今作のリーナの性格とか刹那に対するアレコレを考えると、こっちの方がらしいかと思える。
「はー……
「満足いただけて何よりだよ」
市内の安アパート―――しかし、魔術師の隠れ家としては上等な場所に来た場違い過ぎる美少女―――しかも着ている『おべべ』は、あまり汚すわけにはいかないものであり、とりあえず作ったものはなるたけ飛沫が飛ばないタイプのもので、更に言えば美味しいものということで……。
「ホント、セツナの手って魔法の手ね。色んなものを作っちゃうんだから♪」
「まぁこの時代では無駄特技だと思うときもあるよ。ただ、
「オヤコドンっていうのよネ……ナニカ想うところでもあるの?」
今日のディナーはふわとろの『親子丼』であった。和食の中でも、これは刹那でも馴染んだ―――懐かしの一品であり、その意図は、あったりした。
「君の
「けど基地でのシフトもあったもの……もう、ダディも最近なんていうか過保護すぎるワ」
そりゃ仕方ない点もある。ため息突くように嘆くリーナだが、少しばっかり同情してしまう点もある。
まだ正式に付き合う前。自分が世界転移をしたあとに、
問題は、それを実家……シールズ家に伝えた時だった。
両親の心としては、色々と複雑だが少しの後悔もあった未成年である娘の軍役従事……半ば、強制徴兵される形であったが、それでも止めるべきだったという想いもあったようだ。
そんな娘からの2年ぶりの連絡。同時に一時帰省すると言われて、専業主婦たるリーナママと、市役所勤めのリーナパパは色々と都合を着かせるべく頭の中で計算をしていたのだが……。
『ソノね……会ってほしい人がいるの』
その恥ずかしがるように紅潮しながらの娘の一言で計算が吹っ飛んだのがパパさんであることは間違いなかった。(ママ 談)
『軍で知り合った『男性』で……ワタシにとって大切なヒトなの。……連れて行ってもダイジョウブ?』
完全に固まったパパさんに代わり……。
『オーケーよ! アンジェリーナ!! そのヒトをパパとママに紹介してドキドキさせなさい♪』
などとゴーサインを出してきたことで、体裁は整ったのだが、その日からご夫婦は連日家族会議をしていたとかなんとか。
ちなみにリーナパパの想像ではムキムキマッチョでステロタイプな『キャプテン・アメリカ』みたいな軍人が、娘を拐かしたと思っていたらしい。
当初はそういう関係になることを躊躇していたのだが……まぁ結局の所、付き合うことになってしまった以上、あの頃から変節してしまった想いはある。いや、そもそもそういったリーナの気持ちには気付いていたので―――つまるところ、『自分が最低でした』という言葉で、交際することの許しを得たのだった。
そんなことを思い出しつつ、何気なく後片付けの為に食器の自動洗浄機を予約してから居間に戻ると……。
コタツに入って寛いでいたリーナは、居らず――――。
「コ、コッチよ! セツナ!!
