※この作品はR-18です。

交剣知i-EX-   作:黒井押切町

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その構えは火の如し②

 宣言通り、司は尚武剣士会の道場に現れた。浩二と一緒に土井館長らに挨拶をして回った。その中には芳一もいた。

 

「珍しいね。正田さんが来るなんて」

 

「上段始めたんです。それで、指導を受けたいと思いました」

 

「なるほどね。浩二から聞いてると思うけど、ここには何人か上段の先生がいる。稽古を付けてもらうといい」

 

「はい!」

 

 司は威勢よく返事をした。その威勢のまま、彼女は真っ先に面をつけ、土井のところまで一直線に飛んでいった。

 

(いい感じだ。気合入ってるな)

 

 浩二は彼女のやる気を嬉しく思いながら、自分の稽古に気持ちを切り替えた。

 

        ***

 

 稽古が終わり、着替えて浩二と司は並んで道場から出ると、外は真っ暗闇の中だった。

 

「正田はなにで来た?」

 

「歩きっス。大体二十分くらいですかね」

 

「自転車使わなかったの?」

 

「パンクしちゃいまして」

 

 司は困ったように頰をかいた。この暗い夜道を女一人で帰らせるのは、浩二は男として良くないと感じた。

 

「正田。良かったら送ろうか?」

 

「悪いっスよ、そんなの」

 

「こんな夜中に女一人で歩かせられんよ」

 

 浩二は心臓をバクバク鳴らしながら告げた。すると、司はしばらく考え込んで、顔を上げた。

 

「じゃあ、ご同行お願いします」

 

 そう言った司の顔は、心なしか赤かった気がした。

 その後、夜道を二人、剣道具を背負ったり引いたりして歩く。その間、何でもない雑談に興じていた。休みの日には何をしているとか、好きな番組、好きな曲。二言三言で話題はころころと変わる。いよいよ話が盛り上がってきた中で、雨が降り出した。その雨は、すぐに勢いを増し、シャワーを浴びせる勢いで二人に降り注いだ。

 

「先輩! 走りますよ!」

 

「おう!」

 

 話を中断して、二人は全力で走った。司の家に着いた頃には、二人とも濡れ鼠になっていた。司の家はマンションだった。といってもこじんまりとしていて、アパートといっても違和感はない。

 浩二は制服のまま来たが、そのおかげで学ランと、中のシャツがずぶ濡れで、二重に気持ちが悪かった。

 司はシースルー素材の上着を着ていたお陰で、見た目がすごいことになっていた。雨で完全に体に張り付き、肌色がくっきりと見える。中のキャミソールも透けて、スポーツブラの灰色が見えている。それで、濡れた髪や顔から滴る雫が、より扇状的に見せていた。浩二は、下半身に血液が集中していく感じがした。それを必死に抑えようとしていると、司が声をかけてきた。

 

「先輩、上がってください。今夜は、お母さん仕事で帰ってきませんから」

 

「いや、流石にそれは」

 

「そのままじゃ風邪引きますよ。服乾かすだけでもいいですから」

 

 今度は司の押しが強かった。結局、浩二は根負けして、司の家に立ち入った。

 彼女の家は、随分と極端な内装だった。お洒落なものは一切無いが、洗濯機や風呂場は最新のものが使われている。見ていないが、ここがそうならキッチンなどもそうなのだろうと浩二は思った。

 当初は服を乾かすだけ、という話だったが、浩二は他に着るものが無い。道着も防具袋の中に入れていたが、雨で濡れていた。そして、司の家が母子家庭で、男物の服が一切無いということだったのだ。それで、どうせ脱ぐならと司が風呂に入ることを提案したのだった。

 

「正田が先に風呂入れよ」

 

「いやいや、先輩が」

 

 譲り合いが発生してしまった。どちらかが引くか押し切るかしなければ決まらなさそうだ。しかし、その均衡を破る発言を司がした。

 

「じゃあ、一緒に入ります?」

 

 その魅力的極まりない提案に、浩二は生唾を飲み込んだ。ただでさえ、自分の獣を理性で押さえ込んでいる今、そんなことをしたらどうなるか分かったものでは無かった。それに、普通に考えたら冗談だとすぐに分かる。しかし、今この瞬間の浩二の本能は、理性を完全に凌駕してしまっていた。

 

「ああ、そうするか」

 

