※この作品はR-18です。

IZUMO2〜鬼畜ショタ性記〜   作:イズモ

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白鳥琴乃・失恋処女喪失編 18

「佐久夜。佐久夜!」

 

「……んっ……あれ? お母さん?」

 

 身体を揺すられる感覚と自分の心配して呼ぶ声に眠っていた佐久夜は目を開けて、自身を見ているアマテラスに気が付いた。

 佐久夜の意識が戻った事にアマテラスと一緒に居たカグツチは安堵の息を吐く。

 

「良かった。目が覚めたのね」

 

「目が覚めたって? ……私、寝てたの?」

 

「ああ、そうだぞ、佐久夜……正確に言えば眠らされていたんだ」

 

「眠らされて? ……っ!? そうだ! 琴乃さんは!?」

 

 漸く意識がハッキリした佐久夜は起き上がり、意識を失う前の出来事を思い出して慌てる。

 

「お母さん! 琴乃さんはどうしたの!? 笛を琴乃さんが吹き始めたら、私と桂香が急に眠くなったの!」

 

「っ……やはり、あの笛の音は琴乃さんが奏でていたのね、佐久夜?」

 

「う、うん……落ち込んでいたから気を紛らわせようと思って薦めたの」

 

 その報告にアマテラスとカグツチは顔を見合わせて、難しい顔をしながら頷きあう。

 

「佐久夜。落ち着いて聞いて……琴乃さんの笛の音に『横笛の精霊武具』が力を貸してしまったの。その力のせいで貴女と桂香は意識を失ってしまった」

 

「っ!? そんな!? じゃあ、琴乃さんは何処にいるの!?」

 

「駆け付けた時には既に琴乃ちゃんの姿は部屋の中には無かった。今、運よく意識を失わずに済んだ葉子さん達やリンド、そしてツクヨミが琴乃ちゃんの捜索をしてくれている。俺もこれから捜索に向かうところだ」 

 

「私も琴乃さんを探すよ、お父さん!?」

 

 琴乃が精神的に不味い状況にあるのは、直前まで一緒に居た佐久夜も分かっている。

 眠らされた事に関しては気にせず、友人である琴乃を探さねばならないと佐久夜が思い、立ち上がったところでドタドタと誰かが慌てて走ってくる音が三人の耳に聞こえて来る。

 もしかして琴乃を発見したのではとアマテラス、カグツチ、佐久夜が期待を込めて音が聞こえた方に顔を向けると共に襖が開き、屋敷に残っていた巫女が入って来て報告する。

 

「ご報告します! 物見櫓に居た兵からの至急の報告で、里の近くに光(・)り(・)輝(・)く(・)巨(・)大(・)な(・)大(・)樹(・)が出現したとの事です!」

 

「何だって!?」

 

「光(・)り(・)輝(・)く(・)巨(・)大(・)な(・)大(・)樹(・)が出現!?」

 

 捜索している琴乃に関する事ではないが、由々しき事態を告げる報告にカグツチ達は騒然となり、急いで屋敷の外へと出た。

 そして三人は見た。夜の闇を照らす月明かりとは関係なく光り輝く巨大な大樹が、確かに里の近くで聳え立っている光景を。

 

「あの大樹は一体!?」

 

「……詳しい事は分かりませんが……あの大樹からは強大な精霊の気配を感じます……少なくとも感じられる精霊の気配は、桃花さんや蔓を超えています」

 

『っ!?』

 

 アマテラスの報告にカグツチと佐久夜は目を見開いて、光り輝く巨大な大樹を見つめる。

 四聖獣には及ばないが、桃花と蔓はネノクニに数多くいる精霊の中でも上位に近い精霊達。その二人を超えている精霊が、里の近くに急に現れた。

 敵なのか味方なのかは分からないが、少なくとも放置はしておけない。

 

「クッ! こんな時に!?」

 

 琴乃の捜索で忙しい状況で、更に厄介事が増えた状況にカグツチは苛立ちを感じながら一先ず現れた謎の精霊がいる筈の光り輝く大樹に向かおうとする。だが……。

 

