※この作品はR-18です。

IZUMO2〜鬼畜ショタ性記〜   作:イズモ

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今回は説明回なのでエロはありません。
次回から白虎と青龍とのエロに戻ります。
その後にアンケート中の幕間3です。

アンケートの締め切りは今週土曜日の0時です。


元四聖獣・白虎妊娠編 7

「先ず僕らの里があった場所をお話しします。このネノクニには別たれたアシハラノクニと境界の壁が薄い場所が三(・)つ(・)存在しています。一つは桃花様と蔓様、二人の精霊が守護されている『アシハラノクニの学び舎』がある山の地です。実はあの山こそ、遥か昔、二つの世界が別れる前に、アシハラノクニとこのネノクニを繋ぐ道があった場所なんです」

 

「なっ!? そ、そうだったのか!?」

 

 リンドの説明を聞いたカグツチは驚き、アマテラスも目を見開く。

 二人が出雲学園のある山の事に関して知っているのは、あくまで二つの世界の境界が薄く悪霊や精霊が渡りやすいという事までだった。

 まさか、遥か昔にアシハラノクニとネノクニを繋ぐ道が存在していた地だったとまでは知らなかった。

 そしてカグツチは思い出す。嘗て四聖獣達と『契りの儀式』を交わす中でみた『胎児の夢』で見た母親であるイザナミと父親であるイザナギが永遠に別れた光景を。

 

(そうか。だからじいっちゃんは、あの場所に出雲学園を建てたりして暮らしていたのか)

 

 祖父だと思って暮らしていた父親の真意をカグツチは悟った。

 夫婦だった二人が永遠に離れる事になった因縁の地。最早会う事は叶わなくても、せめて想い入れるのある場所で暮らしていたのだと。

 

「そしてもう一つは輪廻転生の理がある故に繋がりを持つ『黄泉平坂』です」

 

「それは納得ね。実際あそこの番人に認められて条件が揃えば、アシハラノクニで死んだ者が蘇れるって話もあるから、境界が薄いのは分かるわ」

 

「その通りです、ツクヨミ様。ただ『黄泉平坂』を通れるアシハラノクニの神は少ないんです。死の理から繋がっているので、神でも『死』に関わる者以外は通れません。先ほど述べた『飛天』の神々の中では、『閻魔天』だけが『黄泉平坂』から来る事が出来ます」

 

(やっぱり、リンドの言う『閻魔天』って、『閻魔大王』の事だよな)

 

(『閻魔大王』がリンド君達の敵だなんて……)

 

 アシハラノクニでも知れ渡っている死後の裁定者と呼ばれる存在まで、ネノクニの敵として存在している。

 神となった身であるカグツチも、そしてあまり信心深くない琴乃も驚くしかない事だった。

 

「最後の三つ目。僕らの里はこの場所に滅ぼされるその時まで二千年の間、ずっと存在していました。その場所はネノクニ最大の霊峰が聳え立つ場所。『富士大樹海』です」

 

「っ……やはり、あの地でしたか」

 

「お気付きだったんですね、アマテラス様?」

 

「ええ……青龍から貴方が祖先より受け継いだ呪法『樹界降誕』の詳細を聞き、そしてその存在が司るものが『豊穣』と聞いた事で該当する地はあるかを調べ、『富士大樹海』ではと予測していました」

 

 『富士大樹海』。

 その地はネノクニで尤も自然に満ち溢れ、実りなども豊かで多くの人間達が村や里を築いて暮らしていた。

 アマテラスが治める里とは距離がある為に、噂やその地方から訪れた者からしか話を知らないが、嘗てヨモツオオカミが躍進をしていた頃は、その樹海に避難して生き延びた者が多かったと言われている。

 だが、何事も良い事ばかりではない。『富士大樹海』には実りを豊かにする精霊の類が存在していると人々から思われていたために、その精霊と『契りの儀式』を交わせば、自分達の里や村やより豊かになると考えるのものは当然いた。

 故に『富士大樹海』の奥深くに存在していると思われていた精霊を求めて、周囲の村や里は実りによって精強に成長した神官や巫女、或いは屈強な若者を送り込んだ。

 しかし、誰一人として帰って来る者はいなかった。一人たりとも『富士大樹海』の奥から戻って来た者はいない。

 中には兵をあげて『富士大樹海』を攻め落とそうとした里や村もあったが、送り込まれた兵達は一歩踏み入れた瞬間に、大樹海を構成している草木に襲われ、養分にされ、里や村から実りが一夜にして消え去る。事前に備蓄していた物さえ容赦なく消えるか、毒物へと変貌して里や村は滅びると伝えられている。

