IZUMO2〜鬼畜ショタ性記〜 作:イズモ
エロ前にそろそろ誕生させないといけませんからね。
アンケートの締め切りは来週の日曜日の0時までです。
出雲学園の地下空間。
リンド達の秘密の場所であり、桃花とその娘の李花、そして妊娠して臨月の蔓が暮らしている場所。
無論、昼間は地上に出て過ごしているが、それ以外の時は清純且つ霊地として最も優れたこの場で過ごしている。
そんな秘密の場所に新たな住人が増えたのだが……。
「………」
新たな住人である白虎は羞恥心から顔を真っ赤に染めてテーブルに頭を抱えるように突っ伏していた。
「……大丈夫ですか、
「……大丈夫ではない、桃花……こうして平静に戻ってみると、恥ずかしさが止まらないんだ」
子を為した事で力を扱えるようになり普段着のネノクニ民族衣装を纏えるようになった白虎だが、リンドと行なった数々の行為と自らの痴態を思い起こせば恥ずかしさが止まらなかった。
羞恥の余り、この地下に来てからずっと恥ずかしさで落ち込み続け、地下空間の端の方で身悶え続けたほど。しかし、その細く綺麗な首にはリンドから贈られた木の皮製の首輪が巻かれている。
白虎が完全にリンドの番の雌に堕ち、同じように堕ちて子を為した桃花と蔓も気持ちを察する。
「確かに主様とシテいる時は、進んでシテしまいますが」
「冷静に戻ると恥ずかしさを感じてしまいますからね」
我を忘れたような痴態の数々。
桃花と蔓も散々リンドにさせられ、自ら進んで披露する事もある。リンドとの行為が始まってしまえば尚更であり、そうなるように調教されてしまった桃花、青龍、蔓は今では自分から痴態を晒すのも興奮するようになっている。
だが、僅か数日前までは性行為の経験など、カグツチとの『契りの儀式』以外では二千年もの間全く経験がなかった白虎にとってはすぐに己の痴態の全てを受け入れる事は出来なかった。
「は、恥ずかしさでどうにかなりそうだが……きっと私は主人様が求めたら、また痴態を晒してしまいそうで怖いんだ」
「それは間違いなく……」
「晒してしまうでしょう。私達もそうですから」
「うぅ……や、やはりそうなのか」
その時の痴態を想像したのか白虎は身体を震わせて、テーブルの上で頭を抱える。
ならばいっそリンドから離れればと思うが、それが出来る筈がない、既に白虎にとってリンドと言う番の雄の存在から離れる事など出来ないのだ。
実際、これ以上に無いほど羞恥心を感じていても、リンドとの行為を求めている自分が居る事も白虎は分かっている。だからといってすぐに受け入れられるほど、白虎はまだ性に関しては未熟だった。
「あうあぅ」
羞恥心で白虎が悶えている中、桃花とリンドの娘である李花は白虎のゆらゆらと揺れている尻尾を興味深そうに見ていた。
精霊の血を引いているが故に成長が普通の人間よりもずっと早い李花は、既にハイハイで動き回るようになっていた。無論、怪我などしないように地下でありながらも柔らかな芝生が地面に生えている。
その上に李花も自らの精霊の力に目覚めている為なのか、生えた芝生はまるで李花を慈しみ敬うように靡いている。
そんな李花が小さな手を伸ばし、白虎の尻尾を捕まえようとしている姿は愛らしく、桃花と蔓は顔を綻ばせながら見つめる。
「李花は白虎さんの尻尾に興味津々のようですね」
少しでも羞恥地獄から離れさせようと桃花が声を掛けると、漸く白虎は顔を上げて自分の尻尾で遊んでいる李花に目を向けた。
「……本当に愛らしい子だ」
ゆっくりと白虎は李花に手を伸ばして、まるで壊れやすいものを扱うような力加減で抱き抱える。
抱き抱えられた李花は嫌がる素振りもなく、寧ろ嬉しそうに顔を綻ばせて白虎に小さな手を伸ばす。
「あぅぅ~」
「こらこら、私の耳に興味を覚えるのは良いが、咥えたりしては駄目だぞ」
李花は尻尾と同じようにフサフサの毛で覆われている白虎の獣耳に手を伸ばして触ったりを繰り返している。
