※この作品はR-18です。

夢の隙間   作:伊駒辰葉

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女子校に潜入してからアレコレと調べて……いるんですが……。
あ、ラストにちょっとキスシーンは入りますが、ガッツリなエロシーンはないです。


リサーチと不思議な取引 1

 一年D組、前川佐緒里。身長一六〇センチ、体重四十五キロ。スリーサイズは上から八十四、五十八、八十。好きな食べ物は小松菜。嫌いな食べ物はにんにく。得意科目は数学……。

 

 多輝はずらずらと並ぶ文字を目で追って脱力した。プリントアウトされた紙と果穂を見比べる。果穂は黙ってコンピュータを操作していた。時折、マウスに手を伸ばして何かをクリックする。多輝はぼんやりとそんな果穂の後姿を見つめた。そしてまた紙に目を戻す。

 

 妙だと感じた生徒の中に一年生がいるかどうかを探したい。多輝が何の気なしに告げると果穂はすぐにコンピュータを起動させた。特別生物室の隅にあるコンピュータの前に座り、果穂は無言で操作した。そして訝る多輝にディスプレイを指し示したのだ。

 

 ぜんこうせいとのでーたがはいっているの。しゃしんもはいっているからここからさがせばいいわ。

 

 多輝はそう言われて該当する生徒を選び出した。その中の一人が紙に印刷されている前川佐緒里だ。多輝は一年生からという優一郎の指示に従って佐緒里を選んだのだ。そして果穂はその生徒のあらゆるデータを集めてくれた。のだが。

 

「普通、ここまで詳しいことは判んないと思うがなあ」

「ふまんなの?」

 

 小さく呟くと果穂がいきなり振り返った。多輝は慌てて首を振り愛想笑いをした。確かに不満はない。少し怖いと感じるだけだ。実際、果穂がいなければ自分は他の生徒たちに見つかっていただろう。そうなると調査どころではなくなっていた筈だ。多輝は引きつり笑いしながら佐緒里のデータを身体の後ろに隠した。

 

「ひつようないでんしをさいしゅうするさいに、でーたがなければめんどうでしょう? だからせいとたちのでーたはまめにしゅうしゅうすることにしているの」

「ええと、とりあえず何となく判った気がするけど、でもおれは理解したくなかったりするなあ。怖いし」

 

 真顔で語った果穂に愛想笑いしながら多輝は早口でまくし立てた。すると果穂が訝るような顔になる。多輝は慌ててまあまあ、と手を振った。

 

 結局、多輝は果穂に礼を言ってから特別生物室を後にした。データに従って一年生の教室を目指す。休憩時間に入っているために廊下には生徒たちが溢れている。多輝はさりげなく生徒たちの中に混ざり、目的地を目指した。

 

 一年D組を見つける。多輝は入り口脇にいた女子生徒の一人を捕まえた。

 

「あのさ。ここに前川佐緒里って子がいると思うんだけど」

 

 どうせ生徒たちは学校にいる生徒全員の顔を覚えている訳ではない。多輝は堂々とその女子生徒に問いかけていた。全校生徒のことをいちいち把握しているのは、きっと果穂くらいのものだろう。すると多輝の考え通り、女子生徒はあっさりと頷いた。

 

「ああ、前川さんね。ほら、あそこの一人で座ってる人よ。何なら呼んでこようか?」

 

 女子生徒は気さくに多輝に答えた。多輝も不自然にならない程度に微笑み、女子生徒に頷いた。すると女子生徒は楽しそうに笑いながら任せて、と教室の中に入っていった。何故か女子生徒の顔は赤くなっていた気がする。多輝は訝りながら大人しく入り口に立って待っていた。

 

 ほどなく女子生徒の二人連れが廊下に出てくる。片方の生徒はさっきの女子生徒だ。もう片方の女子生徒を見止め、多輝は目を細めた。間違いない。佐緒里だ。

 

「あの、何か御用ですか」

 

 佐緒里は静かに多輝に声をかけた。多輝は軽く頷いて佐緒里を見つめた。そしておもむろに手を伸ばす。多輝は無造作に佐緒里の手をつかみ、いきなり歩き出した。佐緒里が焦った声を上げてつんのめる。だが多輝は構わず廊下を進んだ。

 

 波動が読み取れない。多輝は違和感を覚えたまま佐緒里を引きずって進んだ。佐緒里は懸命に多輝に声をかけている。だが多輝は全くその声を聞いていなかった。どこか人のいないところを、と考えを巡らせる。

 

 やがて多輝は校舎から出た。後ろで佐緒里が泣きそうになっている。多輝はそれに構わず校舎を取り巻く木々の並びに近づいた。ここなら誰にも見咎められない。

 

「あ、あの! 何ですかっ! もう、次の授業が始まってるんですよ!?」

 

 佐緒里が悲鳴混じりに告げる。多輝は黙って右腕を引いた。有無を言わせず佐緒里を抱き寄せる。両腕にしっかり抱きしめると、佐緒里は腕の中で硬直した。

 

 奇妙な波動だった。多輝は読みにくい佐緒里の波動を探りながら苛々していた。どうしてこう、見えにくいのだ。心の中で呟いてから佐緒里の頭に手をかける。佐緒里は目を見開いて声をなくしていた。

 

 人形かどうかを早急に確認しなければならない。多輝は抱いた佐緒里の目をじっと覗き込んだ。佐緒里は驚いているのか、顔を赤くして黙り込んでいる。多輝は静かに佐緒里の顎に指をかけた。そっと唇を塞ぐ。佐緒里は抵抗することもなく、うっとりと目を閉じた。

 

 唇を開かせて舌を滑り込ませる。深く口づけると佐緒里は小さく呻いて多輝の背中に腕を回した。見えにくかった波動がじわじわとはっきりしてくる。ようやく佐緒里の波動を読んだ多輝は、愕然として閉じていた目を開いた。佐緒里は自分から多輝の口に舌を差し入れて貪るように口づけしている。




メカ子が書けていないー!!
見返すと頭が弾けそうです。
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