「あ、ああ……」
刹那がニューメキシコで借りているアパートは確かに安いものだが、それでも1Kなどという間取りでは、生活はともかく魔術研究など出来ない。
ゆえに、それなりに広い間取りが存在している。そしてリーナが入ったのは、寝室兼研究室であった。
別に危険なものはないのだが、まぁそれでも何か触るごとに壊すこともあり得るクラッシャーな総隊長様なわけで……。
「リーナ、どうかしたのか? こたつ入っていて良かったんだぞ?」
扉を開閉して入り込んだ寝室にて最初に目に飛び込んできたのは、振袖姿のリーナであった。
「う、ウカツ。こたつの加減とお腹いっぱいな気分で、思わず
そりゃこたつで『ヌクヌク』していれば、寝ちゃうよなー。言葉の頓智としては、そういう意味だろうかと想いつつも、ベッドにちょこんと座り込むリーナになにかしたのか、少しだけ後悔するようにしていた。
「それで、どうしたのさ?」
「―――ええっと、ネ……ド、ドーシヨウかしら……セツナ……」
「―――うん?」
隣に座り軋むベッド。それが何かの合図であったかのように、リーナは刹那を見つめてくる。
座っていても背丈に差がある故か不安そうで、それでいながらも愛おしさが込み上げる視線が下から突き刺さる。
「………」
「―――」
されど言葉は無く、しかし行動は劇的なもの。刹那の胸板に手を這わせてしなだれる……寄りかかる様子。
寒さゆえではなく、何を求めているかは真っ赤な顔から明白である。
後頭部のもさもさしたロールアップヘアを撫で梳きながら力を込めずに抱き寄せていく。
「落ち着いちゃう……同時にドキドキしちゃう……」
どっちだよ。などとは言わない。何となくではあるが、そういうことだろうと理解はしているのだ。
「リーナの……したいことは何となく分かるけど―――『早くないか?』」
「1○歳の時に銀髪の年上プレッピーで卒業したセツナに言われるとは思わなかったワ♪」
微笑みながらも微妙に怒っているような言い方とフェイスの変化に、刹那としても何とも言えない気分だ。
考えてみれば、あの殺人貴と変な部分で意気投合出来たのも。
DT卒業は『お姉さん』などと言い合えた点もあったので―――まぁつまりは。
「……いいんだな?」
こういう時は、ちゃんと男からリードしなければならないということなのだ。
「
真剣な問いかけの言葉と見つめた瞳に、返事はイタズラっぽい笑顔で小首をかしげるリーナ。
赤い頬に手をやり、顔を近づけていき口付けをする。
軽い接触。小鳥キスと俗に言われるものを続ける。これぐらいは、付き合ってからは良くやっていた。
何度も親しんでしまった女の味。いつでも情熱的なのはリーナの方で、自分の唇を『上書き』せんと必死なのも理解していた。
金髪のエンジェルが、日本の伝統衣装を着て愛を伝えてくることに背徳的なものを覚えてしまう。
手を腰―――ではなく背中に這わせる。
いきなりな今までにないスキンシップ。流石に襦袢の類までは用意出来なかったのか知らなかったのか、厚手のはずの着物なのに敏感に感じ取ったようだ。
背骨の辺りを五指でゆっくり刺激しながら上下するやり方に、リーナの息が荒くなる。
「モウッ! こ、こんなテクニックを披露するなんて―――
「せっかくの綺麗な衣装だからな。すぐ脱がすなんて無粋はしないよ」
「―――キレイなのは
「意地が悪いこという口は―――俺の口でふさいでやる♪」
「キャー♪ セツナがいつも呪文を紡ぐ口がワタシと接触してくるー♪」
この間、密着状態は持続したままのやり取りである。
そして何というか、先程までの緊張状態が解かれていることにリーナは気づく。
いちゃつく時にもあまり刹那は、ロマンチックすぎることは言わないし、必要以上にリーナの何かを褒めもしない。
ただ―――リーナが安らかであるように、と。それだけだ。からかうような言葉もそれであるのだから、本当に……リーナにとって初めての男すぎる。
(グランパの部屋にあった古い楽曲CDの歌詞を思い出すワ……)
(本当はセツナの方が、寂しさも、孤独も吸い込んでほしいはずナノニ……)
甘えすぎているだけだと言ってきたシルヴィアの言動も、あながち間違いではないと感じてきた。
だから、少しだけ接触を深くしていく。自分を求めてくれるように、辛さを分け合うように。
(ワタシをもっと深く求めて……)
