『ぬいぐるみを選んでいるところを敵組織に銃撃される巨乳MSパイロット!!』

 

『サ○シを一度は負かせた格闘タイプジムリーダー!!』

 

『白血球!!(ver,BLACK)』

 

などとカオスを極めようとしたところで―――。

 

「真面目に考えてくださーい!!! 面白がっているようにしか思えませんケド!!」

 

手を振り上げて、『I am a angry』であることを知らせたリーナなのだが。

 

「むぅ。私達なりに真面目に考えていたんですが」

 

「そもそもリーナが色々な声を出せることに原因があるのよね」

 

「な、なんかいわれなき誹謗中傷を受けている気分です!!」

 

シルヴィアとアンジェラの言葉に若干、自分の『中身』が痛くなる気分を覚える。

 

「とはいえ、中々にこれといったものが浮かばないな。そもそもセツナ君が、どんな衣装に性的興奮を覚えるのかが分かればいいんだが」

 

「何か心当たりは?」

 

「ソ、ソウあらためて言われると―――まぁ原色系の衣服―――赤色には思い入れがあるんでしょうね……そんなところですよ」

 

だからリーナは、いつぞやのショッピングで背中が丸見え赤のスパンコールドレスを買ったのかとシルヴィアは想いつつしていた時に。

 

「おや、花も恥らう乙女が4人、食堂で何を話しているんだい?」

 

「ダ・ヴィンチちゃん!」

 

魔法の杖の人間形態(?)の姿が食堂にひょっこり現れて、そんなことを聞いてきたのだ。

 

「レオナルドー! 聞いてくれよー私達の悩みを!!!」

 

魔法の杖の一番の話し相手であり、日夜とまではいかずとも、様々な魔法や科学の理論を戦わせるアビゲイル・ステューアットが、さきほどまで話していた非常に個人的なことを言う。

 

「ほうほう。話は分かった。しかし、ウチの坊やを安く値付けしすぎじゃないかい?」

 

「デスヨネー」

 

少々、疲れ切った声でリーナが同意を果たす。

 

何だかここまで来ると、ビバリーヒルズ青春白書(ビバヒル)の登場人物達のような古典的な誘い方をした方がセツナは『釣れる』のではないかと思えてきた。

 

しかし、ここで魔法の杖でありながら、世紀の発明家で歴史に刻まれた芸術家は、リーナを更に困惑させることになるのだった。

 

「タカ、クジャク、コンドルで最強フォーム(誤り)になれるように、刹那を釣るためのエサ撒き衣装は―――ずばりコレだ!!」

 

先程までシルヴィアたちが操っていた端末を軽快に叩き、ダ・ヴィンチが示してきたもの。

 

それは―――。

 

「コンセプトは『和洋折衷』。そもそも―――我がマスターたる刹那は少々マザコン気質なのだ。ゆえにコレが勝利の鍵だ!!」

 

「―――――」

 

自信満々にダ・ヴィンチちゃんが示してきたもの。

端末の画面に示された衣装を見て、リーナは再び固まってしまう。以前の日本文化に誤解を示すテンプレートな勘違い『外国人』程度の知識だったリーナならばともかく、今のリーナは違う。

 

刹那の『監視役』というお題目で日本に行くこと両手の指では足りず、その中でも『三が日』『初詣』という文化を理解していただけに色々と、『アウト』なのではないかという疑念を抱く。

 

「フフフ、リーナ。何がアウトだというのかね?」

 

「だってコレ、ベースはフリソデ(振り袖)ですよね? なんて言えばいいのか―――キム・カーダシアン並のバッシングが来そうな着こなしですけど……」

 

スリムウェアを日本伝統の着物と誤解させるような『名付け』(ネーミング)とは別のベクトルであるが、どうにも日本の伝統に対する冒涜な気がするのは、自分が2020年頃に生きてきた男と付き合っているからだけではないだろう。

 

ともあれ―――可愛い衣装ではあると思う。

 

しかし、刹那の母親、遠坂 凛の振袖姿(若い頃)を見た以上……何とも決断しきれない。

 

日本文化に誤解ばかりのステレオなヤンキーであった頃のアンジェリーナが、あな、懐かしや。(爆)

 

その頃の自分であったならば、1も2もなく決断出来ていたというのに―――。

 

だが……。

 

(そもそもドレスアップしなくたって、セツナはワタシにメロメロなんだから、この衣装でなくたって、セツナは釣り上げてみせるわ!! ソウヨ! 初同衾(ドーキン)ぐらいは軽くこなしてみせるんだから!!)

 

そんな自己弁護と自己正当化をして、絶対領域が眩しいとんでもないカスタム振り袖を着込むことに乗っかるのだった。

 

「では髪型のセットは私が」

 

「メイクは私がしてあげるわよ」

 

パーマロッドとロールブラシを手にするシルヴィアとパフとファンデーションを持つアンジェラにとりあえず任せることにするのだった。

 

 

そんな3人を見ながら科学者2人。誰が呼んだか魔法社会のドクターラ○ト、ドクターワ○リーであるレオナルドとアビゲイルは『保険』を掛けておくことにするのだった。

 

「アビゲイル、キミの方から頼めるかい?」

 

「任しておいてくれよ。リーナの一世一代の大勝負、はずさせるわけにはいかないなからね」

 

 

言葉少なに悪巧みを完了させた2人の奸計など知らぬリーナは、パレード(仮装行列)以上に自分が『変身』していくことに少しドキドキしていくのだった。

 

 

☆ ☆ ☆ ☆

 

