IZUMO2〜鬼畜ショタ性記〜 作:イズモ
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日の光が丁度真上にある昼頃の出雲学園のグラウンド。
其処には傍らにスーツケースを置いた制服姿の琴乃を始めとして、アマテラス、カグツチ、そして佐久夜の四人が立っていた。
今日こそが『反魂の術』を執り行い、琴乃をアシハラノクニへと帰還させる日。
その為に本来は里から余りでる事が出来ないアマテラスも、久方ぶりに懐かしき出雲学園に訪れていた。
「琴乃さん、本当に元気でね」
「……佐久夜さんこそどうか頑張って下さい」
琴乃はこれからアシハラノクニと言う平和な世界に帰還するが、佐久夜はこれからも戦いの日々が続くこのネノクニで生きていく。
その事に申し訳なさを感じずにはいられないが……。
(私が残っても意味が無いもの)
霊力を扱う術を学んだとしても、自身が戦えるとは琴乃には思えなかった。早期の帰還を望んだのも、そう言った感情が関わっていた。
それは
今にも泣き出しそうになりながらも、必死に耐えている佐久夜を微笑ましくアマテラスは思いながら琴乃に声を掛ける。
「琴乃さん。未来に帰還した時には、姉さんが護衛をしてくれる事になっています。だから安心して下さい」
「そのスーツケースとツクヨミに会えば、綾香さんとじいちゃんなら事情を分かってくれるはずだ」
「アマテラスさん、カグツチさん。色々とありがとうございました」
「此方こそ……琴乃ちゃんのおかげで皆が幸せに暮らしてる事も分かったから、俺も嬉しかったよ。綾香さんとじいちゃんによろしく言っておいてくれ」
「はい」
笑顔で琴乃は返事を返した。
色々と不安はあるが、一先ずは琴乃は大丈夫だとアマテラスとカグツチは安堵し、顔を見合わせて頷きあう。
「では、先ずは……青龍を除いた残る三人の四聖獣をこの場に呼びます」
アマテラスは精神を集中させて残る三人の四聖獣を呼び出す準備を始めた。
その様子を見ていた琴乃は、今更ながら青龍以外の四聖獣の事を知らない事に気が付く。
「あの、カグツチさん」
「何だい、琴乃ちゃん?」
「今更なんですけど、青龍さん以外の四聖獣さん達ってどんな人なんですか? 前に里の方に来ていたらしいですが、結局その方とは会えませんでしたから」
「ああ、そう言えば琴乃ちゃんには詳しく話していなかったね」
(結局あの時は白虎は起きたら恥ずかしさの余り、琴乃ちゃんに会わずに里を飛び出していったからな)
そのせいで本当だったら帰る前に、琴乃には白虎に会って貰う予定が崩れてしまった。
(でも、青龍以外の四聖獣の説明か)
脳裏に浮かんだ二人の四聖獣の事を考えて、カグツチは言い難そうな顔をしてしまう。
白虎ならば普通に説明できるのだが、残る二人。『玄武』と『朱雀』に関してはとても言い難い性格をしているのだ。
言い淀んだカグツチの様子に琴乃は不安を感じ、思わず質問してしまう。
「あ、あの、もしかして、青龍さんと違って怖い人達なんですか?」
青龍は厳しい事を言うが、それでも優しい相手だと琴乃は思っている。
だが、そもそも佐久夜とこの場に居ない桂香の話は、四聖獣はこのネノクニを守護神と言われている者達。
もしかしたら怖い性格の相手もいるのではないかと、今更ながら琴乃は不安を感じてしまう。
「ああ、いや、怖いって言う相手はいないから安心してくれ、琴乃ちゃん」
「そ、そうだよ、琴乃さん。この前会えなかった白虎様も、玄武様も、朱雀様も良い人達だから……うん、良い人達なんだけどね」