「待ちなさい、ヒカル!」

 

『っ!?』

 

 頭上から聞こえて来た声にカグツチ達が目を向けて見ると、顔色が明らかに悪い葉子を脇に抱えたツクヨミがゆっくりと降り立った。

 

「あの大樹には迂闊に近づかない方が良いわよ。葉子みたいになってしまうわよ」

 

「ツクヨミ!? それに葉子さん!?」

 

「葉子!? 一体どうしたのです!?」

 

 琴乃の捜索にリンドと共に向かったはずの葉子が疲弊した姿でツクヨミと共に戻って来たことに、アマテラスは慌てて駆け寄り容態を調べる。

 

(っ!? 霊力と体力が殆ど残っていない!? 一体葉子に何が!?)

 

 ほんの少し前までは万全だった筈なのに、今の葉子は明らかに疲弊し切っていた。

 自分の状態を調べているアマテラスに気が付いたのか、葉子がその手を握りながら報告する。

 

「ア、アマテ……ラスさま……あ、あの大樹に……近づいては……いけません……わ、私のように……奪われてしまいます」

 

「奪われる? では、貴女の体力と霊力は、あの大樹に奪われたのですね、葉子?」

 

「は、はい……あ、あの大樹は……か、彼(・)が……呪法として……ぐっ!」

 

「葉子!? 無理をしてはいけません!」

 

 今にも意識が無くなりそうな自身に仕える巫女頭を安心させるようにアマテラスは声を掛けた。

 だが、その声など聞こえないと言うように葉子は力を振り絞って、主人からの命を果たす為に気力を振り絞る。

 

(言い終えなければ!? ちゃんと指示を果たせば私も、桂香のようにご主人様の子を孕める許可を頂ける!)

 

 その為ならば力が入らない身にも、力を入れられると葉子は力を振り絞って主人の命を果たす。

 

「か、彼は……琴乃様を助ける為に……滝から身を投げ……呪法を使用したのです」

 

「彼? ……っ!? まさか!? あの大樹を出現させたのは!?」

 

 葉子の報告を聞いたアマテラスの中で全てが繋がった。

 突然、里の近くに現れた精霊の気配。葉子と共に行方が分からなくなった琴乃の捜索に出た筈のリンドの姿が見えない事。そしてリンドの精霊としての面が植(・)物(・)に関わるものだと思い至ったアマテラスは答えに辿り着く。

 話を聞いていたカグツチと佐久夜も、まさかと思いながら葉子を連れて来たツクヨミに顔を向ける。

 

「リンドよ……滝に身を投げ入れようとした琴乃を助けようとして……あの子は目覚めたのよ……ネノクニを外敵から護り続けて来た一族の末裔として」

 

『っ!?』

 

 何時かは訪れるべき出来事。しかし、その時が余りにも急に訪れてしまった事にアマテラス達は言葉を失う。

 そんな三人に屋敷内に残っていた巫女の一人が駆けつけて報告を行なう。

 

「ご報告します! 青龍様が至急アマテラス様達に来て欲しいとの事です!」

 

「……本当に目覚めてしまったのですね……リンドは」

 

 『真の契りの儀式』を結んでいる青龍まで反応した。

 アマテラスは離れていても見える大樹を複雑な気持ちが入り混じった眼差しで見つめるのだった。

 

 

 激しい水音が鳴り響く中、滝の裏側にある洞窟に木の枝によって運ばれたリンドは腕の中で力なく項垂れている琴乃と共に地面に降り立つ。

 アシハラノクニに何れ帰る予定だった琴乃は知らない事だが、今二人が居る滝の裏手に隠されていた洞窟は里に何かあった時の避難場所。

 夜なのと滝の前に聳え立っている大樹のせいで、殆ど光は入って来ないが、光り輝く葉が枝から生えているおかげで視界には問題なく危なげなくリンドと琴乃は洞窟の奥へと進んで行く。

 

「琴乃お姉さん。この辺りは岩肌が多いから足元には気を付けて下さい」

 