 言ってしまった、と浩二は息を呑んだ。恐る恐る司の反応を伺うと、顔を真っ赤にしていた。やっぱり無しで、と浩二が言いかけたその時、司は服を脱ぎ始めた。衣摺れの音が、やけに大きく思えた。

 

「な、何を!?」

 

「い、一緒に入るんスよね。だったら、服、脱ぐでしょう」

 

 顔を赤くしたまま、司は強い口調で告げた。この瞬間、浩二はもうやり直しがきかないことを察した。

 

        ***

 

 二人で互いの体を見ないようにして、背中合わせに湯船に浸かる。狭い湯船なので、浩二の背中にピッタリと司の柔らかい背中がくっついた。このような状況で理性を保てるはずもなく、浩二のペニスは最大限に勃起していた。湯の暖かささえも、浩二にはよく分からなかった。

 

「先輩、お風呂でも義手付けてるんですね」

 

「ん、ああ。そうだな」

 

 浩二は助かったと思った。違う話をしていれば、気が紛れる。

 

「何で剣道の時はしないんですか?」

 

「日常動作は義手で出来るけど、剣道みたいな格闘は無理だよ。片手でやった方が強い」

 

「へー、凄いなあ」

 

「何でだ」

 

「私だったら、片手失ったら剣道やめちゃいそうですもん」

 

「剣道が好きだった。それだけのことだよ」

 

「それだけのことが凄いんですよ。本気で好きなんだなって思います」

 

「正田は剣道嫌いか?」

 

「好きですよ。でも、先輩ほど好きではないと思います」

 

 その司の答えに対する返事を考えていると、不意に司が切り出した。

 

「先輩。顔、見たいです」

 

「へ?」

 

 剣道の話題から逸れて、せっかくおさまっていたペニスの勃起が完全に復活した。浩二が惑っている間に、水の音と、背中が離れる感覚があった。多分立ち上がったのだろう。

 

「剣道を語る先輩、きっと素敵な顔をしているだ、ろ、う……?」

 

 司が固まった。浩二は上を見上げてみると、司が控えめな胸と股間を手で隠しながら、真顔で見下ろしている。その視線の先には、浩二のペニスがあった。

 

「あ、いやこれは」

 

「先輩」

 

 真顔のまま、司が声を発する。終わった——浩二は自分の本能を呪っていると、突然司の表情が変わり出した。何だか、目が輝いている気がした。

 

「このまま、ベッド行きましょう?」

 

        ***

 

 裸のまま、浩二は半ば連れていかれるようにして司の部屋に入り、ベッドに座った。この時にはもう司も体を隠しておらず、小ぶりな胸の割には大きい乳輪を持つ乳首や、陰毛に覆われた股間を晒している。部屋の電気は付いているので、じっくりとそれらを観察できた。

 最早部屋の内装になど目がいかなかった。浩二の目は司の

体に釘付けだった。

 

「これが、おちんちん。改めて見ると、凄いです……」

 

 一方の司は、ペニスの前にしゃがみ込み、荒い息をペニスに吹きかけていた。それがくすぐったくて、ピクピクと肉棒が揺れる。

 

「凄い。よく別の生き物って表現されるけど、本当にそんな感じ」

 

 おっかなびっくりといった感じで、司はペニスの色々なところをペタペタと触れた。

 

「先っぽは柔らかいのに、他はこんなに硬いんだ。それに熱い」

 

 ごく弱い刺激が、断続的に襲ってくる。浩二の理性は、その刺激を前に完全に崩れ去った。

 

「正田。その、ちんこ握って、上下に動かしてくれ」

 

「先輩。私だって性知識あるんですよ。あわよくばセックスしたいって思ってるでしょう」

 

「う……」

 

 完全に図星だった。既に先輩後輩の関係を逸脱した行為をしているのだ。このままなし崩しに、などと考えるのは邪だっただろう。ごめん、と言おうとしたところで、頰を染めたままの司が、ポロリと漏らした。

 

「その、私も興味ありますから」

 

「え?」

 

「興味ありますから、それに、先輩なら処女捧げてもいいかもって思えますし。しましょう、セックス」

 

 司の意志の固さが、上目遣いのその目から伝わってきた。その目で見られて、断れるほど浩二の意思は強くなかった。

 

        ***

 

 浩二は一旦家に友達の家に泊まると連絡を入れたのち、財布からコンドームを取り出して、司の部屋に戻った。

 