「だな」
(だ、大丈夫なのかしら……リンド君)
何かを分かり会っている親子の様子に不安を覚えずにはいられず、琴乃は無意識にこの場にはいないリンドを頼ってしまった。
「……来ました」
呼び出しを行なっていたアマテラスが呟くと共に、カグツチと佐久夜は空を見上げる。
釣られて琴乃も空を見上げてみると、出雲学園に向かって来る三つの眩い光が遥か天空から流れ星のように出雲学園に向かって来ていた。
光はアマテラス達の前に中空で止まり、それぞれ人型に変化した。
西側から来た光は幼い容姿をしているが凛々しい顔立ちをし、獣の耳と尻尾を生やした白い民族衣装を着た美少女-『西天を司る白き虎の化身である白虎』に。
北側から来た光は黒いジャケットを羽織り、レザースーツ系の服を紫色の長い髪の絶世の美女-『北天を司る黒き亀の化身である玄武』に。
最後の南側から来た光は、鳳凰が描かれた紅いチャイナドレスを着て紫銀色の長い髪を二つのお団子頭で結んでいる絶世の美女-『四聖獣のリーダーも務めている南天を司る朱き鳳凰の化身である朱雀』に。
「青龍を除いた四聖獣。今此処に集いましたよ、琴乃さん」
「この人達が……」
思わず琴乃は身体を震わせてしまう。
短期間ながらも霊術を学んだ琴乃には、中空に浮かんでいる三人の四聖獣が発する力を感じる事が出来た。
そんな琴乃の様子を見下ろしながら見ていた朱雀が、口元を笑みで歪めると、次の瞬間、両手を万歳するかのように掲げる。
「じゃっ、じゃじゃーん! 呼ばれたからには参上! 四聖獣の紅一点みんなのアイドル朱雀ちゃんやでー♪」
「……えっ?」
余りにも軽いノリに琴乃は呆然としてしまう。
その間に中空から地上に降り立った朱雀は興味深そうに琴乃を見回す。
「ほうほう~。この子が綾香の娘か~。確かに似とる」
「あ、あの?」
「特に似とるんわ、やっぱこの辺りやね」
「きゃあっ!」
突然朱雀は琴乃の背後に回り込み、制服の上から胸を掴んだ。
「ほほっ、綾香も大きかったけど、娘も中々の……」
「何をしてるんだ!? お前は!」
「あだっ!」
瞬時に移動したカグツチは迷うことなく、朱雀の頭に拳骨を落とした。
「琴乃さん! こっちに!」
「は、はい!」
佐久夜の呼びかけにすぐさま琴乃は移動した。
カグツチに頭を殴られた朱雀は、頭を両手で押さえながら顔を上げる。
「いたた……何も本気で殴る事はあらへんのに」
「殴るに決まってるだろうが。一体どう言うつもりで琴乃ちゃんにあんな事をしたんだ?」
「呪われとるって白虎に聞いとったから、ちゃんと解けてるか確かめただけや。解けてなかったらアシハラノクニには帰れへんさかいに」
「……胸を揉んだのは?」
「いや~、何か緊張してるみたいやったから。緊張解いたろうと思うって」
「はぁ~、相変わらずだな」
そう、これこそがカグツチが説明に言い淀んだ理由。
朱雀は四聖獣のリーダーを務めていながら、その性格は底向けに明るくひょうきん。しかもコテコテの関西弁で喋るというおまけまでついている。
仲間の所業に頭が痛そうにしていた白虎が地上に降り立ち、困惑している琴乃に話しかける。
「朱雀がすまない、カグツチ。それに綾香の娘……確か名は……」
「琴乃です。白鳥琴乃です」
「うむ、私は白虎だ。この前は挨拶出来ずに済まない」
「い、いえ、気にしないで下さい。いきなりの事で驚きましたけど……私の事を心配してくれたみたいですから」
「ほらほら、琴乃っちもああいっとるんやから」
「お前は反省しろ、朱雀!」