「………」

 

 リンドに手を引かれて歩く琴乃は何も答えずに無言だった。

 自分にとって大き過ぎる絶望を自らの手で招き、命まで絶とうとしたのに生き残った実感をまだ感じていないのだ。

 呆然となってしまっている琴乃は、素直に手を引くリンドの後を着いて行く。

 

(フフッ、まさか、アシハラノクニの服にまで着替えてくれているなんてね)

 

 屋敷に居た時から琴乃が里を出るまでリンドは監視していた。

 佐久夜と桂香を無意識に眠らせてしまった後に、制服を持ち出す様子も当然捉えていたが、まさか、着替えてくれているとまでは予想外だった。無論、その予想外はリンドにとって嬉しい方向でだ。

 

(巫女服姿の琴乃も良いけど、やっぱりアシハラノクニでの服を着た姿が一番僕は気に入っていたからね)

 

 チラリとリンドは手を引いている琴乃に目を向ける。

 琴乃には見えていないが、既にリンドは術を用いて暗がりでもハッキリと見える。

 濡れた長い黒髪。肌に張り付いている白いブラウスと黒いスカート。濡れた事で白いブラウスは透けて薄らとだがその下に隠されていた綺麗な肌と白のブラジャーもリンドの視界に映っていた。

 

(やっぱり良いなあ、アシハラノクニの服は。玄武が惹かれて、青龍も影響を受けるのが良く分かるよ。でも、せっかく白虎に運んで来て貰ったアシハラノクニの服を琴乃が着ないのは残念だったな)

 

 自らがそうなるように仕向けただけに、当然リンドは白虎が持って来た綾香のスーツケースの中身を確認していた。

 スーツケースの中に入っていた服はどれもこれもリンドにとって興味深く、また情欲を抱かせる服の数々だった。もしかしたら琴乃が進んで着るかもと思っていたが、肝心の琴乃はスーツケースの中に入っていた服を見て、即座にスーツケースを閉じてしまったので着なかった。

 佐久夜と桂香が興味深そうにしても、頑なに琴乃ははぐらかしていた。

 

(まあ、良いよ。これから進んで着るように僕が調教するし、着なかったらアマテラス様に着て貰って楽しむからね。勿論、佐久夜もね)

 

 その時の光景を思い浮かべると自らの股間に血と熱が集まるを感じるが、リンドは気にせずに洞窟の奥へと進み焚き火を行なえる地面に辿り着く。

 

「此処は里に何か起きた時の避難場所でもあるんです。だから、薪とかもあります。今、火を点けますね」

 

 琴乃に気付かれないように枝を地面に何十本も出現させ、リンドは『火玉』の呪法を発動させる。

 

「呪法ファイヤ」

 

 ぼぅっ!

 

 『火玉』の呪法が発動すると共に焚き火が灯り、周囲が明るく照らされた。

 

「っ!?」

 

 急に明るくなった事で目が眩んだのか琴乃は思わず両目を閉じる。

 幾度か瞬きを繰り返して明るさに目を慣らし、琴乃は焚き火の火とそれに枝をくべているリンドに気が付く。

 

(……私……生きてるの?)

 

 漸く生への実感が湧いたのか琴乃は戸惑いながら周囲を見回す。

 岩肌の壁に地面。焚き火を行なっている辺りは岩肌ではなく土の地面だが、それ以外は洞窟の様相。洞窟は更に奥に続いているのか、焚き火の明かりに照らされていても先が見通せない。

 振り返ってみれば滝の水が弾かれる轟音が聞こえて来るだけで、やはり見通せない。

 人は闇を無意識に恐れる。焚き火の明かりを得てしまった事で、琴乃の中でその恐怖心が舞い戻り、焚き火の明かりと暖かさに惹かれる。

 それを維持しているリンドに琴乃の目が向いた瞬間、突然リンドは着ていた服の帯を外して服を脱ぎ出した。

 

「っ!? リンド君!? 何を!?」

 

