あ、エロシーンの続きです。
人形そのものに対する効果実験も行われた。被験者は玲花だった。だがカプセルは人形の機体には影響を及ぼさなかった。実験時に玲花が欲情したのは単にストレス値が高まったためと優一郎は判断した。ナノマシンを除いてしまえば機械である人形たちに催淫効果は出ない。つまりどれほど人形に溶液を注入しても、問題ないということだ。
実験データを基に優一郎は人形の機体に特殊な溶液を仕込むことにした。体液に一定量の溶液を混ぜ、生身の人間と性交渉させる。先に手に入れていたデータの通り、人間には効果が現れたが人形の方は全く問題ない動作が出来た。
そうやって実験を何度か繰り返し、やがて絵美佳が開発した催淫剤は優一郎の手によって大幅に作り変えられた。そして改良型の液体が多輝に与えられたのだ。
「そして、龍神にも効果が期待できることは証明済みなんだ」
じわじわと侵食することを楽しみながら、優一郎はカプセルをゆっくりと水輝に与えていた。効果が出るまでの時間を計測し、水輝に実際に現れた効果を目で確かめる。そしてまた次のカプセルを与える。やがて水輝は立っていられなくなってしまった。だからこうしてベッドに運んだのだ。
虚ろな眼差しをして水輝が掠れた声を上げる。優一郎は壁にもたれかかりながら水輝の身体を支えていた。次の効果が現れたらしい。そのことに満足し、優一郎は水輝の顎に指をかけた。潤んだ瞳から涙が零れている。水輝の様子に薄く嗤い、優一郎は触れるだけの口づけをした。途端に腕に抱いていた水輝が身体を震わせる。
「このカプセルはね」
囁いて優一郎は転がっていたカプセルをまた一つ取り上げた。天井の明かりに透かして見る。
「特別製なんだ。通常の濃度では龍神の身体には効き目が薄いことは判っていたからね」
龍神の肉体は外見は人間と変わりない。だが治癒能力がずば抜けているためか、人の使うような薬剤が殆ど効かない。単に眠らせてしまうことすら簡単ではないのだ。それはあらゆる薬剤をこっそりと多輝に盛った結果から得たデータだ。そして優一郎は絵美佳の握っていた多輝のデータもコンピュータを駆使して手に入れたのだ。
「さあ、どうしたい?」
カプセルを水輝の目の前にちらつかせ、優一郎は深い笑みを浮かべた。水輝は虚ろな眼差しをカプセルに注いでいる。カプセルがどんなものなのかということすら水輝は考えていないだろう。ただひたすらに身体の欲するままに動いているだけだ。
水輝は眠る度に時をゆっくりと遡る。そうメールには記されていた。記憶も、肉体も、そして思考すら時を遡っているのだ。やがて水輝の記憶からは立城のことも消えてしまう。メールを思い出して優一郎はにっこりと笑った。水輝は何かを懸命に堪えているのだろう。潤んだ目からは涙が伝っている。
まだ足りないかな。優一郎はそう呟いてカプセルを口に含んだ。泣いている水輝の唇を塞ぎ、カプセルを舌で押し込む。そうしながら優一郎はベッドの上のカプセルを指でつまんだ。片腕で強く水輝を抱き寄せる。
水輝の腰が少し浮く。優一郎は口づけしたまま青いスカートの中に手を入れた。指先にカプセルを挟んだまま、水輝の下着に触れる。下着はすっかり濡れそぼり、腿には愛液が伝っている。優一郎は指先でゆっくりと腿を流れる愛液を辿った。腕の中で水輝がびくりと震える。唇を離すと水輝は優一郎のシャツをつかみ、肩に顔を押し付けた。
まずは身体を開発しないとね。優一郎は耳元にそう囁いて水輝の下着の後ろから手を入れた。指先に挟んでいたカプセルをしっかりとつまみ直す。陰部周囲に溢れていた愛液を指先に絡め、優一郎はカプセルの先端で水輝の尻の割れ目をなぞった。途端に水輝が腰を震わせる。
「んっ……あっ!」
動こうとする水輝の腰を押さえ、優一郎はカプセルを人差し指で強く押した。硬く閉ざされていたひだの間にカプセルが飲み込まれていく。
「これで、どう?」
尻から入ったカプセルはやがて水輝の腹で溶ける。それを思い描きながら優一郎はくすくすと笑った。水輝は吐息をつきながら震えている。そんな水輝の身体を片腕に抱き、優一郎は片手で下着の中を弄った。
数十秒が過ぎた時、不意に水輝が掠れた声を上げた。背中を反らせて鳴いた水輝を見ながら優一郎は唇で嗤いを刻んだ。
「もっと、快楽が欲しい?」
優一郎は残ったカプセルをつかみ、水輝にそう語りかけた。水輝にはもう優一郎の声は届いていない。だが優一郎はそれを知りながら、あやすように再び同じ問いかけをした。
「し……すいっ、お願い、もう……」
耳に水輝の掠れた声が届く。優一郎は小さく笑ってカプセルを一つ、手の中から摘み上げた。
「しすい……紫翠?」
その名を持つ龍神はかつて水輝の前に散った。ふうん、と嗤いながら優一郎は水輝を見下ろした。紫翠についてメールに記されていたのはそれだけだ。紫翠と水輝の間に実際に何があったのかは優一郎には知りようがない。だが、少なくともこの状況で水輝がその名を口にするということは、彼女の心の奥に紫翠の存在が強く印象付けられているということだ。
今回は4分割です。
このエピソードで9章は終わりです。