そんなやり取りを行なっていると、最後の一人である玄武が周囲を警戒するように見回しながら告げる。
「無駄話してないでさっさとやりましょう。私はさっさとこの場所から離れたいんだからね」
「何時になく真剣だな」
玄武の様子に思わずカグツチは訝し気な声を出してしまった。
本来、朱雀と並んで玄武も非常に困った性格をしている。悪霊の退治を依頼しても遊び惚けたり、ちょくちょくアシハラノクニに遊びに行ったりなどしている。
その証拠に今もアシハラノクニの服装で気に入っているレザースーツ系の服をアレンジして着ているほどなのだ。
その玄武が何時になく真面目な様子を見せている事にカグツチは驚いたが……。
「真剣になるに決まってるでしょう! もしも例の子を私が見たら、終わりなのよ! ああ、もうまさか盟約が破られるなんて! 本当に困った事をあの二人は!?」
「落ち着け、玄武。例の者はこの場にはいない。そうだろう、アマテラス?」
「ええ、あの子は今は里に居ます。姉さんが見張っていますから、安心して下さい、玄武」
「ツクヨミがね……って、ちょっと待ちなさいよ! 身重の青龍の代わりをツクヨミが務めるって話はどうなったのよ!」
「せや。何かあったん?」
「……実は記憶が戻ったんだ」
『っ!?』
カグツチの言葉に玄武、白虎、朱雀は目を見開いて固まった。
「……だ、大丈夫なんでしょうね?」
「ああ、本人も四聖獣の皆に怒りを向けるつもりはないって言っていたよ。実際、青龍に関しては一緒に過ごすようになったら、今まで以上に身の回りの世話を頑張っているんだ」
「せやったら良いんやけど……記憶が戻ったんはちょっと心配や」
「うむ……」
玄武、白虎、朱雀はそれぞれ顔を見合わせる。
三人とも青龍同様に、かの一族の男子の問題を知っているのだ。
(白虎の話やと青龍以外に桃花と『真の契りの儀式』を結んどるらしいし……まあ、青龍とツクヨミが見張っとるんなら大丈夫やろう)
(本来ならば直接会って確かめたいところだが……諦めるしかない。まさか、私達の方がかの一族を恐れる日が来るとはな)
(絶対! ぜっえぇぇたいっ!! 子供を孕むなんていや!
三人の四聖獣はそれぞれ考え込んでいる。
その様子を見ていた琴乃は……。
(この人達とリンド君の間には、何かあるのかしら?)
リンドの事は佐久夜から昨日琴乃は話を聞かせて貰った。
命の恩人の事を知りたいと思うのは当然だと佐久夜も考え、ある程度の事までは話した。
本来は別の里で暮らしていた者で、自身をネノクニに召喚したヒミコに寄ってその里は滅ぼされ、『妖やかしの森』の精霊である桃花に保護されて里に連れて来られたこと。
リンドと言う名も、実は仮の名で在り、生まれ育った里の決まりで真の名は『十五になったときに伴侶の女性に対して教える決まりがある』事などだ。
ただしリンドの一族がネノクニの陰を担っていた事や、外敵の存在、そして何よりもリンドには精霊の血が流れている事などは話さなかった。
それはこれからアシハラノクニに帰る琴乃には必要がない話なのだから。
(……結局、私は何も知らない。私をこっちの世界に呼んだヒミコさんって言う人の事も。お母さんが昔こっちの世界で何をしていたのかも……リンド君の事だって……)
今更ながらに自身が何も知ろうとしていなかった事に、琴乃は気が付き言いようのない寂しさを感じた。
勿論、それを望んだのは琴乃自身。帰る為の手段を得る事に努力していたのは事実だが……。
(リンド君……)
命の恩人であり、
(どうして私はリンド君にあんな態度を取ってしまっていたの?)