「何って、濡れたままの服を着ていたら風邪をひいてしまいますから。術を使って乾かせたら良いんですけど、生憎と僕はその術を習得していなくて焚き火の暖かさで乾かそうと思って」

 

「あっ……」

 

 言われた言葉に琴乃は、改めて自分の身が制服と共にずぶ濡れになっている事に気が付く。

 リンドが告げた事は一般的に正しいこと。タオルや代わりの服があれば別だが、生憎とそんなものはこの場にはない。

 納得してくれたと思ったのかリンドは濡れた服を脱ぎ終え、子供にしては引き締まった肉体を琴乃に晒した。

 

「っ……」

 

 背こそ自分よりも低いが子供らしからぬ体格の良さに、琴乃は無意識に息を呑んでしまう。それは無自覚に目覚めさせられている雌としての本能が雄の気配に惹かれ始めた兆候だった。

 しかし、琴乃自身はまだそれを自覚できず、ズボンを残して上半身を晒しているリンドを見つめる。

 

「さっ、琴乃お姉さんも濡れた服を脱いで下さい」

 

「えっ!?」

 

「そんなに濡れた服を着たままだったら風邪をひいてしまいますよ。ネノクニでも病気の類を治せる術は高位で準備も大変なんですから、早く乾かす為に脱いで下さい」

 

(……リンド君の言う通り……皆に迷惑をかけたらいけない)

 

 先ほどまで自殺しようとしていた琴乃には本来ならばあまり響かない筈の言葉だが、何故かリンドの言葉が強く響き、それが正しいと認(・)識(・)した。

 

(フフッ、警戒心が無くなったおかげで僕の力も通じやすくなった)

 

 リンドが宿している『夢を紡ぐ力』は神であるアマテラスにさえ通じるが、対象が警戒を抱いていると効きが悪くなってしまう。だからこそ、時間をかけて自分は無害だとアマテラス達に信じさせる必要があったのだ。

 そして琴乃はどう言う訳か出会った当初からリンドに対して無意識に警戒心を抱いていた。嫌悪感の類では無い事は分かっていたが、近づかれる事を拒否している様子だったのでこれまでは近づかなかった。

 だが、精神が弱り切っている琴乃に最早リンドへの警戒心は存在していない。再び警戒心を抱かせない為にも、『夢を紡ぐ力』を持って琴乃の認(・)識(・)を歪めていく。

 

「それじゃあ、制服を脱ぐから」

 

「ええ、脱いだ服は僕が岩肌に置きますから一(・)枚(・)ずつ脱いで下さい」

 

「お、お願いね、リンド君」

 

「あっ、脱ぐなら其処の岩の上でお願いします。地面についたら土汚れが付いてしまいますからね」

 

「ありがとう、リンド君」

 

 汚れの事を心配して気遣ってくれたリンドに感謝しながら、琴乃は履いていた靴を脱いで指定された円形に見える少し高さがある岩の上に乗った。

 即座にリンドは靴をどかして乾かすように焚き火の近くに置く。

 これで岩の上から迂闊に降りられなくなった事を認識しないまま、次に琴乃は両足に穿いている黒のストッキングを脱ごうとする。

 

(あっ! 濡れて立ったままだと脱ぎ難い)

 

 琴乃の穿いている黒のストッキングは長めの靴下で足先から太腿辺りまで届いてる。

 普段ならば慣れているのであっさりと脱げるのだが、水を大量に含んでしまっているので肌に張り付き立ったままでは脱ぎ難くなっていた。

 立ったままでは脱ぎ難いと感じた琴乃は岩の上に座り、片膝を立ててリンドの前でストッキングを脱ぎ濡れたスラリとした足を晒していく。

 

(フフッ、綺麗な足だよ、琴乃。思わずむしゃぶりつきたくなるよ)

 

