IZUMO2〜鬼畜ショタ性記〜 作:イズモ
次回で琴乃編は漸く終了です。
お気に入りありがとうございました!
「っ!?」
リンドが琴乃に掛かっていた呪いを解いた直後、遠くの地でそれを感知した者が居た。
その者こそ未来において琴乃を今の時代のネノクニに召喚する役目を担う事が決まっている者。
外敵の脅威からネノクニを守護する役目を担っていたかの一族を滅ぼし、ネノクニの神であるアマテラスとカグツチの命を狙っている悪霊の長、『ヒミコ』だった。
「いかが為さいましたか、ヒミコ様?」
天幕にその姿を隠している向こう側で、主君の気が乱れたのを感じた悪霊の軍の総大将であり、今はヒミコの護衛役を担っている赤い髪の青年-『ミナカタ』が質問した。
「……たった今、例の
「っ!? では、アマテラス達はその者を!?」
「ええっ……その少女をアシハラノクニに送り返す準備が整ったのでしょう」
僅かに焦りを含んだ声音でヒミコはミナカタに告げた。
一ヶ月近く前に自身との間に不可思議な縁が結ばれた事をヒミコは知り、直後その呪いに含まれていた
無論、未来の自身が世界を人質に取るような諸刃の刃としか言えない行為を行なった事には、世界に憂いを覚えているヒミコ自身思うところはあったが……。
(それほどまでに、未来の私は追い込まれているという事なのでしょうね)
実際に自分達が置かれている現状を考えれば、その手段以外に一年もの時間を稼ぐ手段が無い事をヒミコは理解するしかなかった。
早期に失った力を回復する手段として求めていたかの一族の遺産は、信を置くオオナムジと麟を探索の任につかせても見つからず、代わりの力を吸収する相手も早々に見つからない。
勢力としては何とか潜んでいる地に発生する悪霊を、護衛役を担っているミナカタが従えて戦力に加えてくれているが、発生したばかりの悪霊は知性が乏しく使い捨ての兵同然の扱いになってしまう。
(此方が動かない以上、アマテラスとカグツチも以前のように出兵を控えている……もしもそれが私達が積極的に動かない隙に、自分達の戦力を蓄え、一気に此方を攻め落とすつもりなのだとしたら)
かの一族と戦う前ならばともかく、今のヒミコではアマテラスとカグツチ、そして四聖獣全員で挑まれてしまえば敗北する可能性が高い。
無論、心からの信を置くミナカタ、オオナムジ、そして麟がいるのだからむざむざと敗北する気などヒミコにはないが……。
(相手はあのヨモツオオカミを討ち果たし、神となった者達。油断など到底出来ない)
そう考えれば、一年後の自身が二つの世界を危機に追いやる手段まで使って最低でも一年の猶予を得る手段に出た事にもヒミコは納得できる。
(ですが、未来の私の思念は、『召喚した者をアシハラノクニ帰還させてはならない。『救世主』の召喚に必要になる』と伝えて来ました。この意味が未だに分かりません)
呪いに紛れていた未来のヒミコの思念が、現在のヒミコに伝えた情報は少ない。
故に分からない事も多いが、自らの望みである『救世主』の召喚に関わるのならば動かなければならない。
「ミナカタ……『反魂の術』を行なうに最も適した日は、もう明日に迫っています。呪いを解いた以上、アマテラス達は召喚された者に『反魂の術』を行使するでしょう。ですが、それをさせる訳にはいきません。その為にもこれより私は儀式の準備に入ります。その間の護衛は……」
「勿論、俺にお任せください、ヒミコ様。父上と麟が居ない分まで、必ずや貴女様をお守りいたします」
「頼みましたよ」
信を置く将の頼もしき言葉に天幕の向こう側でヒミコは微笑む。だが、すぐに険しい顔を浮かべて天幕の向こう側で立ち上がる。
(
未来の自身がした事がどれほど世界を危ぶむ行為なのかは、何れ実行する事になるヒミコも理解している。
(ですが、それを行なわない事こそが世界への危険になってしまう)
未来においてアシハラノクニの人間をヒミコはネノクニに召喚しなければならない因果は確定している。
最早ヒミコ個人の意思さえも無意味に等しい世界の強制に近い。
(私達の敵はアマテラス達だけではなく、世界でもある……ですが、負けません。必ずや
誓いを新たにしながらヒミコは一歩前へと踏み出した。
「……んっ」
だが、一歩前へと踏み出した瞬間、下腹部から奇妙な疼きが全身を奔り、思わず声を漏らしてしまった。
「? ヒミコ様?」
主君の気配の乱れを感じたのか、ミナカタが質問してきた。
「……いえ、何でもありません」