屋敷の中ですれ違ったり、佐久夜に付き合って会うたびに、琴乃はリンドに対して警戒的な行動をしてしまっていた。
だが、
(思い出せないような理由で、リンド君にあんな態度をしていたなんて……リンド君)
罪悪感を感じながらも、同時に琴乃はリンドの事を想う度に心臓が高鳴るのを感じていた。
その高鳴りは『八岐猛』を想っていた時のものに似ているが、決定的に違うところがあった。それは……。
くちゅっ……。
(っ!? う、うそ……濡れて来てる……)
ほんの僅かだが穿いているショーツに湿り気があるのを琴乃は感じた。
記憶を封印されている琴乃は忘れているが、その魅力的な肢体は鬼畜な雄に貪られ、純潔の証である処女も喰われてしまった。
更には綺麗な黒髪一本一本に至るまでドロドロの精液を塗り込まれてしまっている。
その上に、圧倒的な雌としての快楽を味わってしまった肢体は、例え記憶が無くても反応してしまう。
リンドが琴乃の前に現れないようにしたのも、佐久夜と違って雌としての本能を制御できない事が分かっていたからだ。
戸惑うように琴乃が視線を彷徨わせていると、玄武がアマテラスに質問する
「それでアマテラス。ツクヨミの代わりはどうするの? 状況が状況だから、もう一人ぐらいはいた方が良いわよ」
「勿論です。青龍や姉さんの代わりとして、今回ばかりは、此方が力を貸してくれるそうです」
玄武の質問にアマテラスは答えながら懐に手を入れて、小さな小箱を取り出して蓋を開けた。
すると、小箱の中に入っていた虹色の宝珠『八尺瓊』が虹色の輝きを発する。
「っ!? それは!?」
「っ!? かの一族がイザナミから渡された」
「……宝珠『八尺瓊』」
玄武、白虎、朱雀はそれぞれ険しい顔をしながら『八尺瓊』を見つめる。
遥か昔に直接見た、かの一族が所有している『理を紡ぐ力と理を整える力』を宿す『八尺瓊』。
当然、『八尺瓊』には自己判断出来るほどの意思が宿っている事も三人は知っていた。
そして改めて見た事で玄武、白虎、朱雀は思い知らされる。
二千年以上前に苦楽を共にした『麒麟』と『徐福』の手によって、自分達にとって恩人であり、今もネノクニを外敵の脅威から守護し続けていた、かの一族の末裔達が滅ぼされてしまったのだと言う事を。
「『八尺瓊』ならば充分に青龍と姉さんの代わりを務められます」
寧ろ『理を整えられる力』を宿している『八尺瓊』の補助があれば、より確実な琴乃の帰還は叶う。
「……分かったわ。さっさとやりましょう」
警戒するように『八尺瓊』を見つめながら、玄武は北側の位置に立つ。
続いて白虎も西側の位置に。最後に朱雀が南側に。
「では、琴乃さん。中心に立って下さい」
「はい!」
いよいよ迫った帰還の時に、琴乃は緊張しながら言われた位置に立つ。
「そのまま帰りたい場所、遭いたい人、そして何よりも琴乃さんの場合は来た日の次の日を意識して下さい。後は此方で『反魂の術』を制御します」
「分かりました」
言われた琴乃は目を閉じて意識を集中させる。
(お母さん……お父さん……)
脳裏に浮かんだのは先ず大切な両親。
(明日香)
次に浮かんだのは大切な妹。
(出雲学園……)
今居るネノクニの出雲学園ではなく、多くの学生が通うアシハラノクニ側の出雲学園。
(私の家に……六介さんの家)
何気ない平穏な日常を過ごしていた場所。
(来た次の日……)
一番大切な日付を思い浮かべる。そして最後に琴乃の脳裏に浮かんだのは……。
(えっ? リンド君?)