勿論、赤子特有の口の中に入れそうになるのは警戒しながら、リンドと『真の契りの儀式』を結ぶ前には感じなかった愛おしさを堪能していく。
「良き子を産んだな、桃花。青龍の子と同じく強い力を感じる。蔓の方もだ」
「ええ、私の一番大切な宝物です」
白虎の腕に抱かれている李花を見つめながら桃花は微笑み、蔓も大切そうに命の宿る腹部を撫で回す。
その様子を見た白虎も命の宿った己の下腹部に視線を向ける。まだ形を成していなくても、白虎の胎内には己の後を継ぐ次代の四聖獣『白虎』となる者が宿っている。
その命は白虎にとって最早かけがえようのない命。それを護るためならば、嘗ての仲間であるヒミコと麒麟を滅ぼす覚悟は出来ていた。
「ところで白虎さん? 何故四聖獣で会った時の貴女は、徐福の事を敬称付けで呼んでいたのですか?」
「それは私も気になっていました。少なくともヒミコの正体が、嘗ての貴女方四聖獣が人間だった頃の主だったと判明した時点でも、ヒミコは主様の一族を滅ぼし、アマテラス様やカグツチ様の命を明確に狙い、このネノクニを滅ぼそうとしていた悪霊の長です。現に主様と『真の契りの儀式』を結び終えた青龍さんは、その正体を知ってからは明確な敵意をヒミコに向けていました。ですが……その白虎様を含めた他の四聖獣の方々は……」
ヒミコへの敵意が青龍と比べて薄かった。
無論、ヒミコの蛮行に対する怒りはあったが明確な敵意と言う感情は薄かったように桃花と蔓は感じていた。
だからこそ、『八尺瓊』の逆鱗に触れてしまい、予定よりも早く白虎と『真の契りの儀式』を結ばねばならなくなったのだ。
「うむ……確かに主人様と『真の契りの儀式』を結び終える前の私は
白虎は子を宿す前に、リンドから事前にヒミコと麒麟の過去の所業を聞かされていた。
あくまでのその時は可能性だったが、後からツクヨミが『楓』から聞かされた話によって事実だと判明したうえに、想像していたよりもずっと深くヒミコはヨモツオオカミと繋がりを持っていた。
それは明確な四聖獣への麒麟とヒミコの裏切り。当時、四聖獣の四人はヨモツオオカミの蛮行を止める為と聞かされていたのに、実はヨモツオオカミと密かに手を結んでいたとなれば大きく意味合いが変わる。
「恐らくだが、徐福がヨモツオオカミと手を結んだのは、どんな形にしてもヨモツオオカミは二つの世界の在り方を崩壊させようとしていたからだ。対してイザナミは今の形の世界の存続を望んでいた」
「だから、崩壊させる側であるヨモツオオカミとヒミコは四聖獣の皆様に秘密して手を結び、麒麟と共にその配下となっていたのですね」
「その通りだろう。だが、結局のところヨモツオオカミが優先したのは二つの世界の在り方の崩壊よりも、自身を裏切った人間達への復讐だった。それで見切りをつけて、ネノクニに来てから離れていた私達の手も借りて挑んだ。その結果は知っての通り私達の敗北だった」
「……そしてヨモツオオカミの消滅後に悪霊として蘇り、今の世界の在り方を崩壊させる為に主様の一族を滅ぼしたと言う訳ですか」
ヒミコが世界の現状を憂いて行動しているのは事実だが、悪霊として蘇った事もあってその方法はこれ以上に無いほどにネノクニにとって害悪な行為も辞さない状態になっている。
しかも、リンドの一族を滅ぼす前よりもヒミコ本人もその勢力も大幅に弱体化しているのだから尚更になりふり構わなくなり、『反魂の術』の禁忌にまで手を染めて未来の琴乃を現在のネノクニに召喚までした。
「私も青龍同様にもう徐福と麒麟に対しては容赦をするつもりはない。主人様の心に癒えぬ傷を負わせた罪も、今のネノクニを揺るがした罪も、過去に私達を謀っていた罪も合わせて報いをくれてやるつもりだ」
揺るぎない意志。白虎の決意に満ちた瞳と声からそれを感じた桃花と蔓は、安心したように微笑む。
(それにしても……主人様が綾香の娘である琴乃にも手を出していたとは……いや、血筋を考えれば仕方がないのかも知れないが)