「持ってるんですね、ゴム」

 

「男子高校生は財布の中に忍ばせておくもんなんだよ」

 

 そう言いつつ、浩二はコンドームを一旦脇に置いた。それから、二人並んでベッドに座ると、そっと司を抱き寄せた。

 

「正田」

 

「ベッド上くらい、名前で呼んでください」

 

 膨れっ面の司は、それだけで大変にチャーミングだった。

 

「……司」

 

「こ、浩二さん」

 

 照れながらお互いに名前を呼び合うと、二人の唇が、磁石のように引き寄せられ、一つに重なった。柔らかい感触があった。もっと、もっとという衝動に突き動かされ、浩二は彼女の口に舌を入れた。最初は驚いた司だったが、やがて彼女の方からも舌を絡ませてきた。

 

「ん、ちゅ……れろ……」

 

 浩二は十秒くらいしか経っていないのに、それ以上の時間をキスして過ごした気がした。唇を離すと、司は顔をすっかり蕩けさせていた。その表情で、また浩二のペニスは硬くなった。

 

「ぷは。ファーストキスだったんスよ。それがいきなりディープキスだなんて」

 

「俺だってそうだよ」

 

 浩二はそう言いながら、次は司の首筋に吸い付いた。すると、司の体がびくりと跳ねた。

 

「ん、やあ……くすぐったい。それに、跡ついちゃう」

 

「跡つけてんだよ」

 

 浩二は、義手で司の体を支えながらゆっくりと押し倒した。司は震えている。涙目で息も荒げていたが、それでも浩二をまっすぐ見つめていた。

 

「義手、冷たいんスね」

 

「機械だからな」

 

「私は、浩二さんの温かさを知りたいです」

 

「そうか、じゃあ」

 

 今度は、浩二は左手の指先で司の体をなぞっていき、最後は彼女の陰毛に隠された秘部に触れ、指を中に挿れた。なぞっている途中、息を漏らしながら体を捩らせる彼女が、かなり官能的だった。

 

「ふ、あ」

 

「きっつ……まだ濡れてないな。普段どんなオナニーしてる?」

 

 尋ねると、司は「ふえっ」と素っ頓狂な声を上げて、急に股を閉じた。しかし顔ははにかんでいて、嫌では無さそうだった。

 

「答えてよ」

 

「何でですか? 恥ずかしいっスよ」

 

「俺も初めてだし、感じなかったらお互いに嫌だろうなって」

 

 その言葉を聞いて、司は再び股を軽く開いた。そして、浩二から目を逸らしながらボソボソと話し始めた。

 

「今浩二さんが指入れてるとこ、もうちょっと奥まで入れてください」

 

「ん、こうか?」

 

 指示された通り、指を少し押し込む。すると、今までで一番大きく喘ぎ声を出した。

 

「そ、それで、指を出し入れしながら、中を指で掻き回す感じ、で」

 

「わかった」

 

 言われた通り、司の膣内で指を動かす。その度、司は体をくねらせ、扇情的な嬌声を上げる。

 

「ん、あ、あ、やぁ! 上手、上手ですよぉ、浩二さ、ん、んんー!」

 

 段々と、指に肉が絡みつき、愛液に濡らされるのを浩二は感じていた。しかし、まだ物足りぬ気がして、指を膣に入れたまま、起こしていた体を司の隣に寝そべらせた。

 

「浩二、さん?」

 

「おっぱい、舐めるよ」

 

「え、そんな急に——んあ!?」

 

 司の小ぶりで可愛らしい胸。その頂上の、貧乳と不釣り合いに大きい乳輪を持つ乳首に、浩二は吸い付いた。少ししょっぱいその味を堪能しながら、甘く噛んでみたり、舌で乳首の先を転がす。

 

「あ、ああ。気持ち、いい。気持ち、いいれすぅ」

 

 呂律の回らない甘い声を可愛いと思いながら、彼女の膣内を指で掻き回し、口で乳首を弄ぶ。

 

「ねえ、浩二さん、わ、私も、私もぉ」

 

「私も?」

 

「私も、浩二さんを、気持ちよく、さ、させてあげたい、ですぅ」

 

 目を潤ませて、揺れる瞳で司は浩二を見つめる。そのように見つめられて、嫌と言うことは不可能だった。

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