(こんな時に疼きを感じてしまうなど)
ヒミコには今の下腹部の疼きの原因が分かっていた。
それは何ヶ月も経ちながらも子宮内部に宿り続けている命の種。即ちヒミコの卵巣から排卵された卵子。
人の理から外れたヒミコが宿す事などありえる筈が無い命の種である卵子こそが疼きを促す元凶。
悪霊の長であるヒミコだが、その姿は銀髪紅目の少女である事に変わりなく、卵子を排出してしまった事で肉体の方にも変化が発生し、時々ではあるが疼きがヒミコに襲い掛かるようになっていた。
(忌々しい呪いですね)
何れ誰かを呪う自身が呪われている事に、ヒミコは皮肉を感じる。
決してヒミコは、自身の子宮に宿っている卵子を祝福だと認めない。呪いだと思っている。
世界の為に捧げる自身の身を阻む呪い。いっそ消してしまえばとこの一年近くの間何度も思ったが、ヒミコには卵子を消す事が出来なかった。
それは愛しい相手との間に子を為したいという女としての想い。その想いを捨てられず、また明確に己の女として性を示しているように思えるからこそ、ヒミコにとっては呪いなのだ。
ヒミコの脳裏に、その呪いを施したかの一族の女当主と交わした最後のやり取りが浮かんだ。
『
『意味では無く義務です。あの優しかった人々を惑わせ、堕落させた私が為さねばならぬ責務……最後に聞きます。私達に協力するつもりはありませんか?』
『……ふざけた事を……ヒミコ……貴様は私達の一族の子供達を明確に狙って襲い掛かった。一族の事を知っている貴様ならば、それがどう言う意味を持っているか分かっている筈だ。逆鱗に触れた貴様達に膝を屈する気など無い。何よりも私達の一族の役割は知っている筈だ。何が在ろうとネノクニを壊す行為には協力するつもりはない。それに貴様が行なおうとしている先にあるのは……破滅だけだ』
『破滅ではありません。再生です』
『……本当に何も分かっていないのだな……愚かな事だ……ならば……』
『何を!?』
『貴様も、
(そして彼女は私にこの呪いを施し、その後も戦い私の力を失わせ、最後には何らかの術を発動させて自分諸共かの一族を消し去った。重傷を負わせて捕らえていた者達も含めて)
精霊と交わったかの一族の者を吸収すれば、ヒミコの力は最早ネノクニで及ぶ者が居なくなっていた。
そうなれば最早アマテラスとカグツチ、そして四聖獣も敵ではない。強大無比な力を持って、アマテラスとカグツチを滅ぼし、ネノクニの崩壊させて己の悲願である『古の時代のクニの復活』を叶えるつもりでいた。
だが、その目論見はかの一族の当主であった女性-『リンドの母親』-が発動させた禁術に依って阻まれた。残ったのは力を大きく失ったヒミコと勢力として大きく削がれた軍勢のみと言う有様だった。
そして今日この日を持って、ヒミコの言う呪いは徐々にその影響力を高め始める。
(んくっ……今日は少し疼きが強く……んんっ)
何時もより少し強い疼きに違和感を感じながらも、ヒミコは執り行う儀式の為に身を清める為に湯場へと向かって行く。
ヒミコは知らない。かの一族の当主がヒミコに施したのは、本当の意味で『呪い』なのだと言う事を。
何れ彼女は思い知る事になる。かの一族が施した『呪い』の真の恐ろしさを。そして自らに仕える『麒麟』と共に、一人の少年に
「……んっ……ここは?」
薄く目を開けた琴乃は、見慣れた木の天井を見ながらぼんやりとした声で呟いた。
目覚めたばかりで前後の記憶があやふやな琴乃は戸惑ったように目を瞬かせながら首を動かそうとすると……。
「気が付いたようですね、琴乃さん」
「……アマテラスさん?」
「はい、そうですよ」
自身を顔を覗き込んで心配そうにしているアマテラスを琴乃は見つめ返す。
ぼんやりとしながら力を入れて身体を起こすと……。
「琴乃さん!」
「さ、佐久夜さん?」
「よ、良かった! 本当に良かったよ!」
泣きながら自身に抱き着いて来た佐久夜に戸惑いながら琴乃は周囲を見回す。
今、琴乃が居る場所は住み慣れかけたアマテラスの屋敷の一室。部屋の中にはアマテラスと佐久夜だけではなく、カグツチとツクヨミの姿もあり、泣いて無事を喜んでいる佐久夜を始めとして全員が琴乃が無事に起きた事に安堵の息を吐いていた。
「一先ず、ちゃんと目を覚まして良かったわ」
「ああ……本当に琴乃ちゃんが無事で良かった」
「私が無事? ……っ!? ああっ!」
漸く思考が戻って来たのか、琴乃は自身が仕出かした事を思い出した。
