※この作品はR-18です。

夢の隙間   作:伊駒辰葉

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エロシーンがありますが、男同士といえばそーなので苦手な人は避けてください。
ちょっと長めなのですが4,000文字以下だったので、分割せずにアップします。
読みにくかったらすみません。


シャワーと瞳

「んっ、くぁっ! くふっぅ!」

 

 腕の中で水輝が背中を反らす。順は胸に腕を回し、しっかりと水輝の身体を支えていた。ゆっくりと腰を動かす。腹の奥に侵入するたびに水輝は声を上げて腰を震わせる。順は薄く笑って水輝の両腿に手を下ろした。足を大きく開かせる。

 

 水輝の首や手首、足首に嵌っているのは黒い枷だ。それぞれからは鎖が伸びていて部屋の隅にある太いパイプに繋がれている。さながら飼い犬だ。時折、水輝がもどかしそうに身体をひねるのは、腕が後ろに回されて固められているために自由にならないからだ。

 

「んっ、あっ! うあぁっ!!」

 

 喘ぎながら水輝は首を激しく横に振った。緩慢に攻められていることで焦れているのだ。おまけに勃起しきった水輝のペニスには何の刺激も与えていない。順は嗤いながらじわじわと水輝の腰を自分の股間に近づけた。

 

「もう、正気がなくなったかなあ? こっちでそんなに狂ってくれるなんて、オレもやりがいがあるってもんだけどさ」

 

 水輝の尻が順の下腹部に密着する。それと同時に水輝が声を上げた。腰をひくつかせている。順はくすくすと笑いながら水輝の足から手を離した。だが水輝は足を開いたままで腰を震わせている。順に身体を預けていることすら判っていないだろう。そんな水輝の胸に手を這わせ、順は笑っていた。

 

 ベッドの端では疲れ果てた都子が眠っている。広いベッドの中央部分には誰のものかも判らない愛液と精液が零れている。その傍で順は水輝に突き入れているのだ。

 

 胸を探ると膨らみにたどり着く。今の水輝の身体は男性の肉体を基本に、女性器の混ざった不思議な作りになっている。短かった髪も伸びているし、なかった筈の胸の膨らみも存在している。順は水輝の乳首を弄りながら身体を前に押し出した。水輝の身体が自然にベッドに倒れる。

 

 掠れた声を上げながら水輝が腰を振る。順は嗤いながら水輝の中に射精した。もう、何度も射精しているために、隙間からは精液が泡になって零れている。だが順は容赦しなかった。甘い声を上げた水輝の身体を再び抱え起こす。

 

「水輝ちゃんとやるだけで力を得られるって奴らが、この世にどれくらいいると思う? ほら、最初の客がそろそろ来たようだよ」

 

 この世には人ならぬ者が数え切れないほど存在する。水輝たちをはじめとする龍神。そしてそれを狩る自分たち。フェイク。さらに龍神の使い魔たち。そして龍神とは全く関わりのない者たちも数多く存在する。

 

 部屋の影にひっそりと現れたのは一人の男だった。人の形を取るのがやっとなのだろう。異様なほど青い顔色をしている。それに目や髪の色は薄い銀色だ。順は笑って男に手招きをした。

 

 出来そこないのフェイクは数知れず作られた。いや、当初はフェイクではなく本物を目指して作られていたのだ。だが、多くはフェイクにすらなれなかった。大半の出来そこないは命を落とし、辛うじて命を繋ぎ止めた者も、生きているのか死んでいるのか判らない状態で生かされ続けた。そんな中で数少ない成功例の一人が都子なのだ。

 

 男は黙ってベッドに上がってきた。唇はあるのだが、開けないのだろう。一言も発することはない。だが順もそのことは承知していた。笑って水輝の腿を持ち上げる。愛液に濡れた秘部を男の目の前に晒し、順は小さく笑った。

 

「入れたいよね? 水輝ちゃんに。だってキミ、力が欲しいもんね?」

 

 男は無言で頷いた。順が静かに頷くと男は手早く下履きを脱ぎ捨てた。しおれていたペニスを男が軽く手で擦る。すると男のペニスはいきなり勃起した。

 

「水輝ちゃんも欲しいよね? ほら、おねだりしてよ」

 

 言いながら順は軽く水輝の腰を揺らした。突き入れられたままで水輝が激しく身もだえする。

 

「んっ、あふっ! あっああんっふぅっ!!」

 

 淫らな水輝の痴態を目にした男が明らかに変貌する。力ある存在の水輝に影響され、自分の意志とは無関係に欲情しているのだ。順は嘲笑いながら水輝の股間を男に見せつけた。誘うように水輝の腰を揺らす。男は荒々しく息をつきながら水輝に抱きついた。張りつめたペニスを水輝の膣に突き入れる。

 

「おー。凄いねえ。オレも気持ちいいなあ、コレ」

 

 両方から攻められた水輝は声も上げることが出来ないほどの快楽に襲われている。順にはそれが手に取るように判った。男が興奮のままに水輝を激しく犯している。順はのんびりと水輝の身体を揺すった。

 

「そろそろかな。水輝ちゃん、こっちも良くしてあげるね」

 

 男の様子を見ながら順は水輝のペニスを無造作につかんだ。ゆっくりと扱いていく。すると男が腰の動きを速める。水輝の膣が締まったのだ。

 

「やっ、ああっ! んふっう! ううっんっ、ふあぁっ!!」

 

 順は嗤いながら水輝を嬲った。男の動きが激しくなる。水輝は泣きながら腰を淫らに振った。するとその瞬間、男がびくりと震える。声を上げて水輝が射精したと同時に果てたのだろう。

 

「……あーあ。駄目だったかあ」

 