 琴乃本人は気付いていないが、片膝を立てているせいでスカートがめくれ、隠されているショーツがリンドの目に見えている。

 無論、それをリンドが指摘する筈もなく自らの手でストッキングを脱ぎ終えた琴乃から受け取り、広げて岩肌に術を使って張り付かせる。

 そして濡れている事で焚き火の明かりで微かに輝くように見えるスラリとした綺麗な琴乃の両足がリンドに晒された。

 次に琴乃が手を伸ばしたのは出雲学園に通う一年生である事を示すブラウスに付けているピンクのスカーフ。それはあっさりとブラウスから外され、リンドの手に渡り岩肌に置かれる。

 これで琴乃が着ているのは下着と白のブラウスと黒のスカート。子供とは言え男子であるリンドの前で脱ぐのには抵抗があるのか、琴乃の動きが止まった。

 

「クッシュン!」

 

(っ!? いけない! リンド君も濡れているんだから早く焚き火の傍に居させないと!)

 

 リンドがクシャミをするのを見た琴乃は、慌ててブラウスのホックを外して胸元を開き、白のブラジャーに包まれた胸を晒した。

 両手をブラウスから引き抜き、片手でブラジャーに包まれた胸を覆い隠しながら羞恥で真っ赤に顔を染めて脱ぎ終えたブラウスをリンドに渡す。

 渡されたブラウスをリンドは飾るように岩肌の上に貼り付けるが、琴乃はそれを認識できずに最後の黒のスカートに手を伸ばそうとしたところで気が付く。

 

(か、片手だとスカートのホックが外せない)

 

 ブラジャーを付けているとは言え、胸を片腕で琴乃は覆っているために片腕しか自由はない。

 普段ならば問題は無いが、今はスカートもぐちょぬれで張り付いてしまっているのでホックを外しただけでは脱げない。

 だが、これ以上リンドを待たせる訳にはいかないと思った琴乃は……。

 

「んっ♥」

 

 胸を覆っていた片腕をどかし、ホックを外して少し前かがみになってスカートを脱ぐ。

 リンドの視界に佐久夜よりは若干劣るが、充分に豊満の域に達しているブラジャーに覆われた琴乃の乳房の谷間が映り、スカートを脱いだことで白のショーツも露わになった。

 恥ずかしそうにしながら琴乃はスカートをリンドに渡し、受け取ったリンドは他の服同様に岩肌に張り付けた。

 その並びは丁度琴乃が着ていた時と同じだが、羞恥心で胸と秘所をそれぞれの手で隠している琴乃に気付く余裕は無く少しでも肌を隠すように焚き火の傍に座り込んだ。

 制服を岩肌に飾(・)り(・)終えたリンドも焚き火の傍に座り、何時の間にか手元に置かれている薪をくべて火を絶やさないようにしていく。

 二人の間に無言の時が少し流れ、やがて岩肌に座っていた琴乃が顔を俯かせながら呟く。

 

「……どうして……私を助けようとしたの? 滝壺から飛び降りて……」

 

「……琴乃お姉さんは佐久夜様の……ううん、佐久夜お姉ちゃんの友達なのもあります……でも、それだけじゃなくて自分から死ぬなんて放っておけなかったから」

 

「私は!? 死にたかったの!? ……もう生きていたって猛さんと私は結ばれない」

 

「……僕は従者見習いですから、今日何が行なわれたのか詳しく知りません……だから琴乃お姉さんに何が起きたのか分かりませんけど……『死にたかった』なんて言葉は聞き逃せない」

 

(そう。琴乃は死なせない。漸く巡って来たチャンスを逃すものか)

 

 危機的状況ではあったが、今の琴乃は弱り切り、リンドへの警戒心も失っているので認識を歪める事が出来る。

 

(思考が鈍って死にたいという気持ちも薄れて来てるしね)

 

 琴乃は気付いていないが、既にリンドは歩いている時から『思考を鈍らせる』効果を持つ空気を吸わせていた。

 その気になれば雌犬巫女に堕とした葉子達のように媚香を吸わせる事も出来るが……。

 

(それだとただの色狂いになりかねない……琴乃にはちゃんと僕の番の雌である事を自覚して貰わないとね)

 

 漸く見つけ、この一ヶ月の間に仕込みを続けて来た女性である琴乃を番の雌に堕とす。

 俯いて顔を伏せている琴乃が気付かない内に、リンドは履いていたズボンを脱いで一糸纏わぬ姿を晒す。

 本来ならば履物を脱げば、リンドの本人の意思に関わらず女殺しの剛棒から圧倒的な雄臭が振り撒かれるが、風を操り臭いを琴乃に気付かせないようにする。

 更には認識操作を使用して琴乃に剛棒の存在を認識できないようにし、準備を整えて琴乃に近づく。

 

(冷え切った心も体も僕が温めてあげるよ)

 

「んっ……」

 

(何かしら? 急に暖かくなったような?)