想い人だった『八岐猛』と結ばれない未来を、自身の行ないによって確定させてしまい、絶望の余り里を飛び出して滝壺に身を投げ捨てた事を。
そして同じように滝壺に飛び込んで来たリンドに命を助けられ、洞窟の中で
「わ、私……ごめんなさい!」
その様子を見ていたツクヨミは、安堵の息を溢しながら琴乃に話しかける。
「ふぅっ、取り敢えずもう自分の命を捨てるつもりはないみたいね」
「は、はい……本当にすみませんでした」
「いえ、琴乃さんばかりが悪い訳ではありません」
『横笛の精霊武具』の封印を担っていたアマテラスは、何処か申し訳なさそうな声を掛けた。
(はぁっ、とにかく琴乃ちゃんが無事で良かった。もし何かあったら綾香さんになんて言えば……)
姉のように想っていた女性の娘の無事にカグツチは心から安堵する。
自ら命を絶とうとした琴乃を強く叱るべきかも知れないが、琴乃の様子から見て本当に後悔しているようなのでカグツチ達が改めて叱る必要はない。
何よりも、
謝罪を終えて改めて部屋の中を見回した琴乃は、洞窟の中で一緒に居たリンドが居ない事に気が付く。
「あ、あの……リンド君は?」
「……リンドならば今は青龍が居る寝所で
「ええっ!? き、謹慎って!? ど、どうしてですか!?」
自身を滝壺に飛び込んで待て助け、洞窟の中で
「それはね、琴乃……あの子の記憶が戻ってしまったからよ」
「記憶が戻る?」
「うん……琴乃さんには話してなかったけど、リンドはね。記憶を封印されていたの。その記憶が戻ったから、詳しい話を聞くまでは青龍様の寝所で過ごして貰う事になって」
佐久夜としては想い人が恋敵と一緒の部屋で過ごしている事に思うところが無い訳ではないが、事は以前と同じく個人の感情を優先させられる話ではない。
かの一族としての記憶がリンドに戻ると言う事は、重大事なのだから。
「わ、私のせいなんですか?」
(リンド君……)
命の恩人が自分のせいで大変な状況になった事に、琴乃は強い胸の痛みを感じる。
「いや、琴乃ちゃんのせいじゃない。記憶が戻ったリンドにしても、実は朧気に戻り始めていたそうだから、琴乃ちゃんの事は切っ掛けに過ぎないらしい」
「ですから、琴乃さんのせいではありません……それよりも、琴乃さん。今の貴女に聞くのは酷かも知れませんが、明日は『反魂の術』を行なうのに最も適した日。ですが……」
「君が望むなら次の機会に回しても構わない」
『反魂の術』を行使できる日は、何も明日だけではない。
一月経てば、また行使できる日は訪れる。無論、適した日で無くても『反魂の術』の行使は可能なのだが、時間のズレを利用して一年後の未来に琴乃は帰還しなければならないので、どうしても行使に最も適した日になってしまう。
別に琴乃を厄介払いするつもりはカグツチ達にはない。寧ろ精神状態を考慮すれば、落ち着くまでネノクニに居て貰っても構わないと思っている。
(琴乃ちゃんに掛かっていた呪いが解けてしまったのは予想外だったが、それだって大丈夫なはずだ)
既にカグツチ達は、琴乃に掛かっていた未来のヒミコが施した『死者でいる事を強制する呪い』が解けている事も分かっている。
(リンドの呪法『樹界降誕』の力。まさか、ヒミコの呪いまで解く力が在るなんて)
琴乃に掛かっていた呪いに関しては、アマテラスとツクヨミなら解ける。
逆を言ってしまえば、人間側での最高位の術師であるアマテラスとツクヨミでしか、弱体化しているヒミコの呪いを解く事が出来ないという事でもあるのだが、その中にリンドの名も呪いを解いた事で加わった。
(記憶が戻ったリンドの術師としての実力は、少なくともアマテラスとツクヨミに近いほどって事だよな。自分でも『次期当主候補』って言っていたし……詳しい話を聞きたいが、先ずは琴乃ちゃんの方が優先だ)
此処で琴乃が時間を置きたいと願えば、リンドの方をカグツチ達は優先するつもりでいる。
『楓』の件は、『反魂の術』を用いた時に現れると見ているので問題は無い。何よりもどちらにしてもカグツチ達はヒミコ達に対して明確な討伐に乗り出せるのは一年後。
状況的に嬉しくはないが、カグツチ達には嫌でも時間があるのだ。
「私は……」
自分はどうすべきなのかと琴乃は深く悩む。
帰還の為にカグツチ達が色々と準備をしてくれていた事は、勿論琴乃も知っている。カグツチの言う通り、次の機会にして貰う事も出来る。
『八岐猛』の件は会っても、家族に会いたいという気持ちが琴乃の中に在る。