腕の中に抱く李花をあやしながら、白虎はリンドが明確に番の雌として狙い、子を孕ませようとしている恩人の娘である琴乃の事を考える。
琴乃に流れる血は長い間、嘗てのネノクニの神であるイザナミに仕えていた神官の血筋。今は失われてしまったネノクニに置いて尊き血筋なのだ。
母親である綾香に至っては、カグツチと共に白虎達の試練を突破し、邪神ヨモツオオカミを打ち倒した者。
その血を引く琴乃自身も『無属性』と言う稀有な属性を宿し、更には『あらゆる呪具の力を条件を無視して引き出してしまう』と言う凄まじい力まで持っている。しかも、同じ『無属性』の精霊武具である『横笛』に既に主とまで認められている。
容姿も整っている美少女であり、一目見て本能からリンドが人間で『強い子供』を産めると確信できた二人目の者。唯一の問題であった肉体の方も、既に解消され、これから本格的に修業を受ければ、母親である綾香同様に短期間で少なくとも里の巫女達を超える実力を得られるのは間違いなかった。
そんな相手を『一族再興』の為に強き子を産める女性を探していたリンドが見逃す筈がない。
(………綾香には申し訳ないが、主人様が琴乃を狙うのを止める事は出来ない)
出来るのならば、白虎と同じように綾香の事を知っている桃花と青龍が止めている。
更に言えば既に手遅れ。白鳥琴乃は、既にリンドによって犯され、その心身に見えない蔦が雁字搦めに絡まってしまっているのだから。
白虎が何をしようとも手遅れで在り、寧ろ番の雄のリンドの不興を買うだけでしかない。
襟元から覗く木の皮の首輪に手を伸ばして触れようとしている李花をあやしながら白虎が考えを巡らせていると……遂にその時が訪れる。
ひゅぅ―――………っ
『っ!?』
桃花、蔓、白虎はその兆候を確かに感じた。それは三人だけではない。
白虎の腕の中で手を伸ばしていた李花は、母である桃花と同じ色の瞳を洞窟の壁の方に向ける。その方向に在るのは、アマテラスの里。
北の地にある玄武の社である『黒曜石の城』で待機していた玄武も。
南の地にある朱雀の社であるネノクニで最も美しいと称される神殿で待機していた朱雀も
かの一族の遺産を探してネノクニ中を旅している麒麟とオオナムジも。
『蓬莱山』に身を潜めているヒミコと、その護衛役である悪霊の将であるミナカタも。
『黄泉平坂』で自らの血筋の一族を滅ぼしたヒミコへの報復の準備を進めている者達も。
もう間もなくアマテラスの里に辿り着こうとしている小さな存在も。
ネノクニに今、残っている力ある者達が全員が、このネノクニに起きた重大な変化を悟った。
「……このネノクニの風が……」
「ええ……風が……止みました」
「青龍……遂にその時が来たのだな」
「あぅあぅっ!!」
古き四聖獣の一角がその役目を終え、新たな四聖獣が生まれる時が遂に訪れたのだった。
「んああああああああっ!!!!! あああああああああああっ!!!!」
「青龍!! 気をしっかり持つのです!!」
「気を抜いたら一瞬で喰われるわよ!! リンド!! 若木の出力を上げて気をどんどん渡しなさい!!」
「はい!!」
アマテラスの屋敷にある青龍が暮らしている部屋の中。
その部屋の中は戦場さながらに慌ただしい様相だった。遂に訪れた青龍が次代の四聖を産み落とすその時が来た。
だが、予想していた通り、いやそれ以上に青龍の出産は難産を極めていた。此処最近の大人しさは何処へ行ったと言うように、今まさに青龍の全てを奪い尽くして子は産まれようとしていた。
出産の痛みと自らの気や霊力を、精霊として産まれる為に吸収し続ける胎内の我が子の行為に絶叫を上げ続ける青龍。
その青龍の手を握って自らの気を送り続け、体力と霊力の回復の為に『樹界降誕』の若木を維持して出力を無理のない範囲で引き上げているリンド。
出産の助産婦としてアマテラスとツクヨミは青龍の補佐を続けるが、状況は芳しくなかった。何せ絶え間なく痛みと力の吸収を繰り返しているので、青龍は出産に望めずにいる。