嘱託の魔法師。特例中の特例として軍人でありながら兵員宿舎ではなく市街にアパートを借りている刹那は、愛蔵している紅茶を飲みながら宝石のラインに眼を凝らす。

 

刹那にとって宝石魔術は『思い出』のたぐいだ。極めようと思えば極めていけるかもしれない。

 

だが、魔術使いとしての意識と『魔力供給の杖』がある限り、これはただの研究材料でしかなく――――――。

 

などと、ピジョンブラッドルビーに眼を凝らしていた時に、家の古めかしい電話機に着信が入る。

 

2090年代の最新機器に比べればレトロ感満載のそれを手に取り受け答えをする―――前に、受話器の向こうにいる相手は名乗りを上げた。

 

『フフフ、私はUSNAの悪の科学者『アビゲイル・ステューアット』。魔法怪盗プリズマキッドよ。キミを倒すために私の最高傑作『美少女魔法戦士プラズマリーナ』をキミのアジトに送り込んだ。

今宵のリーナは色々、『覚悟』を決めているぞ♪ キミも覚悟を決めるがいい!!』

 

既知の相手からの言葉を即座に意訳。

 

―――夕飯時にリーナが来るから、歓待してあげなさい。

 

そういうことだろうが、なんとも仰々しいいいようだ。

 

ともあれ、そういうことならば……と冷蔵庫の中身を思い出して何を作れるのかを確認―――。

 

『勘違いしているねセツナくん。私が言っているのは、つまり今夜のリーナは、『All's fair in love and war.』、ニューメキシコでとっても危険なデンジャラスキュートガールということだ』

 

「おいマテ、悪の科学者」

 

そりゃイギリスの格言だろうが。と想いつつ、どういうことだってばよ。などと思っていると部屋のベルが鳴り響く。

 

物騒な界隈という程ではないが、セキュリティはしっかりしているし、何より『魔術的な防衛』もされている。

 

そんなわけで、その『反応』から来た人物を感知したのだが……。

 

「―――来客だ。切るぞアビゲイル」

 

『いってらっしゃ〜い♪ ちゃんと愛してかわいがってあげるんだよ〜』

 

どういう意味だよ。と想いつつ受話器を置いてから来客に対応するために玄関に向かっていき―――『offen』魔術的な施錠を解除してから玄関の戸を開ける。

 

開けて戸の前にいた少女に『ド肝を抜かれた』。

 

「H、Hello〜 突然の来訪で申し訳ないけど、家にあげてセツナー」

 

正確に言えば、少女の格好に対してだ。よく見なくてもいつもより化粧もバッチリ決めてきているし……。

 

「そりゃ構わないけど…… 」

 

なんかの罰ゲームか? そう問いただしたい気持ちを抑えてしまうぐらいに真剣な表情のリーナ。

 

その衣装はかなり『奇抜』であった。流石に冬木の大地主の子供として、高級呉服屋『詠鳥庵』の単衣の見事さを見ていた自分としては―――。

 

(品がない)

 

と漏らしそうになる着こなしであった。

 

しかし、何かはあったのだろう。

 

紅色の振り袖、描かれている模様も凝ったものだが―――その裾は短いところで切られてフリフリの紫色のミニスカートで下着を隠している。

 

帯は後ろではなく前の方で止められていて、というか厳密に言えば、着物帯ではなくリボンではないかと疑ってしまう。

 

白色のオーバーニーブーツで、絶対領域(死語)を強調したリーナの髪型はいつも以上にロールが凄まじく―――、つまりすごく『誰かさん』を思い出させてしまうのだ。

 

しかし、リーナでは若干髪の量が足りなかっただろう……。ロールした髪はそんなに多くなかった。

 

フェザーショールを肩に巻いた彼女の姿は――――――。

 

(成人式で目立ちたがりの女子ならば、やりかねないものだよな……そう納得しておこう)

 

『詠鳥庵』……『エイドリアン』に非ず、『えいちょうあん』の世話焼き上手な楓さんならば……。

 

『なんだよその着こなしはー、ガイジンさんだからって、それは許せないぜ。反物を染めた職人さんたちの粋をダメにするのは、呉服屋の娘として見てられない。着付けしてやるよ♪』

 

などと言って快活な笑顔を見せて最適な着こなしを提供出来るんだろうな……母も地元の高校の文化祭では、貸してくれた高級着物を着ていたというのだから(ミスコン2連覇)―――。

 

まぁともあれ―――。

 

「と、ところでセツナ? この衣装どうかしら?」

 

ニーハイブーツを脱ごうとする前に「くるん」という音が聞こえそうな一回転で見せつけてくるリーナ。

 

その不安を混ぜた笑顔を前にして野暮なことは言わないようにした。

 

「とりあえず、俺以外の前では着ないように。――――――性欲を持て余す」

 

―――実際、一回転した際に見えた下着とか、オンナのコ特有の魅力である絶対領域に心奪われてしまったのは間違いない。

 

総じて言えば―――黒ミニスカートに黒のニーソックスを履いていたという若かりし頃の母に心奪われた父のマッドな血が蘇ったのだろう(言い訳)

 

その血の運命(サダメ)―――SHIROU(自己弁護)

 

「ホ、ホントウ!? よ、よし! 第一関門はクリアよ!」

 

小声にしては大きすぎて明朗過ぎる彼女の声質と真っ赤な笑顔に何とも言えぬ気分を味わいながら―――何となくここ最近のスターズ内部から感じていた空気を思い出して、『先』の展開が読めてしまうのだった……。

 

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