だがこの機体は違う。優一郎はそう呟いて横たわる人形に屈み込んだ。微かに呻いた人形が吐息をつく。優一郎が指先で弄り続けている乳首は次第に固さを増していた。眠りながら優一郎の愛撫に反応しているのだ。
赤く形のいい唇が微かな吐息を漏らす。ゆっくりと愛撫をしつつ、優一郎は静かに身体を屈めた。あたたかい唇を静かに塞ぐ。人形はぴくりと身体を震わせ、優一郎の舌を受け入れるために唇を開けた。
他の人形たちは夢を見ない。眠りの状態がないのだから、見る筈もない。だがこの人形は違う。恐らく優一郎と口づけを交わしながら、別の誰かとの口づけを夢見ているのだ。柔らかな唇が優一郎の舌を吸う。優一郎は目を固く閉じて人形の口の中で微かな呻き声を上げた。
「僕のものではない。だけど」
人形から唇を離し、優一郎はそう囁いた。人形に閉じ込められている多輝のことを思い出す。人形の濡れた唇を見つめてから優一郎は静かに身を起こした。人形の頬はうっすらと赤くなっている。
僕のものではないけれど、それでも僕は君を支配する。優一郎は白衣を翻してベッドから離れた。壁際にあるスチール棚に近づく。硝子張りの扉を開け、中から器具を取り上げる。静かに扉を閉め、優一郎はベッド脇に戻った。人形の身体を見下ろしながら白衣の中に手を入れる。静かな部屋の中にジッパーを下ろす音が響いた。
呼吸の音が次第に荒くなる。優一郎の顔には自然と赤みがさしていた。優一郎の上体は軽く前に倒れている。人形の身体を優一郎の視線が這い回る。優一郎は熱い息をつきながら身体をさらに倒した。人形に深く口づける。人形は軽く呻いて優一郎の唇を受け入れた。
ゆっくりと人形の中に入り込み、やがて心を侵食する。そう思い描きながら優一郎は貪るように人形の舌を吸い上げた。夢中で口づける優一郎の口の中で、人形が微かに声を上げる。白衣に包まれた優一郎の手の動きが速くなり、それに従って呼吸もどんどん激しくなった。
腰に鈍い快感が走る。優一郎は低く呻いて肩で息をした。身体から何かが抜けていくような感覚がある。砕けそうになる足に力を入れ、優一郎は深く息をつきながら身体を起こした。汚れた手をタオルで丁寧に拭いてから、ベッドに向き直る。
優一郎は小さなビーカーをつかんでいた。白い精液がビーカーの底に溜まっている。優一郎はくすくすと笑いながら人形の脇に置いていたピペットを取り上げた。精液をピペットで吸い上げる。
「僕のものになっていない以上、直接挿入するわけにはいかないからね」
だからゆっくり侵食してあげるよ。優一郎はそう呟いて人形の顎をつかんだ。軽く引くと人形の口が開く。ピペットの先を人形の口の中にいれる。優一郎は楽しそうに笑いながら人形の舌の上に精液を落とした。
「……ん」
人形が微かに身じろぎする。優一郎が手を離すと、自然と人形はピペットを咥え、精液を自ら吸い始めた。口の中に誰かのペニスを咥えこんでいる夢でも見ているのだろう。人形の舌が艶かしく動き、ピペットを舐める。優一郎は小さく笑って、ピペットに残っていた精液を最後の一滴まで人形に注ぎ込んだ。
この美しい人形の器に相応しい中身にしてあげよう。優一郎はビーカーとピペットを手に、ベッドの隣にある台に向かった。台の上には試験管が並べられている。試験管立ての中から一本の試験管を選び出し、ゴムの蓋を取る。すると仄かな香りが辺りに漂った。滅菌済みの別のピペットを使って試験管の中の液体をとる。透明な液体を規定量とってから、再び蓋をする。優一郎はピペットの中身を精液の残るビーカーに入れた。ビーカーを振って液体を混ぜる。すると白かった精液が変色し始めた。完全に混ざると淡い紫色になる。
優一郎はビーカーの中身をピペットで吸い上げた。それを片手に人形に向き直る。再び口を開かせてピペットの中身を一滴だけ落とす。すると人形は声もなく身体を震わせた。やがて呼吸が乱れてくる。
人形の中に入っている多輝にはある香りを刷りつけてある。その香りが人形の身体を欲情させているのだ。優一郎は熱い息をつき始めた人形を見下ろしながら薄く笑った。人形の口の中に一気にピペットの中身を落とす。音を立てて飲み下した人形は、熱い息を吐き出した。
「あはぁっ、うんっ……」
人形の足がゆっくりと動く。眠りながら足を開いた人形を見下ろし、優一郎は深い息をついた。自分に操られている人形の姿に欲情してしまう。萎えていた筈のペニスが再び張りつめている。優一郎は小さく笑いながら再びビーカーを取り上げた。ねっとりとした液体の残るビーカーをペニスの先にあてがう。
触られてもいないのに、人形の秘部には愛液が滴っている。優一郎は開いた人形の足元に移動した。眠りながら微かに喘いでいる人形を見つめ、無言でペニスを扱き始める。先ほどよりさらに激しい快感が優一郎に襲い掛かった。
じわじわと人形を侵していく。その喜びに震えながら優一郎はペニスを強く扱いた。身体を倒して人形の股間に唇を寄せる。舌で触れるとクリトリスが勃起していることが判る。よがる声を聞きながら、優一郎は夢中で人形を舐めた。ほどなくペニスの先から精液が迸る。
優一郎は繰り返し、人形に精液と香りを与えた。人形はやがて、口の中に液体を注がれただけで絶頂に達してしまった。激しく鳴く人形はだが、目覚めない。うっすらとした眠りに包まれたままだ。
全ての作業を終え、優一郎は使用した器具を片付け始めた。汚れた器具を丁寧に洗って煮沸消毒する。その待ち時間を使い、優一郎は人形の汚れた股間を綺麗に洗った。既に人形は深い眠りについてしまっている。たまに小さく反応はするが、意識はまどろみの中だ。
もしかしたら人形は夢の中で愛しい人に抱かれて眠っているのかも知れない。
振り切り方がイマイチなのでノリが悪いところも多いですね……。
前のものを見返すのは嫌なのですが、目に入るたびに頭を抱えている始末です。