 水輝の膣内に射精したと同時に、男の身体そのものが弾けてしまったのだ。順は水輝のペニスに残っている精液を扱きながらため息をついた。男の身体を構成していた肉や血、骨などがゆっくりと空気に溶けていく。ところ構わず飛び散った男の身体の欠片はやがて跡形もなく消えてしまった。

 

 順は息をついてゆっくりと水輝からペニスを抜いた。水輝の中に溜まっていた精液が一気に零れてくる。

 

「さすがにこのままだと不潔かなあ。風呂にでも入ろうか、水輝ちゃん」

 

 順は水輝の首輪から鎖を外し、手足の拘束を解いた。ぐったりとした水輝の身体を抱え上げる。

 

 まるで新婚さんだねえ。呑気にそんなことを考えながら順は浴室に飛んだ。一瞬で闇に覆われた視界が再び開ける。空のバスタブに水輝を寝かせ、順は服を脱ぎ捨てた。水輝の上半身に辛うじて引っかかっていたシャツも剥ぎ取る。

 

 コックを捻ると勢いよくシャワーが出る。順は水温がちょうど良くなるまで待ってから水輝の身体を洗い始めた。水輝はうっすらと目を開けてはいるが、反応しない。

 

「頭にかけるよー」

 

 子供に言い聞かせるような柔らかい口調で告げる。順は水輝の髪を丁寧に洗い始めた。水輝も抵抗しない。黙ってされるがままになっている。時折、顔をしかめるのは顔に湯がかかるからだろう。順は鼻歌を歌いながら手際よく水輝の頭を洗い終えた。次いで石鹸を泡立てる。

 

 なかなかアイツが来ないねえ。てっきり迎えにくるものだと思ってたけど。順は心の中で呟いた。その人物の名前を順が決して口にしないのは、怖さを知っているからだ。順はため息をついて水輝の身体を丁寧に洗った。

 

「ちょっとごめんね。中を洗うよ」

 

 順はそう告げて水輝の膣の中に指を入れた。途端に水輝がびくりと震える。掠れた声で喘ぐ水輝の膣内を順は根気よく洗い流した。続いて尻の穴に指を入れる。

 

「んっ、ああっ……」

 

 よがる水輝を押さえつけ、順は指を二本入れた。入り口を広げて中に残っていた精液を指でかき出す。それから水流を強くして中を洗う。その間、水輝はバスタブを強くつかんで喘いでいた。

 

「はい、終わり。次はオレが洗うからちょっと待っててね」

 

 きれいに流したバスタブの中に改めて水輝を横たえる。水輝は潤んだ目で順を見上げていた。順は苦笑して身体を洗い始める。

 

 さっぱりした水輝の身体をバスタオルにくるみ、抱え上げる。順はガウンを一枚羽織って浴室を出た。水輝は不思議なほど大人しくしている。順は小さく笑いながらゆっくりと廊下を進んだ。腕の中の水輝を時折、見下ろす。

 

「ほんとは気付いてるハズなんだけどねえ。なにが水輝ちゃんの目隠しになってるんだろうねえ」

 

 あの戦いの中で水輝は敵からも味方からも鬼神と恐れられていた。水輝が使っていたのはたった一振りの日本刀だけだ。だが水輝はそれだけで様々な障害を蹴散らしてしまったのだ。罠に嵌められるまでは。

 

 そんな水輝がこうも簡単に手の中に収まっていること自体が異常だ。順は笑いながら水輝を抱える腕に力をこめた。水輝の身体は驚くほど細く感じられる。ほっそりとしたこの身体のどこにあんな力が入っているのだろう。そう思ってから順は自分の考えを嘲笑った。力が身体に入っているのではない。力が身体を作っているだけだ。水輝たちはそうやってずっと存在し続けている。

 

 その力の一部を吸収することが出来たら。そう思う者も少なくないだろう。だがそれは同時に身の破滅を意味する。下手に力のない者が強大な力に関わると、それだけでさっきの男のように滅びてしまうのだ。

 

「さあ、ついたよ。ここでゆっくりオレといいことをしよう」

 

 順は静かに部屋の扉を開けた。薄暗い部屋の中には一つのベッドがある。順は水輝をベッドに運んだ。バスタオルを開いて水輝の身体を晒す。水輝は一切、抵抗しない。順はくすくすと笑いながら水輝に顔を近づけた。至近距離まで唇を寄せる。

 

「……それ以上近づいたら殺すぞ」

 

 唇が触れ合う寸前、水輝が低い声を発した。順はぴたりと動きを止め、水輝の目を見下ろした。青い瞳ははっきり開いている。

 

「水輝ちゃんもヒトが悪いねえ。キスしようとするまで黙ってるなんてさあ」

 

 そう言いながら順は屈めていた身体を起こした。息をついて肩を竦める。水輝はゆっくりとベッドの上に身を起こした。水輝が頭を軽く振ると、濡れていた髪が一瞬で乾く。髪についていた水分が空中に溶け込んでしまったのだ。それを見た順は口笛を吹いた。

 

「その様子だともう見えるようになったんだ? じゃあ、オレのことも判るよね?」

 

 声に出して笑いながら順はベッドの縁に腰掛けた。水輝は身動き一つせずに黙している。だが鋭い眼差しだけが順の動きを追いかける。順は足を組み合わせて水輝の首に手を伸ばした。それでも水輝は動かない。

 

「あの日、水輝ちゃんが爆発させた力が直撃してね。この有様だよ。最初からオレにはハンデがあるのに、さらにこれはないと思わない?」

 

 そう告げた順の片目は潰れていた。




ここまでで章が変わります。
誰の話、という感じのものではないので……主人公が誰なのか微妙なところです(汗)
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