 まるで人に実りを与えている草木の激怒を示すかのような現象。それ故に、『富士大樹海』に手を出す者はいなくなり、その地に存在していると思われる精霊の存在も謎とされていた。

 

「それが精霊ではなく、精霊と交わりし、このネノクニの陰たる貴方の一族だったのですね、リンド?」

 

「はい……仰る通り、僕らの里は『富士大樹海』の奥深くに存在し、其処からネノクニを襲う外敵や何らかの事情で『理』が乱れた時に動き、『理』を整える役を担っていました。ですが、出来るだけネノクニの内の争いには干渉しないようにしていました」

 

(確かに……リンドの一族がどの勢力かに肩入れするだけで、その勢力は信じられない程の恩恵を受けられる)

 

 リンドの先祖であるサギリから得られた一族の遺産の数々を渡して貰えただけに、カグツチはその恩恵を実感していた。

 それは軍事を担っているカグツチだけではなく、祭事を担っている里長であるアマテラスも同じだった。

 

(リンドが里に来てからの、作物や周囲の木々の実りが多く増え、それに伴って獲物を獲れている。これが『豊穣』の側面を持つ精霊の力によるもだとすれば、里の発展などにどれほど貢献してしまうのか想像も出来ない)

 

 実際にアマテラスは巫女頭で葉子から、リンドが里に来る前と来る以前の収穫などの違いも伝えられている。

 戦時下だと言うのに、祭りが幾度も行なえるほどに備蓄が存在し、兵達が戦場に出ても問題が無いほどに蓄えは存在していた。

 更にこれまで生育が失敗していた作物の類も、リンドが告げた意見通りにすると、不思議と豊かに育っている。

 おかげで『アシハラノクニの学び舎』にあった本来ネノクニに無い農作物の種である『トマト』や『じゃがいも』などの生育も成功し、年内には里の皆に食べさせて今後の生育も委ねられる見通しが立っていた。

 

(……何と言う力……里への貢献に置いてリンドは人知れず、これほどまでに貢献していたと言うのですか?)

 

 記憶が戻ったのは数日前だが、その前から既にリンドは精霊の力を無意識に行使して里に貢献してたのだとアマテラスは悟った。

 

(リンド、凄い、凄いよ♥)

 

 自身が愛している少年の凄さを実感した佐久夜は、熱く濡れた眼差しを向ける。

 

「ですが、あの日……一族が滅ぼされたあの日、『富士大樹海』の中に存在していた歴代の当主である『樹界降誕』の使い手が施した当代の当主が扱える『樹界降誕』の効力を引き上げる木々が一斉に破壊されたんです」

 

『なっ!?』

 

 告げられた事実にアマテラス、カグツチ、ツクヨミ、そして佐久夜は目を見開いていた声を上げた。

 『富士大樹海』は長年突破された事が無い地。その地の結界の要が一斉に全て崩壊したなど普通は在りえない。

 だが、その在りえない事がリンドの一族に最初に襲い掛かった出来事だった。

 

「里の皆が動揺する中、次に襲い掛かったのは炎を主体とする悪霊の軍勢の襲来でした。奴らはとにかく樹海の木々や草木を焼き払う事に集中していて、斥候に出ていた大人はそれを確認して、これは明確に自分達の事を知る何者かの襲撃だと察し、急いで迎え撃つ準備が始まりました」

 

 ただ木々を破壊するだけならばともかく、焼き払うとなれば『樹界降誕』の効力の一つである『周囲の木々に影響を及ぼし、結界の効力範囲を広げる』を敵側は知っているという事に他ならない。

 何故ネノクニの内から詳細を消され、陰となった自分達の事を知っているのかと疑問に思いながらも、リンドの一族はとにかく子供達を避難させる事を優先した。

 例え里の周囲を囲まれても、避難用に敷いた先祖の精霊の影達が遺産を守護している空間に逃れる転移陣が存在している。精霊の影達の空間は遺産を管理する為もあるが、同時に里に何かあった時の為の避難先の役割も担っていたのだ。だが……。

 

「転移陣は……使えませんでした……何者かが転移を妨害する結界を張り巡らせていたんです」

 

 徹底的なまでの対策を敵側は施していた。

 転移を封じられては、大切な子供達を避難させる事も出来ない。何とか転移を妨害している結界しようとした時、遂にやって来たのだ。

 二千年以上の時を超えて蘇り、新たな悪霊の長となったヒミコこと、徐福が率いる悪霊の軍勢が四方八方、一切の逃げ道を封じるように円状に陣形を組んで里を包囲するような形で侵攻してきた。