 

 思考を鈍らされ、顔を伏せるように座っていた為に琴乃はリンドが何時の間にか背中の方に移動していた事に気が付かず、あっさりと綺麗な背筋に触れられてしまう。

 触れると同時にリンドは即座に琴乃に自らの気を送り出す。自身の知らない内に大量に取り込まされ、心身共に冷え切ってしまっている琴乃に。

 

「んんっ……リっ、リンド君?」

 

 漸く思考が追いついたのか自分の背中にリンドが触れている事に琴乃は気が付く。

 しかし、股間でそそり立っている剛棒の存在は認識できず、戸惑ったように背後にいる青白い顔をしたリンドに琴乃は振り返る。

 

「ごめんなさい、琴乃お姉さん。寒そうにしていたから、焚き火の暖かさじゃ足りないのかと思って。こういう時って 肌(・)を(・)触(・)れ(・)合(・)わ(・)せ(・)れ(・)ば(・)温(・)か(・)く(・)な(・)る(・)っ(・)て(・)聞(・)い(・)た(・)事(・)が(・)あ(・)る(・)か(・)ら(・)」

 

(っ!? リンド君の顔色が!? いけない! 私よりも子供のリンド君の方が危ないわ!)

 

 今更ながら一緒にいるのが自身よりも年下の相手で居る事に思い至った琴乃は、何かないかと周囲を見回す。

 だが、体温があげられそうなものはリンドが用意してくれた焚き火の火だけ。着ていた衣服は当然まだ乾いていない。どうすれば良いのかと琴乃は慌てながら考える。

 

(私の事でリンド君を死なせたら佐久夜さん達に迷惑が掛かっちゃう……何か方法は……)

 

『肌(・)を(・)触(・)れ(・)合(・)わ(・)せ(・)れ(・)ば(・)温(・)か(・)く(・)な(・)る(・)っ(・)て(・)聞(・)い(・)た(・)事(・)が(・)あ(・)る(・)か(・)ら(・)』

 

(そ、そうよ……確か何かの本でリンド君が言っていた方法が載っていたわ)

 

 自身の知識にある方法ともリンドが口にした方法が一致した事で、琴乃は正しいのだと認(・)識(・)し、背後を振り向いてリンドを抱き締める。

 

「こ、琴乃お姉さん?」

 

「こ、こうすれば……リンド君も温かくなるでしょう?」

 

 互いの体温を感じられるように琴乃は無意識に力を込めて抱き締める。

 それは気遣う意味もあったが、無意識に琴乃自身もリンドが与える温かさを求めてしまっていた。

 無論、獲物が自らの罠に飛び込んで来たのを雄が逃す筈がなく、即座に琴乃に先ほどよりも少し多めに気を送り出す。

 

「……んんっ♥」

 

 気がリンドから伝わって来ると、琴乃の口から湿り気を帯びた吐息が漏れる。

 この一月近くの間、大半の夜の間、気を送られながら快感を感じさせられていた事で琴乃本人が知らない間にリンドの気を体内に送られればすっかり発情しやすい身体になってしまっていた。

 

「ふ、ぅ……っん♥ ふぁ……うぅ……んぅうっ♥」

 

(ど、どうして? 頭が……ぼーっとして来ちゃう)

 

 違和感のようなものを琴乃は感じるが、冷え切っていた筈の心身は逆に温まり続け、リンドを抱き締める手に力がこもって行く。

 目論見通りに進んでいると実感しながらリンドはより強めの快感を与える為に、背中に手を回していた手を動かし気を送りながら背筋を撫でる。

 

「ふぅっ……ああぁ、んくぅっ♥」

 

 感じやすい箇所を気を送られながら撫でられた琴乃の口から、本人は聞いた事もない艶やかな声が零れた。

 

(い、今の声? わ、私が出したの?)