何故か最後に浮かんだのは、アシハラノクニに居るはずがないリンドの顔。
その事実に琴乃が驚いた瞬間……。
『させません!!』
「えっ!? きゃぁぁぁぁぁっ!?」
『っ!?』
突如として何処からともなく誰かの声が響き渡り、琴乃の周囲に真っ黒な瘴気のようなものが出現した。
「これは!? まさか!?」
「この呪力!?」
「くっ! 覚えがある……」
「間違いあらへん! 信じとうなかったけど、この呪力の持ち主は一人しか考えられへんよ!」
アマテラス、玄武、白虎、朱雀はすぐに儀式に介入してきた何者かの正体を察した。
『新たなネノクニの神、アマテラス。この者をアシハラノクニに帰還させる訳にはいきません。
「ふざけるな! ヒミコ!」
カグツチもまた儀式に介入してきた者の正体を察した。
未来において琴乃をアシハラノクニからこの時代のネノクニに召喚した者にして、ネノクニの陰であったリンドの一族を滅ぼし、カグツチ達の敵。
嘗て人間だった頃の四聖獣の主にして、今は悪霊の長である『徐福』から名を変えた者。『ヒミコ』が儀式に介入し、琴乃に対して新たな呪いを施そうとしていた。
「あっ……あぁっ……」
「琴乃さん!?」
「いけません、佐久夜!」
瘴気が身体の中に吸い込まれて行く度に目が虚ろになっていく琴乃の姿に、佐久夜が飛び出し解呪の術を施そうとする。
アマテラスはそれを止めようとするが、『反魂の術』を発動させているために身動きが取れなかった。
術を強制的にキャンセルなどすれば、術の対象である琴乃にどんな悪影響が及んでしまうのか考えるだけに恐ろしい。
玄武、白虎、朱雀も同様であり、目の前で嘗て苦楽を共にした仲間の凶行に苦い顔をするしかなかった。
「きゃあぁぁぁっ!」
「佐久夜!」
解呪の術を施そうとした佐久夜だったが、あっさりと弾き飛ばされてしまう。
一年前よりも術師としての腕前は格段に上がった佐久夜だが、アマテラスとツクヨミには遠く及ばない。
『無駄です。貴女達が帰還の準備を進めていたように、此方もこの者を新たに呪う為に準備を重ねていたのですから』
「っ!? しまった!」
ヒミコの言葉でアマテラスは全てを悟った。
何故未来のヒミコではなく、今のヒミコが琴乃の存在を知っていたのか。それは琴乃に施されていた未来のヒミコの呪いによって、今のヒミコと琴乃の間にも縁が結ばれてしまった。
当然不可思議な縁を結ばされた今のヒミコは、縁を辿って調べようとする。そうなると分かっている未来のヒミコは、其処に呪いに思念を施して断片的ながらも重要な情報だけは伝えた。
アマテラス達がその思念の存在に気付けなかったのは、既に縁を通して未来のヒミコの思念は今のヒミコに渡って消失してしまっていたからだった。
(『横笛の精霊武具』を姉さんに預けて来てしまった事が仇に!?)
琴乃を主として認めている『横笛の精霊武具』。
万が一にも『反魂の術』を行使する時に封印が緩み、そのまま琴乃と共にアシハラノクニに渡るのを恐れたからこそアマテラスはツクヨミに『横笛の精霊武具』を預けて来た。
それが仇となった事実に苦い思いを抱く中、琴乃の体内に瘴気は入り込んでいく。
『もう間もなく全ての呪いが施せます。貴女の目は私の目に。貴女の耳は私の耳に。そして死者のままこのネノクニに居て貰います。『救世主』様の召喚の為に』
『琴乃さん!?』
「琴乃ちゃん!?」
(い、いや! た、助けて!