 

「それでも当主である母様が発動させた『樹界降誕』によって、何とかいきなりの殲滅は防げました……だけど、アイツらは……僕らの一族の最大の弱点まで知っていたんです……」

 

「最大の弱点? それは一体?」

 

「……僕のような一族の血を引いた幼い子供です」

 

 親にとって子は代えがたい何よりの宝と言われている。

 増してやリンドの一族は、本来ならば子を為せない筈の精霊の血を引いている一族なのだ。それ故に何があっても子だけは護らないといけないと言う本能がある。

 

「……分かるわね。私も色々と困った子だけど、息子のニニギの事は大切に想っているから」

 

 ツクヨミがそう呟くと、親であるアマテラスとカグツチも深く頷いた。

 だが、その最大の弱点を突かれてしまったが故に、リンドの一族は連携も思うように出来なくなり劣勢が続き、悪霊側に囚われてしまう者まで出てしまった。

 

「聞きますが、囚われたのですか? 殺される事なく?」

 

「恐らくですが、ヒミコ側は僕らを滅ぼした後の事も考えて行動したんだと思います。実際不利な状況でしたが、かなりの数の悪霊を討伐し、相手側の将と軍師にも手傷を負わせる事が出来たと戦場に出ていた父様や母様、皆が言っていました」

 

「ミナカタとオオナムジに手傷をか」

 

(しかも、今の話だと万全だったら討ち取れていたかも知れないのか)

 

 圧倒的に不利な状況でありながらも、それでも敵側に多大な被害を齎したリンドの一族に精強さにカグツチは戦慄する。

 二千年もの間、外敵からネノクニを護り続け、今ではアシハラノクニの神々と渡り合えたのは誇張でも何でもない純然たる実力に寄るもの。だが、そんな彼らを以てしても……圧倒的に不利な状況は覆し切れなかった。

 

「敵の一族への対処は万全でした。最大の切り札である『八尺瓊』を使用させない為に大量の悪霊の軍勢で包囲……以前僕が一瞬だけ記憶を取り戻して、『八尺瓊』を使用して『妖やかしの森』の悪霊を一掃した時には悪影響はありませんでしたが、ヒミコ側の軍勢は中級から上級で構成された軍勢でした……それらを『八尺瓊』で消し去ってしまえば、世界のバランスが崩れてしまう事を危惧して母様は軍勢には使用できず、ヒミコに対しても吸収した力の種類が余りにも多すぎた為に対象を絞り切れないと母様は言っていました」

 

 そして力の中心であるヒミコ本人にも迂闊に『八尺瓊』の力を使えない。

 中心が無くなった力がどうなるか分からず、『八尺瓊』が連続で使用できない事も踏まえて、ヒミコや付き従う悪霊軍勢への使用は断念するしかなかったのだ。

 何処までもリンドの一族へ見事なまで対処していたヒミコ側の動きに、アマテラス、カグツチ、ツクヨミは認めたくはないが見事と思うしかなかった。

 

「ヒミコに関しては私達も本気で悩まされてるわよ」

 

「ええ……迂闊に討伐すれば、これまで彼女が奪って来た力が新たな強大な悪霊と成ってネノクニに顕現するか……或いはアシハラノクニに渡って転生していた力の本来の持ち主に宿ってしまう恐れまであります」

 

「俺達も迂闊にヒミコを討伐をすればどうなるか知れてよかったが……どうすれば良いのか分からなくて困っているぐらいだ」

 

 強大な力の集合体と呼ぶべき存在に至っているヒミコへの対処は、今後の戦いにおいて重要な課題。

 一年の猶予は認めるしかないが、アマテラス達も何もしない訳には行かないのだ。

 

「そして囚われていくもの、怪我を負って戦闘が出来なくなる者が出ていく中、母様は禁術の使用を決断するしかありませんでした」

 

 このまま戦っても勝ちは見通せず、さりとてネノクニへの悪影響を及ぼすやり方も使用できない。

 ならば、ヒミコが望む物を一切渡さず、新たなネノクニの神であるアマテラスとカグツチに後を託す事をリンドの母親は決意した。

 

「そして僕に禁術の解呪を行ない……母様と側近の皆は僕を場所も定まっていない転移術を使ったんです」

 