キスも舌を割って入れるかのように突き出していき、開くように行動で要求する。
それに気付いた刹那は少しだけ戸惑いつつも唇での接触と舌先での接触を行っていく。
お互いに密着していくと身体のあちこちが当たる。あまり身体を傷めまいと退こうとする刹那を逃すまいと、リーナはいっそう接触を強める。
この期に及んで、往生際が悪い―――ということではないだろうが。
そんなリーナの意図を察した刹那は、フェザーショールが巻かれた両肩に手を乗せて、そっと離す。
絶妙な力加減と、舌先でのセックスともいえるディープキスを優しくほどかれて、惚けた顔を上気させながら刹那を見つめてくるリーナ。
それを見ながらもフェザーショールを外して、邪魔にならない位置。しかもシワにならないように簡易術で置いておく。
「―――あっ……」
その自然な所作に気づくのがワンテンポ遅れたリーナ。まだ肌着ではないとはいえ、服を脱がされた事実に動悸が上がる。
そして―――。
「―――アッ……アア―――セ、セツナ……」
「前から分かっていたことだけど、色々とスゴイよなリーナ……」
正面から胸への愛撫を開始するのだった。
「ソ、ソウヨ。コレがアメリカンなガールの
服越しとはいえ、胸に手をやって撫でるようにすると、明確な反応を示すリーナ。
多弁になりながらも、明確な快感ではないが、むず痒さを覚えて利き手の人差し指―――その第二関節を口元にやって我慢するような仕草に愛おしさを覚える。
声を堪えたいのに堪えきれないリーナをもっといい声を上げさせたいと思うのだ。
そうしていると変化が現れる。
「セツナ……その―――」
もじもじするように身体を揺らすリーナの要求を察して、臍の下辺り―――丹田を意識した位置の腰帯(リボン?)に手をやりながら言う。
「脱がすよ」
「ウン……もう、アナタには先手を取られっぱなしだわ。そんなにワタシは分かりやすいのかしら?」
「以心伝心、ラブテレパシー(爆)ってやつなのかもな」
ふくれるような顔をしたリーナにおどけた返答をしたのだが……。
「LOVE TELEPATHY……イイわね……なんだかスゴく繋がっている気がするわ」
妙な感性を発揮してくれたリーナに愛おしさが込み上げて、チカラを入れずに抱きしめながら、気づかれない程度の力加減で帯を抜き解く。
自分の素肌を守っていた砦が一つ無くなったことを意識したのか真っ赤な顔を下にしてから、きゅっ、と抱きしめ返してくる。
少しだけそのままにしておいたが、それでも行為の続きをするべく、ベッドの枕方向に倒れる。
身体を傷めないように、柔らかな倒れ込み。そしてリーナも密着したことで感じるものがあった。
刹那の下半身の隆起したものを。興奮してくれていることに気づき嬉しくなる―――そして、上半身を離して下にいるリーナの顔を見ながら、着物を左右に開いて上半身を晒す刹那。
(
そんな無駄ごとを考えつつ、シルヴィア達に言われる前から、『こんなとき』の為に『一応』は準備していた下着に関する感想を求める。
「キュートだな」
「セクシーじゃないノ?」
「それはキミも含めての感想になるかな」
「やっぱりアドバイス通り『アレ』が良かったかしら……」
リーナとしては望んでいた答えではなかったらしいが、シンプルな白の上下―――しかし、ピンクカラーで花柄の遊びを施したものは、リーナの年齢不相応のバストを包んでそれでも、少しだけ強調するように盛り上げていた。
双丘に手を伸ばす―――。察したリーナが緊張するのを見ながらも、柔らかなブラ、それよりも柔らかいリーナの膨らみを同時に揉んでいく。
「Oh……Ah……A,aa……Yes,yes……feel good……」
恥ずかしそうに眼を少しだけ伏せながらも、刹那の愛撫に気持ちよさを覚えて手を口元にしながらも、上げる声は快感を伝えてくる。
思わず夢中になりそうなのは刹那も同じだった。軍人として鍛えられてきたというのに女の子特有の柔らかさを備えて、されどその身体の芯はズレていない。
ある種の芸術品も同然だ……。
たとえ遊びを然程知らなかった少女時代とはいえ、成長していけば、自分と出会わなくても周囲の男は放っておかなかっただろう。
「アッ、アッ……
だが、いま―――リーナのステディは自分なのだから、その特権は遠慮なく使う。
眼を閉じて、刹那の愛撫に身を捩らせながらも気持ちよさを素直に伝えるリーナの秘密をまた一つ解いていくのであった……。