『樹界降誕』の若木で痛みを軽減していても、なお耐えられず、かといって一瞬でも気を抜けば青龍の全てを奪い尽くして出産と言う形ではなく、顕現と言う形で新たな四聖獣が誕生しかねない。
後者であれば青龍は消滅して仕舞う。それをさせない為にリンドは青龍の手によって自らの手に激痛を感じても、必死に気と『樹界降誕』の維持に専念する。
「くっ! 不味いわね! 葉子! 青龍の汗を拭う布が足りなくなって来たから、新しい清潔な布を用意して! 使い終わった布は部屋の外に待機している巫女達に『清めの術』を使わせて綺麗にしておきなさい!」
「分かりました、ツクヨミ様!」
「それと葉子! 青龍のお腹の下を隠せる簡単な布での衝立の準備も!」
「はい! アマテラス様!!」
出産の光景は失敗すればトラウマになりかねい光景でもあるので、父親であるリンドへの配慮も考えてのアマテラスの指示。
目まぐるしく動き回り、葉子が布を抱えて部屋の外に出ると其処で待っていたカグツチ、佐久夜、琴乃が心配そうに顔を向けてきた。
「葉子さん……青龍の様子はどうなんだ?」
「……状況は芳しくありません。やはり霊地の問題が大きいらしく、リンドの呪法と気だけでは足りずに青龍様は出産に集中できずにいます」
「そんな……」
「あ、あの何か手伝えることはありますか?」
「では、琴乃様。これからこの布を巫女達が『清めの術』で清潔にしますので、それを畳むのを手伝って頂けますでしょうか?」
「は、はい!」
「琴乃さん! 『清めの術』なら私も使えるから手伝うよ!」
佐久夜にとって青龍はライバルではあるが、それとこれは別であり、新たな命を誕生させようとしている青龍を自分に出来る事で支援する為に葉子が持っていた汚れた布を受け取り、『清めの術』を施していく。
(こういう時、男の俺が出来る事って、本当に無いよなぁ)
子を産む青龍の傍に居るのは、父親であるリンドの役割であり、カグツチは結果が出るその時が来るを待つしかない。そう思っていたところで……。
「カグツチ様!」
「ん?」
呼ばれたカグツチが振り返ってみると、巫女の一人である霧が慌てて走って来た。
「何かあったのか?」
「は、はい……信じられないような話なのですが、その……」
霧は口にしている本人も疑っているような顔をしながらカグツチに事情を説明した。
聞き終えたカグツチは、『速玉』の呪法まで使用して屋敷から飛び出し、里の出入り口に急行していった。
「あぐぅっ!! あああああああああっ!!!」
「青龍! 確り!!」
(……不味いわね。『樹界降誕』の若木の回復力よりも、青龍の力を吸収される方が上回っているわ)
(その上に、既にリンドも青龍に気と霊力をかなり送ってしまっている……幾ら桃花さんの加護で『常時体力回復』があるからとは言え、この勢いでは回復が追い付かない)
状況はどんどん絶望的になって来ていた。
このままでは新たな四聖獣が誕生したとしても、最悪な結果として世に誕生してしまう。それだけは何としても避けたいとリンド、ツクヨミ、アマテラスは思っても、最早どうする事も出来ない。
せめて霊地の後押しがあれば別だが、この場こそがアマテラスが治める里内で最大の霊場であり、これ以上の霊脈の後押しを受ける事は出来ない。
「リ、リンド様……」
「青龍! 大丈夫だから! 絶対に無事に産まれるから!」
「い、いえ……あくっ! 覚悟は出来ています……この子の事をお願いします」
「駄目だ!!」
「青龍! 諦めてはいけません!!」
「母親になるアンタが諦めてどうするの!? 気をしっかり持ちなさい! 青龍!!」
出産の激痛と遠退きそうな意識に弱音を溢す青龍を必死に励ますリンド、アマテラス、ツクヨミ。
だが、現実的に状況は絶望的。今は『常時体力回復』のおかげで何とかもっているリンドの気と霊力が枯渇すれば、その瞬間に胎内の子は母である青龍から足りない分の力を根こそぎ奪って