 正体が不明の何者かによる転移封じの結界は張られているが、リンドの一族とて伊達に神々を敵に回していない。

 一人だけならば結界を張っている何者かに気付かれる事なく、里の外に転移させる事が出来る準備を終えていた。

 そしてリンドは悲しさに包まれながらも、一族の者達に見守られながらただ一人、ヒミコ側の誰にも気づかれる事なく里の外に転移し、自分以外の一族の滅びを血の呪縛によって知りながら探し求めた。

 自身の血を受け継ぐ子を宿す母と成る精霊を。

 

「だけど、場所も定まっていない転移の影響か……或いは僕が憎しみに支配されて後先考えずに『八尺瓊』が手元に戻った時、ネノクニに存在している悪霊を滅ぼしてしまう事を母様達が恐れたのか分かりませんが、転移した後の僕は自分の出自も力の使い方も忘れてしまっていました……幸いにも転移した先が『妖やかしの森』で、精霊である桃花様がご支援してくれた事には深い感謝しかありません。そして記憶がなくなっていた僕を里で保護してくれた事、改めて感謝いたします、アマテラス様、カグツチ様、ツクヨミ様」

 

 深々と三つ指を床に着いてリンドは頭を下げながらアマテラス達に礼を述べた。

 

「……顔を上げて下さい、ネノクニの陰たる者。貴方は今後のネノクニを陰を担う者なのです。必要な時はともかく、何度も頭を下げる事はありません」

 

「……はい、アマテラス様」

 

 厳しさはあっても優しさも感じられる声にリンドは返事を返して頭を上げ、姿勢を正した。

 

「それで今後はどうするつもりですか? 青龍を通して『八尺瓊』から『黄泉平坂』の異変の件は聞き、此方は青龍が子を出産した後に対処する予定でしたが」

 

「はい、記憶を取り戻して青(・)龍(・)と話した時に、その話は聞きました」

 

(っ!? せ、青龍様を呼ぶ捨てに……そ、そんな……リンド)

 

 明らかに以前よりも仲が深まっているとしか思えない呼び方に、佐久夜は危機感を覚えて不安そうにリンドを見つめる。

 自身に向けられている佐久夜の不安そうな視線にリンドは勿論気がついているが、敢えてこの場では佐久夜の不安を晴らすような言葉は口にせずに話を進める。

 

「それでなんですが……実は……いるんです」

 

「いるって何がだ?」

 

「……『黄泉平坂』には、カグツチ様、ツクヨミ様が青龍と共に会った僕らの一族の先祖の精霊の影であるサギリお婆様と同じ先祖の精霊の影……名は『サヨ』。一族に嫁入りした精霊の中で最も僕ら一族の者への愛が深く、同時に最狂とまで恐れられた『呪』を司る龍の化身だった精霊です」

 

 何処か怯えを含んだ声でリンドは己の先祖の事を語り、アマテラス達は言いようのない不安を抱かずにはいられなかったのだった。

 

 

「■■■■■■■■■■■■」

 

 『黄泉平坂』の奥深く。

 其処には四つの人型をした肉塊が等間隔で並び立ち、その前に黒衣と血のように赤黒い袴を着た銀髪の美女が瞳が縦状になっている龍眼を煌めかせながら聞くだけで悍ましさを感じさせる呪文を唱えていた。

 四つの肉塊の正体は、死した共に一時的に与えられる『ヨモツシコメ』。まだ、人の魂が宿っていない『ヨモツシコメ』の肉塊は悍ましく、人間ならば嫌悪感を感じてしまうだろう。

 しかし、呪文を唱えている美女は嫌悪感など無い。何故ならばその『ヨモツシコメ』の肉体が、女にとって何よりも必要な物であり、その為に用意したのだから。

 そして四つの『ヨモツシコメ』の肉体の前には、綺麗に輝く小さな光-『牛頭と馬頭に弄ばれた無垢な魂』-が浮かんでいて、それ以外にもそれぞれの魂の傍には精巧な形状を持ち、見るものに美しさと共に力強さを感じさせる魅力を秘めた『弓』、『扇』、『薙刀』、『篭手』の四つが存在していた。

 それらはアマテラス達の里にある精霊武具。だが、その四つの精霊武具はツクヨミが得た『大地の力を宿す一刀』と同じ、最上位の精霊武具。つまり、四聖獣級かそれ以上の精霊の力を宿した武具だった。

 四聖獣は確かにネノクニ最高位の精霊だが、アシハラノクニ側でも同じ最高位の精霊は神秘が溢れていた時代に存在していた。そんな精霊達もリンドの一族に迎えられ、己の力を子孫に残していた。