 

 自分の声とは思えない淫靡で艶やかな声を出した事に、琴乃は戸惑う。だが、幾ら戸惑ったところで既に手遅れ。

 鈍らされていることで思考は思うように働かず、甘い痺れのように感じる快感が全身を廻った事で琴乃の雌の本能は目覚めている。

 そして虎視眈々と仕込みを続けて来た雄は、僅かに琴乃の肢体から離れて力強い視線で相手の目を見つめながら囁く。

 

「琴乃お姉さん……」

 

「あっ……」

 

 優し気に聞こえながらも、有無を言わさせないような力が籠もった声を聞いてしまった琴乃の肢体から力が抜けていく。

 それは琴乃の目覚めたばかり雌の本能が、幾人もの女性を己の番の雌や雌犬へと堕とした圧倒的な雄の気配を感じて屈服させられてしまっていた。

 琴乃が自覚するよりも前、それこそ雌の本能が目覚める前から躾けられてしまっていた本能は雄に抗う意志を奪う。更には……。

 

(ど、どうしてリンド君に見つめられると……心臓がドキドキするの?)

 

 ただ見つめられているだけで琴乃は自身の心臓が高鳴って行くのを感じる。

 想い人である筈の『八岐猛』の事を考えている時よりも強い高鳴り。戸惑い、まるで小動物のように琴乃は震えだす。

 そんな琴乃を安心させるように、リンドは優しく両肩に手を置きながら囁く。

 

「大丈夫だよ、琴乃お姉さん。怖い事なんてないから、二人で温かくなろうね」

 

「……んっ!?」

 

 気が付けば琴乃の唇に、リンドの小さな唇が重なっていた。

 意識がある時に初めて触れた他者の柔らかな唇の感触に、反射的に琴乃は強張り、離れようと腕が動きそうになるが……。

 

「んんっ♥」

 

(なに? ……なにかとても温かいものが……伝わって来る)

 

 リンドが肌を触れていた時の比では温かさが触れ合わせている唇同士から伝わってくるのを感じた琴乃は、抵抗の意思を一瞬にして失ってしまう。

 唇から全身に渡るように流れる温かさは、想い人と結ばれる事がない因果を自ら確定させてしまった現実によって冷え切っていた琴乃の心にまで熱を与える。

 

「んっ……はぁっ、はぁっ……リンド君……」

 

「琴乃お姉さんと今のをすると、とっても温かく感じたよ……もう一回するね」

 

「ま、まっ……んんっ♥ んぅっ♥」

 

 抗いの言葉など言わせないと言うように、リンドは自らの唇を押し付ける事で言葉を封じる。

 息継ぎの為に幾度か離れるが、その度にすぐに唇を重ね合わせている内に、琴乃は地面に横にさせられていた。そして……。

 

「んちゅっ♥ ちゅぱちゅぱっ♥」

 

 下着姿のまま一糸纏わぬリンドに押し倒された琴乃は、発情し蕩け始めた顔をしながら舌を絡ませ合うキスに溺れるようになっていた。

 こうして『白鳥琴乃』は、虎視眈々と機会をうかがっていた子供の姿をした鬼畜な雄の番の雌へと堕ちる最初の出来事へと辿り着いたのだった。




次回からは本格的な琴乃の調教です。
リメイク前のように気絶で終わるような形にはなりません。
これまでの鬱憤を晴らす勢いで鬼畜ショタは犯します。

アマテラス、佐久夜、琴乃の妊娠について。

  • 琴乃が堕ちた段階で孕ませる
  • 四聖の社全て攻略後に孕ませる
  • サヨ関連終了後に孕ませる
  • イザナミも加え、四人そろって孕ませる
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