悲しみと絶望に満ちながら琴乃は、この場にはいない者に強く願った。
『……その人に触れるな!』
『なっ!?』
突如としてアマテラスの傍で浮かんでいた『八尺瓊』が強く輝き、琴乃の周囲を取り囲んでいた瘴気は全て消え去った。
ドサッと琴乃は地面に力なく倒れ伏し、慌ててカグツチが駆け寄る。
「琴乃ちゃん! 確りするんだ!」
『……まさか、アマテラスや四聖獣以外にも私の呪いを祓える術師が……ですが、必要最低限の呪いは残っている』
「ヒミコ! 貴女は一体何が目的なのですか!?」
『全ては
『っ!?』
ヒミコの言葉に玄武、白虎、朱雀は目を見開いて固まった。
彼女達には分かったのだ。ヒミコが一体何を目論んでアマテラスとカグツチの命を狙っているのかが。
『アマテラス、カグツチ。何れその命……必ずや奪わさせて頂きます』
その言葉と共にヒミコの気配は消え去り、後に残ったのは新たな呪いを施された琴乃と、それぞれが険しい顔を浮かべるアマテラス達だけだった。
「……貴方の予想通り、琴乃は帰れなかったわ」
青龍の寝所内で出雲学園で起きた事の次第を用意した水晶球を使って映していたツクヨミは、険しい顔をしながら部屋の中にいるリンドと青龍に話しかけた。
「……徐福」
様子を見ていた青龍も、玄武、白虎、朱雀同様にヒミコの最終的な目論見を察していた。
(貴女は本気で全てを取り戻させると思っているのですか? そんな事は不可能だと言うのに……)
二千年以上の時を過ごした青龍は思い知っている。世界の残酷さと無慈悲さを。
ある意味ではイザナミとヨモツオオカミも、世界の残酷さと無慈悲さに敗れたのだから。
(私達はこの地に来て、結果的に悲劇を導いてしまった。だからこそ、ネノクニに来て償おうとしたのではないのですか?)
青龍にはヒミコの考えを理解出来なかった。だからこそ、ヒミコは遥か昔に青龍達には自身の真意を話さなかったのだ。
「……ヒミコの目論見は分かりました。そしてその目論見は絶対に叶えさせていけない事も」
個人的な感情を抜いても、ネノクニの陰を担っている一族の者としてリンドは改めて心に誓った。
何があってもヒミコの目論見だけは達成させてはならないと。
「それにしても琴乃お姉さんにあそこまで強力な呪いを施そうとするなんて」
ヒミコが動く事をリンドは予想出来ていた。
だからこそ、自分が琴乃の帰還の邪魔をする必要はないと思っていたが、予想以上にヒミコは琴乃に強力な呪いを施そうとしていたので、『八尺瓊』を介して呪いを
「貴方なら全部解けたんじゃないの?」
「いえ、寧ろ全部解呪した場合、ヒミコが新たな呪いを施す下地が出来てしまいます。『八尺瓊』を常に手元に置いておけない現状では、咄嗟の対応が間に合わない恐れもあります」
以前の呪いが残っていれば、新たに施す呪いと干渉しあって術者にも危険が及ぶ可能性がある。だから、全ての呪いをリンドは解呪しなかった。
(それにあんまり『八尺瓊』に頼りすぎる訳にもいかない)
リンドは自身の右手を見つめる。
『八尺瓊』の力は絶大だが、当然それだけの力を宿す物を使えば、使用者であるリンドにも負担が掛かる。情報を伝えるぐらいならば問題は無いが、今回や以前『妖やかしの森』で使用した時には、かなりの霊力を消費してしまう。
加えて言えば、頼り過ぎて肝心な時に使用出来ないなんてことになってしまえば、最悪としか言えないのだから。
(フフッ、まあ、琴乃の為なら苦じゃないけどね。それに、これで琴乃は帰還できなくなった。後はこの一年の間に、しっかりと実力を付けて僕の番の雌に堕としてあげるからね。勿論……)
ゆっくりとリンドは水晶に映っている三人の絶世の美女と美少女である玄武、白虎、朱雀に目を向ける。
(必ず青龍と同じように盟約は果たして、僕と『真の契りの儀式』を結んで番の雌に堕ちて貰うよ、玄武、白虎、朱雀)
新たな獲物である四聖獣三人の姿を見て、鬼畜な雄は先を楽しみ思うのだった。
次話は予定通り、幕間として今回琴乃を呪ったヒミコが鬼畜ショタにアナルを徹底調教されます。
因みに確りと琴乃にヒミコの呪いが掛かっていれば、五感の全てがヒミコに把握されてアマテラス達側の内情が知られるようになっていました。
それをリンドが阻んだので、新たに『死者でいる強制する呪い』だけが残っています。
アマテラス、佐久夜、琴乃の妊娠について。
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琴乃が堕ちた段階で孕ませる
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四聖の社全て攻略後に孕ませる
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サヨ関連終了後に孕ませる
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イザナミも加え、四人そろって孕ませる