 そして精霊武具を守護し管理しているのは、遺産の守護者であるリンドの一族の精霊の影だった者。

 牛頭と馬頭の愚かな享楽によって、『無垢な魂』と仮初の肉体である『ヨモツシコメ』を用いて蘇り、新たな『黄泉平坂』の番人の役割を得た『呪』を司る龍の化身である精霊の影『サヨ』は、今まさに本体の己が密かに編み出し、《《義娘》達以外に告げなかった禁術を行使していた。

 もしもその禁術の存在を『サヨ』とその『義娘』達以外のかの一族の者が知っていれば、決して『サヨ』の精霊の影を『黄泉平坂』に残させなかっただろう。

 だが、結局知られず、番人たる役割を放棄した牛頭と馬頭の享楽によって復活を果たし、今の己に不要な一部を捨て去った『サヨ』に躊躇いはない。

 

「………『黄泉帰天』」

 

 次の瞬間、浮かんでいた四つの『無垢な魂』と『精霊武具』、そして肉体となる『ヨモツシコメ』が輝く。

 しかし、その輝きは決して優しさを感じられるような輝きではない。激しい憎悪と悲しみに満ち溢れた輝きは、『精霊武具』から発せられている。

 そして光が治まった後には四人の女性が、それぞれの『精霊武具』を手に持って立っていた。

 四人ともそれぞれ魅力は違うが美しく、普通の人間ではあり得ない神秘さを持っていた。

 

「久しぶりね……『義娘』達」

 

「っ!!」

 

 ドンッと『薙刀』を持った女が石突の部分で岩の大地を叩いた瞬間、地面が爆発したように粉砕された。

 その衝撃は凄まじいものだったが、『サヨ』も含めて残る三人の女達も衝撃の影響を受けた様子はなく、舞い上がった土埃を『篭手』を装備した女が払う。

 

「落ち着けよ、『薙刀』」

 

「これが落ち着いていられますか!! 私達の末裔がたった一人を残して滅ぼされたのですよ、『篭手』!!」

 

「……皆いない……もう壁になった……壁になったら、転生も出来ないのに……」

 

「『弓』。泣くべきではありません……末裔達は最後の最後まで立派に役目を果たしたのですから」

 

「『扇』! 貴女は受け入れるつもりですか!?」

 

「『薙刀』。末裔達の決意は誇るべき事……ですが、そうなった理由の愚か者達は別です……フフッ」

 

 『扇』の精霊武具を持った女は冷笑を浮かべて笑った。

 見る者の心を凍てつかせんばかりの冷たい微笑み。その微笑みを確認した『サヨ』は満足げに頷く。

 

「で、御袋様よ、これからどうするんだ? 言っておくが待てなんぞ、言うなよ」

 

 ガァンっと『篭手』の精霊武具をぶつけ合って打ち鳴らした女は、『サヨ』に問いかけた。

 周囲の温度がジリジリと上がり、岩肌の地面は凄まじい熱気によって焦がされ、このまま行けば地面が溶けてしまいそうな勢いだった。

 

「義母様……教えて……蘇った私達は……何をすればいいの?」

 

 『弓』を持った精霊武具の女の周囲では稲妻を迸らせた風が吹いている。

 自分同様に蘇った義(・)娘(・)達も同じ気持ちを抱いていると分かり、『サヨ』は満足そうに頷きながら厳かに口を開く。

 

「怨敵たるヒミコとその一党をコロシツクス……そして盟約を果たそうとしない残る二体の四聖獣と四つの霊地を確保するわ。フフッ、ハハハハハハハハハッ!!!」

 

 悍ましい哄笑が黄泉平坂に響く。

 その哄笑を聞いた精霊武具を持った四人の女性達は、満足そうに頷く。

 

 それはリンドにとって最大の予想外。確かに別の場所にいる先祖の精霊の影達は、『黄泉平坂』にいる先祖の精霊の影の目的を知っても協力はしない。寧ろリンドに報告して何としても止めさせただろう。

 だが、他に居たのだ。『黄泉平坂』の精霊の影である『呪』を司る龍の化身に協力する存在がいたのだった。




今回出た最後のお方の一人、『呪』を司る方の『サヨ』の容姿のイメージは、『龍宮小夜』です。分体の方は当然あのミニチュアサイズの『和魂小夜』です。
新たに出現した四人と共に討伐してはならない状況で、ヒミコとその一党の討伐、そして玄武と朱雀を狙っています。

アマテラス、佐久夜、琴乃の妊娠について。

  • 琴乃が堕ちた段階で孕ませる
  • 四聖の社全て攻略後に孕ませる
  • サヨ関連終了後に孕ませる
  • イザナミも加え、四人そろって孕ませる
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