無論、リンド、アマテラス、ツクヨミはそんな事を望んでいない。特にリンドは大切な家族と成ってくれた青龍を失いたくないと強く思い、必死に何か方法はないのかと気を送り、『樹界降誕』の若木の維持に専念する。
「リンド! あの滝の時のように『樹界降誕』を大樹として顕現させたらどうなの!?」
「……駄目です。大樹の状態はあくまで効果範囲を広げるだけで、若木の状態でも回復力は同じなんです」
「そんな……」
ツクヨミの質問にリンドは悔しそうにしながら答え、アマテラスが声を溢した。
打開策のない絶望的な状況の中、突如として部屋の扉の向こう側から声が響く。
「末裔!! ただ気を送るだけじゃ精霊寄りの子は産まれません!!」
『っ!?』
いきなりの大きな大声に部屋の中にいた全員の目が其方に向く。
ポワンっと小さな光の球が扉を通り抜け、真っ直ぐにリンドの肩辺りで止まった。
そして光が消えた後には、二頭身ぐらいの小さな存在が『木魂』と『産魂』をそれぞれ五個ずつ自身の周囲に浮かせながら浮かんでいた。
左側に緑の髪飾りの球をつけた銀の髪を靡かせ、二頭身でデフォルメされているので愛くるしさを感じる顔。巫女服に似た着物を纏ったその相手は、人ならざる縦に割れた眼の龍眼を険しく細めながら出産の激痛に苦しむ青龍を見つめる。
「間に合いました」
「何者です!?」
「青龍とリンドに何の用があるのかしらっ!」
見知らぬ相手を警戒してアマテラスとツクヨミは叫んだ。
しかし、そんな二人を止めたのは……他ならぬその相手を肩に載せているリンドだった。
「待って下さい! アマテラス様! ツクヨミ様!! この方は、僕のご先祖様です!!」
『なっ!?』
告げられた事実にアマテラスとツクヨミは固まる。
だが、リンドに先祖と呼ばれた存在は一刻も猶予もないと言うように、自分の周囲に浮かんでいる部屋に入る前に用意して貰った『木魂』と『産魂』を五個ずつ操り操作する。
合計十個の力の結晶である『魂』は、青龍を中心に合計十芒星になる位置に浮かび上がる。
「新たなネノクニの神とその姉。良くぞ持たせてくれました。後は私がやります」
告げると共にリンドに先祖と呼ばれた小さな存在は、出産で苦しむ青龍と必死にその手を掴んでいるリンドを改めて眺め、小さな手でリンドの頭を優しく撫でる。
「末裔。そしてその伴侶。よく頑張りましたね」
「……『サヨ』ご先祖様。何故貴女が此処に……」
『サヨ』。その名を持つ先祖は『黄泉平坂』にいるべき存在。
この場に居るはずがない。いや、絶対に居てはならないのだ。何故なら既に『サヨ』と言う名の存在は遥か昔に世を去り、その影だけが『黄泉平坂』に残っているだけの筈。
そして精霊の影は本体が作った異空間から出ることが出来ない存在。なのに、今リンドの目の前に『サヨ』は姿形は違っているが現れた。
姿形は変わっても面影は残っている上に、その身から発せられる気配は、間違いなくリンドが知る『サヨ』だった
質問されたサヨは申し訳なさそうな顔をしながら、それでもこれまでの苦労を労わるように自身の末裔であるリンドの頭を小さな手で優しく撫でる。
「詳しい事は後でします。今は貴方の伴侶の出産を無事に終えることに集中しないといけません」
言い終えるとサヨは真剣な顔をして出産に苦しむ青龍と向き合い、青龍の真上に浮かび上がると印を組んでいく。
伝えねばならない重大な事は沢山あるが、今は一秒たりとも無駄には出来ないのだ
それを見ていたアマテラス、ツクヨミは目を見開く。今サヨが組んでいる術式は、卓越した術師であるアマテラスとツクヨミも知らない、だが一目見て高度なものだとを理解出来るものだった。
術が組み上がって行くと共に浮かんでいた十個の『魂』も輝きを増していく。そして組み上がると共にサヨは術を発動させる。
(分体どころか切り捨てられたこの身で行使はかなりキツイですが……末裔をこれ以上悲しませない為に! 何よりも産まれ来る子に親殺しの罪過を背負わせない為にも!)