その場にいる全員が琴乃の答えをジッと待っていると、やがて琴乃は口を開く。
「私は……帰ります……猛さんの事はやっぱり悲しいですけど、もしかしたらの可能性もありますから」
無論、琴乃の言う可能性はあり得ない。
『因果確定』で決まってしまった因果は、何があっても覆せない。その事は呪法を発動させてしまった琴乃本人が一番理解している。
カグツチ達は琴乃の言葉が空元気に過ぎないと察して、何も言わずに聞く。だが……。
(良いのよ、猛さんの事は……あの人には冬木先生がいるんだから)
空元気などではなく、琴乃自身もまだ自覚していないが結ばれない事に絶望して自害まで考えた想い人だった筈の『八岐猛』への想いは欠片も残さず消え去っていた。
「それにあっちには家族がいますから」
「……そうだな。分かった。琴乃ちゃんがそう言うなら、明日『反魂の術』を行なうよ」
「では、その為の準備をして来ます。佐久夜。貴女は琴乃さんの傍に居てあげてね」
「うん! 勿論だよ、お母さん!」
佐久夜はアマテラスの頼みを快く受け入れた。
勿論、その言葉の裏には琴乃がまた自暴自棄になる恐れがある事も考慮している。
(これで良いのよ……だって、リンド君は私に最後に言ったんだから)
『アシハラノクニで幸せになってね』
脳裏に浮かんだリンドの言葉もあって琴乃はアシハラノクニへの帰還を決意した。
(でも……どうしてこんなに胸が痛いの?)
自身でも分からない胸の痛みを疑問を覚えながら、琴乃は佐久夜との最後になるかも知れない日を過ごす。その中で無意識に佐久夜にリンドの話を聞かせて貰うように、会話を行なっている事を自覚する事なく。
「フフッ、やっぱり簡単には引っ込み事案な性格は治らないね」
青龍の寝所で琴乃の様子を窺っていたリンドは、予定通りに事が進んでいる事に笑みを浮かべていた。
「はぁ―っ♥ はぁ―っ♥ はあぁぁぁぁっ♥」
その隣では一糸纏わぬ姿を晒して肌を紅潮させて艶やかな吐息を溢している青龍がいた。
大きく足を開いている青龍の秘裂からは、たった今注がれた精液が逆流して布団に零れていた。大きく膨らんでいる胎児が宿っているお腹を上下させている。
「んっ♥ ……リンド様……琴乃の記憶を消したのですか?」
「消してないよ。封印してるだけ。流石に一日近く犯した記憶があったら、アマテラス様やカグツチ様に気付かれるからね」
「……酷いお方」
そう言いながらも青龍はリンドの隣に寄り添い抱き着いて安らかな顔をする。
(琴乃が帰れないと分かっていながら、わざと帰れる機会があるように思わせているのですから)
青龍もまたリンドと同じように琴乃がアシハラノクニに帰還できないと分かっていた。
では、何故わざわざ『反魂の術』を使用させようとしているのかと言えば……。
(ツクヨミ様とアマテラス様の占いの結果で出た桃花が言っていた『楓』と言う精霊に現れて貰わないとね)
自身の怨敵であるヒミコの重要な情報を握っていると思われる『楓』に、早期に出て来て貰う為。
他にも白虎以外の四聖獣である朱雀と玄武を見る為など、様々な思惑がある。そして何よりも……。
(琴乃にも
琴乃の記憶は一時的に封印。
封印解除の鍵は鬼畜ショタなのでアレしかありません。
また、ヒミコ側はツクヨミが復活している事を知らないので、アシハラノクニ側の情報をカグツチ達が得られるとは思っていません。
因みにリンドは母親がヒミコに施した呪いを知りません。なので、ヒミコに対しては今のところ情欲は一切なく、どうやって絶望させて魂を消滅させようかと心の奥底で思っています。
予定通り琴乃編が終わった後は幕間で『ヒミコ・調教編』で、その後は『アマテラス・淫堕ち編・破』で、その次が『佐久夜・番雌堕ち編』です。
アマテラス、佐久夜、琴乃の妊娠について。
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琴乃が堕ちた段階で孕ませる
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四聖の社全て攻略後に孕ませる
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サヨ関連終了後に孕ませる
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イザナミも加え、四人そろって孕ませる