「ネノクニの東方の地の霊脈よ! 我が呼び声と対価に応じ、霊脈の守護者たる者の誕生に一時、この場とその霊脈を繋げたまえ!!」
術の発動と共に宙に浮かんでいた五個の『木魂』が甲高い音を響かせながら砕け散る。
一見すれば貴重な『木魂』を無駄に消費したように見える行ない。だが、次の瞬間、膨大な霊力が霊脈を通って青龍に流れ込んで行く。
「こ、これは!?」
「まさか!? この地の霊脈と青龍の社に繋がる霊脈を繋げたというのですか!?」
突然、霊脈から流れ込んで来た膨大な力に青龍は目を見開き、アマテラスはサヨが行なった高位の術式の効果に叫んだ。
霊脈の操作など神であるアマテラスでも出来ない。いや、決してしてはならない行為。何故なら過剰な霊脈の操作は、それだけで霊脈の安定を乱し、ネノクニに悪影響を及ぼしかねないからだ。
(……代償を支払う事で悪影響を最小限にしたのね)
冷静に様子を見ていたツクヨミはサヨの見事なまでの霊脈への悪影響を最小限に、且つ効率よくこの場と東方、つまり本来青龍がいるべき社に流れる霊脈を繋げて見せた事に感嘆するしかなかった。
「次です! 生命の『魂』よ! 新たな命の誕生にその身を捧げなさい!!」
霊脈を操作しながら更なる術をサヨは発動させる。
同時に『木魂』に続き、『産魂』も五つ同時に砕け散り、膨大な生命力が陣の中心にいた青龍に流れ込んで行く。
「はぁっ、はぁっ……んくぅっ!」
生命力が回復した青龍の顔に血の気が差し、青白くやせ細りかけていた身体も活力が戻った。
「これで生命力の補完は終わりました! さぁ、此処からが長丁場です! 嘗ては里一番お産婆の龍と言われた私の指示に従って下さい!!」
そのサヨの号令と共に、青龍の出産と言う激戦が本格的に始まった。
出産は予想通り難産の上に長丁場となり、青龍本人や気を送るリンドも何度も限界を迎えて枯渇しそうになり、その度にサヨが運んで来て貰った『和玉』や『産玉』を対価にして回復をさせていく。
『魂』を対価にした時の回復力に比べれば劣るが、それでも充分に出産に挑めるので問題はない。
アマテラスもツクヨミも、新たな四聖獣の誕生の代価ならば構わないと、サヨの指示に従って青龍の出産を手伝っていく
途中からは術を理解したアマテラスとツクヨミも回復に力を貸し、霊脈の操作の仕方もサヨに教えられた。
そして陣痛が始まってから丸一日近く経った頃……。
……オギャァッ!! オギャァァッ!!
四聖獣『青龍』の名を継ぐ新たな存在が、ネノクニに誕生し、再び清涼な風がネノクニの空や大地に吹いたのだった。
漸く産まれました。名前は次回で。
次回は琴乃ではありませんがエロありです。
アマテラス、佐久夜、琴乃の妊娠について。
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琴乃が堕ちた段階で孕ませる
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四聖の社全て攻略後に孕ませる
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サヨ関連終了後に孕ませる
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イザナミも加え、四人そろって孕ませる